ISO22000の内部監査とは?目的・進め方・チェック項目を解説
株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
監修者情報 金光 壮太
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。
これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。
イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
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株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
- ISO27001(ISMS)
- ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
- ISO認証取得支援
- ISO運用支援
- 更新審査・再認証審査支援
- 内部監査支援
- マネジメントレビュー支援
- ISOコンサル会社の比較・調査・監修
ISO22000の取得や運用では、内部監査の実施が欠かせません。 内部監査は、自社の食品安全マネジメントシステムがISO22000の要求事項や自社で定めたルールに適合しているか、そして食品安全の目的に対して有効に機能しているかを確認する活動です。 しかし実務では、「何を聞けばよいのか分からない」「チェックリストを読み上げるだけになっている」「不適合を出すと現場との関係が悪くなりそう」「是正処置までつながらない」といった悩みが起こりやすいです。 特にISO22000では、一般的なマネジメントシステムの確認に加えて、PRP、HACCP、ハザード分析、OPRP、CCP、トレーサビリティ、緊急時対応など、食品安全固有の観点も確認する必要があります。 この記事では、ISO22000の内部監査とは何か、内部監査が必要な理由、外部審査との違い、適合性と有効性の見方、基本的な進め方、監査計画書、内部監査員の力量、チェックリストの作り方、食品安全固有のチェック項目、質問例、不適合・是正処置・フォローアップまで、基本コンテンツとして実務に落とし込みやすく解説します。
この記事でわかること
- ISO22000の内部監査は、自社の食品安全マネジメントシステムの適合性と有効性を確認する活動です。
- 内部監査は認証取得前だけでなく、認証取得後も定期的に実施し、食品安全管理の改善につなげる必要があります。
- 内部監査では、規格要求事項や自社ルールへの適合だけでなく、PRP、HACCP、OPRP、CCPなど食品安全固有の運用を確認します。
- チェックリストは要求事項の丸写しではなく、自社工程、過去の不適合、重要ハザード、現場記録を踏まえて作ることが重要です。
- 不適合を見つけた後は、修正、原因分析、是正処置、有効性確認まで進め、マネジメントレビューにもつなげましょう。
ISO22000の内部監査とは?まず全体像を整理
ISO22000の内部監査とは、自社の食品安全マネジメントシステムが、ISO22000の要求事項、自社で定めたルール、法令・顧客要求などに適合しているかを確認し、さらに食品安全の目的に対して有効に機能しているかを評価する活動です。
内部監査は、組織の内部の人、または組織が委託した監査員が実施します。
内部監査という言葉だけを見ると、現場のミスを探す活動のように感じるかもしれません。
しかし本来の目的は、粗探しではなく、食品安全上のリスクや仕組みの弱点を早めに見つけ、改善につなげることです。
外部審査で指摘される前に、自社で課題を発見できる点が内部監査の大きな価値です。
ISO22000では、食品安全方針、食品安全目標、責任権限、教育、文書・記録、PRP、HACCP、OPRP、CCP、トレーサビリティ、緊急時対応、不適合・是正処置など、多くの要素がつながって運用されます。
内部監査では、これらが文書上だけでなく、現場で実際に機能しているかを確認します。
内部監査は、ISO22000の仕組みが現場で機能しているかを自社で確認し、改善につなげるための活動です。
イソログに寄せられたリアルな声
ISO22000の内部監査に関する相談では、「初めて監査員を任されたが何を聞けばよいか分からない」「チェックリストを順番に読むだけになってしまう」「現場に遠慮して不適合を出しにくい」「監査後の是正処置が進まない」といった声が多くあります。
また、監査の対象が文書や記録だけに偏り、実際の現場確認が不足しているケースもあります。
ISO22000では、PRPやHACCPの運用、温度管理、清掃、アレルゲン管理、CCP監視、トレーサビリティなど、現場の実態確認が非常に重要です。
記録があるだけで安心せず、現場でルールが守られているか、記録が食品安全の判断に使われているかを見る必要があります。
ここでは、イソログに寄せられる相談傾向をもとに、ISO22000の内部監査で担当者がつまずきやすい場面を整理します。
ISO22000の内部監査を実施する際に、担当者が悩みやすい場面を相談傾向としてまとめました。
Cases
失敗談・相談事例
取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。
内部監査員に任命されたが、何を確認すればよいか分からなかった
イソログ相談事例
ISO22000の要求事項は読んだものの、現場でどのように質問し、どの記録を見ればよいのか判断できませんでした。
監査目的、監査基準、対象工程、重要ハザードを先に整理し、現場の作業と記録を結びつけて確認すると進めやすくなります。
チェックリストを読むだけで、現場の実態が見えていなかった
イソログ相談事例
用意した質問を順番に確認しましたが、実際の作業、記録の使われ方、基準外時の判断まで踏み込めていませんでした。
チェックリストは入口です。
現場では、どのように作業しているか、なぜその基準なのか、記録はどこに残るのかを確認しましょう。
現場との関係を気にして、不適合を出しにくかった
イソログ相談事例
明らかな記録漏れや手順との違いがあっても、担当者を責めるように見えるのが不安で、観察事項にとどめていました。
不適合は人を責めるためではなく、仕組みを直すための情報です。
事実と基準を分けて、改善につながる表現で伝えましょう。
一般的なISO監査になり、食品安全固有の確認が弱かった
イソログ相談事例
方針や教育記録は確認できましたが、PRP、ハザード分析、OPRP、CCP、アレルゲン、トレーサビリティの確認が浅くなっていました。
ISO22000の内部監査では、マネジメントシステムの確認に加えて、食品安全ハザードの管理が現場で機能しているかを見ることが重要です。
監査報告書は作ったが、是正処置が完了しないままになった
イソログ相談事例
不適合を指摘した後、原因分析、対策、期限、責任者、有効性確認が曖昧で、次回監査まで同じ問題が残っていました。
内部監査は報告して終わりではありません。
修正、原因分析、是正処置、有効性確認まで追跡し、マネジメントレビューにつなげましょう。
ISO22000で内部監査が必要な理由
ISO22000で内部監査が必要なのは、食品安全マネジメントシステムが計画通りに運用され、要求事項や自社ルールに適合し、有効に機能しているかを自社で確認するためです。
ISO22000では、9章のパフォーマンス評価の中で内部監査が位置づけられています。
内部監査は、PDCAサイクルのCheckにあたる活動です。
4章から8章で整えた仕組みを運用し、その結果を内部監査で確認し、9章のマネジメントレビューや10章の改善につなげます。
内部監査が形だけになると、仕組みの弱点が見つからず、同じ不適合や食品安全上のリスクが残りやすくなります。
また、内部監査は認証取得前だけに行うものではありません。
取得後の維持審査、更新審査、工程変更、製品変更、クレーム、不適合、法令や顧客要求の変更に対応するためにも、定期的に実施する必要があります。
内部監査を通じて、現場のルールが古くなっていないか、記録が適切に残っているか、改善が進んでいるかを確認しましょう。
| 理由 | 内容 | 実務での見方 |
|---|---|---|
| 要求事項への対応 | ISO22000で内部監査が求められる | 計画的に実施し記録を残す |
| 適合性確認 | 規格や自社ルールに合っているか見る | 手順と現場実態を照合する |
| 有効性確認 | 食品安全の目的に役立っているか見る | 記録、苦情、不適合、目標達成状況を確認する |
| 改善の入口 | 問題や弱点を早期に発見する | 是正処置と再発防止につなげる |
| 審査準備 | 外部審査前に課題を把握する | 文書、現場、記録を整える |
内部監査と外部審査の違い
内部監査と外部審査は、どちらも食品安全マネジメントシステムを確認する活動ですが、目的と立場が異なります。
内部監査は、自社が自社の仕組みを確認し、改善するために行う活動です。
外部審査は、認証機関がISO22000の要求事項に適合しているかを第三者の立場で評価する活動です。
内部監査では、自社の課題や過去の不適合、現場の実態を踏まえて、重点的に見るテーマを決められます。
たとえば、前回の審査で指摘された記録管理、クレームが増えている工程、アレルゲン切替の不安、CCP監視記録の抜け漏れなど、自社にとって重要なリスクに監査時間を使うことができます。
一方、外部審査では、認証機関が規格要求事項や認証範囲に基づいて評価します。
外部審査で初めて重大な問題が見つかると、是正対応に追われることがあります。
内部監査は、外部審査の予行演習としてだけでなく、自社の食品安全管理を自分たちで強くする機会として活用しましょう。
| 項目 | 内部監査 | 外部審査 |
|---|---|---|
| 実施者 | 社内監査員または委託先 | 認証機関の審査員 |
| 目的 | 自社改善と有効性確認 | 認証要求への適合評価 |
| 視点 | 自社課題や重点リスクを深掘りできる | 規格と認証範囲に基づき評価する |
| 結果 | 不適合、観察事項、改善提案 | 不適合、観察事項、認証判断 |
| 活用先 | 是正処置、改善、マネジメントレビュー | 認証取得、維持、更新 |
適合性監査と有効性監査の違い
ISO22000の内部監査では、適合性と有効性の両方を確認することが重要です。
適合性監査とは、ISO22000の要求事項、自社の食品安全マニュアル、手順書、法令・顧客要求に対して、実際の運用が合っているかを確認する監査です。
たとえば、清掃手順に定めた頻度で清掃しているか、CCP監視記録に必要事項が残っているかを見ます。
有効性監査とは、その仕組みが食品安全の目的に役立っているか、意図した結果を出せているかを確認する監査です。
手順通りに記録していても、基準外時の対応が遅れている、同じ不適合が繰り返されている、食品安全目標が改善につながっていない場合は、有効性に課題があると考えられます。
内部監査がチェックリストの読み上げだけになると、適合性の確認に偏りがちです。
ISO22000では、現場で食品安全ハザードが管理されているか、記録が判断に使われているか、是正処置が再発防止になっているかまで見ることで、監査の価値が高まります。
| 区分 | 見ること | 質問例 |
|---|---|---|
| 適合性監査 | 要求事項や手順に合っているか | 手順書通りに記録していますか |
| 有効性監査 | 食品安全の目的に役立っているか | この記録から異常の傾向を確認していますか |
| 適合性の証拠 | 文書、記録、現場実態 | 最新版の手順書はどれですか |
| 有効性の証拠 | 目標達成状況、苦情、不適合、改善結果 | 前回の不適合は再発していませんか |
| 監査の理想 | 両方を組み合わせて確認する | ルール通りか、役立っているかを両方見る |
ISO22000内部監査の基本的な進め方
ISO22000の内部監査は、思いつきで現場を確認するのではなく、計画的に進めることが大切です。
基本的な流れは、年間計画の作成、個別の監査計画、事前準備、チェックリスト作成、現場監査、監査報告、不適合への是正処置、フォローアップ、マネジメントレビューへの報告です。
まず、年間計画でいつ、どの部門や工程を監査するかを決めます。
次に、個別の監査計画書で監査目的、範囲、基準、日程、監査員、被監査部門、重点テーマを明確にします。
監査前には、対象部門の手順書、過去の監査結果、不適合、苦情、食品安全目標、記録などを確認し、重点的に見る項目を決めます。
監査当日は、初回ミーティング、現場確認、ヒアリング、記録確認、監査チーム内の整理、最終ミーティングという流れで進めます。
監査後は、内部監査報告書を作成し、不適合や改善提案を整理します。
不適合については、修正、原因分析、是正処置、有効性確認まで追跡することが重要です。
| ステップ | 実施内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 年間計画 | 監査時期と対象部門を決める | 全範囲を計画的に確認する |
| 2. 監査計画 | 目的、範囲、基準、監査員を決める | 重点テーマを明確にする |
| 3. 事前準備 | 文書、記録、過去指摘を確認する | 現場で見るポイントを絞る |
| 4. 監査実施 | 現場確認、ヒアリング、記録確認を行う | 事実と証拠に基づいて判断する |
| 5. 報告 | 適合、不適合、観察事項をまとめる | 改善につながる表現にする |
| 6. フォローアップ | 是正処置と有効性を確認する | 完了まで追跡する |
内部監査計画書で決めること
内部監査計画書は、監査を場当たり的にしないための重要な文書です。
監査計画書には、監査の目的、範囲、基準、日程、監査員、被監査部門、対象文書、重点テーマ、監査方法などを記載します。
計画が曖昧だと、当日の確認が散漫になり、重要なリスクを見落としやすくなります。
監査目的は、外部審査前の確認なのか、前回不適合のフォローなのか、特定工程の食品安全リスク確認なのかを明確にします。
監査範囲は、部門、工程、製品、拠点、シフトなどで決めます。
監査基準には、ISO22000の要求事項、自社の食品安全マニュアル、PRP手順書、HACCPプラン、法令・顧客要求などが含まれます。
また、重点テーマを設定することも有効です。
たとえば、アレルゲン管理、CCP監視記録、清掃・洗浄、トレーサビリティ、緊急時対応、文書・記録管理など、自社のリスクや過去の指摘に合わせて監査時間を配分しましょう。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 監査目的 | 何のために監査するか | 外部審査対策だけで終わらせない |
| 監査範囲 | 対象部門、工程、製品、拠点 | 認証範囲との整合を確認する |
| 監査基準 | 規格、手順書、法令、顧客要求 | 合否判断の根拠を明確にする |
| 監査員 | 担当監査員、監査チーム | 自部門監査を避ける |
| 日程 | 監査日時、時間配分 | 現場稼働状況を考慮する |
| 重点テーマ | 過去不適合、重要ハザード、変更点 | リスクに応じて監査を深める |
内部監査員の選び方と必要な力量
内部監査員は、誰でも形式的に任命すればよいわけではありません。
ISO22000の内部監査では、規格要求事項への理解に加えて、食品安全、HACCP、PRP、OPRP、CCP、現場作業、記録管理、不適合・是正処置に関する基本知識が必要です。
また、監査員には客観性も求められます。
自分の担当業務を自分で監査すると、慣れや遠慮によって問題を見逃しやすくなります。
そのため、できるだけ自部門を避け、他部門の監査員が確認する体制を整えます。
小規模な会社で人員が限られる場合は、相互監査や外部支援の活用も選択肢になります。
必要な力量としては、規格を読む力、現場の話を聞く力、事実を整理する力、食品安全上のリスクを見つける力、指摘を分かりやすく報告する力があります。
内部監査員教育を実施し、初回は経験者とペアで監査するなど、段階的に力量を高めるとよいでしょう。
| 力量 | 内容 | 確認方法 |
|---|---|---|
| ISO22000理解 | 要求事項と規格構造を理解する | 教育記録、理解度確認 |
| 食品安全知識 | PRP、HACCP、OPRP、CCPを理解する | 実務経験、研修受講 |
| 客観性 | 自部門に偏らず事実で判断する | 監査員割当の確認 |
| ヒアリング力 | 現場から必要な情報を聞き出す | 模擬監査、同行監査 |
| 報告力 | 不適合や観察事項を明確に書く | 報告書レビュー |
| 改善視点 | 指摘を是正処置につなげる | フォローアップ結果 |
チェックリストの作り方
内部監査のチェックリストは、監査を効率よく進めるための道具です。
ただし、ISO22000の要求事項をそのまま丸写ししただけでは、現場で使いにくいチェックリストになりがちです。
重要なのは、自社の工程、手順書、過去の不適合、食品安全目標、重要ハザード、記録の実態を踏まえて質問を作ることです。
チェックリストには、確認項目、監査基準、質問例、確認する記録、確認結果、監査証拠、不適合の有無、コメント欄などを入れると使いやすくなります。
たとえば、「清掃は実施されていますか」ではなく、「清掃手順で定めた頻度、方法、確認者に従って清掃記録が残っていますか。
基準外時の処置は記録されていますか」とすると、確認すべき証拠が明確になります。
また、毎年同じチェックリストを使い回すだけでは、監査が形骸化します。
前回の監査結果、クレーム、不適合、工程変更、新製品、設備変更、法令・顧客要求の変更を反映し、重点項目を更新しましょう。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 確認項目 | 何を確認するか | 工程や手順に合わせて具体化する |
| 監査基準 | 何を基準に判断するか | 規格、手順書、法令、顧客要求を明記する |
| 質問例 | 現場で聞く内容 | 5W1Hで聞ける形にする |
| 確認記録 | 見るべき文書や記録 | 証拠を残せるようにする |
| 判定 | 適合、不適合、観察事項 | 事実と基準に基づいて判断する |
| コメント | 監査証拠や改善提案 | 後から追える内容にする |
ISO22000内部監査で確認したい基本項目
ISO22000の内部監査では、食品安全固有の管理だけでなく、マネジメントシステムとしての基本項目も確認します。
食品安全方針、食品安全目標、組織の状況、責任権限、教育・力量、コミュニケーション、文書・記録管理、内部監査、マネジメントレビュー、不適合・是正処置などが対象になります。
たとえば食品安全方針では、方針が文書化され、従業員に周知され、食品安全目標とつながっているかを確認します。
教育・力量では、必要な力量が定められ、教育が実施され、現場担当者が自分の作業と食品安全の関係を理解しているかを見ます。
文書・記録管理では、最新版の手順書が現場で使われ、記録が正確に残っているかを確認します。
これらの基本項目は、食品安全固有の運用を支える土台です。
PRPやHACCPの記録があっても、責任者が不明確、教育が不足、文書が旧版、是正処置が未完了であれば、仕組みとしては弱くなります。
基本項目と現場運用を切り離さずに確認しましょう。
| 項目 | 確認すること | 見る記録・証拠 |
|---|---|---|
| 方針・目標 | 食品安全方針と目標が運用されているか | 方針、目標管理表、達成状況 |
| 責任権限 | 役割と判断者が明確か | 組織図、責任権限表 |
| 教育・力量 | 必要な教育と力量確認があるか | 教育記録、力量評価 |
| 文書・記録 | 最新版管理と記録保管ができているか | 文書リスト、記録台帳 |
| コミュニケーション | 内部外部の情報共有ができているか | 会議記録、連絡記録 |
| 改善 | 不適合と是正処置が管理されているか | 是正処置記録、有効性確認 |
食品安全固有のチェック項目
ISO22000の内部監査では、食品安全固有のチェック項目を重点的に確認することが重要です。
特にPRP、HACCP、ハザード分析、OPRP、CCP、アレルゲン管理、温度管理、トレーサビリティ、緊急時対応、不適合製品の管理は、食品安全リスクに直結します。
PRPでは、清掃、洗浄、害虫防除、交差汚染防止、要員衛生、設備管理、保管管理などが手順通りに実施され、記録が残っているかを確認します。
HACCPでは、製品説明書、フローダイアグラム、ハザード分析表、OPRP管理表、HACCPプランが現場実態と合っているかを確認します。
CCPやOPRPでは、管理基準、モニタリング方法、頻度、担当者、基準外時の処置、製品への影響判断を見ます。
トレーサビリティでは、原材料から製品出荷まで追跡できるか、回収テストや緊急時対応が有効かを確認します。
食品安全固有の確認は、文書だけでなく現場と記録をセットで見ることが大切です。
| 項目 | 確認すること | 見る記録・証拠 |
|---|---|---|
| PRP | 清掃、衛生、害虫防除、交差汚染防止 | 清掃記録、点検記録、害虫防除記録 |
| ハザード分析 | 重要ハザードと管理手段が妥当か | ハザード分析表、工程図 |
| OPRP | 処置基準とモニタリングが明確か | OPRP管理表、確認記録 |
| CCP | 許容限界と逸脱時対応が機能しているか | HACCPプラン、CCP監視記録 |
| アレルゲン | 識別、保管、切替、表示確認ができているか | アレルゲン管理記録、表示確認記録 |
| トレーサビリティ | 原料から出荷まで追えるか | 受入記録、製造記録、出荷記録 |
| 緊急時対応 | 事故や回収時の対応が決まっているか | 緊急時手順、回収訓練記録 |
現場監査での質問例と見方
現場監査では、YesまたはNoで終わる質問だけではなく、作業の流れ、判断理由、記録の場所、基準外時の対応を確認できる質問を行うことが大切です。
たとえば、「清掃していますか」ではなく、「この設備はいつ、誰が、どの手順で清掃し、確認結果はどの記録に残しますか」と聞くと、手順、実施、記録のつながりが見えます。
また、現場で実際の作業を見ながら質問することも重要です。
作業者が手順を理解しているか、掲示物や記録様式が最新版か、測定機器が校正されているか、基準外時に誰へ報告するかを確認します。
記録だけを見るのではなく、記録が現場の判断に使われているかを確認しましょう。
質問するときは、相手を責める言い方ではなく、事実を確認する姿勢が大切です。
内部監査は現場の協力があって初めて有効になります。
食品安全上のリスクを見つけるために、作業者が普段困っていることや、ルールが守りにくい理由も聞き出しましょう。
| 確認テーマ | 質問例 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 清掃 | この設備はどの手順で清掃していますか | 手順、頻度、記録、基準外対応 |
| 温度管理 | 温度が基準外になった場合はどうしますか | 報告、保留、再確認、製品判断 |
| CCP | 許容限界を外れた場合の対象製品はどう特定しますか | 逸脱時手順、ロット管理、記録 |
| アレルゲン | 品種切替時に何を確認していますか | 洗浄、識別、表示、確認記録 |
| 教育 | この作業が食品安全にどう関係するか説明できますか | 理解度、教育内容、現場認識 |
| 記録 | この記録は誰が確認し、異常時はどう扱いますか | 確認者、修正ルール、是正への連携 |
内部監査報告書に書く内容
内部監査を実施したら、結果を内部監査報告書にまとめます。
報告書は、監査を実施した証拠であると同時に、是正処置やマネジメントレビューにつなげるための重要な記録です。
単に「問題なし」と書くだけでは、何を確認したのか、どの証拠に基づいて判断したのかが分かりません。
内部監査報告書には、監査日時、監査範囲、監査基準、監査員、被監査部門、確認した文書・記録、監査所見、適合事項、不適合、観察事項、改善提案、被監査部門の確認、是正処置の要否などを記載します。
不適合を書く場合は、感想ではなく、基準と事実を分けて記載することが重要です。
たとえば、「清掃が不十分だった」だけではなく、「清掃手順書では毎日終業時に設備Aの清掃記録を残すことになっているが、7月10日から12日の記録がなく、現場確認でも残渣が確認された」のように、基準、事実、証拠を整理します。
これにより、被監査部門が原因分析と是正処置を行いやすくなります。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 日時、範囲、監査員、被監査部門 | 後から監査条件を追えるようにする |
| 監査基準 | 規格、手順書、法令、顧客要求 | 判断根拠を明確にする |
| 確認内容 | 見た文書、記録、現場、ヒアリング | 証拠に基づいて書く |
| 監査所見 | 適合、不適合、観察事項 | 事実と意見を分ける |
| 是正要求 | 不適合に対する対応依頼 | 期限、責任者、確認方法を決める |
| 改善提案 | 不適合ではないが改善できる点 | 優先度と期待効果を添える |
不適合・修正・是正処置・フォローアップの流れ
内部監査で不適合が見つかった場合は、指摘して終わりではありません。
不適合とは、ISO22000の要求事項、自社の手順、法令・顧客要求などに合っていない状態です。
まず必要に応じて修正を行い、発生している問題や影響を直接処置します。
たとえば記録漏れを補足確認する、対象製品を保留する、再清掃するなどが修正にあたります。
そのうえで、原因分析を行い、再発を防ぐための是正処置を実施します。
是正処置では、なぜ記録漏れが起きたのか、なぜ手順が守られなかったのか、なぜ旧版帳票が使われたのかを確認します。
人のミスで終わらせず、教育不足、手順の分かりにくさ、帳票設計、確認体制、作業負荷など、仕組みの原因を見ます。
フォローアップでは、是正処置が実施されたかだけでなく、同じ問題が再発していないか、有効に機能しているかを確認します。
この結果は、内部監査報告書や是正処置記録として残し、必要に応じてマネジメントレビューで経営層へ報告します。
| 流れ | 内容 | 記録すること |
|---|---|---|
| 不適合の特定 | 基準に合わない事実を確認する | 基準、事実、証拠 |
| 修正 | 発生した問題に直接対応する | 保留、再確認、再作業、応急処置 |
| 原因分析 | なぜ発生したかを確認する | 直接原因、根本原因 |
| 是正処置 | 再発防止策を実施する | 対策、責任者、期限 |
| 有効性確認 | 対策が効いているか確認する | 再発有無、記録確認、現場確認 |
| レビュー | 必要に応じて経営層へ報告する | マネジメントレビュー資料 |
内部監査でよくある失敗と改善ポイント
ISO22000の内部監査でよくある失敗は、チェックリストを読むだけで終わってしまうことです。
質問に対して「はい」と回答され、記録が一枚あれば適合と判断してしまうと、現場の実態や食品安全上のリスクを見落とす可能性があります。
記録の有無だけでなく、その記録が正確か、基準外時の対応が残っているか、改善に使われているかを確認しましょう。
次に多いのは、不適合を出さない監査です。
現場との関係を気にして指摘を避けると、問題が残ったままになります。
不適合は人を責めるものではなく、仕組みを改善するための情報です。
事実と基準を明確にし、被監査部門が改善しやすい形で伝えることが大切です。
また、監査後のフォロー不足もよくあります。
報告書を作成して終わり、是正処置の期限が守られない、有効性確認をしていない状態では、内部監査の価値が下がります。
監査計画の段階からフォローアップの期限と責任者を決め、次回監査やマネジメントレビューで確認しましょう。
| 失敗例 | 問題点 | 改善ポイント |
|---|---|---|
| チェックリストを読むだけ | 現場実態が見えない | 現場確認と記録確認を組み合わせる |
| 記録だけを見る | 作業の実態や判断が分からない | 作業者へのヒアリングを行う |
| 不適合を出さない | 問題が改善されない | 事実と基準に基づいて指摘する |
| 食品安全視点が弱い | PRPやHACCPの確認が浅くなる | 重要ハザードを重点的に見る |
| 是正処置が未完了 | 同じ問題が繰り返される | 期限、責任者、有効性確認を決める |
| 毎年同じ監査 | リスクの変化に対応できない | 前回結果や変更点を反映する |
ISO22000の内部監査で迷うなら支援先を比較しよう
ISO22000の内部監査は、自社の食品安全マネジメントシステムを改善するための重要な活動です。
適合性と有効性を確認し、PRP、HACCP、OPRP、CCP、トレーサビリティ、緊急時対応、文書・記録管理、不適合・是正処置までを現場と記録の両方から確認する必要があります。
ただし、初めて内部監査を行う会社では、監査計画書をどう作るか、チェックリストに何を入れるか、内部監査員をどう育成するか、不適合をどう書くか、是正処置をどうフォローするかで迷いやすいです。
形式的な監査になると、外部審査前の準備にはなっても、食品安全上のリスク低減や継続的改善につながりにくくなります。
複数のISOコンサル会社に相談すれば、内部監査員教育、チェックリスト作成、模擬監査、現場監査の進め方、不適合報告書、是正処置のフォローアップ、マネジメントレビューへのつなげ方まで支援内容を比較できます。
内部監査を形だけで終わらせず、食品安全管理の改善に活かすためにも、支援範囲と実績を比較してから進めましょう。
ISOコンサル会社選びで迷ったら、まずは比較してみましょう。
目的や規格に合う会社を整理し、取得までの進め方を確認できます。
おすすめ会社を見るよくある質問
ISO22000の内部監査とは何ですか?
ISO22000の内部監査とは、自社の食品安全マネジメントシステムがISO22000の要求事項、自社ルール、法令・顧客要求に適合しているか、食品安全の目的に対して有効に機能しているかを確認する活動です。
ISO22000で内部監査は必ず必要ですか?
必要です。
ISO22000では、内部監査はパフォーマンス評価の一部として位置づけられています。
認証取得前だけでなく、認証取得後も定期的に実施し、食品安全マネジメントシステムの適合性と有効性を確認する必要があります。
内部監査と外部審査の違いは何ですか?
内部監査は、自社が自社の仕組みを確認し改善するために行う活動です。
外部審査は、認証機関が第三者の立場でISO22000への適合性を評価する活動です。
内部監査は外部審査対策だけでなく、自社の食品安全管理を改善する機会として活用します。
ISO22000内部監査では何をチェックしますか?
食品安全方針、目標、責任権限、教育、文書・記録管理、PRP、HACCP、ハザード分析、OPRP、CCP、アレルゲン管理、温度管理、トレーサビリティ、緊急時対応、不適合・是正処置などを確認します。
文書、現場、記録をセットで見ることが重要です。
内部監査のチェックリストはどう作ればよいですか?
ISO22000の要求事項を丸写しするだけでなく、自社の工程、手順書、過去の不適合、食品安全目標、重要ハザード、現場記録を踏まえて作成します。
確認項目、監査基準、質問例、確認記録、判定欄、コメント欄を入れると使いやすくなります。
内部監査員は誰が担当すればよいですか?
ISO22000や食品安全に関する基本知識があり、客観的に監査できる人が担当します。
自分の担当業務を自分で監査すると問題を見逃しやすいため、できるだけ自部門監査を避けます。
小規模な会社では相互監査や外部支援の活用も選択肢です。
内部監査で不適合が出たらどうすればよいですか?
まず発生している問題に対して必要な修正を行い、その後、原因分析を行って再発防止のための是正処置を実施します。
さらに、是正処置が有効だったかをフォローアップし、必要に応じてマネジメントレビューで報告します。
内部監査を形だけにしないためのポイントは何ですか?
チェックリストを読むだけで終わらせず、現場確認、作業者へのヒアリング、記録確認、基準外時対応の確認を組み合わせることです。
また、前回の不適合、クレーム、工程変更、重要ハザードを重点的に確認し、是正処置と改善につなげることが大切です。
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監修者コメント
上位記事ではISO22000・FSSC22000内部監査のチェックリストや質問例を扱うものが強いが、本記事では基本コンテンツとして、内部監査をPDCAのCheckと改善活動に位置づけ、監査計画書、監査員力量、食品安全固有の確認項目、不適合・修正・是正処置・有効性確認まで一貫して整理した。
既存のISOプロ記事 `ISO22000・FSSC22000の内部監査を解説` と重複しないよう、公開時は本記事を初心者向けの基本手順記事、既存記事をチェックリスト記事として内部導線を分けるとよい。
CMS側のカテゴリー名は `ISO22000基本コンテンツ`、URL階層は `/column/iso22000/basic/` を想定している。