ISO22000認証を取得する流れとは?準備から審査・認証取得までの進め方を解説
株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
監修者情報 金光 壮太
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。
これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。
イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
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株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
- ISO27001(ISMS)
- ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
- ISO認証取得支援
- ISO運用支援
- 更新審査・再認証審査支援
- 内部監査支援
- マネジメントレビュー支援
- ISOコンサル会社の比較・調査・監修
ISO22000認証を取得するには、審査を申し込む前に、社内で食品安全マネジメントシステムを構築し、実際に運用し、記録を残しておく必要があります。 取得目的や対象範囲を決め、食品安全チームをつくり、HACCPやPRPの運用状況を確認し、内部監査とマネジメントレビューまで実施してから、認証審査へ進む流れが一般的です。 初めてISO22000担当になった方は、何から始めればよいのか、第1段階審査と第2段階審査は何が違うのか、不適合が出たらどうなるのか、取得までどのくらい準備すればよいのかで迷いやすいものです。 文書を作るだけでなく、現場で運用した記録を残す必要がある点も見落とされがちです。 この記事では、ISO22000認証取得までの流れを、準備、構築・運用、審査、維持の4段階で整理し、各ステップで何を準備すべきか、審査で何を見られるか、取得後に何を続ける必要があるかまで、初心者にも分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- ISO22000認証取得は、準備、構築・運用、審査、維持の4段階で考えると全体像を理解しやすくなります。
- 審査前には、取得目的、対象範囲、食品安全チーム、HACCP運用状況、必要な手順と記録を整理し、実際に運用しておく必要があります。
- 内部監査とマネジメントレビューは、認証審査前に自社の仕組みを確認し、改善するための重要なステップです。
- 第1段階審査では文書や準備状況、第2段階審査では現場運用や記録の実態を確認されるのが一般的です。
- ISO22000は取得して終わりではなく、取得後も毎年の維持審査と3年ごとの更新審査に向けて継続運用する必要があります。
ISO22000認証を取得する流れとは?まず全体像を整理
ISO22000認証を取得する流れは、大きく分けると準備、構築・運用、審査、維持の4段階です。
まず、なぜISO22000を取得するのか、どの拠点や製品を対象にするのか、ISO22000でよいのかFSSC22000も検討すべきかを整理します。
そのうえで、食品安全チームをつくり、現在のHACCP運用や衛生管理記録を確認します。
次に、食品安全マネジメントシステムを構築し、実際に運用します。
食品安全方針、食品安全目標、PRP、ハザード分析、OPRP、CCP、トレーサビリティ、不適合対応、緊急時対応などを整え、温度、清掃、点検、教育、是正処置などの記録を残します。
文書を作るだけではなく、仕組みが現場で動いていることが重要です。
その後、内部監査とマネジメントレビューを行い、自社の仕組みを確認・改善してから認証機関の審査へ進みます。
審査では、第1段階審査と第2段階審査を受け、不適合があれば是正対応を行います。
認証取得後も、毎年の維持審査と3年ごとの更新審査に向けて運用を続けます。
| 段階 | 主な内容 | 担当者が意識すること |
|---|---|---|
| 準備 | 取得目的、対象範囲、体制、現状把握を行う | 何のために、どこまで取得するかを決める |
| 構築・運用 | 方針、目標、PRP、HACCP、手順、記録を整える | 現場で実際に運用し、証拠を残す |
| 審査 | 第1段階審査、第2段階審査、是正対応を行う | 文書と現場の整合性を説明できるようにする |
| 維持 | 維持審査、更新審査、継続的改善を行う | 取得後も年間計画で運用を続ける |
イソログに寄せられたリアルな声
ISO22000認証取得の相談では、何から始めればよいか分からないという声が多くあります。
取引先から取得を求められたものの、対象範囲、必要な記録、審査までの期間、社内で巻き込むべき部門が整理できていないケースは少なくありません。
また、審査という言葉だけが先行して、社内で仕組みを運用して記録を残す期間が必要だと知らないまま相談に来るケースもあります。
ISO22000では、審査前に食品安全マネジメントシステムが実際に動いていること、内部監査とマネジメントレビューを実施していることが重要です。
ここでは、イソログに寄せられる相談傾向をもとに、ISO22000認証取得の流れで担当者がつまずきやすい場面を整理します。
ISO22000認証取得の準備から審査までで、担当者が悩みやすい場面を相談傾向として整理しました。
Cases
失敗談・相談事例
取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。
何から始めればよいか分からず、審査日程だけ先に考えていた
イソログ相談事例
取引先から取得予定を聞かれたため、まず審査機関に申し込めばよいと思っていましたが、社内の仕組みづくりと運用記録が先だと分かりました。
ISO22000は申し込みだけで取得できるものではありません。
取得目的、対象範囲、体制、現状把握から順番に進めましょう。
清掃や温度確認はしているのに、審査で示せる記録が足りなかった
イソログ相談事例
現場では日常的に管理していましたが、確認者、基準外対応、是正処置、教育記録が残っておらず、運用の証拠として弱い状態でした。
ISO22000では実施した事実だけでなく、確認、判断、是正、改善まで説明できる記録が必要です。
品質管理部門だけで進めようとして、現場協力が得られなかった
イソログ相談事例
書類作成は進みましたが、製造、購買、物流、営業、経営層の役割が決まっておらず、運用段階で止まりました。
ISO22000は食品安全チームで進める仕組みです。
早い段階で部門ごとの役割と経営層の関与を明確にしましょう。
第1段階審査と第2段階審査で何を見られるのか分からなかった
イソログ相談事例
審査が2段階あることは知っていましたが、文書確認と現場運用確認の違いが分からず、準備の優先順位をつけられませんでした。
第1段階では準備状況、第2段階では現場運用と記録を見られると整理すると、必要な準備が明確になります。
認証取得後も維持審査があることを後から知った
イソログ相談事例
取得までの準備に集中していましたが、毎年の維持審査や3年ごとの更新審査に向けて継続運用が必要だと分かりました。
ISO22000は取得して終わりではありません。
取得後も年間計画で内部監査、レビュー、改善を続ける前提で進めましょう。
ステップ1:取得目的と必要な規格を確認する
ISO22000認証取得の最初のステップは、取得目的を明確にすることです。
取引先から求められているのか、販路拡大のためか、食品安全事故の予防か、社内管理の標準化か、海外取引を見据えているのかによって、進め方や優先順位が変わります。
取得目的が曖昧なまま進めると、必要以上に大きな仕組みを作ってしまったり、逆に取引先が求める認証に届かなかったりすることがあります。
特に、ISO22000でよいのか、FSSC22000やJFS規格など別の食品安全認証が必要なのかは、取引先要求を確認してから判断しましょう。
また、認証取得の期限も重要です。
取引条件としていつまでに取得が必要なのか、取得予定を示せばよいのか、審査中でも暫定的に認められるのかによって、スケジュールの組み方が変わります。
最初に目的、規格、期限を整理しておくと、社内説明やコンサル会社への相談がしやすくなります。
| 確認項目 | 確認する内容 | 判断への影響 |
|---|---|---|
| 取引先要求 | 認証が必須か推奨か、ISO22000でよいか | 取得優先度と必要な規格が変わる |
| 販路拡大 | 新規取引や海外取引で評価されるか | 投資判断の材料になる |
| 食品安全強化 | 事故予防やクレーム削減が目的か | 重点的に整える工程が見える |
| 社内標準化 | 拠点間ばらつきや属人管理を減らしたいか | 適用範囲や体制に影響する |
| 期限 | いつまでに取得が必要か | スケジュールと支援範囲が変わる |
ステップ2:対象範囲を決める
次に、ISO22000の対象範囲を決めます。
対象範囲とは、どの拠点、どの製品、どの工程、どの部門を食品安全マネジメントシステムの対象にするかという範囲です。
ここが曖昧なままだと、必要な手順や記録、審査範囲、費用を正しく見積もることができません。
食品製造業であれば、特定の工場だけを対象にするのか、複数工場を含めるのか、倉庫や出荷工程も含めるのかを確認します。
包装資材、物流、保管、給食、飲食、原材料などの事業では、食品安全に影響する工程や外部委託先との関係も整理する必要があります。
対象範囲を決めるときは、取引先が求める範囲と、自社が実際に管理できる範囲の両方を見ることが大切です。
認証範囲を狭くしすぎると取引先要求に合わない可能性があり、広げすぎると準備負担や審査費用が大きくなることがあります。
| 項目 | 整理する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 拠点 | 本社、工場、倉庫、店舗、営業所 | 複数拠点を含めると審査範囲が広がる |
| 製品 | 対象製品、製品群、ブランド、受託製品 | 取引先が求める製品範囲と合わせる |
| 工程 | 受入、製造、包装、保管、出荷、提供 | 食品安全に影響する工程を漏らさない |
| 部門 | 品質管理、製造、購買、物流、営業 | 食品安全に関わる部門を含める |
| 外部委託 | 委託加工、配送、保管、清掃、害虫防除 | 管理責任や確認方法を整理する |
ステップ3:食品安全チームと社内体制をつくる
ISO22000の構築は、品質管理部門だけで完結するものではありません。
食品安全に関わる部門を横断して、食品安全チームや推進体制をつくる必要があります。
製造、品質管理、購買、物流、設備管理、営業、総務、経営層など、食品安全に関わる役割を整理しましょう。
食品安全チームは、HACCPやPRPの整備、ハザード分析、手順や記録の確認、教育、内部監査、改善活動を進める中心になります。
食品安全チームリーダーや事務局を決めるだけでなく、各部門が何を担当するのかを明確にすることが重要です。
経営層の関与も欠かせません。
ISO22000では、トップマネジメントが食品安全方針を示し、必要な資源を確保し、目標や改善の方向性を確認することが求められます。
経営層が関与しないまま担当者だけで進めると、現場協力や改善投資が得られず、運用が止まりやすくなります。
| 役割 | 主な担当 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 経営層 | 方針、目標、資源、レビューの判断 | 取得目的と社内協力を明確にする |
| 食品安全チームリーダー | 全体推進、進捗管理、部門調整 | 権限と責任を明確にする |
| 品質管理 | HACCP、記録、検査、是正処置 | 要求事項と現場記録をつなげる |
| 製造現場 | 手順運用、点検、記録、異常時報告 | 現場で続けられる仕組みにする |
| 購買・物流 | 仕入先、保管、配送、委託先管理 | フードチェーン全体の管理を整理する |
| 営業 | 顧客要求、仕様変更、苦情情報の共有 | 取引先要求を食品安全チームへ伝える |
ステップ4:現状把握とギャップ確認を行う
社内体制を決めたら、現在の食品安全管理の状況を棚卸しします。
HACCPに沿った衛生管理計画、温度記録、清掃記録、点検記録、教育記録、苦情対応、回収対応、アレルゲン管理、異物混入防止、仕入先管理など、すでにある手順や記録を確認しましょう。
現状把握の目的は、ゼロから新しい仕組みを作ることではありません。
すでにできていることを活かし、ISO22000の要求事項に照らして不足している部分を見つけることです。
たとえば、温度記録はあるが基準外時の対応が書かれていない、清掃記録はあるが確認者が決まっていない、教育は実施しているが記録がない、といったギャップを整理します。
ギャップ確認を丁寧に行うと、必要な文書や記録、教育、現場改善、審査までのスケジュールが見えやすくなります。
逆に、現状把握が不足したまま文書作成に入ると、現場の実態に合わない仕組みになりやすいため注意が必要です。
| 確認項目 | 見るべき内容 | よくある不足 |
|---|---|---|
| HACCP運用 | 衛生管理計画、ハザード分析、記録 | 基準外対応や検証記録が不足している |
| PRP | 清掃、手洗い、害虫防除、設備管理 | 手順や責任者が曖昧になっている |
| 教育 | 食品安全教育、力量確認、教育記録 | 実施記録や理解度確認がない |
| 苦情・回収 | 苦情受付、原因調査、回収手順 | 訓練や連絡先更新が不足している |
| 仕入先管理 | 原材料、包装資材、委託先の確認 | 評価基準や定期確認が弱い |
| 文書管理 | 手順書、様式、改定履歴 | 最新版管理ができていない |
ステップ5:食品安全方針・目標・計画を整える
ISO22000では、食品安全方針、食品安全目標、目標達成のための計画を整える必要があります。
食品安全方針は、会社として食品安全をどのように守るのかを示す基本方針です。
経営方針や事業内容、取引先要求、法令順守、消費者への責任と矛盾しない内容にすることが重要です。
食品安全目標は、方針を実務に落とし込むための目標です。
たとえば、苦情件数の低減、アレルゲン誤表示防止、温度記録の遵守率向上、教育受講率、内部監査指摘の是正完了率など、自社の課題に合わせて設定します。
抽象的なスローガンだけでなく、誰が、いつまでに、何を、どのように行うかを決めましょう。
目標と計画は、審査で確認されやすいポイントです。
目標が食品安全方針とつながっているか、実施計画があるか、進捗を確認しているか、達成できなかった場合に見直しているかを説明できるようにしておきます。
| 項目 | 整理する内容 | 記録例 |
|---|---|---|
| 食品安全方針 | 会社として食品安全を守る基本方針 | 方針文書、周知記録 |
| 食品安全目標 | 改善したいテーマと達成基準 | 目標管理表 |
| 実施計画 | 担当者、期限、方法、必要資源 | 目標達成計画 |
| 進捗確認 | 目標の達成状況を定期確認する | 会議記録、進捗表 |
| 見直し | 未達成時の原因と改善を整理する | レビュー記録、是正記録 |
ステップ6:PRP・HACCP・必要な手順と記録を整備する
食品安全方針や目標を整えたら、現場の運用に関わるPRP、HACCP、必要な手順と記録を整備します。
PRPは前提条件プログラムで、清掃、手洗い、害虫防除、設備管理、従業員衛生、交差汚染防止、保管管理など、食品安全の土台になる一般衛生管理です。
HACCPでは、製品や工程ごとにハザード分析を行い、管理すべき危害要因を整理します。
必要に応じてOPRPやCCPを設定し、管理基準、モニタリング方法、基準外時の対応、記録方法を決めます。
加熱、冷却、金属検出、アレルゲン管理、温度管理など、自社の工程に合った管理が必要です。
さらに、トレーサビリティ、不適合製品の管理、回収手順、緊急時対応、仕入先管理、外部委託先管理、文書管理なども整えます。
重要なのは、現場で続けられる手順と記録にすることです。
審査用に複雑な書類を増やすのではなく、実務で使える形に落とし込みましょう。
| 分野 | 整備する内容 | 記録例 |
|---|---|---|
| PRP | 清掃、手洗い、害虫防除、設備管理 | 清掃記録、点検記録、防虫防鼠記録 |
| HACCP | ハザード分析、管理点、管理基準 | HACCPプラン、モニタリング記録 |
| トレーサビリティ | 入荷から出荷まで追跡できる仕組み | ロット記録、出荷記録 |
| 不適合管理 | 基準外品や異常時の対応 | 不適合記録、是正処置記録 |
| 緊急時対応 | 回収、停電、設備故障、汚染発生時の対応 | 回収手順、訓練記録 |
| 仕入先管理 | 原材料、包装資材、委託先の確認 | 仕入先評価、仕様書、監査記録 |
ステップ7:実際に運用して記録を残す
ISO22000では、手順や記録様式を作っただけでは不十分です。
決めた仕組みを実際に運用し、記録を残す必要があります。
審査では、文書があるかだけでなく、現場で手順どおりに運用されているか、記録が継続的に残っているか、基準外のときに適切に対応しているかを確認されます。
運用記録には、温度記録、清掃記録、設備点検記録、害虫防除記録、教育記録、モニタリング記録、不適合記録、是正処置記録、苦情対応記録、回収訓練記録などがあります。
記録は、後からまとめて作るものではなく、日常業務の中で無理なく残せるように設計することが重要です。
また、記録を残すだけでなく、誰が確認するのか、基準外のときにどう判断するのか、改善が必要な場合にどこへつなげるのかを明確にしておきましょう。
記録は審査のためだけでなく、食品安全上の異常を早く見つけ、再発防止につなげるための道具です。
ISO22000の審査では、手順書だけでなく、実際に運用した記録と基準外対応の実態が重要になります。
ステップ8:内部監査を実施する
認証審査を受ける前に、内部監査を実施します。
内部監査とは、自社で決めた食品安全マネジメントシステムがISO22000の要求事項に合っているか、現場で実際に運用されているかを確認する活動です。
審査前の予行演習ではなく、自社の仕組みを改善するための重要なステップです。
内部監査では、文書や記録だけでなく、現場の作業、担当者への聞き取り、記録の整合性、基準外時の対応、教育の実施状況などを確認します。
たとえば、手順書に書かれた温度基準と現場の記録が合っているか、異常時の対応が記録されているか、食品安全方針や目標が周知されているかを見ます。
内部監査で指摘事項が出た場合は、原因を確認し、是正処置を行います。
指摘を放置したまま認証審査に進むと、同じ問題が外部審査で不適合として指摘される可能性があります。
内部監査は、審査前に自社で弱点を見つける機会として活用しましょう。
| 確認項目 | 見る内容 | 記録例 |
|---|---|---|
| 要求事項への適合 | ISO22000の要求事項に対応しているか | 監査チェックリスト |
| 現場運用 | 手順どおりに作業しているか | 現場確認記録、聞き取りメモ |
| 記録の整合性 | 記録漏れや基準外対応の抜けがないか | 温度記録、清掃記録、是正記録 |
| 教育 | 必要な教育が実施されているか | 教育記録、力量表 |
| 改善 | 指摘事項が是正されているか | 是正処置記録、効果確認記録 |
ステップ9:マネジメントレビューを実施する
内部監査の後は、マネジメントレビューを実施します。
マネジメントレビューとは、経営層が食品安全マネジメントシステムの運用状況を確認し、改善や資源配分を判断する場です。
ISO22000では、食品安全を担当者任せにせず、経営層が仕組みの有効性を見直すことが重要です。
マネジメントレビューでは、食品安全目標の達成状況、内部監査結果、苦情、不適合、是正処置、法令や取引先要求の変化、外部委託先の状況、食品安全チームの活動、資源の不足、改善の必要性などを確認します。
単なる会議ではなく、次に何を改善するかを決める場にしましょう。
レビューの結果は記録として残します。
審査では、経営層がどの情報を確認し、どのような判断をしたか、改善指示があるか、必要な資源が確保されているかを確認されることがあります。
マネジメントレビューを実施していない、または記録がない状態では、仕組みの継続的改善を説明しにくくなります。
| 確認項目 | 内容 | レビュー結果の例 |
|---|---|---|
| 食品安全目標 | 目標の達成状況と未達成理由 | 目標の見直し、追加対策 |
| 内部監査結果 | 監査指摘と是正状況 | 是正期限の設定、責任者の決定 |
| 苦情・不適合 | 発生傾向、原因、再発防止 | 手順改定、教育強化 |
| 資源 | 人員、設備、教育、予算の不足 | 設備改善、教育計画の承認 |
| 外部変化 | 法令、取引先要求、製品変更 | 適用範囲や手順の見直し |
ステップ10:認証機関を選び、審査を申し込む
社内の構築・運用、内部監査、マネジメントレビューが進んだら、認証機関を選び、審査を申し込みます。
認証機関は、ISO22000の審査を行い、要求事項への適合性を確認する第三者機関です。
認証機関によって、審査実績、対応地域、審査費用、日程調整、食品分野への知見などが異なります。
申し込み前には、対象範囲、拠点数、従業員数、製品や工程、希望取得時期、既存認証の有無などを整理しておくと、見積もりや審査日数を確認しやすくなります。
取引先から特定の認証機関を求められている場合や、認定の有無を確認される場合もあるため、事前に要求を確認しましょう。
認証機関との契約後は、審査日程、審査対象部門、必要資料、審査員の構成、審査当日の流れを確認します。
審査日が決まったら、社内の関係部門に日程と準備事項を共有し、現場の記録や説明担当者を整理しておきましょう。
| 項目 | 確認する内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 審査実績 | 食品分野や自社業種の審査経験 | 業種特性を理解した審査を受けやすい |
| 認定 | 必要な認定を受けた機関か | 取引先説明に関係する場合がある |
| 費用 | 初回審査、維持審査、更新審査の費用 | 取得後の負担も見込むため |
| 日程 | 希望取得時期に間に合うか | 取引先要求の期限に影響する |
| 審査範囲 | 拠点、製品、工程、部門の範囲 | 見積もりと審査計画に影響する |
ステップ11:第1段階審査と第2段階審査を受ける
ISO22000の認証審査は、一般的に第1段階審査と第2段階審査に分かれます。
第1段階審査では、食品安全マネジメントシステムの文書や準備状況、適用範囲、内部監査やマネジメントレビューの実施状況、第2段階審査に進める状態かを確認されます。
第2段階審査では、現場で仕組みが実際に運用されているかを確認されます。
審査員は、現場確認、記録確認、担当者への聞き取りを通じて、手順と実態が合っているか、HACCPやPRPが運用されているか、基準外時の対応が適切か、改善につながっているかを見ます。
第1段階審査は書類だけ、第2段階審査は現場だけと単純に分けられるわけではありませんが、初心者は、まず準備状況を確認され、その後に運用実態を詳しく確認されると理解すると分かりやすくなります。
どちらの審査でも、決めたことを実際に行い、記録で説明できる状態が重要です。
| 審査 | 主な確認内容 | 準備すること |
|---|---|---|
| 第1段階審査 | 文書、適用範囲、準備状況、内部監査、レビュー | 必要文書と審査準備状況を整理する |
| 第2段階審査 | 現場運用、記録、担当者理解、是正処置 | 現場説明と運用記録を確認する |
| 共通 | 要求事項と自社運用の整合性 | 文書と現場のずれをなくす |
| 審査後 | 指摘事項や不適合への対応 | 原因確認と是正処置を行う |
ステップ12:不適合が出た場合は是正対応を行う
審査で不適合が出た場合は、是正対応を行います。
不適合とは、ISO22000の要求事項や自社で決めた手順に対して、満たしていない部分がある状態です。
たとえば、必要な記録がない、内部監査が実施されていない、基準外時の対応が記録されていない、現場運用と手順書が一致していないといったケースがあります。
不適合が出た場合に大切なのは、指摘された箇所を表面的に直すだけで終わらせないことです。
なぜ記録が残らなかったのか、なぜ手順と現場がずれたのか、なぜ教育が不足したのかを確認し、再発防止につながる是正処置を行います。
必要に応じて、手順改定、記録様式の見直し、教育、担当者変更、確認ルールの追加を行います。
是正対応を行ったら、証拠を整理して認証機関へ提出します。
対応が認められれば、認証判定へ進みます。
審査は落とすためのものではありませんが、不適合への対応が不十分だと認証取得が遅れる可能性があります。
内部監査の段階で弱点を見つけ、審査前に改善しておくことが重要です。
| ステップ | 実施内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 指摘内容の確認 | どの要求事項や手順に対する不適合か確認する | 指摘の意図を正しく理解する |
| 原因確認 | なぜ不適合が起きたかを調べる | 記録漏れだけでなく仕組みの弱さを見る |
| 是正処置 | 手順改定、教育、記録見直しなどを行う | 再発防止につながる対応にする |
| 証拠整理 | 対応後の記録や改定文書をまとめる | 認証機関に説明できる形にする |
| 効果確認 | 是正後に同じ問題が起きていないか確認する | 次回審査でも見られやすい |
ISO22000取得後に必要な維持審査・更新審査
ISO22000は、認証を取得して終わりではありません。
取得後も、毎年の維持審査と、3年ごとの更新審査に向けて食品安全マネジメントシステムを継続運用する必要があります。
取得時だけ文書や記録を整えても、日常運用が止まると審査で指摘を受ける可能性があります。
維持審査では、取得後も食品安全方針、目標、PRP、HACCP、記録、内部監査、マネジメントレビュー、是正処置が継続して運用されているかを確認されます。
更新審査では、認証の有効期間を更新するために、より広い範囲で仕組みの有効性を確認されます。
取得後の運用を安定させるには、年間計画を作ることが大切です。
教育、内部監査、マネジメントレビュー、食品安全目標の確認、仕入先評価、回収訓練、記録の見直しなどを年間スケジュールに入れ、担当者任せにしない仕組みにしましょう。
| 活動 | 内容 | 頻度の考え方 |
|---|---|---|
| 日常記録 | 温度、清掃、点検、モニタリング | 日常業務に合わせて継続 |
| 教育 | 新任者教育、定期教育、力量確認 | 入社時、変更時、定期的に実施 |
| 内部監査 | 仕組みと現場運用を確認する | 年1回以上を目安に計画 |
| マネジメントレビュー | 経営層が運用結果を見直す | 内部監査後や年度単位で実施 |
| 維持審査 | 認証機関が継続運用を確認する | 毎年実施されるのが一般的 |
| 更新審査 | 認証の有効期間更新に向けた審査 | 3年ごとに実施されるのが一般的 |
ISO22000認証取得をスムーズに進めるなら支援先を比較しよう
ISO22000認証取得をスムーズに進めるには、自社の現状と取得目的に合う支援先を選ぶことが重要です。
自社にHACCP運用やISOマネジメントシステムの経験がある場合は、自力で進められることもあります。
一方、初めてISO22000を取得する会社、記録や手順が未整備の会社、取引先要求の期限がある会社では、コンサル会社の支援を受けた方が進めやすい場合があります。
支援先を比較するときは、価格だけで判断しないようにしましょう。
食品分野の支援実績、自社業種への理解、HACCPやPRPの整備支援、現場で使える記録様式、内部監査やマネジメントレビューの支援、審査前確認、取得後の運用支援まで含めて確認します。
ISO22000でよいのか、FSSC22000やJFS規格も検討すべきかを相談できるかも大切です。
また、コンサル会社に依頼しても、食品安全の運用は自社で続ける必要があります。
支援を受ける場合も、取得後に自社で回せる仕組みを作ってくれるか、現場に無理のない形で整えてくれるかを見ましょう。
複数社の提案を比較すれば、準備期間、費用、社内工数、支援範囲を把握しやすくなります。
ISOコンサル会社選びで迷ったら、まずは比較してみましょう。
目的や規格に合う会社を整理し、取得までの進め方を確認できます。
おすすめ会社を見るよくある質問
ISO22000認証取得は何から始めればよいですか?
まず取得目的と必要な規格を確認します。
取引先要求なのか、販路拡大なのか、食品安全体制の強化なのかを整理し、ISO22000でよいのかFSSC22000など別の規格も必要なのかを確認します。
その後、対象範囲、社内体制、現状把握へ進みます。
ISO22000認証取得までの主な流れは何ですか?
主な流れは、取得目的の確認、対象範囲の決定、食品安全チームの編成、現状把握、食品安全方針・目標の整備、PRP・HACCP・手順と記録の整備、運用記録の作成、内部監査、マネジメントレビュー、認証機関への申し込み、第1段階審査、第2段階審査、是正対応、認証取得です。
ISO22000の審査前に運用記録は必要ですか?
必要です。
ISO22000では、文書や手順を作るだけでなく、実際に運用して記録を残していることが重要です。
温度記録、清掃記録、点検記録、教育記録、モニタリング記録、不適合や是正処置の記録などを、現場で継続的に残せるようにしておきましょう。
第1段階審査と第2段階審査の違いは何ですか?
第1段階審査では、文書、適用範囲、準備状況、内部監査やマネジメントレビューの実施状況などを確認されるのが一般的です。
第2段階審査では、現場で仕組みが実際に運用されているか、記録が残っているか、担当者が理解しているかを詳しく確認されます。
ISO22000審査で不適合が出たら認証取得できませんか?
不適合が出ても、是正対応を行い、認証機関に認められれば認証取得へ進めます。
重要なのは、指摘された箇所を表面的に直すだけでなく、原因を確認し、再発防止につながる是正処置を行うことです。
ISO22000取得までにどのくらいの期間がかかりますか?
取得期間は、会社の規模、対象範囲、HACCP運用状況、記録の整備状況、社内体制によって変わります。
すでにHACCPや記録が整っている会社は比較的進めやすい一方、手順や記録をこれから整える会社では、準備と運用に時間を見込む必要があります。
ISO22000取得後も審査はありますか?
あります。
ISO22000は取得して終わりではなく、取得後も毎年の維持審査と3年ごとの更新審査に向けて継続運用する必要があります。
内部監査、マネジメントレビュー、教育、記録管理、是正処置などを年間計画に入れて続けることが重要です。
ISO22000認証取得はコンサル会社に相談した方がよいですか?
自社にHACCP運用やISOの経験がある場合は自力で進められることもあります。
ただし、初めて認証取得を目指す場合、記録や手順が未整備の場合、取引先要求の期限がある場合、FSSC22000との比較も必要な場合は、食品分野に詳しいコンサル会社を比較して相談すると進めやすくなります。
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監修者コメント
上位記事は取得ステップを説明しているものの、社内構築・運用と認証機関の審査フローが混ざりやすい。
本記事では初めて担当する読者が、どの段階で何を準備すべきか追えるように構成した。
公開前にCMS側のカテゴリー名が `ISO22000初心者コンテンツ`、URL階層が `/column/iso22000/beginner/` で問題ないか確認すること。