自己適合宣言とは?ISO認証との違いと取引先へ説明するときの注意点
株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
監修者情報 金光 壮太
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。
これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。
イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
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株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
- ISO27001(ISMS)
- ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
- ISO認証取得支援
- ISO運用支援
- 更新審査・再認証審査支援
- 内部監査支援
- マネジメントレビュー支援
- ISOコンサル会社の比較・調査・監修
自己適合宣言とは、自社の責任で「自社のマネジメントシステムがISO規格の要求事項に適合している」と表明する方法です。 認証機関による第三者認証とは違い、認証登録証が発行されるものではありません。 ISO認証を維持するには、維持審査や更新審査、審査対応の工数がかかります。 そのため、すでに社内でISOの運用が定着している会社や、取引先から認証登録証を求められなくなった会社では、自己適合宣言への切り替えを検討することがあります。 ただし、自己適合宣言は「規格上の選択肢」ではあっても、すべての取引先や入札条件でISO認証の代わりとして認められるとは限りません。 この記事では、自己適合宣言の意味、ISO認証との違い、メリット・デメリット、返上前に確認すべきこと、取引先へ説明するときの注意点を、イソログに届く相談例も交えながら整理します。
この記事でわかること
- 自己適合宣言は自社の責任でISO規格への適合を表明する方法であること
- ISO認証、自己適合宣言、外部確認、第三者意見書の違い
- 自己適合宣言のメリットと、取引・入札で注意すべきリスク
- ISO返上前に確認すべき取引先条件・社内運用・証拠書類
- 自己適合宣言書に入れる項目と、取引先へ説明するときの確認ポイント
自己適合宣言とは?まず結論
自己適合宣言とは、組織が自らの責任で、対象となる規格の要求事項に適合していることを評価し、その結果を外部に表明する方法です。
ISOの文脈では、自社のマネジメントシステムがISO9001、ISO14001、ISO/IEC27001などの要求事項に沿って運用されていることを、自社の責任で宣言する形になります。
一般的なISO認証では、認証機関による審査を受け、適合していると判断されると認証登録証が発行されます。
一方、自己適合宣言では、認証機関の登録証ではなく、自社が作成した宣言書や支援文書、内部監査の記録などによって適合性を説明します。
大切なのは、自己適合宣言が「勝手に名乗ればよい」という意味ではないことです。
規格要求を理解し、運用の証拠を残し、必要に応じて取引先へ説明できる状態にしておく必要があります。
自己適合宣言はISO認証を受けない方法ですが、規格への理解、運用の証拠、説明責任は自社に残ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をするものか | 自社の責任で、規格への適合を評価し、外部へ宣言する |
| 誰が確認するか | 基本的には自社が確認する。必要に応じて外部確認や第三者意見書を加えることもある |
| 登録証は出るか | 認証機関によるISO認証登録証とは異なり、自社の宣言書が中心になる |
| 使われやすい場面 | ISO返上後の運用継続、社内管理目的、取引先が自己宣言を認める場合など |
| 注意点 | 取引先や入札条件でISO認証の代わりに認められるとは限らない |
ISO認証と自己適合宣言の違い
ISO認証と自己適合宣言の大きな違いは、誰が適合性を確認し、誰の責任で外部に示すかです。
ISO認証では、認証機関が第三者として審査を行います。
登録証が発行されるため、取引先や発注者に対して「外部機関の審査を受けている」と説明しやすくなります。
一方、自己適合宣言では、自社が規格への適合を確認し、自社の責任で宣言します。
外部の認証機関による登録証がないため、取引先から見ると客観性が弱く見えることがあります。
そのため、必要に応じて外部確認や第三者意見書、支援文書を用意して信頼性を補うこともあります。
自己適合宣言は、ISO認証より劣るという単純な話ではありません。
ただし、客観的な証明力や取引先での受け入れやすさは、第三者認証と同じとは考えない方が安全です。
| 項目 | ISO認証 | 自己適合宣言 | 外部確認・第三者意見書 |
|---|---|---|---|
| 確認する主体 | 認証機関 | 自社 | 外部の専門家、団体、利害関係者など |
| 対外的な見え方 | 第三者審査を受けた証明として説明しやすい | 自社の責任による表明として説明する | 自己宣言の客観性を補う材料になる |
| 主な書類 | 認証登録証、審査報告書など | 自己適合宣言書、内部監査記録、支援文書など | 適合性評価報告書、第三者意見書など |
| 費用・工数 | 審査費用や審査対応工数がかかる | 審査費用は抑えやすいが、証拠整備は自社で必要 | 依頼先や確認範囲に応じた費用・工数が発生する |
| 取引先での受け入れ | 条件に合えば受け入れられやすい | 取引先や入札条件によって判断が分かれる | 補強材料にはなるが、ISO認証の代替になるとは限らない |
リアルな声:自己適合宣言で迷いやすいケース
自己適合宣言の相談では、単に費用を下げたいという話だけでなく、取引先への説明、営業資料の扱い、社内運用の継続に関する不安が多く出てきます。
特に、長年ISO認証を維持してきた会社ほど「返上しても本当に問題ないのか」「登録証がなくなった時に営業や品質保証が困らないか」という判断で迷いやすくなります。
イソログに届く相談内容や参考口コミをもとに、自己適合宣言で担当者が迷いやすい場面を整理しました。
Cases
失敗談・相談事例
取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。
審査費用が重く、自己適合宣言への切り替えを検討した
イソログ相談事例
複数拠点でISO認証を維持しており、毎年の審査費用と審査対応の準備が負担になっていました。
社内では、すでに運用は定着しているのだから自己適合宣言でよいのでは、という意見が出ていました。
費用負担は重要な判断材料ですが、取引先条件や入札要件、登録証が営業で使われているかまで確認してから判断する必要があります。
取引先に確認したら、自己適合宣言では不可と言われた
イソログ相談事例
ISO返上を検討していたものの、主要取引先に確認したところ、認証機関による登録証が必要だと分かりました。
社内だけで返上を決めていたら、取引条件に影響するところでした。
自己適合宣言に切り替える前に、主要取引先や発注者へ確認することが欠かせません。
特に契約書や調達基準にISO認証が明記されている場合は注意が必要です。
登録証がなくなることを営業部門が不安視した
イソログ相談事例
品質保証部門では運用が定着していると判断していましたが、営業部門では会社案内や提案資料でISO認証を訴求していたため、返上後の説明に不安がありました。
ISO認証は品質部門だけでなく、営業・調達・入札対応にも関係します。
返上前に、どの部署がISO認証を使っているかを洗い出しましょう。
審査がなくなった後、内部監査の優先度が下がりそうだった
イソログ相談事例
外部審査がなくなれば楽になると考えていましたが、社内では内部監査やマネジメントレビューを誰が続けるのか決まっていませんでした。
自己適合宣言は審査対応を減らせる一方で、運用を続ける責任は自社に残ります。
年間計画と担当者を決めておくことが大切です。
運用できているつもりだったが、説明できる記録が足りなかった
イソログ相談事例
現場ではルールに沿って仕事をしていましたが、内部監査の記録や改善記録が整理されておらず、取引先に自己適合を説明する材料が不足していました。
自己適合宣言では、実際に運用していることを示す支援文書が重要です。
宣言書だけでなく、記録や評価結果を残しましょう。
自己適合宣言で迷う時は、費用だけでなく、取引先・営業・品質保証・社内運用・証拠書類の5つを確認しましょう。
自己適合宣言が選ばれる主な理由
自己適合宣言が検討される背景には、ISO認証を維持する負担があります。
ISO認証は取得して終わりではなく、維持審査や更新審査があります。
審査費用だけでなく、審査前の資料整理、各部署への説明、当日の対応、指摘への是正処置なども必要です。
長年運用している会社ほど、ISOが本来の改善活動ではなく、審査対応のための作業になっていると感じることがあります。
また、取引先からISO認証を求められなくなった、社内のPDCAが定着している、認証範囲を維持する費用対効果が見えにくい、といった理由で返上や自己適合宣言を検討する会社もあります。
自己適合宣言を検討する理由は自然ですが、返上前に「本当に認証が不要なのか」「運用は続けられるのか」を切り分けることが重要です。
| 理由 | よくある状況 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 審査費用を抑えたい | 維持審査・更新審査・登録維持費が負担になっている | 費用削減だけでなく、取引先影響も確認する |
| 審査対応の工数を減らしたい | 審査前だけ資料作成や残業が増えている | 審査対応ではなく、通常業務の記録で説明できるか確認する |
| ISO運用が形骸化している | 審査のためだけの帳票や会議が残っている | 返上より先に運用スリム化で改善できないか見る |
| 取引先要求がなくなった | 以前は必要だったが、今は登録証を求められない | 主要取引先・入札条件・契約書を確認する |
| 社内運用が定着している | 内部監査や改善活動が自社で回せている | 外部審査がなくても継続できる体制か確認する |
自己適合宣言のメリット
自己適合宣言のメリットは、費用と工数を見直しやすいことです。
認証機関による審査を受けないため、審査費用や登録維持費を抑えられる可能性があります。
また、審査対応を前提にした過剰な資料作成を減らし、自社の実態に合った運用へ見直しやすくなります。
ISOの仕組みを、審査に通すためではなく、社内の管理や改善のために使いやすくなる場合もあります。
ただし、メリットは会社の状況によって変わります。
取引先がISO認証を求めている会社では、費用削減以上に信用面の影響が大きくなることがあります。
自己適合宣言のメリットは、認証をなくすこと自体ではなく、会社に合わないISO運用を見直しやすくなる点にあります。
| メリット | 期待できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 審査費用を抑えやすい | 維持審査・更新審査に関する外部費用を減らせる可能性がある | 支援文書の整備や外部確認には別途工数・費用がかかることがある |
| 審査対応工数を減らしやすい | 審査前だけの資料整理や当日対応を減らせる | 内部監査や改善活動をやめてよいわけではない |
| 運用を柔軟に見直せる | 自社の実態に合わない帳票や手順を整理しやすい | 規格要求を満たしている根拠は残す必要がある |
| 社内改善目的に戻しやすい | ISOを外部審査対応ではなく、業務改善の仕組みとして使いやすい | 経営層や各部署の関心が下がると形骸化しやすい |
自己適合宣言のデメリット・リスク
自己適合宣言にはメリットがある一方で、対外的な信頼性に関するリスクがあります。
ISO認証では、認証機関による審査を受けた事実を登録証で示せます。
しかし自己適合宣言では、自社が適合していると表明する形になるため、取引先から見ると客観的な証明として弱く見られることがあります。
また、公共調達や大手企業との取引では、認証機関によるISO認証が条件になっている場合があります。
その場合、自己適合宣言では条件を満たせない可能性があります。
さらに、外部審査がなくなることで、内部監査やマネジメントレビューの緊張感が弱まり、運用が形骸化するリスクもあります。
自己適合宣言は、審査費用を減らせる可能性がある一方で、外部からの信頼をどう補うかが大きな課題になります。
| リスク | 起きやすい問題 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| 対外的な信頼性が弱くなる | 取引先から登録証の提出を求められた時に説明が難しい | 主要取引先が自己適合宣言を認めるか |
| 入札・大手取引で通らない可能性 | 認証機関によるISO認証が条件の場合、要件を満たせない | 入札要件、契約書、調達基準の記載 |
| 登録証・認定マークを使えない | 会社案内や営業資料の訴求内容を変更する必要がある | 営業資料、Webサイト、提案資料でISOをどう使っているか |
| 運用が形骸化しやすい | 外部審査がなくなり、内部監査や改善活動が後回しになる | 年間計画、責任者、経営層レビューの継続方法 |
| 説明責任が自社に集中する | 品質トラブルや顧客監査時に、自社で証拠を示す必要がある | 内部監査記録、是正処置、支援文書の整備状況 |
自己適合宣言に向いている会社・向いていない会社
自己適合宣言が向いているかどうかは、会社の規模や業種だけでは決まりません。
重要なのは、ISO認証を外部に示す必要がどれくらいあるか、自社で運用を維持できるか、取引先が自己適合宣言を認めるかです。
外部要求がほとんどなく、ISOを社内改善のために使っており、内部監査やマネジメントレビューを自社で継続できる会社であれば、自己適合宣言を検討できる場合があります。
一方、入札、大手企業との取引、海外取引、顧客監査、営業上の信用にISO認証を使っている会社では、自己適合宣言へ切り替えることで不利になる可能性があります。
自己適合宣言に向いているのは、ISO認証がなくても取引や説明に支障がなく、自社で運用と証拠管理を続けられる会社です。
| 判断項目 | 向いている可能性がある会社 | 向いていない可能性が高い会社 |
|---|---|---|
| 取引先要求 | 主要取引先が自己適合宣言を認めている | ISO認証登録証の提出を求められる |
| 入札・調達 | ISO認証が入札条件や加点に関係しない | 公共調達や大手企業の調達基準にISO認証がある |
| 営業上の使い方 | ISO認証を営業資料でほとんど使っていない | 会社案内、提案書、WebサイトでISO認証を強く訴求している |
| 社内運用力 | 内部監査、是正処置、レビューを自社で継続できる | 外部審査がないと運用が止まりやすい |
| 証拠書類 | 宣言書、支援文書、運用記録を整備できる | 記録が散在しており、外部に説明できる状態ではない |
| 今後の事業方針 | 既存取引中心で、認証要件が明確に不要 | 新規顧客開拓、海外展開、大手取引を増やしたい |
ISO返上前に確認すべきチェックリスト
自己適合宣言を検討する時は、いきなりISOを返上するのではなく、影響範囲を確認することが大切です。
特に、取引先条件、入札要件、契約書、認証範囲、営業資料、社内運用体制は必ず確認したいポイントです。
ISO認証を取得した時点では必要だった条件が、現在も残っているとは限りません。
反対に、担当者が把握していないところで、営業や入札対応にISO認証が使われている場合もあります。
返上後に気づくと対応が難しくなるため、事前に社内外へ確認しておきましょう。
返上前チェックで問題が多い場合は、自己適合宣言へ急いで切り替えるより、認証範囲の見直しや運用スリム化を先に検討した方がよいこともあります。
| 確認項目 | 確認内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 主要取引先 | 自己適合宣言でも認められるか、登録証が必要か | 営業部門、品質保証部門、取引先窓口 |
| 入札・契約条件 | ISO認証が参加条件や加点条件になっていないか | 入札担当、契約書、発注者資料 |
| 認証範囲 | どの拠点・部署・業務が認証範囲に含まれているか | ISO事務局、登録証、審査報告書 |
| 営業資料・Webサイト | ISO認証の表記や認定マークを使っていないか | 営業部門、広報、Web担当 |
| 社内運用体制 | 返上後も内部監査、是正処置、レビューを続けられるか | 経営層、各部署責任者、ISO事務局 |
| 支援文書 | 自己適合を説明するための記録や評価結果を準備できるか | 品質保証、環境管理、情報システム、総務 |
取引先へ説明するときの確認ポイント
自己適合宣言で最も重要なのは、取引先がそれをどう受け止めるかです。
取引先が求めているものが、認証機関によるISO認証登録証なのか、ISOに基づいた管理体制なのか、社内監査や顧客監査で確認できればよいのかによって、対応は変わります。
そのため、自己適合宣言を検討している段階で、主要取引先へ確認しておくことが大切です。
確認する時は「自己適合宣言でよいですか」とだけ聞くのではなく、どの書類なら受け入れ可能か、第三者意見書や支援文書が必要か、既存契約に影響するかまで確認しましょう。
取引先確認では、自己適合宣言が認められるかだけでなく、どの書類を出せばよいかまで具体的に確認しましょう。
| 確認したいこと | 質問例 |
|---|---|
| 登録証が必須か | ISO認証機関による登録証の提出が必須条件でしょうか。自己適合宣言書での説明は可能でしょうか。 |
| 受け入れ可能な書類 | 自己適合宣言書のほか、内部監査記録や第三者意見書など、どのような資料があれば確認いただけますか。 |
| 契約・調達基準への影響 | ISO認証を返上した場合、既存契約や今後の取引先評価に影響はありますか。 |
| 対象範囲 | 必要とされているのは会社全体の認証でしょうか。それとも特定拠点・特定業務の管理体制でしょうか。 |
| 回答期限 | 認証維持または自己適合宣言への切り替え判断のため、いつまでに確認できますか。 |
自己適合宣言書に入れるべき項目
自己適合宣言を行う場合、宣言書の内容を明確にしておく必要があります。
宣言書は単なる社内メモではなく、自社がどの対象について、どの規格に適合していると宣言するのかを外部へ説明する書類です。
一般的には、発行者名、所在地、宣言の対象、適合を表明する規格、適用範囲、発行日、代表者名、支援文書などを整理します。
また、宣言書だけでは十分でないこともあります。
内部監査記録、マネジメントレビューの記録、是正処置記録、教育記録、苦情対応記録、リスク評価結果など、適合を裏付ける支援文書を整備しておくことが重要です。
自己適合宣言書は、宣言の対象・規格・範囲・責任者・支援文書を明確にし、外部から質問された時に説明できる状態にしておくことが大切です。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 発行者名・所在地 | 宣言する会社名、事業所名、所在地 | グループ会社や拠点が複数ある場合は対象を明確にする |
| 宣言の対象 | 製品、サービス、業務、拠点、マネジメントシステムなど | 何について適合を宣言するのか曖昧にしない |
| 適合を表明する規格 | ISO9001、ISO14001、ISO/IEC27001、JIS Q規格など | 規格名、版、適用する範囲を確認する |
| 適用範囲 | 対象部署、拠点、業務範囲、除外事項など | 以前の認証範囲と変わる場合は説明できるようにする |
| 宣言日・有効性の見直し | 宣言した日付、見直し時期 | 放置せず、定期的に見直す運用を決める |
| 代表者名・責任者 | 代表者または責任者の署名・承認 | 誰の責任で宣言するかを明確にする |
リアルな声:返上後に起きやすい見落とし
ISO認証を返上して自己適合宣言へ切り替える場合、返上そのものよりも、その後の運用や対外説明でつまずくことがあります。
特に、登録証がなくなった後の営業資料、取引先からの個別確認、内部監査の継続、支援文書の管理は見落としやすいポイントです。
ISO返上後や自己適合宣言への切り替え後に起きやすい見落としを、参考口コミとして整理しました。
Voices
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
登録証がなくなり、会社案内や提案資料の修正が必要になった
イソログ相談例
ISO認証を返上した後も、古い会社案内や営業資料にISO認証取得済みと記載が残っていました。
取引先に誤解を与える可能性があり、急いで修正することになりました。
返上後は、Webサイト、会社案内、提案書、名刺、メール署名など、ISO認証表記が残っていないか確認しましょう。
取引先ごとに説明が必要になり、思ったより手間が増えた
イソログ相談例
審査費用は減りましたが、取引先から自己適合宣言の内容や運用状況について個別に質問され、営業と品質保証で説明対応が増えました。
自己適合宣言では、登録証の代わりに自社で説明する場面が増えることがあります。
説明資料やFAQを社内で用意しておくと対応しやすくなります。
外部審査がなくなり、内部監査の予定が後回しになった
イソログ相談例
外部審査日がなくなったことで、内部監査の締切も曖昧になりました。
通常業務が忙しくなり、気づくと改善活動の記録が止まっていました。
自己適合宣言に切り替えても、内部監査やマネジメントレビューは継続が必要です。
年間スケジュールに固定しておきましょう。
コスト削減だけで決めたが、証拠書類の整備負担が残った
イソログ相談例
審査費用を削減できると考えて返上を検討しましたが、自己適合を説明するための内部監査記録、評価チェックリスト、改善記録の整備は引き続き必要でした。
自己適合宣言は、書類が不要になるという意味ではありません。
認証審査はなくても、適合を裏付ける支援文書は必要です。
返上後の見落としは、営業資料、取引先説明、内部監査、支援文書に集中しやすいです。
切り替え前に運用ルールを決めておきましょう。
自己適合宣言にするか、ISO認証を維持するかの判断
自己適合宣言にするか、ISO認証を維持するかは、費用だけで決めない方が安全です。
審査費用が負担になっている場合でも、取引先条件や入札要件でISO認証が必要であれば、返上によって営業上の不利益が出る可能性があります。
反対に、取引先が自己適合宣言を認めており、社内運用も自立している場合は、自己適合宣言を検討できることがあります。
また、返上だけが選択肢ではありません。
認証範囲を見直す、不要な帳票を減らす、審査機関を見直す、運用をスリム化するなど、ISO認証を維持しながら負担を減らす方法もあります。
自己適合宣言は、ISO認証の負担を減らす選択肢の一つです。
ただし、返上以外にも負担を下げる方法があるため、複数の選択肢を比較して判断しましょう。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| ISO認証を維持する | 取引先、入札、営業上の信用で登録証が必要 | 運用負担が大きい場合はスリム化を検討する |
| 認証範囲を見直す | 全社・全拠点での認証維持が重い | 必要な取引範囲を満たせるか確認する |
| 運用をスリム化する | ISO認証は必要だが、帳票や審査対応が重い | 規格要求を外さず、実務に合う形へ整理する |
| 審査機関や支援体制を見直す | 費用や審査対応に不満がある | 費用だけでなく、説明の分かりやすさや対応範囲も見る |
| 自己適合宣言へ切り替える | 外部要求がなく、自社で運用と説明責任を負える | 取引先に通るか、支援文書を整備できるかを確認する |
まとめ:自己適合宣言は便利だが、ISO認証の完全な代わりとは限らない
自己適合宣言は、自社の責任でISO規格への適合を表明する方法です。
審査費用や審査対応工数を見直し、自社の実態に合った運用へ切り替えやすくなる可能性があります。
一方で、ISO認証のように第三者機関が審査した登録証を示せるわけではありません。
取引先や入札条件によっては、自己適合宣言では認められないことがあります。
また、外部審査がなくなった後も、内部監査、マネジメントレビュー、是正処置、支援文書の整備は必要です。
自己適合宣言を検討する場合は、まず主要取引先、入札条件、契約書、営業資料、社内運用体制を確認しましょう。
そのうえで、ISO認証を維持するのか、認証範囲を見直すのか、運用をスリム化するのか、自己適合宣言へ切り替えるのかを比較することが大切です。
自己適合宣言は、費用削減だけで決めるものではありません。
取引先に認められるか、証拠を出せるか、運用を続けられるかまで見て判断しましょう。
自己適合宣言は、ISO認証を返上したい会社にとって有力な選択肢になることがあります。
ただし、認証登録証が不要になる一方で、説明責任は自社に残ります。
取引先が求めているものが第三者認証なのか、ISOに基づく管理体制なのかを確認し、返上前に営業・品質保証・経営層で影響を整理することが重要です。
よくある質問
自己適合宣言とは何ですか?
自己適合宣言とは、自社の責任で、対象となるISO規格などの要求事項に適合していることを評価し、外部へ宣言する方法です。
認証機関によるISO認証とは異なり、自社の宣言書や支援文書をもとに適合性を説明します。
ISO認証と自己適合宣言の違いは何ですか?
ISO認証は、認証機関が第三者として審査し、適合していると判断された場合に認証登録証が発行されます。
自己適合宣言は、自社が規格への適合を評価し、自社の責任で宣言するものです。
対外的な証明力や取引先での受け入れやすさは同じとは限りません。
自己適合宣言をすればISO取得企業と言えますか?
自己適合宣言は、ISO認証機関による認証取得とは異なります。
そのため、取引先や入札条件で「ISO認証取得企業」として扱われるかは、相手先の基準によって変わります。
外部に表示する場合は、ISO認証と誤解されない表現にすることが大切です。
取引先に自己適合宣言は認められますか?
取引先によって判断が分かれます。
ISO認証登録証が必須の場合は、自己適合宣言では認められない可能性があります。
一方、ISOに基づく管理体制が確認できればよい場合は、宣言書や支援文書、第三者意見書などで説明できることもあります。
事前確認が重要です。
ISO返上後に自己適合宣言へ切り替えても問題ありませんか?
返上後に自己適合宣言へ切り替えること自体は選択肢の一つです。
ただし、主要取引先、入札条件、契約書、営業資料、認証範囲、社内運用体制を確認してから判断する必要があります。
返上後も内部監査やマネジメントレビューなどの運用は継続しましょう。
自己適合宣言書には何を書けばよいですか?
発行者名、所在地、宣言の対象、適合を表明する規格、適用範囲、宣言日、代表者名、支援文書などを整理します。
あわせて、内部監査記録、マネジメントレビュー記録、是正処置、評価チェックリストなど、適合を裏付ける資料を用意しておくと説明しやすくなります。
自己適合宣言と第三者意見書は何が違いますか?
自己適合宣言は、自社の責任で規格への適合を表明するものです。
第三者意見書は、外部の専門家や団体などが確認した結果を示す資料で、自己適合宣言の客観性を補う材料になります。
ただし、第三者意見書があっても、ISO認証登録証の代わりとして必ず認められるとは限りません。
自己適合宣言にすれば審査対応や書類管理は不要になりますか?
不要にはなりません。
認証機関の審査はなくなっても、規格に適合していることを説明するための記録や支援文書は必要です。
内部監査、マネジメントレビュー、是正処置、教育記録などを継続して残すことが大切です。
一括資料請求






監修者コメント
自己適合宣言は、ISO認証の維持負担を見直すうえで検討できる方法です。
ただし、認証機関による登録証がなくなるため、取引先や入札条件で認められるか、営業上の説明に支障がないかを事前に確認する必要があります。
費用だけで返上を決めるのではなく、主要取引先、契約条件、認証範囲、社内運用力、支援文書の整備状況を確認し、認証維持・範囲見直し・運用スリム化・自己適合宣言を比較して判断することが重要です。