ISOの種類を一覧で確認|9001・14001・27001の違いについて初心者向けにわかりやすく解説

ISOの種類を一覧で確認|9001・14001・27001の違いについて初心者向けにわかりやすく解説
金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント

監修者情報 金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。

続きを読む

これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。

主な専門分野
  • ISO9001(品質マネジメントシステム)
  • ISO14001(環境マネジメントシステム)
  • ISO27001(ISMS)
  • ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
主な対応内容
  • ISO認証取得支援
  • ISO運用支援
  • 更新審査・再認証審査支援
  • 内部監査支援
  • マネジメントレビュー支援
  • ISOコンサル会社の比較・調査・監修

ISOには多くの種類がありますが、初めて担当する方が最初からすべてを覚える必要はありません。 まず大切なのは、自社が何を外部に説明したいのか、取引先から何を求められているのかを整理することです。 たとえば、品質管理を示したいならISO9001、環境への取り組みを整理したいならISO14001、情報セキュリティを説明したいならISO27001が候補になります。 この記事では、ISOの代表的な種類を一覧で確認しながら、9001・14001・27001の違いと、自社に合う規格の選び方を初心者にもわかりやすく整理します。

この記事でわかること

  • ISO規格にはモノの規格とマネジメントシステム規格があること
  • 企業がよく検討するISO9001・ISO14001・ISO27001の違い
  • 自社に合うISOを目的から選ぶ考え方
  • 複数のISOを取得する場合の組み合わせ方
  • 規格選びでよくある失敗と確認ポイント

ISOの種類は多いが、最初に見るべき規格は限られる

ISOと聞くと、ISO9001、ISO14001、ISO27001、ISO22000、ISO45001など、似たような番号がたくさん出てきます。
初めて担当する方にとっては、どれが何の規格なのか分かりにくいはずです。

ただし、企業が認証取得を検討する場面では、最初に確認すべき規格はある程度限られます。
特に相談が多いのは、品質管理のISO9001、環境管理のISO14001、情報セキュリティ管理のISO27001です。

この3つは業種を問わず検討されやすく、取引先から確認されることも多い規格です。
まずはこの3つの違いを押さえれば、ISO全体の見え方がかなり整理されます。

ポイント

ISOを調べ始めた段階では、すべての規格を暗記するよりも、まず9001・14001・27001が何を管理する規格なのかを理解することが近道です。

ISO規格の大きな分類|モノ規格とマネジメントシステム規格

ISO規格には、大きく分けて「モノや寸法、試験方法などをそろえる規格」と「会社の管理体制を整える規格」があります。

身近な例でいうと、非常口のマークやカードサイズのように、世界中で形や基準をそろえるための規格があります。
一方で、企業が取得を検討するISO9001やISO14001、ISO27001は、会社の管理の仕組みを整えるマネジメントシステム規格です。

ISO取得の話で重要になるのは、ほとんどの場合このマネジメントシステム規格です。
つまり「良い商品です」と直接保証するものではなく、「品質や環境、情報セキュリティを管理する仕組みがあります」と第三者に説明しやすくするものです。

比較時の確認ポイント

ISO取得を検討している担当者は、まず「自社が取得したいのはマネジメントシステム規格なのか」を確認すると、調べる範囲を絞りやすくなります。

ISO規格の大きな分類
分類内容身近な例企業担当者が見るポイント
モノや仕様の規格製品の寸法、表示、試験方法などを国際的にそろえる規格カードサイズ、非常口マーク、ねじの規格など一般企業の認証取得相談では主役になりにくい
マネジメントシステム規格会社のルール、責任者、記録、改善の仕組みを整える規格ISO9001、ISO14001、ISO27001など企業が取得を検討する中心になる
業種別・分野別の規格食品、医療、自動車、労働安全など特定分野に関係する規格ISO22000、ISO13485、ISO45001など業界や取引条件によって必要性が変わる

主要なISO規格一覧|まず知っておきたい代表規格

ISO規格は非常に多く存在しますが、企業の認証取得でよく検討されるものには一定の傾向があります。

品質、環境、情報セキュリティ、労働安全、食品安全など、自社が管理したいテーマによって選ぶ規格が変わります。
たとえば製造業だから必ずISO9001というわけではありません。
顧客情報を多く扱う会社であればISO27001が重要になることもありますし、廃棄物やエネルギー使用量の管理を求められる会社であればISO14001が候補になります。

ポイント

一覧を見るときは、規格番号だけで判断せず「何を管理する規格なのか」と「誰に説明するために必要なのか」をセットで見ることが大切です。

企業がよく検討するISO規格の一覧
規格主なテーマ向いている会社よくある取得理由
ISO9001品質マネジメント製造業、建設業、サービス業、BtoB企業品質管理体制を説明したい、取引先から求められた
ISO14001環境マネジメント工場、建設業、物流業、環境配慮を示したい企業環境対応、廃棄物管理、入札条件への対応
ISO27001/ISMS情報セキュリティマネジメントIT企業、SaaS企業、個人情報や機密情報を扱う企業セキュリティチェック対応、顧客からの信頼向上
ISO45001労働安全衛生マネジメント建設業、製造業、現場作業が多い企業労災リスク管理、安全衛生体制の整備
ISO22000/FSSC22000食品安全マネジメント食品製造、食品加工、食品流通に関わる企業食品安全管理、取引先監査への対応
ISO13485・ISO50001など医療機器、エネルギー管理など特定業界や専門分野の要求がある企業業界基準への対応、専門的な管理体制の説明

ISO9001・ISO14001・ISO27001の違いを一目で比較

ISO9001、ISO14001、ISO27001は、どれも会社の管理体制を整える規格ですが、管理するテーマが違います。

ISO9001は品質、ISO14001は環境、ISO27001は情報セキュリティです。
この違いを押さえないまま「ISOを取りたい」とだけ考えると、取引先が求めている規格と違うものを検討してしまうことがあります。

特に初めて相談する場合は、取引先から求められている規格名、入札要件に書かれている番号、社内で改善したい課題を分けて確認しましょう。

イソログに寄せられる相談でも、規格名だけで迷っているケースより、取引先から何を確認されているかを整理すると判断しやすくなるケースが多くあります。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

3
製造業

取引先から品質管理体制を聞かれ、ISO9001を検討した

イソログ相談例

状況

新規取引の前に、品質管理の仕組みや不良発生時の対応方法を確認されました。
社内では経験で回している部分も多く、説明資料として整理しにくい状態でした。

読み取りたいポイント

品質を説明したい場合は、単に製品の良さを伝えるだけでなく、品質を安定させる仕組みがあるかを見られます。
ISO9001はその説明材料になりやすい規格です。

建設業

入札条件で環境への取り組みを確認され、ISO14001を調べ始めた

イソログ相談例

状況

すでに現場で廃棄物削減や省エネには取り組んでいましたが、方針、目標、記録として整理されておらず、外部に説明しづらい状態でした。

読み取りたいポイント

ISO14001は環境活動を感覚的な取り組みで終わらせず、目標と記録を持って説明できる形にする時に役立ちます。

IT企業

顧客のセキュリティチェックが増え、ISO27001の必要性を感じた

イソログ相談例

状況

商談のたびに情報管理、アクセス権限、委託先管理、バックアップ体制を聞かれるようになり、担当者ごとに回答内容がばらついていました。

読み取りたいポイント

ISO27001は情報管理を担当者任せにせず、会社として説明できる状態を作るための規格として検討されやすいです。

比較時の確認ポイント

3つの規格は優劣で選ぶものではありません。
自社が証明したいこと、取引先が確認したいこと、社内で整えたい課題に合わせて選びます。

ISO9001・ISO14001・ISO27001の違い
比較項目ISO9001ISO14001ISO27001/ISMS
管理するテーマ品質、顧客満足、業務の安定環境負荷、廃棄物、エネルギー、法令対応情報セキュリティ、機密情報、個人情報
見られやすい場面品質監査、取引先調査、入札環境方針、公共案件、環境配慮の説明セキュリティチェック、委託先審査、情報管理確認
関係しやすい部門品質管理、製造、営業、管理部門総務、施設、製造、現場管理部門情報システム、総務、営業、全社員
整える資料業務手順、品質記録、クレーム対応、是正処置環境目標、法令一覧、廃棄物記録、緊急事態対応情報資産台帳、リスク評価、アクセス権限、委託先管理
向いている会社品質や業務のばらつきを減らしたい会社環境対応や外部説明を整理したい会社情報管理を顧客に説明したい会社
迷った時の考え方品質や取引条件が中心なら候補環境や入札条件が中心なら候補情報管理やセキュリティ確認が中心なら候補

ISO9001とは|品質管理や取引先対応で選ばれやすい規格

ISO9001は、品質マネジメントシステムの規格です。
製品やサービスの品質を安定させるために、業務の流れ、責任者、確認方法、記録の残し方、問題が起きた時の改善方法を整えていきます。

ここでいう品質は、製造業の製品品質だけではありません。
サービス業であれば、対応品質や提供手順も関係します。
建設業であれば、施工管理や書類管理、協力会社との連携も関係します。

ISO9001を取得すると、取引先に対して「品質を管理する仕組みがあります」と説明しやすくなります。
ただし、取得しただけで品質が自動的に上がるわけではありません。
現場で使える手順、記録、改善の流れにできるかが重要です。

ISO9001では、品質そのものよりも「品質を安定させる仕組みがあるか」を見られる場面が多くあります。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

2
品質管理担当

不良が起きた時の対応が人によって違っていた

イソログ相談例

状況

クレームが起きるたびに担当者が個別に対応しており、原因分析や再発防止の記録が残っていませんでした。
後から似た問題が起きても、前回の対応を確認できない状態でした。

読み取りたいポイント

ISO9001は、問題をゼロにする魔法ではありません。
問題が起きた時に原因を見つけ、次に同じことを起こしにくくする流れを残すことが重要です。

営業担当

会社案内だけでは品質管理を説明しきれなかった

イソログ相談例

状況

営業資料には実績や設備を載せていましたが、取引先からは検査体制や管理記録について質問されました。
社内の管理方法を営業が説明できる形にする必要がありました。

読み取りたいポイント

ISO9001は営業資料の飾りではなく、取引先に管理体制を説明するための共通言語として役立つことがあります。

ポイント

ISO9001は、品質を良く見せるための規格ではなく、品質を安定させる仕事の進め方を会社に残すための規格です。

ISO9001を検討しやすい会社
状況よくある課題ISO9001で整理しやすいこと確認したいポイント
取引先から品質管理を聞かれる説明資料や記録が担当者ごとに分かれている品質方針、業務手順、検査記録、是正処置取引先が求める規格名や範囲を確認する
クレームや手戻りを減らしたい原因分析や再発防止がその場限りになりやすい不適合対応、原因分析、再発防止の流れ現場で無理なく記録できる形にする
業務が属人化しているベテラン社員に依存している教育、引き継ぎ、手順の標準化実際の仕事と文書を離しすぎない

ISO14001とは|環境対応や企業姿勢を示すための規格

ISO14001は、環境マネジメントシステムの規格です。
廃棄物、エネルギー使用量、環境法令、騒音、排水、化学物質など、自社の事業が環境に与える影響を整理し、管理する仕組みを作ります。

環境活動というと、節電やごみ分別のような取り組みを思い浮かべるかもしれません。
しかしISO14001では、それだけでなく、事業活動の中でどこに環境影響があるのか、どの法令を守る必要があるのか、どの目標を立てて管理するのかを確認します。

特に製造業、建設業、物流業、工場や倉庫を持つ会社では、環境対応を取引先や自治体、入札先に説明する必要が出ることがあります。

ISO14001では、すでに行っている環境活動を外部に説明できる形へ整えることが価値になりやすいです。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

2
工場管理

環境活動はしていたが、根拠資料が分散していた

イソログ相談例

状況

省エネや廃棄物削減には取り組んでいたものの、目標、実績、法令確認、委託先管理の資料が別々に保管されていました。
審査や取引先確認のたびに探す時間がかかっていました。

読み取りたいポイント

ISO14001は新しい活動を増やすだけではなく、既存の環境対応を見える形に整理する時にも役立ちます。

建設業

入札で環境配慮を説明する必要が出てきた

イソログ相談例

状況

環境配慮の取り組みを問われても、現場ごとの工夫はあるのに会社全体の方針や記録として説明できませんでした。

読み取りたいポイント

ISO14001を検討する時は、現場単位の取り組みを会社としてどう管理するかを先に整理すると進めやすくなります。

ポイント

ISO14001は、環境に良いことをしていると感覚で伝えるのではなく、方針・目標・記録・見直しの形で説明できるようにする規格です。

ISO14001で整理しやすい内容
テーマ具体例よくある課題確認したい資料
廃棄物管理産業廃棄物、リサイクル、分別管理記録や委託先管理が部署ごとに違う廃棄物記録、契約書、許可証、マニフェスト
エネルギー管理電気、燃料、水道、設備稼働削減目標はあるが実績確認が弱い使用量データ、削減目標、設備管理記録
環境法令対応排水、騒音、化学物質、条例対応自社に関係する法令を一覧化できていない法令一覧、届出資料、点検記録
緊急事態対応油漏れ、薬品漏えい、火災時対応訓練や対応手順が口頭共有になっている緊急時手順、訓練記録、連絡体制

ISO27001/ISMSとは|情報セキュリティを管理する規格

ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステムの規格です。
日本ではISMS認証として呼ばれることも多く、顧客情報、個人情報、機密情報、システム情報などを守るための管理体制を整えます。

情報セキュリティというと、ウイルス対策ソフトやパスワード管理だけを想像しがちです。
しかしISO27001では、情報資産の洗い出し、リスク評価、アクセス権限、委託先管理、教育、事故発生時の対応など、会社全体の管理体制が関係します。

IT企業やSaaS企業だけでなく、顧客データを扱うBPO、士業、コールセンター、医療・福祉関連、EC運営会社などでも検討されることがあります。

ISO27001は、顧客からのセキュリティチェックが増えたタイミングで相談されることが多い規格です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

2
SaaS企業

商談のたびにセキュリティ確認シートが届くようになった

イソログ相談例

状況

アクセス制御、バックアップ、委託先管理、ログ管理などを毎回回答する必要がありました。
実際には対応していても、社内で説明資料がまとまっていませんでした。

読み取りたいポイント

ISO27001は、セキュリティ対策を実施するだけでなく、顧客に説明できる形に整理するためにも使われます。

BPO企業

個人情報を扱う案件で情報管理体制を求められた

イソログ相談例

状況

顧客データを預かる業務が増え、取引先から情報管理のルールや教育記録、委託先管理の状況を確認されました。

読み取りたいポイント

ISO27001では、情報システム部門だけでなく、実際に情報を扱う現場部門も含めた運用が重要になります。

ポイント

ISO27001は、セキュリティ担当者だけの規格ではありません。
情報を扱う社員全員が同じルールで動けるようにするための規格です。

ISO27001で確認されやすい内容
テーマ具体例よくある課題確認したい資料
情報資産管理顧客情報、契約書、システム情報、端末どの情報を守るべきか一覧化できていない情報資産台帳、保管場所、管理責任者
リスク評価漏えい、紛失、不正アクセス、誤送信リスクを感覚で判断しているリスク評価表、対策一覧、見直し記録
アクセス権限共有フォルダ、クラウド、管理画面、退職者対応権限付与や削除のルールが曖昧権限一覧、申請記録、退職時チェック
委託先管理外注先、クラウドサービス、開発会社委託先の管理状況を説明できない契約書、委託先評価、秘密保持、確認記録
教育・事故対応セキュリティ教育、インシデント対応事故時に誰が何をするか決まっていない教育記録、事故対応手順、連絡体制

複数のISOを取得する会社もある|9001・14001・27001の組み合わせ

会社によっては、ひとつのISOだけでなく、複数のISOを取得することがあります。
たとえば製造業で品質と環境の両方を説明したい場合は、ISO9001とISO14001を組み合わせることがあります。
IT企業で品質管理と情報セキュリティの両方を重視する場合は、ISO9001とISO27001を検討することもあります。

複数取得のメリットは、取引先への説明範囲が広がることです。
一方で、文書、記録、内部監査、審査対応の負担も増えます。
そのため、最初から全部を一気に取るべきか、まず必要性の高い規格から取るべきかは慎重に考える必要があります。

複数取得は便利に見えますが、目的が整理されていないと運用が重くなりやすい点に注意が必要です。

失敗談・相談事例

取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。

2事例
製造業

9001と14001をまとめて取得したいが、担当者の負担が心配だった

イソログ相談事例

状況

取引先から品質と環境の両方を確認され、同時取得を検討しました。
ただ、品質管理部門と総務・施設管理部門で持っている資料が分かれており、準備の進め方に不安がありました。

確認したい教訓

複数取得では、規格ごとに担当部門を分けるだけでなく、共通で使える文書や会議体を整理すると負担を抑えやすくなります。

IT企業

9001も27001も必要そうだが、どちらを先にするか迷った

イソログ相談事例

状況

品質管理の説明も必要でしたが、直近の商談ではセキュリティチェックが多く、ISO27001の優先度が高い状況でした。

確認したい教訓

複数の規格が候補にある場合は、今すぐ必要な取引条件、顧客からの確認頻度、社内課題の大きさから優先順位を決めると判断しやすくなります。

比較時の確認ポイント

複数取得は、会社に必要な説明範囲が広い時には有効です。
ただし、取得目的が曖昧なまま広げると、運用しきれない仕組みになりやすいので注意しましょう。

よくあるISOの組み合わせ
組み合わせ向いている会社期待できること注意点
ISO9001+ISO14001製造業、建設業、工場や現場を持つ会社品質と環境対応をまとめて説明しやすい現場記録や法令管理の負担を見積もる
ISO9001+ISO27001IT企業、BtoBサービス、システム開発会社品質と情報管理の両方を取引先に説明しやすい品質管理とセキュリティ管理の対象範囲を分ける
ISO14001+ISO45001建設業、製造業、現場作業が多い会社環境と安全衛生の管理を統合しやすい現場教育やリスク評価の運用工数に注意する
ISO9001+ISO14001+ISO27001大手取引や複数部門での管理体制が必要な会社幅広い管理体制を説明できる最初から広げすぎると担当者負担が大きい

自社に合うISO規格の選び方

自社に合うISOを選ぶ時は、規格名から考えるよりも、目的から逆算する方が間違いにくくなります。

まず確認したいのは、取引先や入札で具体的な規格名を求められているかどうかです。
もし「ISO9001必須」「ISMS認証が必要」と書かれているなら、その規格を優先して確認します。

次に、社内で改善したい課題を整理します。
品質のばらつきやクレームが課題ならISO9001、環境法令や廃棄物管理が課題ならISO14001、情報漏えいやセキュリティチェック対応が課題ならISO27001が候補になります。

最後に、取得後も続けられる運用かを考えます。
どれほど立派な規格を選んでも、担当者だけが抱え込み、現場が使えない仕組みになれば意味が薄れてしまいます。

ポイント

規格選びでは「有名だから」「他社が取っているから」ではなく、自社が誰に何を説明したいのかを出発点にしましょう。

目的別に見たISO規格の選び方
目的候補になりやすい規格最初に確認すること相談前に整理したい情報
品質管理を説明したいISO9001取引先が求める品質管理の範囲業務手順、検査記録、クレーム対応
環境対応を説明したいISO14001環境法令、廃棄物、エネルギー管理の状況環境目標、法令一覧、廃棄物記録
情報管理を説明したいISO27001/ISMS顧客からのセキュリティ確認内容情報資産、権限管理、委託先管理
入札条件に対応したい要件に書かれた規格規格名、対象範囲、期限、証明書の条件入札資料、期限、対象部署
複数の管理体制を整えたい9001、14001、27001の組み合わせ一度に進める範囲と社内体制担当者、既存資料、優先順位

規格選びでよくある失敗と注意点

ISOの種類を調べる時に起きやすい失敗は、規格名だけで判断してしまうことです。
たとえば、取引先が求めているのはISO27001なのに、品質管理のISO9001だけを見ていたというケースがあります。

また、認証範囲を広げすぎることも注意点です。
会社全体で取得するのか、特定の事業所や部門で取得するのかによって、準備する資料や審査範囲が変わります。
最初から対象を広げすぎると、担当者の負担が大きくなり、取得後の運用も重くなります。

さらに、取得後の運用を考えずに進めると、審査のためだけの文書が増えやすくなります。
ISOは取得して終わりではなく、取得後も維持審査や更新審査があります。
最初の規格選びの段階から、続けられる仕組みにする視点が必要です。

規格選びの段階での小さなズレは、取得準備が進むほど修正しにくくなります。
最初に確認すべきことを押さえておきましょう。

失敗談・相談事例

取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。

3事例
注意点

取引先からISOと言われただけで9001だと思い込んだ

イソログ相談事例

状況

品質管理の話だと思ってISO9001を調べていましたが、実際には顧客データを扱う委託業務のため、取引先が求めていたのはISO27001でした。

確認したい教訓

ISOと言われたら、まず正式な規格名を確認しましょう。
9001、14001、27001では準備する内容が大きく違います。

注意点

全社取得にした結果、関係部署が多くなりすぎた

イソログ相談事例

状況

最初から会社全体を対象にしたため、普段ISOに関係しない部門まで資料確認や記録作成が必要になりました。
担当者だけでは調整しきれず、準備が長引きました。

確認したい教訓

認証範囲は広ければ良いわけではありません。
取引先に説明したい業務や対象部門から、現実的な範囲を決めることが大切です。

注意点

審査に通ることだけを考えて文書が増えすぎた

イソログ相談事例

状況

必要そうな文書をどんどん作った結果、現場では誰も見ない資料が増えました。
取得後の更新時にも、更新されていない文書が問題になりました。

確認したい教訓

ISOは文書の量で評価されるものではありません。
現場で使えるルールと記録に絞ることが、取得後の運用を軽くします。

ポイント

ISOの規格選びでは、正式な規格名、認証範囲、取得目的、取得後の運用体制を最初に確認しておくことが大切です。

ISO規格選びでよくある失敗
失敗例起きやすい理由困ること防ぐための確認
規格名を取り違えるISOとだけ言われ、9001・14001・27001の違いを確認していない必要な認証と違う準備を進めてしまう取引先や入札資料で正式な規格名を確認する
対象範囲を広げすぎる会社全体で取った方が良いと思い込む資料準備や現場対応の負担が大きくなる対象部門、事業所、業務範囲を先に決める
取得後の担当者を決めていない取得プロジェクトだけに意識が向く維持審査や更新審査の準備が属人化する運用責任者と各部門の役割を決める
文書を作りすぎる審査で必要だと思い込み、実務以上に細かく作る現場で使われない資料が増える実際の業務に合わせた文書量にする
コンサル選びを価格だけで決める支援範囲や担当者の理解度を確認していない自社に合わない仕組みになることがある担当コンサルの経験、説明力、支援範囲を確認する

迷ったら、規格名ではなく「何を証明したいか」から考える

ISOの種類で迷った時は、規格番号から覚えようとするよりも、次の順番で考えると整理しやすくなります。

1つ目は、誰に説明するためのISOなのかです。
取引先、入札先、顧客、社内、親会社など、説明する相手によって必要な規格が変わることがあります。

2つ目は、何を証明したいのかです。
品質管理なのか、環境対応なのか、情報セキュリティなのか。
ここが曖昧なままだと、規格選びもコンサル選びもぼやけます。

3つ目は、どこまでを対象にするのかです。
会社全体、特定の事業所、特定の部署、特定のサービスなど、対象範囲によって準備の量も費用も変わります。

この3つが整理できると、ISO9001・ISO14001・ISO27001のどれを優先すべきか、複数取得が必要か、自社だけで進められるか、コンサルに相談した方がよいかを判断しやすくなります。

比較時の確認ポイント

規格選びは、番号を覚える作業ではありません。
自社の目的を整理し、必要な証明に合う規格を選ぶ作業です。

規格選び前に整理したい3つの質問
質問確認する理由具体例次の判断
誰に説明するためか必要な規格や証明内容が変わるため取引先、入札先、顧客、親会社要求元に正式な規格名を確認する
何を証明したいか9001・14001・27001の選び分けに直結するため品質、環境、情報セキュリティ目的に合う規格を候補にする
どこまでを対象にするか準備資料、審査範囲、費用、社内工数が変わるため全社、事業所、部門、サービス単位現実的な認証範囲を決める

まとめ:ISOの種類は、自社の目的から逆算して選ぶ

ISOには多くの種類がありますが、初めて担当する方は、まずISO9001、ISO14001、ISO27001の違いを押さえるところから始めれば十分です。

ISO9001は品質管理、ISO14001は環境管理、ISO27001は情報セキュリティ管理を整える規格です。
どれが一番良いというものではなく、自社が何を外部に説明したいのか、取引先が何を求めているのか、社内でどの課題を整えたいのかによって選ぶ規格が変わります。

迷った時は、まず正式な規格名、取得目的、対象範囲、希望時期、社内担当者、既存資料を整理しましょう。
その上で、必要に応じてISOコンサル会社や審査機関に相談すると、無駄な準備を減らしやすくなります。

ポイント

ISOの種類選びで大切なのは、流行や知名度ではなく、自社が証明したいことに合っているかどうかです。

編集部コメント

イソログでは、ISOの種類だけでなく、取得までの流れ、自社取得とコンサル相談の判断基準、最初に準備する資料も整理しています。
規格名が決まった後は、取得目的と社内体制を確認しながら、無理なく続けられる進め方を選びましょう。

ISOコンサル会社へ一括資料請求する

あわせて読みたい

よくある質問

ISO9001とISO14001は何が違いますか?

ISO9001は品質マネジメント、ISO14001は環境マネジメントの規格です。
ISO9001では業務手順、品質記録、クレーム対応、改善の流れなどを整理します。
ISO14001では環境方針、環境目標、廃棄物、エネルギー、環境法令対応などを整理します。

ISO27001とISMSは同じ意味ですか?

厳密にはISO27001は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格で、日本ではISMS認証という呼び方で扱われることが多いです。
実務上は、顧客からISMS認証を求められた場合、ISO27001を指していることが多いため、要求内容を確認しましょう。

ISOは複数同時に取得できますか?

複数のISOを同時に取得することは可能です。
たとえばISO9001とISO14001、ISO9001とISO27001を組み合わせる会社があります。
ただし、準備資料や審査対応、社内調整の負担も増えるため、取得目的と担当体制を先に整理することが大切です。

どのISOが一番取りやすいですか?

一概には言えません。
会社の業種、規模、既存資料、管理体制、対象範囲によって難しさが変わります。
自社に関係の薄い規格を選ぶより、実際の業務や取引先要求に合っている規格を選んだ方が進めやすくなります。

取引先からISO取得を求められたら、まず何を確認すべきですか?

まず正式な規格名を確認してください。
ISO9001、ISO14001、ISO27001では準備内容が違います。
あわせて、いつまでに必要なのか、会社全体が対象なのか特定部門でよいのか、認証書の提出が必要なのかも確認すると、相談や見積もりが具体的になります。

PマークとISO27001はどちらを取るべきですか?

個人情報保護を中心に説明したい場合はPマーク、情報セキュリティ全体の管理体制を説明したい場合はISO27001が候補になります。
ただし、取引先がどちらを求めているかによって判断が変わるため、要求内容を確認した上で比較しましょう。

ISOの種類を決める前にコンサルへ相談してもよいですか?

相談しても問題ありません。
むしろ、規格名がはっきりしない段階で目的、業種、取引先からの要求、希望時期を伝えると、どの規格を優先すべきか整理しやすくなります。

監修者コメント

ISOの種類を選ぶ時は、規格番号だけを見て決めるのではなく、自社が何を管理し、誰に何を説明したいのかを整理することが重要です。
ISO9001、ISO14001、ISO27001はいずれも有効な規格ですが、目的や対象範囲が合っていないと、取得後の運用が重くなりやすくなります。
初めて担当する方は、取引先の要求、社内課題、対象部門、取得後の担当体制を確認した上で、自社に合う規格を選びましょう。