食品製造・飲食業はHACCPだけで足りる?ISO22000・FSSC22000・ISO9001の選び方を解説

食品製造・飲食業はHACCPだけで足りる?ISO22000・FSSC22000・ISO9001の選び方を解説
金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント

監修者情報 金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。

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これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。

主な専門分野
  • ISO9001(品質マネジメントシステム)
  • ISO14001(環境マネジメントシステム)
  • ISO27001(ISMS)
  • ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
主な対応内容
  • ISO認証取得支援
  • ISO運用支援
  • 更新審査・再認証審査支援
  • 内部監査支援
  • マネジメントレビュー支援
  • ISOコンサル会社の比較・調査・監修

食品製造業や飲食業では、原則としてHACCPに沿った衛生管理へ取り組むことが求められています。 ただし、法令に基づいて衛生管理計画を作成・実施し、記録・見直しを行うことと、ISO22000やFSSC22000などの第三者認証を取得することは同じではありません。 HACCPを運用していても、取引先が指定する認証、GFSIに関する調達条件、輸出先の要求まで満たせるとは限りません。 規格選定では、「食品会社だからFSSC22000」「飲食店だからHACCPだけ」と業種名だけで決めず、製造・調理・保管・配送・販売のどこを担うのか、誰が製品仕様を決めるのか、どの拠点を証明したいのかを整理します。 食品安全を組織全体で管理するISO22000、食品安全の前提条件プログラムと追加要求事項を含むFSSC22000、味・重量・納期・仕様などの品質を管理するISO9001では、対象と役割が異なります。 国内ではJFS規格も選択肢になります。 判断の起点は、法令上の適用確認、取引先の要求原文、業態、認証範囲の四つです。 食品工場、セントラルキッチン、単独店舗、多店舗チェーン、給食施設、OEMを利用するブランドでは、必要な仕組みも審査対象も変わります。 認証名だけでなく、対象製品、工程、食品カテゴリ、サイト、委託工程まで照合しなければ、取得後に登録証を取引へ使えないことがあります。 この記事では、HACCP・ISO22000・FSSC22000・ISO9001の違いを比較し、食品製造・外食・中食・給食・多店舗運営の選び方を整理します。 さらに、2026年5月に公表されたFSSC22000 Version 7の移行日程、JFS規格、仕入先・OEM・表示・アレルゲン・トレーサビリティ、取得前の資料、費用・期間を左右する条件まで実務順に解説します。

この記事でわかること

  • 法令上のHACCP対応と第三者認証を分けて判断する方法
  • ISO22000・FSSC22000・ISO9001の役割と選定条件の違い
  • 食品工場・飲食店・給食・セントラルキッチン・多店舗で候補を分ける考え方
  • FSSC22000 Version 7の公表内容とVersion 6からの移行日程
  • JFS-A・B・B Plus・Cとフードサービス規格の使い分け
  • 仕入先・OEM・物流・表示・アレルゲン・回収を管理する要点
  • 製品・工程・食品カテゴリ・拠点・共通部門から認証範囲を決める手順

結論|HACCP・ISO22000・FSSC22000・ISO9001は「法令・取引・業態」で選ぶ

食品製造・飲食業では、最初に法令上のHACCP対応を整え、そのうえで取引先要求と自社の業態に合う認証を検討します。
HACCPに沿った衛生管理は、危害要因を把握し、衛生管理計画を実施・記録・見直しする日常の管理です。
一方、ISO22000、FSSC22000、ISO9001は第三者認証を取得できる仕組みであり、法令対応そのものを置き換えるものではありません。

食品安全を経営・目標・内部監査・改善まで含むマネジメントシステムとして運用したいならISO22000が候補です。
取引先がGFSIに関係する認証プログラムやFSSC22000を指定し、対象となる食品カテゴリとサイトがスキームの範囲に合うならFSSC22000を検討します。
安全性とは別に、味、内容量、外観、納期、仕様、顧客対応のばらつきを減らしたい場合はISO9001の役割があります。

ただし、規格名だけを選んでも目的は達成できません。
食品工場か店舗か、セントラルキッチンがあるか、本部が複数店舗を統括するか、OEMへ製造を委託しているかで対象工程が変わります。
取引先から届いた調達基準、監査票、契約書の原文を確認し、必要な規格、承認プログラム、版、認証範囲、取得期限を特定してから候補を絞ります。

食品製造・飲食・給食・多店舗運営を最初に区別する

同じ「食品事業」でも、製品を包装して出荷する工場、注文後に提供する店舗、施設利用者へ継続提供する給食、複数拠点を本部管理するチェーンでは、危害要因、法令、顧客、認証範囲が異なります。
まず事業モデルを一行で説明できる状態にします。

ポイント

最短の判断軸は「法令を守るためか」「取引条件を満たすためか」「社内改善のためか」です。
三つを分けると、HACCPの運用強化で足りるのか、ISO22000・FSSC22000・ISO9001などの認証が必要なのかを整理しやすくなります。

規格選定を始める順序
確認順確認する内容具体的な問い判断への反映
1. 法令営業形態と適用される衛生管理自社はどの許可・届出・手引書・基準の対象かHACCPに沿った衛生管理の土台を確定する
2. 取引顧客・入札・輸出先の要求原文規格名、版、GFSI、認証範囲、期限の指定はあるか必要な証明を過不足なく特定する
3. 業態製造、調理、給食、保管、配送、販売食品をどこで、誰向けに、どの工程まで扱うか適用可能な規格と食品カテゴリを絞る
4. 品質課題安全以外の顧客要求味、重量、外観、納期、仕様、苦情を管理したいかISO9001の必要性を分けて判断する
5. 範囲製品、工程、サイト、共通部門、委託登録証で何を誰へ示したいか審査可能な認証範囲案を作る
6. 実行条件体制、期限、予算、既存記録誰が日常運用し、いつまでに審査を受けるか取得計画と見積条件をそろえる

イソログに寄せられたリアルな声

食品分野では、「HACCPの記録があれば認証も取れるのか」「取引先がいう食品安全認証はどれなのか」「本部で仕組みを作れば全店舗を証明できるのか」といった迷いが生まれやすくなります。
製造、外食、給食、OEMでは同じ言葉でも対象となる工程と証明の単位が異なるためです。

以下は、食品事業者が規格を検討する場面を基に構成した想定例です。
実際にイソログへ寄せられた投稿、実在する企業や担当者の発言、認証取得の成果を引用したものではありません。
自社で確認すべき条件を見つけるための例としてご覧ください。

各例の結論をそのまま自社へ当てはめるのではなく、取引先の要求原文、製品と工程、製造・提供サイト、委託関係、現在の衛生管理記録へ置き換えて読み進めます。
最終的な適用可否や認証範囲は、所管行政や候補となる認証機関へ確認します。

食品製造・飲食・給食・多店舗運営で規格と認証範囲を考える場面を整理した想定例です。
実在する企業や担当者の発言ではありません。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
想定例:取引条件

HACCPを運用していれば大手小売との新規取引にも使えると思っていました

イソログ相談例

状況

食品工場では衛生管理計画と温度記録を運用していましたが、商談先の調達基準には、指定された食品安全認証プログラムと製造サイトを含む登録証の提出が記載されていました。

読み取りたいポイント

HACCPの実施と第三者認証の保有は分けて確認します。
要求文書から規格名、版、対象製品、サイト、期限を抜き出し、自社の運用だけで足りるかを判断します。

想定例:規格選定

ISO22000とFSSC22000は同じ認証名の違いだと考えていました

イソログ相談例

状況

食品安全の仕組みを整えたい会社が、両者の対象カテゴリ、前提条件プログラム、追加要求事項、取引先の指定を確認せず、見積金額だけを比較していました。

読み取りたいポイント

ISO22000は食品安全マネジメントシステム規格です。
FSSC22000はISO22000に、適用分野のPRP規格とスキーム固有の追加要求事項を組み合わせます。
顧客要求と適用範囲から選びます。

想定例:多店舗

本部のマニュアルがあれば全店舗の運用も同じだと思っていました

イソログ相談例

状況

飲食チェーン本部は共通の衛生手順を配布していましたが、冷却記録、アレルゲン情報、従業員教育、メニュー変更時の確認方法は店舗ごとに異なっていました。

読み取りたいポイント

本部ルールだけでなく、店舗で実行した証拠と本部による検証が必要です。
共通管理、店舗固有管理、逸脱時の連絡、内部確認の流れを一つにします。

想定例:品質

食品安全の認証で味や重量のクレームもすべて管理できると思っていました

イソログ相談例

状況

危害要因と衛生管理は整っていましたが、味のばらつき、内容量不足、納期遅延、顧客仕様の反映漏れは別々に処理され、傾向分析へつながっていませんでした。

読み取りたいポイント

安全と品質には重なる工程がありますが、管理目的は同一ではありません。
顧客仕様、工程能力、出荷判定、苦情、納期まで一貫して改善する場合はISO9001の役割も検討します。

想定例:委託製造

OEM工場が認証済みなら自社ブランドも認証済みと示せると思っていました

イソログ相談例

状況

ブランド会社は製造を外部工場へ委託し、自社で商品企画、原材料仕様、表示承認、販売、回収判断を担っていました。
委託先の登録証だけで自社の管理まで説明しようとしていました。

読み取りたいポイント

委託工場の認証は、通常、その登録証に記載された組織・サイト・活動の証明です。
ブランド側の責任、委託先選定、仕様変更、表示、苦情・回収、認証範囲を別に整理します。

食品工場・飲食店で生まれやすい5つの迷いを想定例で整理する

経営、品質保証、製造、店舗運営、購買、商品開発では、認証に期待する役割が異なります。
想定例の状況と読み取り方を、自社の商流と管理責任へ置き換えて確認します。

編集部コメント

想定例と似た状況があれば、まず「要求元」「対象商品」「製造・提供場所」「自社と委託先の責任」「必要な証明」を一枚に並べてください。
規格の比較より先に、この五つをそろえると相談内容が具体的になります。

HACCPだけで足りる?法令上の衛生管理と第三者認証を分けて判断

日本では2021年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取組が求められています。
事業者は衛生管理計画を作成し、従業員へ周知し、実施状況を記録し、定期的に効果を検証して内容を見直します。
小規模な営業者等は、業界団体が作成し厚生労働省が内容を確認した手引書を利用して取り組める場合があります。

ここで求められるのは日常の衛生管理であり、厚生労働省がISOのような全国共通のHACCP登録証を発行する制度ではありません。
民間の認証や自治体制度を利用していても、自社に適用される食品衛生法、営業許可・届出、施設基準、自治体の運用などを別途満たす必要があります。
対象外となる営業や公衆衛生への影響が少ない営業もあるため、名称だけで自己判断せず所管の保健所等へ確認します。

法令上の取組ができていても、取引先がISO22000、FSSC22000、JFS-Cなどを指定していれば、HACCP記録だけでは契約条件を満たさない可能性があります。
反対に、外部から登録証を求められず、現在の衛生管理を安定して回すことが目的なら、すぐに認証へ進む前に手引書と記録の運用を整える選択もあります。

小規模営業者向け手引書・対象外営業・取引先要求を確認する

営業許可証、届出内容、提供する食品、施設、従業員規模、販売方法を整理し、自社がどの衛生管理方法の対象かを確認します。
複数業態や新規事業がある場合は、拠点・営業ごとに所管行政へ照会します。

HACCPだけで足りるかを判断する確認表
確認項目HACCP運用で確認すること第三者認証で追加確認すること確認先・証拠
法令上の対象営業形態に応じた衛生管理方法認証が法令を代替しないこと営業許可・届出、保健所、最新の手引書
衛生管理計画一般衛生管理と重要な工程管理規格・スキーム要求との対応計画、手順、工程図、ハザード分析
実施記録定めた頻度で記録し保存する文書管理、分析、内部監査へ利用する温度、清掃、受入れ、改善の記録
定期検証計画どおりか、内容が有効か見直すマネジメントレビューや是正へつなぐ点検、検証、会議、変更記録
取引条件衛生状態を説明できるようにする指定認証・版・範囲を満たす調達基準、仕様書、監査票、契約書
対外表示実施内容を事実に沿って説明する登録証記載範囲だけを表示する登録証、認証機関のロゴ使用規則
注意事項

HACCPに沿った衛生管理の適用方法は、業種・規模・営業内容によって変わります。
本記事だけで法令適用を確定せず、厚生労働省の最新情報、業種別手引書、所管保健所の案内を確認してください。

HACCP・ISO22000・FSSC22000・ISO9001の違いを比較

HACCPは、原材料の受入れから製造・調理・提供までに起こり得る危害要因を分析し、重要な工程を管理する考え方です。
日本の制度では、一般衛生管理と組み合わせて事業者が日常業務として実施します。
ISO22000はHACCPの原則を取り込み、組織の方針、責任、コミュニケーション、目標、評価、改善まで含めて食品安全マネジメントシステムを構築する国際規格です。

FSSC22000は一つのISO規格番号ではなく、ISO22000、該当する食品分野のPRP規格、FSSC固有の追加要求事項を組み合わせた認証スキームです。
食品防御、食品偽装の軽減、アレルゲン、環境モニタリング、食品安全・品質文化など、適用範囲に応じた追加管理が関係します。
取得できる活動はスキームの食品チェーンカテゴリに定められるため、企業が食品を扱っているという理由だけで対象になるとは限りません。

ISO9001は品質マネジメントシステム規格です。
食品安全に特化した規格ではなく、顧客要求、設計・開発、購買、製造・サービス提供、検査、納期、苦情、改善を管理します。
危害要因の管理はISO22000やFSSC22000で、味・重量・外観・納期・顧客仕様などをISO9001で扱い、共通の文書管理や内部監査を連携させる考え方もあります。

義務・任意認証・GFSI承認・品質管理の違いを一覧で確認する

比較するときは、規格の知名度ではなく、法的な位置づけ、第三者評価の仕組み、対象活動、取引先が受け入れる証明、社内で改善したい指標をそろえます。

比較時の確認ポイント

「HACCPよりISO22000が上」「ISO22000よりFSSC22000が常に上」という一列の序列ではありません。
法令上の土台、対象活動、取引先が受け入れる証明、改善したい管理テーマが合っているかで選びます。

HACCP・ISO22000・FSSC22000・ISO9001の比較
仕組み位置づけ主な管理対象第三者評価との関係選ぶ主な場面
HACCPに沿った衛生管理原則として食品等事業者が法令に基づき取り組む衛生管理一般衛生管理、危害要因、重要な工程、実施記録法令上の実施と民間認証の取得は別まず営業を適法に運営し、日常の食品安全を管理する
ISO22000任意の食品安全マネジメントシステム国際規格食品安全方針、HACCP、PRP、組織運営、評価・改善希望すれば認定された認証機関による認証を検討できる食品安全を組織横断で整え、利害関係者へ示す
FSSC22000ISO22000等を基礎とする食品安全認証スキームISO22000、適用PRP、スキーム追加要求事項GFSIに関係する調達で利用されることがあるため、最新の承認状況と顧客指定を確認顧客がFSSCまたは受入可能なGFSI承認プログラムを求める
ISO9001任意の品質マネジメントシステム国際規格顧客要求、製品・サービス品質、納期、苦情、改善食品安全認証とは別の品質マネジメント認証安全以外の品質と顧客満足を継続的に改善する

食品工場・飲食店・セントラルキッチン・多店舗運営で選び方はどう変わる?

食品工場では、原材料を受け入れ、加工・加熱・冷却・包装・保管して製品を出荷する工程を、製品群や製造技術ごとに整理します。
小売や食品メーカーへ納入する場合は、取引先の調達基準にFSSC22000やJFS-Cなどが記載されることがあります。
セントラルキッチンも、店舗の延長として扱うのか、包装食品を製造・出荷する製造サイトとして扱うのかで候補カテゴリが変わります。

飲食店、ホテル、給食施設では、メニュー、調理、盛付け、配膳、喫食までの時間、利用者の特性、アレルゲン情報、持ち帰りやデリバリーなどを確認します。
ISO22000は食品チェーンの組織へ広く適用できますが、FSSC22000やJFS規格を選ぶ場合は、フードサービスとしての対象活動と証明単位を照合する必要があります。
認証負担に見合う顧客要求があるかも重要です。

多店舗運営では、本部が決める原材料、レシピ、仕入先、教育、店舗監査と、各店舗が実施する受入れ、温度、清掃、体調確認、提供判断を分けます。
単独店舗の認証、本部を含む複数サイト、JFSフードサービス・マルチサイトなどでは評価方法が異なるため、「本部で取得すれば全店舗が自動的に含まれる」と考えず、希望する範囲を制度ごとに確認します。

製造サイト・店舗・本部・委託工場の違いから候補を分ける

商品がどこで形になり、どこで包装・保管され、どこで最終提供されるかを商流図と工程図にします。
本部、セントラルキッチン、店舗、倉庫、OEMの責任境界を加えると、規格候補と認証範囲を照合しやすくなります。

ポイント

セントラルキッチンは名称だけで製造業・飲食業のどちらかに決まりません。
実際の加工、包装、保管、配送、提供形態を示し、候補規格の適用範囲と認証機関の審査可能範囲を照合します。

業態別に確認したい規格候補
業態主な工程・責任候補になり得る仕組み選定前の確認
食品製造工場加工、加熱、冷却、包装、保管、出荷HACCP、ISO22000、FSSC22000、JFS-A/B/B Plus/C、ISO9001製品カテゴリ、顧客指定、輸出条件、対象サイト
セントラルキッチン集中調理、冷却、配送、店舗での再加熱・提供製造向けまたはフードサービス向けの候補を活動から判断包装・出荷形態、配送後の責任、制度上のセクター
単独の飲食店受入れ、保管、調理、提供、持ち帰りHACCP、ISO22000、JFSフードサービス等外部認証の目的、対象メニュー、審査負担
給食施設献立、調理、配膳、利用者別対応HACCP、ISO22000、JFSフードサービス等委託契約、施設側との責任、利用者特性
多店舗チェーン本部設計と各店舗の実施・検証ISO22000、JFSフードサービス・マルチサイト等本部統制、サイト選定、全店舗の表示可否
OEMブランド企画、仕様、表示、委託先、販売、回収ISO9001、ISO22000などを自社責任に合わせて検討委託工場の証明とブランド会社の責任を分離
食品物流・保管温度、入出庫、輸送、引渡しISO22000、FSSC対象カテゴリ、ISO9001等食品所有、温度帯、加工の有無、対象カテゴリ

ISO22000が向いている食品事業者とは

ISO22000は、食品チェーンに関わる組織が安全な製品・サービスを一貫して提供するための食品安全マネジメントシステム規格です。
食品製造だけでなく、活動と認証範囲が規格に適合する限り、フードサービス、保管・輸送、包装材など食品チェーンのさまざまな組織が検討できます。
現在のHACCP運用を、部門間の連絡、経営目標、資源配分、内部監査、是正、経営層の見直しまでつなげたい事業者に向きます。

現行のISO22000:2018は、HACCPの原則と適用手順を取り込みながら、組織の状況、利害関係者、リスクと機会、食品安全方針、目標、緊急事態、パフォーマンス評価、改善を要求します。
認証を目指す場合も、危害分析だけを整えるのではなく、製造、商品開発、購買、設備、人事、物流、営業、経営を含む責任とコミュニケーションが必要です。

ただし、取引先がFSSC22000や特定のGFSI承認プログラムを指定している場合、ISO22000単独の登録証では受け入れられないことがあります。
ISO22000を先に取得して段階的にFSSCへ進む案もありますが、二度の審査や文書改定が増える可能性があります。
最終要求と期限が明確なら、初めから到達先との差分を見積もります。

HACCPを食品安全マネジメントシステムとして全社で運用する

現場の衛生記録を、食品安全目標、変更管理、力量、内部監査、不適合・是正、マネジメントレビューへつなぎます。
品質保証部だけで抱えず、意思決定者と各工程責任者が同じ指標を確認できる状態にします。

ISO22000を検討しやすい状況
状況ISO22000で整理すること既存HACCPから確認する差分判断時の問い
部門ごとに衛生管理が分断全社方針、責任、連絡、共通目標食品安全チームと権限問題を誰が横断して決めるか
商品・工程変更が多い変更前評価と危害分析の更新変更情報がチームへ届く流れ新原料・設備・包材を誰が承認するか
仕入先・委託先が多い外部提供プロセスと供給者管理選定・監視・再評価の基準委託しても残る自社責任は何か
複数拠点で運用が異なる共通ルールと拠点固有管理記録様式、検証、是正の接続同じ基準で有効性を比較できるか
経営層へ状況が届かない目標、指標、資源、マネジメントレビュー現場記録の集計と傾向分析設備・人員の判断へつながるか
対外説明を標準化したい設定範囲の第三者認証登録証表記と顧客要求の一致相手がISO22000を受け入れるか
将来FSSCを検討ISO22000部分を先行整備PRP規格とFSSC追加要求との差分段階取得の費用と期限に合理性があるか
注意事項

2026年9月8日時点で、ISO22000:2018とAmd 1:2024が公開済みの現行版です。
ISO/DIS 22000は開発中であり、新版として発行済みではありません。
申込み時にはISOと認証機関の最新案内を再確認してください。

FSSC22000が必要になる場面|取引先要求と対象カテゴリを確認

FSSC22000を検討する最も明確な起点は、顧客の調達基準、認定サプライヤー条件、入札仕様、監査票にFSSC22000または受入可能なGFSI承認プログラムが明記されている場合です。
「食品安全認証を取得してください」という口頭依頼だけでは、ISO22000でよいのか、FSSC22000が必要なのか、他のプログラムも認められるのか判断できません。
要求元へ規格名、版、期限、対象製品、サイト、登録証の提出方法を確認します。

FSSC22000は、スキームが定める食品チェーンのカテゴリとサブカテゴリに該当する組織が対象です。
食品製造、包装材、保管・配送、ケータリング・フードサービスなど関係し得る活動がありますが、実際の製品・工程・サイトが対象カテゴリに合うか、候補の認証機関がそのカテゴリを審査できるかを確認する必要があります。
飲食店や給食施設も名称だけで可否を決めず、活動とスコープを提示して照会します。

顧客が「GFSI」を条件にする場合も、GFSI自体が事業者へ登録証を発行するわけではありません。
どの認証プログラム、版、カテゴリを受け入れるかは要求元へ確認します。
FSSCの最新スキーム、GFSIのベンチマーク状況、認証機関の認可範囲も変わり得るため、過去の取引先回答や古い登録証だけで判断しません。

大手小売・食品メーカー・輸出先が求める証明を原文で確認する

メールの要約ではなく、調達基準、契約書、仕様書、サプライヤーマニュアル、監査票を集めます。
曖昧な表現は要求元へ質問し、回答者、日付、対象取引、受入可能な証明を記録します。

比較時の確認ポイント

FSSC22000は「食品会社なら取っておけば広く使える」という一般資格ではありません。
対象カテゴリに該当し、登録証の組織・サイト・活動が取引先要求と一致して初めて、必要な証明として機能します。

FSSC22000の必要性を確定する質問
確認先質問する内容判断できること残す証拠
取引先購買FSSC指定か、他の認証プログラムも可か候補規格と代替可否調達基準、メール回答
取引先品質保証対象商品・製造工程・サイトはどこか必要な登録証のスコープ商品一覧、仕様書、回答記録
取引先契約担当取得期限と未取得時の扱い審査計画の期限契約条項、移行計画
自社食品安全チーム該当する食品チェーンカテゴリは何かスキームの適用可能性工程図、製品群、カテゴリ案
候補認証機関該当カテゴリを認証できるか審査受入れと認可範囲照会回答、見積前提
OEM・物流先委託工程と保有認証の範囲サプライチェーンの証明範囲登録証、契約、委託工程表
経営層取得後の維持費と取引価値が合うか投資判断と優先順位稟議、顧客売上、維持計画

FSSC22000 Version 7で何が変わる?Version 6からの移行時期も整理

Foundation FSSCは2026年5月1日にFSSC22000 Version 7を公表しました。
Version 7では、2025年版のISO 22002シリーズを取り込み、共通PRP要求をまとめたISO 22002-100と、組織の食品チェーンカテゴリに対応するISO 22002-xを組み合わせる構成になりました。
食品製造であれば、共通要求に加えて該当する食品製造向け部分を確認するという考え方です。
旧版で使われたISO/TS 22002シリーズとは文書体系が変わります。

Version 7の公表後すぐにすべての審査がV7へ切り替わるわけではありません。
公式移行案内では、Version 6による審査は2027年4月30日まで可能で、Version 7の審査とアップグレード審査は2027年5月1日から始まります。
アップグレード審査期間は2028年4月30日までです。
したがって、2026年中に審査を予定する組織はV6を運用しつつ、V7との差分準備を並行して進めます。

Version 7では、GFSI Benchmarking Requirements 2024との整合、食品チェーンカテゴリの構造、追加要求事項などが見直されています。
持続可能な包装設計に関する新たな要求は、一次包装・包装材料の設計に関わる組織など適用条件を確認します。
既存の食品防御、食品偽装の軽減、アレルゲン、環境モニタリング、食品安全・品質文化等も、最新版の本文とBoS決定事項を基に差分を評価します。

V6審査・V7アップグレードと2025年版PRPシリーズを確認する

現在の認証サイクル、次回審査日、適用カテゴリ、使用中のPRP文書を一覧にし、認証機関と移行審査の時期を合意します。
旧文書名を一括置換するのではなく、共通要求とカテゴリ固有要求へ対応付け直します。

FSSC22000 Version 7の主な移行日程
時点・期限公式上の位置づけ組織側の主な対応確認先
2026年5月1日FSSC22000 Version 7公表V7本文、主要変更、適用カテゴリを入手するFoundation FSSCのScheme Documents
2026年9月8日時点12か月の実装準備期間中V6運用を続けながらV7差分と教育計画を整理するV7 FAQ、BoS決定事項、認証機関
2027年4月30日までV6による審査が可能な最終期間審査日とStage 1・Stage 2の版を認証機関と確認するV7 Upgrade Process
2027年5月1日からV7審査・アップグレード審査開始次回の定期審査に合わせて完全なV7審査を受ける審査プログラム、契約追補
2028年4月30日までV7アップグレード審査期間不適合対応を含め期限内にアップグレード審査を進める審査結果、是正、認証機関
2028年6月30日後公式案内上、残るV6証明書はプラットフォームで取下げ対象V7証明書の発行・登録状況を確認するFSSC Assurance Platform
注意事項

移行日程は一律の文書改訂期限ではなく、各組織の審査サイクルと契約に関係します。
V7の要求、BoS決定事項、GFSIのベンチマーク状況は更新され得るため、Foundation FSSCと認証機関の最新情報を審査計画時に確認してください。

食品事業者がISO9001を選ぶ意味|ISO22000では補えない品質管理

食品安全の仕組みが整っていても、顧客が評価する品質のすべてを管理できるとは限りません。
健康へ危害を与える要因を管理することと、味、香り、食感、色、形、内容量、盛付け、賞味・消費期限の設定条件、納品時刻、問い合わせ対応などを顧客要求どおりに安定させることは、重なる工程があっても目的が異なります。
ISO9001は後者を含む品質マネジメントに使えます。

ISO9001では、顧客要求と法令・規制要求を確認し、商品・サービスの設計、外部提供者の管理、製造・提供、検査、引渡し、不適合、苦情、顧客満足を一連のプロセスとして管理します。
食品会社では、商品企画からレシピ・配合、試作、表示確認、量産移行、製造条件、出荷判定、納期、クレームまでをつなげることで、安全性以外のばらつきも改善対象にできます。

ISO22000やFSSC22000とISO9001を併用する場合、組織の状況、文書管理、力量、内部監査、是正処置、マネジメントレビューなどは統合しやすい領域です。
一方、ハザード管理と顧客品質の判定基準は混同せず、食品安全上の逸脱と規格・官能・納期上の不適合を適切に分類し、重大性に応じて連携させます。

味・重量・納期・仕様・顧客満足と食品安全を分けて管理する

一つの不具合が食品安全と品質の両方へ影響することもあります。
最初の受付窓口を共通にしつつ、危害の可能性、法令報告、顧客仕様、出荷可否、回収要否をそれぞれ判定できるようにします。

食品安全管理とISO9001で扱う品質の接点
テーマ食品安全で見ることISO9001で見ること共通化できる記録
原材料危害要因、アレルゲン、受入条件品種、産地、等級、官能、価格・納期仕様書、受入記録、供給者評価
配合・レシピ安全な組成、加熱・保存条件味、食感、歩留まり、顧客仕様配合承認、変更履歴、試作記録
製造条件CCP・OPRP等の管理基準重量、寸法、色、粘度、外観工程記録、設備条件、判定記録
表示アレルゲン等の安全に関わる情報商品名、内容量、顧客指定表示版管理、校正、照合、承認
出荷安全上の保留・解除条件規格適合、数量、納期、荷姿出荷判定、検査、配送記録
苦情健康被害、異物、アレルゲン、回収判断味、破損、数量、納期、応対受付、調査、是正、効果確認
指標逸脱、陽性結果、回収、検証結果不良率、歩留まり、納期、満足度月次集計、レビュー、改善計画
編集部コメント

安全な食品であることは最優先ですが、それだけで顧客仕様を満たしたことにはなりません。
食品安全と品質の判定欄を分け、同じ原因が両方へ影響したときは一つの是正案件として追跡すると整理しやすくなります。

FSSC以外の選択肢|JFS-A・B・B Plus・Cとフードサービス規格

国内の食品事業者には、一般財団法人食品安全マネジメント協会が運営するJFS規格も選択肢です。
食品加工・食品製造・食品添加物や化学製品の製造分野にはJFS-A、JFS-B、JFS-B Plus、JFS-Cがあり、要求内容の異なる段階的な仕組みとして活用できます。
外食、中食・そうざい、給食、ケータリングなどにはJFS規格(フードサービス)と、多店舗を対象とするJFS規格(フードサービス・マルチサイト)があります。

JFS-A・B・B Plus、フードサービス等で発行される適合証明と、JFS-Cの認証では制度上の仕組みが異なります。
JFS-C Version 3.2は、2026年8月12日にGFSI Benchmarking Requirements Version 2024に対する承認取得が公表されました。
ただし、取引先がJFS-Cを受け入れるか、対象製品とサイトが登録範囲に入るかは個別に確認します。

JFSフードサービス・マルチサイト Version 2.0は2026年8月17日に公表され、Version 1.0を利用する組織の移行期限は2027年12月末と案内されています。
多店舗だから自動的にマルチサイト規格を選ぶのではなく、本部が仕入先、メニュー、手順、教育、監査、是正をどこまで一元管理し、各店舗の実施を検証できるかを確認します。

食品製造・外食・中食・給食・多店舗で対象規格を確認する

JFSの名称だけで段階を決めず、対象セクター、要求事項、監査・認証の仕組み、取引先の受入条件、将来の到達点を確認します。
セントラルキッチンは実際の活動により製造セクターとなる場合があるため、事前照会が重要です。

比較時の確認ポイント

FSSC22000とJFSを知名度だけで比較せず、対象セクター、第三者評価の仕組み、GFSIとの関係、顧客が受け入れる証明、国内外の商流を並べます。
段階的な管理向上が目的か、特定取引の要件充足が目的かでも候補は変わります。

JFS規格の候補を業態別に整理
規格・制度主な対象第三者評価の表し方選定時の確認
JFS-A食品加工・製造等登録された監査会社による適合証明現在の管理水準と取引先が求める到達点
JFS-B食品加工・製造等登録された監査会社による適合証明要求事項、対象セクター、次段階への計画
JFS-B Plus食品・化学製品の製造セクター登録された監査会社による適合証明追加要求と顧客・相互承認条件
JFS-C対象となる食品製造セクター認定・認証の枠組みによる認証GFSI承認範囲、Version 3.2、顧客受入れ
JFSフードサービス外食、中食・そうざい、給食、ケータリング等登録された監査会社による適合証明単一事業所の活動と適用範囲
JFSフードサービス・マルチサイト本部管理の下で複数店舗を運営する事業者マルチサイト監査による適合証明本部統制、対象店舗、Version 2.0への移行

HACCP運用からISO22000・FSSC22000へ追加で必要になる管理

HACCPに沿った衛生管理を継続できている組織は、工程図、危害分析、管理基準、モニタリング、逸脱対応、検証などをISO22000の食品安全管理へ活かせます。
しかし、認証取得では危害分析表だけでなく、組織の目的と食品安全方針、責任と権限、利害関係者とのコミュニケーション、力量、変更、内部監査、マネジメントレビュー、是正処置まで、仕組み全体が有効に動いていることを示します。

追加作業は新しい文書を大量に作ることではありません。
既存の衛生管理計画、日報、会議、設備点検、教育、苦情対応が、規格のどの要求を満たし、どこに空白があるかを対応表で確認します。
現場記録があるのに経営判断へ使われていない、変更情報が危害分析へ届かない、是正後の効果確認がないといった接続部分を優先して整えます。

FSSC22000ではさらに、適用されるISO 22002シリーズのPRP要求と、スキーム固有の追加要求事項を評価します。
食品防御、食品偽装、アレルゲン、環境モニタリング、設備管理、食品安全・品質文化などは、該当性とリスクに応じて責任、評価方法、対策、検証を定めます。
Version 7へ移行する場合は、旧PRP文書との対応も見直します。

PRP・食品安全チーム・内部監査・経営レビュー・追加要求事項を棚卸しする

HACCPの運用記録を出発点にし、全社管理、PRP、FSSC追加要求の三層へ整理します。
同じ活動を複数の手順へ重複記載せず、一つの記録を複数の評価に使えるよう対応関係を明確にします。

ポイント

既存HACCPと認証要求の差分は、文書名ではなく実際のプロセスで比較します。
「既に実施」「一部実施」「未実施」「対象外と判断」の四区分にすると、追加作業と判断根拠を同時に整理できます。

HACCP運用から追加で確認する管理
管理領域HACCP運用で活かせるものISO22000で確認することFSSCで追加確認すること
組織運営衛生責任者、現場の役割方針、目標、責任・権限、組織状況スキーム固有の責任と報告
食品安全チーム危害分析の担当者多部門の力量、チームリーダー、連絡カテゴリ別の追加知識・要求
PRP一般衛生管理必要なPRPの選択・実施・検証ISO 22002-100と該当する分野別規格
変更管理メニュー・工程変更時の見直し変更前評価、危害分析・文書への反映追加要求事項への影響評価
供給者受入れ、仕入先情報選定、監視、再評価、緊急時連絡原料・サービスに応じた追加管理
内部監査自主点検、衛生巡回規格全体の適合性と有効性を監査FSSCスキーム全体を監査範囲へ含める
経営レビュー衛生会議、月次報告指標、監査、変更、資源を経営が見直す追加要求の結果も入力へ含める
不適合・是正逸脱時の処置原因、類似影響、是正、効果確認スキーム報告や重大事象の条件を確認
食品防御・偽装入退室、仕入確認の一部リスクに応じた関連管理脅威・脆弱性評価と軽減計画等を確認

食品製造業で整えたい原材料受入れから製造・出荷までの管理

食品製造では、製品ごとに帳票を増やす前に、原材料の受入れから出荷までの工程と物・情報の流れを現場で確認します。
図面上の動線だけでなく、原料、仕掛品、完成品、廃棄物、人、器具、空気、水、アレルゲン、洗浄剤がどこで交差するかを見ます。
実際の製造順序、夜勤、繁忙期、段取り替え、再加工も工程図へ反映します。

加熱、冷却、金属検出などの数値を記録するだけでは十分ではありません。
測定方法、機器の精度、測定者の力量、基準を外れたときの製品保留、影響ロット、再処理・廃棄、責任者の判定まで一連で定めます。
管理基準の科学的・技術的根拠を確認する妥当性確認と、計画どおり実施できているかを見る検証を分けます。

出荷判定では、安全、法令、顧客仕様、表示、包装状態、数量・納期を確認し、判定権限と保留品の識別を明確にします。
微生物・理化学検査は目的、サンプリング、方法、判定、結果の扱いを定め、検査結果だけに依存せず工程管理と組み合わせます。
問題発生時に原料ロットから出荷先まで追える記録構造にします。

温度・加熱・冷却・洗浄・異物・設備・出荷判定を工程でつなぐ

各工程について、入力、作業条件、管理基準、測定機器、記録、逸脱時処置、次工程への引渡しを一行で整理します。
工程間の待ち時間や一時保管も食品安全へ影響するため、正式な工程として確認します。

食品製造工程でつなげたい管理と記録
工程主な管理異常時の判断証拠となる記録
原材料受入れ仕様、温度、期限、外観、ロット、証明受入れ・保留・返品受入記録、仕様書、供給者情報
保管温度、区分、先入れ先出し、アレルゲン移動、隔離、使用可否温度、在庫、区画点検
前処理・計量交差接触、異物、配合、器具再計量、廃棄、影響品隔離配合、計量、ライン確認
加熱時間・温度・測定位置追加加熱、保留、廃棄モニタリング、逸脱、判定
冷却開始・終了、時間・温度、容器量再処理、保留、原因確認冷却記録、設備状態
包装包材、密封、ガス、異物、表示版停止、選別、再包装包材照合、シール、検査
洗浄・切替え濃度、時間、分解、残留、アレルゲン再洗浄、再検査、開始延期洗浄、確認、切替え記録
設備・計測器保守、校正・検証、破損部品使用停止、影響評価点検、校正、修理、部品管理
製品検査・保留基準、採取、識別、権限解除、再処理、廃棄検査結果、保留・解除記録
出荷製品、ロット、数量、温度、出荷先積込停止、差替え、連絡出荷判定、配送、追跡情報
注意事項

管理基準の数値は、一般例や他社資料をそのまま採用せず、自社製品、工程、設備、容器量、保存条件、法令・顧客要求に基づく根拠を確認します。
必要に応じて専門家や検査機関の知見を利用してください。

飲食店・給食・多店舗運営でHACCPを形骸化させない方法

飲食店や給食施設では、少量多品種、日々の仕入れ、メニュー変更、短時間の調理、パート・アルバイトを含む勤務交代などにより、記録が実態から離れやすくなります。
手引書の様式を埋めることを目的にせず、食中毒等の危害を防ぐ判断に必要な項目へ絞り、開店前、仕込み、調理、提供、閉店時の業務へ組み込みます。

給食では、乳幼児、高齢者、患者など喫食者の特性、治療食・アレルギー対応、施設側との責任分担、配膳までの時間・温度を確認します。
飲食店では、テイクアウト、デリバリー、作り置き、真空調理、生食メニューなど、従来の店内提供と異なる条件をメニュー変更時に評価します。
現場へ新しい商品が先に導入され、危害分析や表示情報が後から追う状態を避けます。

多店舗チェーンでは、本部が標準レシピ、承認仕入先、教育教材、店舗点検、逸脱基準を管理し、各店舗は受入れ、保管、温度、体調、清掃、提供判断を記録します。
本部は記録の提出率だけでなく、異常値、未記入の理由、是正の完了、店舗間の傾向を検証します。
店舗責任者の交代や新店開業時にも同じ確認ができる仕組みにします。

本部ルール・店舗記録・メニュー変更・従業員教育を連動させる

本部が決める項目と店舗が判断する項目を分け、変更通知がレシピ、アレルゲン表、教育、発注、POS、現場掲示へ同時に反映される流れを作ります。
受講記録だけでなく、実演や現場観察で力量を確認します。

飲食・給食・多店舗で確認する運用
場面本部・管理者の役割店舗・施設の実施検証方法
仕入先・商品採用承認条件、仕様、アレルゲン情報を管理指定品の受入れと代替品の申請仕入履歴、代替品の承認確認
メニュー・献立変更危害、調理条件、表示・案内を事前評価最新版レシピで調理導入前承認、初回確認
受入れ・保管温度帯、期限、隔離基準を設定温度・状態確認、区分保管記録レビュー、現場観察
加熱・冷却・提供重要な基準と測定方法を設定測定、記録、逸脱時の処置機器確認、記録と実作業の照合
アレルゲン対応情報源、更新、問い合わせ手順を統一注文確認、調理・提供時の照合模擬問い合わせ、変更履歴
従業員の健康・衛生申告基準、就業判断、教育を設定体調申告、手洗い、服装、行動面談、観察、記録の整合
清掃・害虫等対象、方法、頻度、委託条件を設定実施、異常報告、改善巡回、傾向、委託報告
店舗監査・是正監査員、基準、期限、横展開を管理原因分析、対策、証拠提出再確認、再発傾向、経営報告
編集部コメント

記録項目を増やす前に、店長が異常時に判断できるかを確かめます。
数値を記入しても、基準外の製品を提供してよいか、誰へ連絡するか、どこまで廃棄・保留するかが不明なら運用は完成していません。

仕入先・OEM工場・物流・清掃業者を食品安全の仕組みに含める

食品安全に影響する外部提供者は、原材料メーカーだけではありません。
OEM工場、倉庫、冷蔵・冷凍運送、包材会社、検査機関、清掃・防虫防鼠、設備保守、廃棄物処理、人材派遣などが工程を支えています。
会社単位で一律評価するのではなく、提供する原料・製品・サービスのリスクと、自社工程への影響に応じて選定・監視・再評価方法を決めます。

委託先がISO22000やFSSC22000を取得していても、登録証の対象サイト・活動・製品カテゴリと、自社が委託する工程が一致するかを確認します。
登録証だけでなく、仕様書、変更連絡、アレルゲン、検査、逸脱・事故連絡、トレーサビリティ、回収協力、再委託、監査権などを契約へ反映します。
認証を持たない供給者についても、リスクに応じた質問票、証明書、現地確認、受入検査などで管理できます。

緊急時には、通常の営業窓口では連絡が間に合わないことがあります。
健康被害の疑い、温度逸脱、異物、誤表示、原料回収、物流停止について、24時間を含む連絡先、第一報の期限、必要情報、製品保留、関係先への展開を決めます。
年に一度は机上訓練や模擬回収で、委託先との情報が実際につながるかを確認します。

選定・仕様・温度・アレルゲン・事故連絡・再評価を管理する

外部提供者台帳に、提供内容、リスク、承認条件、必要証明、監視頻度、変更・事故連絡先、再評価日を記載します。
価格や納期だけでなく、食品安全へ影響する条件を購買判断へ組み込みます。

比較時の確認ポイント

外部委託は作業の移転であって、ブランドオーナーや発注者の説明責任まで自動的に移すものではありません。
委託先の認証範囲と、自社が担う仕様・表示・販売・回収判断を分けて管理します。

食品安全へ影響する外部提供者の管理
外部提供者主なリスク契約・仕様で決めること監視・再評価の証拠
原材料・添加物微生物、化学、異物、アレルゲン、偽装規格、原産・配合情報、変更、回収連絡受入結果、証明、苦情、監査
包装材移行、破損、異物、表示版の違い材質、適合情報、版、変更承認受入れ、適合文書、使用実績
OEM工場工程管理、表示、交差接触、無断変更製造仕様、承認、保留、再委託、回収登録証、監査、ロット記録、KPI
倉庫温度、汚染、誤出荷、害虫温度帯、区画、逸脱、棚卸し温度、入出庫、巡回、事故
物流会社温度逸脱、遅延、積み合わせ、破損車両条件、測定、連絡、引渡し配送温度、洗浄、納品、苦情
清掃・防虫防鼠洗浄不足、薬剤、異物、報告遅延対象、薬剤、頻度、異常時提案作業報告、トレンド、現場確認
検査機関方法不適合、試料取違え、報告遅延方法、検出限界、搬送、速報能力情報、結果、精度・再評価
設備保守潤滑剤、部品、工具、再立上げ衛生入場、部品管理、引渡し確認作業票、部品照合、清掃・再開
派遣・請負力量、言語、衛生行動、責任不明教育、監督、申告、交代時引継ぎ教育、力量確認、現場観察

アレルゲン・食品表示・トレーサビリティ・回収をどう整えるか

アレルゲン管理は、製造現場の交差接触対策だけでは完結しません。
原材料規格書から配合、代替原料、製造順序、洗浄、再加工、表示原稿、包材照合、顧客への情報提供まで、同じ情報が一貫している必要があります。
仕入先が配合や製造場所を変更したとき、誰が影響を評価し、旧包材の使用停止やメニュー情報の更新を承認するかを決めます。

食品表示は、食品表示法、食品表示基準その他の適用要求に基づき、商品分類と販売形態ごとに確認します。
表示項目やアレルゲンの対象は改正されるため、過去商品の表示を流用せず、法令情報の更新担当、原材料情報の入手、表示案の作成、複数者による照合、印刷・納品時の版確認を管理します。
飲食店でも、問い合わせへの回答やメニュー表示の根拠となる最新情報を維持します。

トレーサビリティは、記録が存在することではなく、対象ロットの原料、製造・調理条件、在庫、出荷・提供先を必要な時間内に特定できることが重要です。
回収手順では、一次対応、製品保留、危害・法令評価、行政・取引先・消費者への連絡、回収範囲、数量照合、原因分析、再開判断までを決めます。
法令上の届出対象かは最新要件と所管行政の案内で判断します。

原材料情報から製造ロット・販売先・回収判断まで追跡できるようにする

一歩前の仕入先と一歩後の販売先だけでなく、社内の再包装、混合、分割、再加工、店舗間移動も追跡対象にします。
模擬回収では追跡率だけでなく、完了時間、数量差、連絡の到達、意思決定を評価します。

ポイント

表示とアレルゲンの管理は、完成したラベルの校正だけでは足りません。
原材料変更が配合、洗浄、包材、メニュー、問い合わせ回答へ同時に届く変更管理として設計します。

表示・アレルゲン・追跡・回収の接続
管理段階確認する情報主な統制記録・証拠
原材料情報配合、アレルゲン、原産、製造工程、変更最新版入手、承認、変更通知規格書、保証書、変更連絡
商品設計レシピ、使用量、工程、保存・喫食条件部門横断レビュー、試作、承認配合表、評価、承認履歴
交差接触共用設備、器具、粉じん、再加工区分、順序、洗浄、検証製造順、洗浄、検査・確認
表示原稿法定事項、アレルゲン、期限、保存根拠照合、法令確認、複数者承認校正履歴、チェック、承認版
包材受入れ・使用品名、版、数量、ライン旧版隔離、開始・終了照合、数量管理受入れ、払出し、ライン確認
店舗情報メニュー、原材料、代替品、問い合わせ本部更新、店舗反映、回答権限配信履歴、アレルゲン表、照会記録
ロット形成原料ロット、製造日時、ライン、再加工一意の識別と記録の接続製造・包装・在庫記録
出荷・販売出荷先、数量、日付、店舗ロット別引当て、販売情報保存納品、配送、POS・販売記録
回収判断危害、法令、対象範囲、連絡先評価チーム、決裁、行政照会判断記録、連絡、届出
模擬回収追跡時間、数量収支、連絡到達定期訓練、差異分析、是正訓練報告、数量照合、改善

工場・店舗・本部・委託工程を認証範囲にどう含めるか

認証範囲は、審査を受けやすい小ささではなく、登録証を使う目的と実際の業務プロセスから決めます。
対象製品・サービス、活動、製造・提供サイト、食品チェーンカテゴリを文章で表し、商品企画、購買、人事、設備、IT、物流などの共通部門が対象活動へどう関与するかを図示します。
登録証へ記載したい名称や製品群は、顧客要求と照合します。

本部を範囲外にしても、本部が承認仕入先、レシピ、採用・教育、内部監査、苦情・回収を管理しているなら、審査でその機能との関係が確認されます。
反対に、本部だけを認証しても、登録証に含まれない工場・店舗の製造・提供活動まで認証済みと表示できるわけではありません。
多サイト制度の利用可否、サイトサンプリング、中央機能の条件は規格・スキームごとに異なります。

OEMや物流を委託している場合、委託工程を認証範囲の説明から消すのではなく、自社がどの基準で選定し、仕様を伝え、実績を監視し、変更・事故・回収を管理するかを示します。
委託先の登録証は重要な証拠の一つですが、自社の認証範囲へ委託先そのものが自動的に含まれるわけではありません。

対象製品・工程・食品カテゴリ・製造サイト・共通部門を整理する

希望する登録証表記を一文で作り、製品一覧、工程図、サイト一覧、組織図、委託工程表で裏付けます。
その案が顧客要求に使えるか、規格上認証できるか、認証機関の認可範囲に入るかを見積前に確認します。

認証範囲を決めるための整理表
範囲要素記載・整理する内容確認するリスク主な資料
法人・組織名登録証へ載せる正式名称契約主体やブランド名との不一致登記、会社案内、契約
製品・サービス製品群、調理・給食サービス要求商品が範囲外になる商品一覧、メニュー、仕様
活動開発、製造、調理、包装、保管、配送等重要工程が表記から抜ける工程図、業務分掌
食品カテゴリスキーム上のカテゴリ・サブカテゴリ案対象外、審査員資格との不一致製品・工程情報、スキーム表
サイト工場、店舗、倉庫、キッチン、本部実施場所が登録証に含まれない所在地、配置、許可・届出
中央機能方針、購買、教育、監査、回収等本部責任が審査できない組織図、責任分担、会議
委託工程OEM、物流、検査、清掃等責任境界と管理方法が不明契約、仕様、評価、登録証
交替・季節夜勤、繁忙期、季節製品審査時に代表工程が動いていない生産計画、シフト、季節表
顧客要求必要な認証名、版、商品、期限取得後も取引条件を満たせない調達基準、顧客回答
対外表示Web、商品資料、提案書での表現認証範囲を超える表示登録証、ロゴ規則、承認記録
注意事項

認証範囲と登録証の表現は、自己判断だけで確定できません。
実際の活動を候補認証機関へ正確に伝え、スキーム所有者の規則、認証機関の認可範囲、顧客の受入条件を確認してください。

認証取得前に棚卸ししたい食品安全の資料と記録

相談前には、完成した食品安全マニュアルを新たに作る必要はありません。
現在の事業、法令、製品、工程、サイト、組織、取引条件、記録をそのまま集める方が、認証範囲と差分を正確に判断できます。
資料がない項目は無理に作った体裁へ整えず、「口頭運用」「担当者保管」「未確認」と状態を記載します。

最初に優先するのは、営業許可・届出、製品・メニュー一覧、原材料・製品仕様、工程図、施設配置、HACCPの衛生管理計画・危害分析、直近の実施記録、顧客の要求文書です。
次に、仕入先・委託先、教育、設備、測定機器、検査、苦情、逸脱、回収、内部点検、会議記録を集めます。
少なくとも繁忙期や季節品を含む実態が分かる期間を確認します。

既存資料は、名称ではなく用途で整理します。
たとえば「衛生会議議事録」がマネジメントレビューの入力を一部満たすこともあれば、経営判断や資源決定が不足することもあります。
「店舗チェック表」が内部監査の一部として使える場合も、監査員の客観性や規格全体の確認が別途必要になることがあります。
対応表で利用可能な部分と追加部分を分けます。

衛生管理計画・工程図・ハザード分析・温度・清掃・教育・回収記録を集める

フォルダを整える前に、資料名、対象サイト・製品、責任者、最新版の日付、保存場所、実際の使用状況を台帳化します。
見積先には同じ範囲と同じ資料概要を提示し、提案条件の差を比較します。

取得相談前の資料棚卸し
資料群集める主な資料確認すること相談で使う目的
事業・法令許可・届出、施設情報、適用法令一覧営業と拠点の全体像、更新状況法令上の土台を確認
顧客要求調達基準、監査票、契約、仕様書規格、版、範囲、期限到達すべき認証を確定
製品・メニュー製品群、配合、用途、喫食者、保存類似製品群と高リスク条件HACCP studyとカテゴリを整理
工程・施設工程図、動線、配置、ユーティリティ実工程との一致、交差、委託審査範囲とPRPを把握
HACCP・衛生衛生管理計画、危害分析、管理表最新版、根拠、変更反映既存運用と規格差分を確認
日常記録受入れ、温度、加熱、冷却、清掃、出荷連続性、異常値、承認、是正運用実績と空白を確認
人・力量組織図、職務、教育、資格、シフト食品安全チームと現場力量推進体制と教育量を算定
設備・検査保守、校正・検証、検査、環境測定基準、頻度、結果の利用設備投資と外注条件を確認
外部提供者仕入先、OEM、物流、清掃、検査の資料承認、契約、監視、変更連絡サプライチェーン範囲を確認
異常・改善苦情、逸脱、回収、監査、会議、是正原因、横展開、効果確認仕組みの有効性を評価
編集部コメント

資料が整っていないこと自体より、実態と説明が異なることの方が大きな問題です。
未整備は未整備として示し、審査までに必要なもの、運用しながら改善するもの、対象外と判断するものへ分けます。

食品安全チームの体制と取得費用・期間を左右する条件

食品安全認証は品質保証担当者だけでは構築できません。
食品安全チームには、製造・調理、品質保証、商品開発、購買、設備、物流、店舗運営など、対象工程の知識を持つ人を含めます。
チームリーダーは会議を開くだけでなく、危害分析に必要な情報を集め、変更を反映し、未解決事項を経営層へ上げる権限を持ちます。
小規模組織では一人が複数役割を兼ねても、作成・承認・検証の責任を明確にします。

取得費用と期間は、会社の売上規模だけでは決まりません。
対象規格、食品チェーンカテゴリ、サイト数、従業員数、シフト、製品群、工程の複雑さ、HACCP studyの数、委託工程、季節操業、既存運用の成熟度、希望期限などが審査工数と準備量へ影響します。
FSSC22000ではスキーム所定の審査時間計算と認証機関の判断が関係します。

見積もりは、初回審査費だけでなく、申請、Stage 1・Stage 2、移動、追加審査、登録、毎年のサーベイランス、再認証、規格購入、検査、設備改善、教育、コンサル支援、社内工数を分けます。
ISO22000を経てFSSCへ進む案と、初めからFSSCへ進む案では総費用とスケジュールが異なるため、同じ最終目標で比較します。

製品数・工程・拠点・シフト・設備・規格数を同じ条件で見積もる

認証範囲案、従業員数、シフト、製品群、HACCP study、対象カテゴリ、希望日、既存認証、支援範囲を見積依頼書へそろえます。
金額が違う場合は、審査日数と含まれる作業を一項目ずつ確認します。

比較時の確認ポイント

安い見積もりが同じサービスとは限りません。
認証範囲、審査日数、交通費、追加審査、毎年の維持、支援回数、現地対応、FSSC Version 7移行まで含め、三年間程度の総負担が分かる形で比較します。

費用・期間へ影響する主な条件
条件費用・期間へ与える影響事前に伝える情報見積比較の観点
対象規格・スキーム要求数、審査方式、移行準備が変わるISO22000、FSSC、ISO9001等最終目的が同じか
食品カテゴリ審査員の力量とPRP要求が変わる製品、工程、用途、カテゴリ案認証機関の認可範囲
サイト数・本部訪問場所と中央機能の確認が増える全拠点、機能、希望範囲全サイト費用と将来追加
従業員・シフト審査時間帯と面談対象が増えるFTE、派遣、夜勤、休日操業代表シフトを審査できるか
製品群・工程危害分析と審査サンプルが増える製品群、ライン、工程、HACCP study類似性の区分根拠
委託・供給者契約・監視・現地確認が増えるOEM、物流、検査、清掃支援範囲と追加監査
設備・施設改修、保守、ゾーニング等が必要になる配置、築年、課題、投資計画必須対応と改善提案の区分
既存運用記録の蓄積と差分作業量が変わるHACCP、JFS、顧客監査の実績既存資料を活かす前提
希望期限教育・運用実績・審査枠へ影響する契約期限、商談日、繁忙期現実的な余裕と代替策
支援内容内製・外部支援の工数が変わる文書、教育、内部監査、審査対応成果物、回数、追加料金

食品製造・飲食業の規格選定で避けたい5つの決め方

規格選定で最も避けたいのは、食品業界という大きな分類だけで取得規格を決めることです。
同じ会社でも、工場で包装食品を製造する活動、店舗で調理提供する活動、本部の商品企画、OEM管理では、適用可能なカテゴリと必要な証明が異なります。
取引先要求がある場合は、自社の改善目的より先に要求原文を確定します。

次に、認証名を取得すれば会社の全商品・全拠点を説明できると考えないことです。
登録証には組織、サイト、活動、製品・サービス等の範囲が記載されます。
FSSC22000ではスキーム対象カテゴリも関係します。
将来追加する工場や店舗があるなら、初回範囲、拡大時期、共通部門の設計をあらかじめ検討します。

また、審査のためだけに既存のHACCP帳票を作り直すと、現場の二重記録が増えます。
既存記録を規格要求へ対応付け、不足する責任、判断、分析、検証だけを補います。
費用や取得日だけで支援先を選ばず、食品カテゴリの経験、FSSCの認可範囲、取得後の維持、最新版への移行支援まで確認します。

業種名だけの選択・FSSCの対象未確認・記録の二重化を見直す

候補を一つに決める前に、選定根拠を一文で説明します。
「誰の、どの要求を、どの製品・工程・サイトの証明で満たすか」が書けなければ、見積依頼の前に条件を再確認します。

避けたい決め方と修正方法
避けたい決め方起こり得る結果修正する確認判断の証拠
食品会社だからFSSCを選ぶ対象カテゴリや目的が合わない業態、工程、顧客指定から候補を絞る商流図、工程図、要求文書
HACCP実施だけで全取引に使えると考える指定登録証を提出できない法令対応と取引認証を分ける調達基準、顧客回答
認証名だけ確認する商品・サイトが登録範囲外になる登録証表記案を事前照合する範囲案、認証機関回答
ISO用の帳票を一から増やす二重入力で現場に定着しない既存記録の用途と不足だけを確認する文書・記録対応表
初回費用と最短日程だけで決める維持費や移行対応が想定を超える同一条件で総費用・支援範囲を比較する見積内訳、三年計画
注意事項

認証取得を急ぐほど、要求元と対象範囲の確認を先に行います。
違う規格や狭すぎる範囲で取得すると、登録証が発行されても本来の取引条件へ使えない可能性があります。

まとめ|HACCPを土台に、取引先要求と業態に合う認証を選ぼう

食品製造・飲食業では、まず自社に適用される法令とHACCPに沿った衛生管理を確認します。
衛生管理計画を作り、従業員へ周知し、日々実施・記録し、定期的に検証・見直すことが出発点です。
認証を取得してもこの責任は置き換わらず、反対に法令上のHACCPを運用していても、取引先が求める第三者認証を自動的に満たすわけではありません。

食品安全を全社のマネジメントへ広げるならISO22000、顧客が指定し対象カテゴリが合うならFSSC22000、味・重量・納期・仕様・顧客満足まで管理するならISO9001を検討します。
国内の食品製造にはJFS-A・B・B Plus・C、外食・中食・給食にはJFSフードサービス、多店舗には同マルチサイトも候補です。
名称の優劣ではなく、受け入れられる証明と実際の業態を照合します。

相談前には、顧客要求、営業許可・届出、製品・メニュー、工程図、HACCP資料、サイト、組織、委託先、直近記録を集めます。
そのうえで、登録証へ示したい製品・工程・サイト、FSSCやJFSの対象カテゴリ、社内体制、希望期限を一枚にまとめます。
同じ条件で認証機関や支援会社へ伝えれば、規格選定、費用、期間、追加対応を比較しやすくなります。

認証機関や支援会社へ相談する前の最終チェック

次の項目を社内で仮決定し、未確定部分には確認先と期限を書きます。
規格名を確定できなくても、要求元と対象業務が明確なら、相談先から具体的な回答を得やすくなります。

ポイント

HACCPだけで足りるかの答えは、法令上の基準だけを問うのか、取引先へ登録証を示すのか、品質まで改善するのかで変わります。
要求元・業態・認証範囲を先に確定し、必要な仕組みだけを選びましょう。

食品事業者の相談前最終チェック
確認項目確認できた状態未確定時の確認先
法令・HACCP業態別の適用方法と使用する手引書・計画が明確厚生労働省情報、所管保健所
取得目的法令、取引、社内改善のどれかを区別できる経営層、営業、品質保証
取引先要求規格名、版、範囲、期限、代替可否が明確顧客の購買・品質保証
業態・工程製造、調理、保管、配送、販売を図示できる現場責任者、食品安全チーム
規格候補ISO22000、FSSC、ISO9001、JFSの根拠を説明できる認証機関、制度運営者、支援会社
認証範囲製品、活動、カテゴリ、サイト、共通部門が明確顧客、候補認証機関
資料・記録既存資料と不足項目を一覧化できる各部門責任者、内部監査担当
体制・見積責任者、期限、対象条件、維持費を比較できる経営層、認証機関、支援会社

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少数精鋭による柔軟なサポートと月額3万円から利用できる料金体系が魅力

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月額30,000円(税込33,000円)から利用できるリーズナブルな料金体系も特徴の一つで、ISO取得にかかるコストをできるだけ抑えたい企業にも相談しやすいサービスです。

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よくある質問

HACCPとISO22000の違いは何ですか?

HACCPは、食品の工程にある危害要因を分析し、重要な工程を管理する考え方です。
日本では一般衛生管理と組み合わせた「HACCPに沿った衛生管理」への取組が原則として食品等事業者に求められます。
ISO22000はHACCPを含み、方針、目標、責任、コミュニケーション、内部監査、マネジメントレビュー、改善まで組織全体で管理する食品安全マネジメントシステム規格です。

HACCPに対応していればISO22000は不要ですか?

法令上の衛生管理を行うだけであれば、ISO22000認証がすべての食品事業者へ一律に義務付けられているわけではありません。
ただし、取引先がISO22000、FSSC22000、JFS-Cなどの登録証を指定している場合や、複数部門・拠点の食品安全を全社で管理したい場合は、HACCP運用に加えて認証を検討する意味があります。
要求原文と取得目的で判断してください。

飲食店でもISO22000を取得できますか?

ISO22000は食品チェーンに関わる組織を対象とするため、飲食店、給食、ケータリングなども、対象活動と認証範囲が規格に合えば取得を検討できます。
受入れ、保管、調理、提供、アレルゲン、従業員衛生などを食品安全マネジメントへ組み込みます。
ただし、外部から認証を求められているか、単独店舗で維持できる負担か、JFSフードサービス等が目的に合うかも比較します。

FSSC22000は飲食店や給食施設も取得できますか?

FSSC22000の食品チェーンカテゴリにはケータリング・フードサービスに関係する活動がありますが、すべての飲食店や給食施設が名称だけで取得対象になるわけではありません。
実際の調理・提供活動、施設、中央機能、委託関係を示し、最新版スキームの対象カテゴリに合うか、そのカテゴリを扱える認証機関があるかを確認します。
JFSフードサービスやマルチサイト規格との比較も有効です。

ISO22000とFSSC22000はどちらを選ぶべきですか?

食品安全をISOのマネジメントシステムとして整え、利害関係者へ示す目的ならISO22000が候補です。
取引先がFSSC22000または受入可能なGFSI承認プログラムを条件とし、自社の製品・工程・サイトがFSSCの対象カテゴリに合う場合はFSSC22000を検討します。
FSSCはISO22000に適用PRP規格と追加要求事項を組み合わせるため、顧客要求、範囲、期限、維持負担を比較して決めます。

食品会社がISO9001を取得する意味はありますか?

あります。
ISO9001は食品安全専用ではありませんが、味、重量、外観、納期、顧客仕様、商品開発、苦情、顧客満足など、安全性以外の品質を一貫して管理する場合に役立ちます。
ISO22000やFSSC22000と共通化できる仕組みはありますが、食品安全上の危害管理と顧客品質の判定基準は分けます。
取引先が求める認証と自社の品質課題が一致するかを確認してください。

FSSC22000 Version 7への移行期限はいつですか?

Foundation FSSCの2026年9月8日時点の案内では、Version 6による審査は2027年4月30日まで可能で、Version 7の審査・アップグレード審査は2027年5月1日に始まります。
アップグレード審査期間は2028年4月30日までです。
各社の期限は認証サイクルや不適合対応にも関係するため、次回審査日と適用版を認証機関へ確認し、最新のFAQやBoS決定事項も確認します。

食品業界の認証取得費用と期間は何で変わりますか?

対象規格、食品チェーンカテゴリ、サイト数、従業員数、シフト、製品群、工程、HACCP studyの数、委託先、季節操業、既存記録、設備対応、希望期限で変わります。
審査費だけでなく、申請、移動、追加審査、毎年の維持、再認証、検査・設備、教育、コンサル支援、社内工数を含めて比較します。
同じ認証範囲と支援条件で複数の見積もりを取ることが重要です。

監修者コメント

食品製造・飲食業の規格選定では、HACCPに沿った衛生管理という法令上の土台と、ISO22000・FSSC22000・ISO9001・JFS規格による第三者評価を分けて考えることが重要です。
本稿は2026年9月8日時点の公開情報に基づいています。
同日時点でISO22000はISO 22000:2018とAmd 1:2024が現行で、ISO/DIS 22000は開発中です。
ISO9001はISO 9001:2015とAmd 1:2024が公開済みで、第6版はISO公式サイト上でUnder publicationの段階にあり、まだ発行済みとして扱っていません。
Foundation FSSCは2026年5月1日にFSSC22000 Version 7を公表しており、V6審査は2027年4月30日まで、V7審査とアップグレード審査は2027年5月1日から、アップグレード審査は2028年4月30日までと案内しています。
また、JFSMは2026年8月12日にJFS-C Version 3.2のGFSI Benchmarking Requirements Version 2024に対する承認取得、同年8月17日にJFSフードサービス・マルチサイト Version 2.0の公表を案内しています。
HACCPの適用方法、食品表示、アレルゲン、回収届出、営業許可・届出は業態、商品、地域、改正時期によって変わるため、厚生労働省、消費者庁、所管保健所等の最新情報で確認してください。
規格・スキームの適用可否、食品チェーンカテゴリ、登録証表記、移行日は、要求元、制度運営者、認証機関の最新案内で最終判断しましょう。