ISO内部監査チェックリストの作り方|初心者向けの確認項目と質問例
株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
監修者情報 金光 壮太
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。
これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。
イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
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株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
- ISO27001(ISMS)
- ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
- ISO認証取得支援
- ISO運用支援
- 更新審査・再認証審査支援
- 内部監査支援
- マネジメントレビュー支援
- ISOコンサル会社の比較・調査・監修
ISO内部監査チェックリストは、監査で確認する項目や質問、資料、結果をまとめた表です。 自社の仕事に合う内容を用意しておくことで、当日の確認漏れを防ぎ、結果も整理しやすくなります。 作成の基本は、社内ルールを読み、担当者への質問と確認する資料をセットで考えることです。 たとえば作業手順が変わった場合は、変更点を誰に伝えたかを聞き、連絡メールや記録表で実際の対応を確認します。 この記事では、チェックリストの作り方を5ステップで解説し、準備する資料、質問例、結果の記入例を表にまとめています。 製造業の想定例を中心に、ISO9001・ISO14001・ISO27001で確認する内容の違いも紹介します。 ISO内部監査員養成講座ガイドの4本目として、自社のチェックリスト作成から当日の確認まで、具体例で説明します。
この記事でわかること
- チェックリスト作成前にそろえる資料と確認する内容
- 社内ルールを質問へ変える5ステップと記入例
- ISOの種類に合わせた質問例と、当日の追加確認
- 確認結果の書き方と、基礎学習を実務につなげる方法
ISO内部監査チェックリストとは?作る前に確認すること
内部監査では、ISO規格や社内ルールに沿って仕事が行われているか、仕事の仕組みが役立っているかを確認します。
チェックリストは、そのために確認する項目や質問、資料を整理し、結果を残すための表です。
質問だけを並べるより、何をもとに確認するのか、どの資料を見るのかまで書いておくと、当日の進め方が明確になります。
会社で指定された様式がある場合は、それを使って内容を整理するとよいでしょう。
確認のもとになるISO規格や社内ルールを「監査基準」と呼びます。
たとえば、作業手順の変更点を担当者へ伝える社内ルールがあれば、そのルールと実際の連絡内容を照らし合わせます。
作り始める前に、対象の部署と仕事、監査で重点的に確認したい内容を整理し、関連する資料をそろえます。
手順書は仕事の進め方を確認する資料、業務記録は実際に行ったことを確認する資料として使います。
前年のチェックリストも参考になりますが、担当者、手順、設備、システムなどの変更を反映する必要があります。
次の表を使って、今の仕事に合う資料がそろっているかを確認してみてください。
確認する仕事と、その仕事に関係する資料を先に整理しておくと、必要な質問を考えやすくなります。
社内ルールだけでなく、関連するISO規格、法律、お客様との約束も確認対象です。
| 資料・情報 | 確認する内容 |
|---|---|
| 監査計画・対象業務の一覧 | どの部署の、どの仕事を、いつ確認するか。今回の目的と範囲。 |
| 自社に適用するISO規格 | 対象の仕事に関係する内容と、自社が使っている規格の版。 |
| 社内の手順書・業務ルール | 誰が、いつ、何を行い、どのような記録を残すことになっているか。 |
| 実際の業務記録 | 最近の仕事で、担当者がどのように対応したか。質問に使える具体例。 |
| 前回の監査結果と、その後の対応 | 前回確認された問題に対応したか。その後の仕事で同じ問題が起きていないか。 |
| 今年の変更点・関連する約束 | 担当者・手順・システムの変更や、仕事に関係する法律・顧客との約束。 |
この表は準備のための目安です。
資料名や監査の進め方は会社によって異なるため、自社のルールに合わせて使ってください。
イソログに寄せられたリアルな声
チェックリストの作成では、前年の項目をどう直すか、担当者の説明をどの資料で確認するかなど、さまざまな疑問が出てきます。
ここでは4つの業種の場面を取り上げ、自社の項目を考えるヒントを紹介します。
以下は編集部が作成した架空の相談例です。業種・人数・状況は仮設定で、実際に届いた発言や顧客の体験談を紹介するものではありません。
Voices
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
前年のチェックリストを、変更後の仕事に合わせたい
イソログ相談例
製造部門の作業手順が変わりました。
前年の表には、手順どおりに作業しているかを聞く項目がありますが、新しい手順が担当者に伝わっているかも確認したいと考えています。
変更点を伝えた相手と方法、作業場所で使用している手順書を分けて確認します。
連絡した記録と実際の手順書を見ることで、変更後の対応を具体的に確かめられます。
手順書と、工事現場での分別方法を比べたい
イソログ相談例
本社には、ごみの分別方法をまとめた手順書があります。
書類の内容は確認できましたが、工事現場でも同じ方法で分けているかは、まだ確認できていません。
現場担当者に分別方法を聞き、ごみを置く場所も確認します。
手順書と現場の状況を比べることで、書類だけでは分からない実際の運用を把握できます。
退職者の対応が完了したことを、記録で確かめたい
イソログ相談例
退職者が会社のシステムへログインできないように、対応済みだと説明を受けました。
どのシステムを確認し、どの記録を見ればよいかを整理したいと考えています。
社内ルールで対象となるシステムを確認し、何をいつ変更したかを担当者に聞きます。
対応の記録や必要な設定画面を見て、決められた範囲の作業が行われたかを確かめます。
お客様の依頼が、作業担当者へ伝わっているか知りたい
イソログ相談例
お客様から作業時間の変更依頼があり、担当者からは作業をする人に伝えたと説明されました。
依頼内容と社内の連絡内容をどう確認すればよいか迷っています。
最近の依頼を一つ選び、お客様からの連絡と、社内へ送ったメールや連絡メモを比べます。
変更内容と連絡先が分かるかを確認すると、具体的な対応を追いやすくなります。
内部監査チェックリストの作り方|自社のルールから作る5ステップ
チェックリストは、対象業務を決め、必要な条件を拾い、質問と確認資料を用意する流れで作ります。
ここでは作業手順の変更を例に、5ステップで説明します。監査計画に沿って、ほかの対象業務も同じように整理できます。
1.確認する業務と、重点的に見る内容を決める
製造部門でも、材料の受入れ、製品の検査、作業手順の変更では、必要な質問が異なります。
まずは対象の仕事を分け、今回どこを重点的に確認するかを決めます。
作業手順を変更した直後であれば、承認、担当者への連絡、作業場所での使用状況が確認の候補です。
前回の監査結果や仕事の重要性も参考にしながら、必要な確認が抜けないように整理します。
| ステップ | 整理する内容 | 作業手順の変更での例 |
|---|---|---|
| 1.対象を決める | 部署・業務・重点的に確認する内容 | 新しい作業手順を使い始めたあとの対応。 |
| 2.ルールを読む | 担当者・実施内容・時期・残す記録 | 変更点を担当者へ伝え、相手と日付を表に残す。 |
| 3.項目を作る | 確認したい内容を、一つずつ分けた項目 | 変更点の連絡と、表への記入を分ける。 |
| 4.質問と資料を決める | 担当者への質問・確認する資料や現場 | 連絡した相手を聞き、メールや記録表を見る。 |
| 5.記入欄を整える | 確認内容と結果の欄・前年からの変更 | 当日の結果欄を空欄にし、古い項目を直す。 |
2.社内ルールから、確認が必要な内容を拾う
対象業務の手順書を読み、誰が、何を、いつ行い、どの記録を残すのかを確認します。
文章をそのまま質問へ写すより、行うことを分けて整理すると、項目を作りやすくなります。
たとえば、変更点を担当者へ伝え、相手と日付を表に残すルールなら、連絡することと記録することが別の確認内容になります。
手順書だけでは担当や保存先が分からない場合は、業務担当者に説明を求めます。
社内手順とあわせて、関連するISO規格、法令、顧客との約束を確認します。それぞれの条件を項目に反映しましょう。
3.一つずつ確認できる項目にする
確認項目は、当日に何を見ればよいか分かる具体的な内容にします。
たとえば、手順書を適切に管理しているかという項目なら、承認、新しい手順書の使用、変更点の連絡などに分けると確認しやすくなります。
複数の内容を一つの項目にまとめると、連絡は済んでいても記録は抜けている、といった違いを残しにくくなります。
結果を分けたい内容は項目も分けるか、確認した内容と結果を分けて書けるようにします。
項目の横に、もとにしたルールと手順書の名前・ページを記載しておくと、当日に確認し直す際も便利です。
書類番号だけでなく、どのような対応を求めるルールかも短く書いておきましょう。
4.質問と、確認する資料・現場を決める
項目ごとに担当者への質問を考え、その答えをどの資料や現場で確かめるかを決めます。
質問と資料が対応していれば、説明を聞いたあとに何を確認するかで迷いにくくなります。
変更点の連絡を確認するなら、「今回の変更点は、誰に、どのように伝えましたか」と質問します。
確認する資料には、連絡メールや改訂管理表など、自社で実際に使っているものを書きます。
新しい手順書を使っているかを確認する場合は、保存先のフォルダーに加え、作業場所で使っている手順書も見ます。
必要に応じて担当者に作業の進め方を説明してもらうと、実際の使用状況まで確認できます。
質問の答えを確かめる資料や場所も、あわせて準備しておきましょう。
書類の有無だけでなく、対象の仕事、担当者、日付など、確認に必要な内容が分かるかを見ます。
5.結果の記入欄を用意し、前年の項目を見直す
監査前に記入するのは、確認するルール、項目、質問、資料などです。
当日に聞いた内容と確認結果は、実際に確かめてから書くため、準備段階では空欄にしておきます。
Excelや会社の指定様式を使う場合も、確認した資料と、その内容を残せるようにします。
書類の名前だけでなく、対象の作業や日付なども記録できると、あとで結果を説明しやすくなります。
前年の項目は、担当者、業務の進め方、設備、書類の保存先が変わっていないかを見直します。
変更された内容は加え、使わない項目を外す場合は、必要な確認まで抜けないかを確認します。
質問が多い場合は、同じ内容の重複を整理し、監査時間に合わせて進め方を考えます。
先に読める資料を確認し、質問する相手と時間を割り当てると、当日の確認を進めやすくなります。
チェックリストは、確認漏れを防ぐための道具です。
準備した質問だけで終わらず、説明や資料に不明な点があれば、追加で質問して確かめます。
記入例と質問例|製造業の手順変更をチェックリストにする
ここでは、金属部品製造業・従業員80名で、ISO9001の内部監査を準備する場面を取り上げます。
業種・人数・社内ルール・書類名は、すべて説明のための想定例です。
実際の顧客事例ではありません。
この会社では、作業手順を変更する際、品質担当者が内容を確認して承認することになっています。
書類を管理する担当者は、共有フォルダーの手順書を新しいものへ入れ替え、作業をする人へ変更点を連絡します。
連絡した相手と日付は「改訂管理表」という、手順変更の記録表に残します。
こうした社内ルールをもとに、確認項目、質問、確認する資料を整理していきます。
まずは、変更点の連絡と記録について、チェックリストへ記入する内容を見てみましょう。
変更点の連絡を確認する項目の記入例
チェックリストには、社内ルールと質問だけでなく、確認する資料や担当者も記載します。
連絡したことと、必要な記録を残したことは、別々に確認できる形にします。
下の表は、一つの項目に入れる内容を縦に並べた記入例です。
自社の様式では、それぞれを対応する欄へ配置してください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 社内ルール | 変更点を作業担当者へ連絡し、相手と日付を改訂管理表に記録する。 |
| 確認項目 | 必要な担当者へ変更点を連絡したか。相手と日付を記録したか。 |
| 質問例 | 今回の変更点は、誰に、どのように伝えましたか。 |
| 確認する資料・担当者 | 改訂管理表、連絡メール、変更点を連絡した担当者。 |
| 確認内容 | 準備時は空欄。確認した手順・資料・日付・担当者の説明を記入する。 |
| 確認結果 | 準備時は空欄。社内ルールに沿って対応したかを記入する。 |
この作例では、品質担当者の承認、共有フォルダーへの保存、改訂管理表への記録を社内ルールとして設定しています。
自社の担当と記録に置き換えて、確認項目を考えられます。
承認・手順書の使用・連絡を確認する質問例
社内ルールのほかの部分も、質問と確認する資料を組み合わせて項目にします。
確認したい内容が異なれば、見る資料や質問する相手も変わります。
新しい手順書が保存されていても、作業場所では古いものが使われている場合があります。
保存されていることと、実際に使われていることを分けて見ると、仕事の状態を確認しやすくなります。
| 確認する内容 | 質問例 | 確認する資料・現場 |
|---|---|---|
| 新しい手順の承認 | 今回の新しい手順は、誰が承認しましたか。 | 対象の手順書と、承認者が分かる記録。 |
| 作業場所で使う手順書 | 現在使っている手順書を見せてもらえますか。 | 作業場所の手順書と、保存されている新しい手順書。 |
| 変更点の連絡 | 誰に、どのように変更点を伝えましたか。 | 必要な作業担当者の一覧と、連絡メールなど。 |
| 相手と日付の記録 | 連絡した相手と日付は、どこに記録していますか。 | 改訂管理表の、今回の変更を記入する欄。 |
| 担当者の理解と実際の作業 | 変更後の作業の進め方を説明してもらえますか。 | 作業担当者の説明、使用する手順書、必要に応じた現場確認。 |
質問を作る際は、書類があるかだけでなく、実際の仕事がどう行われているかも考えます。
社内ルールを起点に、担当者の説明と資料・現場の確認を組み合わせることが大切です。
ISO9001・ISO14001・ISO27001で変える確認項目
チェックリストを作る流れは共通していますが、確認する内容はISOの種類と自社の業務によって変わります。
ひな形を使う場合も、対象の仕事に合わせて質問と資料を選び直す必要があります。
ISO9001は、品質を安定させ、お客様が求める製品やサービスを提供するための仕組みです。
製造業であれば、作業手順の使用状況や、製品の検査・記録などが確認の候補になります。
ISO14001は、仕事が環境へ与える影響を管理する仕組みです。
建設業では、現場の廃棄物の分別や、薬品などの保管状況について、自社のルールと現場を比べる場面が考えられます。
ISO27001は、会社やお客様の情報を守る仕組みです。
システム開発業では、退職者のログイン停止や、情報へアクセスできる人の管理などを確認する場面があります。
下の表は、それぞれの会社が関連する社内ルールを定めている想定例です。
自社の業務と適用する要求に合わせて、質問と確認資料を調整して使えます。
| 規格・業務の例 | 質問例 | 確認する資料・現場 |
|---|---|---|
| ISO9001/製造業80名/作業手順 | この作業では、どの手順書を使っていますか。 | 作業場所の手順書、新しい手順書、作業担当者の説明。 |
| ISO9001/同上/製品の検査 | 最近の製品について、検査結果を見せてもらえますか。 | 社内の検査方法と判定ルール、対象製品の検査記録。 |
| ISO14001/建設業30名/廃棄物の分別 | この現場では、廃棄物をどのように分けていますか。 | 社内の分別ルール、廃棄物を置く場所、現場担当者の説明。 |
| ISO14001/同上/薬品などの保管 | 使用する薬品などは、どこで、どのように保管していますか。 | 自社で決めた保管方法、対象物の保管場所と管理状況。 |
| ISO27001/システム開発業45名/退職者対応 | 退職者について、どのシステムのログインを止めましたか。 | 対象システムの一覧、対応記録、必要な設定画面。 |
| ISO27001/同上/アクセスできる人の管理 | この共有フォルダーは、誰が利用できるようにしていますか。 | 利用を認める社内ルール、申請記録、現在の利用者設定。 |
これらは確認項目の一部です。
表だけで監査を完了させず、自社に関係するISO規格、法律、業務ルールを確認して、必要な項目を加えます。
担当者への質問、記録の確認、現場の確認には、それぞれ分かる内容の違いがあります。
対象の仕事に合わせて組み合わせ、実際の対応を確認しましょう。
当日の使い方|追加質問と確認結果の書き方
当日は、チェックリストに沿って担当者へ質問し、説明を資料や現場で確かめます。
答えが曖昧な場合や、説明と資料に違いがある場合は、必要な追加質問を行います。
一度に多くのことを聞くより、相手、時期、方法を順に確認したほうが、具体的な情報を得やすくなります。
監査の目的と範囲を意識し、判断に必要な内容を絞って質問しましょう。
説明を、相手・時期・方法まで具体的に確認する
作業手順の変更について、担当者から、変更点は伝えたと説明されたとします。
その場合は、「連絡した相手を教えてください」「どのように伝えましたか」と順に質問します。
メールで連絡したなら、そのメールで宛先、送信日、変更内容を確認します。
作業担当者が複数いる場合は、必要な人へ連絡しているかも見ます。
メールの宛先と対象者の一覧を見比べ、必要な人へ連絡しているかを確かめます。確認できた範囲と追加で聞くことをメモしておきましょう。
資料が見つからない場合の確認手順
資料が見つからない場合は、まず対象の仕事と記録を具体的にし、担当者と保存先を確認します。
書類名や保存場所が変わっていることもあるため、見つからない理由を整理してから結果を考えます。
連絡メールで相手と日付が分かっても、社内ルールで改訂管理表への記入が必要なら、その記入状況も別に確認します。
連絡した事実と、決められた記録を残したかは、分けて扱うことが大切です。
別の資料から分かった事実も記録します。
社内ルールで指定した記録がある場合は、その記入状況も一緒に確認しましょう。
| 状況 | 次に確認すること |
|---|---|
| 書類名が分からない | 対象の仕事と時期を伝え、担当者に実際の資料名を聞く。 |
| 保存先で見つからない | 現在の保存先、管理担当者、書類の移動や変更を確認する。 |
| メールなど別の資料がある | 何を確認できるかを整理し、指定の記録の代わりに使えるルールがあるか確認する。 |
| 資料の一部が空欄 | 必要な記入内容をルールで確認し、担当者や関連記録も確かめる。 |
| その場で結論を出せない | 分かった内容と未確認の内容を分け、追加で確認する相手・資料を整理する。 |
社内ルール・確認内容・結果を分けて記録する
確認結果には、判定と一緒に、対象業務、確認した資料、日付を記載します。
社内ルール、確認した内容、結果を分けると、あとで読む人にも判断の理由が伝わりやすくなります。
次の例では、作業手順Aの第2版への変更を確認しています。
担当者への確認と資料探しを行った結果、連絡メールは見つかったものの、改訂管理表の該当欄は空欄でした。
この想定企業では、メールを改訂管理表の代わりにするルールはありません。
メールで連絡したことと、表に記入していないことを分けて、次のように記録します。
| 整理する内容 | 記入例 |
|---|---|
| 会社の決まり | 作業をする人へ伝えた相手と日付を、改訂管理表に書く。メールをこの表の代わりにはしない。 |
| 確認できたこと | 作業手順Aの第2版への改訂を確認。連絡メールには相手と日付があるが、改訂管理表の欄は空欄。担当者に聞き、ほかの保存先も探した。 |
| 分かったこと | 改訂管理表に相手と日付を書く決まりが守られていない。メールで伝えたことは、別の事実として残す。 |
決められた条件が満たされていないことを「不適合」と呼びます。
この例では、表への記入に関する条件を確認しています。
記録がないことだけで、連絡もしていないとは判断しません。
まだ確認できていない内容は、追加確認の欄に資料名や担当者、予定日を残します。
結果の区分と報告先は、自社の監査手順に合わせます。
質問と確認の基礎を学ぶ|ISOトラストの内部監査員養成講座
チェックリストを作るには、ISO規格と社内ルールを理解し、質問や資料の確認へつなげることが必要です。
基礎を学んだうえで自社の資料を使って練習すると、実際の監査をイメージしやすくなります。
基礎学習の選択肢として、イソログ運営会社のサービス「ISOトラスト」の内部監査員養成講座をご紹介します。
ISO9001・ISO14001・ISO27001の規格別に用意されたオンライン動画講座で、規格のポイントと内部監査の方法を扱います。
視聴期間の制限なく、繰り返し見られると案内されています。
学習後は、自社の手順書を一つ選び、項目・質問・資料・結果の書き方を練習してみるとよいでしょう。
下の表は、学んだ内容を仕事につなげるための編集部からの提案です。
| 練習する内容 | 自社の資料を使った取り組み | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 社内ルールの読み取り | 手順書を一つ選び、担当者・作業・記録を整理する。 | 何を行うルールか、自分の言葉で説明できるか。 |
| 質問の作成 | 確認項目ごとに、担当者への質問を作る。 | 具体的な相手・時期・方法を聞ける質問か。 |
| 資料の確認 | 質問への答えを確かめる資料や現場を選ぶ。 | その資料で、知りたい内容を確認できるか。 |
| 結果の記入 | 社内の経験者と一例を確認し、結果を書いてみる。 | ルールと確認した内容から、結果の理由を説明できるか。 |
表は、受講後に社内で行う練習の例です。
教材の対応版と学習内容を確認し、自社の手順書を使って復習しましょう。
講師との実習や添削を希望する場合は、講座に含まれるかを申し込み前に確認します。

ISO規格と内部監査の基礎を動画で学びたい方は、講座ページで内容・料金・申し込み方法をご確認ください。
自社の教育目的や受講予定に合うかを見ながら検討できます。
次に読む|ガイド5/5
次に読む記事:ISO内部監査員養成講座の選び方|費用・内容・受講形式を初心者向けに解説
講座の料金、学べる内容、受講方法、修了証などを比較し、自社の教育目的に合う講座を選ぶポイントを確認できます。
よくある質問
内部監査チェックリストのひな形を、そのまま使ってもよいですか?
ひな形の項目を、自社の業務とルールに合わせて調整すれば活用できます。対象業務、変更点、質問する担当者、確認する資料を自社の内容に置き換えましょう。
チェックリストの質問は、はい・いいえで答える形ではいけませんか?
はい・いいえで答える質問も使えます。
ただし、その答えだけで実際の対応が分からない場合は、具体的な内容を追加で確認します。
たとえば、変更点を伝えたという回答なら、相手、時期、連絡方法を聞き、メールや記録表で説明と一致するかを確認します。
必要な記録がすぐ見つからない場合、不適合としてよいですか?
まず、対象の仕事と必要な記録を整理し、担当者と保存先、関連資料を確認します。必要な記録が残っていないと確認できたら、該当する社内ルールと事実を結びつけて判断します。
業務を実施したかも、記録の保持と分けて確かめます。
一括資料請求


監修者コメント
チェックリストを使いやすくするには、社内ルール、質問、確認する資料、結果の書き方をつなげて考えることが大切です。
まずは一つの業務で作成し、経験のある担当者と確認すると、質問の不足や見たい資料に気づきやすくなります。
書類があることだけでなく、実際の仕事がどう行われているかにも目を向けてください。