ISO14001の内部監査とは?やり方や実施手順・チェックリストの項目・具体例を初心者向けにわかりやすく解説
株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
監修者情報 金光 壮太
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。
これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。
イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
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株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント
株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。
これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
- ISO27001(ISMS)
- ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
- ISO認証取得支援
- ISO運用支援
- 更新審査・再認証審査支援
- 内部監査支援
- マネジメントレビュー支援
- ISOコンサル会社の比較・調査・監修
ISO14001を運用している会社では、定期的に内部監査を実施する必要があります。 しかし、初めて内部監査を任された担当者にとっては、何を準備すればよいのか、現場で何を聞けばよいのか、チェックリストにはどんな項目を入れればよいのか分からず、不安を感じることも多いでしょう。 ISO14001の内部監査は、外部審査の前に書類を整えるだけの作業ではありません。 自社の環境マネジメントシステムがISO14001の要求事項や自社ルールに合っているか、そして実際に環境改善や法令順守に役立っているかを確認するための活動です。 内部監査をうまく使えば、環境側面、順守義務、環境目標、緊急事態対応、現場の運用記録などを見直し、審査前に課題を発見できます。 この記事では、ISO14001の内部監査とは何か、やり方や実施手順、内部監査計画書やチェックリストの作り方、初心者でも使いやすい質問例、企業別の具体例、不適合・観察事項・改善の機会の違い、内部監査報告書や是正処置の記録例、審査で見られるポイントまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ISO14001の内部監査は、自社のEMSがISO14001や自社ルールに適合し、有効に機能しているかを確認する活動です。
- 内部監査では、環境方針、環境側面、著しい環境側面、順守義務、環境目標、運用管理、緊急事態対応、監視測定、改善などを確認します。
- チェックリストは規格要求事項をそのまま並べるだけでなく、自社の業務・現場・記録に合わせて具体的な質問へ落とし込むことが大切です。
- 初心者の内部監査では、書類確認だけでなく、ヒアリングと現場確認を組み合わせ、客観的な証拠で確認することが重要です。
- 内部監査後は、報告書を作成し、不適合や観察事項に対して是正処置やフォローアップを行い、マネジメントレビューへつなげます。
ISO14001の内部監査とは?自社のEMSを確認し改善につなげる活動
ISO14001の内部監査とは、自社の環境マネジメントシステム、つまりEMSがISO14001の要求事項や自社で決めたルールに適合しているか、そして有効に機能しているかを自社で確認する活動です。
内部監査というと、外部審査の前に不備を探す作業というイメージを持つ方もいます。
しかし本来は、書類のミス探しだけではなく、現場の運用が環境方針や環境目標、順守義務、環境側面の管理につながっているかを確認し、改善点を見つけるための仕組みです。
たとえば、廃棄物管理台帳が更新されているか、フロン対象機器の点検記録が残っているか、環境目標の進捗を確認しているか、緊急事態対応訓練を実施しているかなどを確認します。
内部監査で課題を見つけて改善しておくことで、外部審査での指摘リスクを下げるだけでなく、日常運用のムダや抜け漏れも減らせます。
内部監査は、指摘探しではなく、自社のEMSが現場で機能しているかを確認し、改善につなげるための活動です。
イソログに寄せられるリアルな声:内部監査で初心者が迷いやすいこと
ISO14001の内部監査では、初めて監査員やISO担当者になった方から、かなり実務的な不安が寄せられます。
チェックリストはあるものの、何を聞けばよいのか分からない、相手部署にどこまで確認してよいのか分からない、不適合として書いてよいのか判断できない、という悩みは珍しくありません。
特に、前任者が作ったチェックリストをそのまま使っている会社では、質問が抽象的なままになりがちです。
『適切に管理されていますか』と聞いても、何を見れば適切と言えるのか分からず、結局『はい』と答えて終わってしまうことがあります。
ここでは、イソログに寄せられる相談内容をもとに、内部監査で初心者がつまずきやすい場面を整理します。
イソログに寄せられる相談でも、ISO14001の内部監査では同じような悩みが多くあります。
Cases
失敗談・相談事例
取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。
チェックリストはあるのに、現場で何を聞けばよいか分からなかった
イソログ相談事例
前任者から内部監査チェックリストを引き継ぎましたが、『環境側面は管理されていますか』のような質問が多く、具体的にどの記録や現場を見ればよいのか分かりませんでした。
チェックリストは、規格の文章をそのまま写すのではなく、『環境側面一覧の最新版はどこで確認できますか』『廃棄物保管場所の点検記録はありますか』のように、証拠へつながる質問にすると使いやすくなります。
不備を見つけても、不適合として書いてよいのか迷った
イソログ相談事例
点検記録に一部抜けがありましたが、すぐ修正できそうな内容だったため、不適合にするべきか、口頭注意で終わらせてよいのか判断できませんでした。
要求事項や自社ルールを満たしていない場合は不適合候補です。
軽微か重大か、再発リスクがあるか、記録として残すべきかを監査責任者と確認し、判断基準をそろえましょう。
毎年同じチェックリストを読むだけの監査になっていた
イソログ相談事例
内部監査は毎年実施していましたが、前年度と同じ質問を読み上げ、担当者が『問題ありません』と答えるだけで終わっていました。
現場確認や記録確認はほとんどありませんでした。
内部監査は質問を消化するだけではなく、前回指摘、設備変更、法令改正、環境目標の未達、苦情や事故などを踏まえて、重点監査項目を変えることが大切です。
指摘後に何をフォローすればよいか分からなかった
イソログ相談事例
内部監査で不適合を出したものの、報告書を書いた後に誰がいつまでに直すのか、再発防止まで確認するのかが曖昧でした。
内部監査は指摘して終わりではありません。
原因分析、処置、再発防止、実施確認、効果確認、完了記録まで決めておくと、審査でも説明しやすくなります。
内部監査の目的は、適合性と有効性を確認すること
ISO14001の内部監査で確認する大きな目的は、適合性と有効性です。
適合性とは、ISO14001の要求事項、自社のマニュアルや手順、法令、顧客要求などに合っているかを確認することです。
有効性とは、その仕組みが実際に役立っているか、環境目標の達成や環境パフォーマンスの改善につながっているかを確認することです。
たとえば、廃棄物管理手順書があり、マニフェストが保管されていれば、ルール通りに記録が残っているという適合性の確認になります。
一方で、廃棄物の分別ミスが減っているか、処理費が改善しているか、現場担当者が分別ルールを理解しているかを見ることは、有効性の確認につながります。
初心者の内部監査では、まず適合性を確認し、そのうえで有効性を見ると進めやすくなります。
書類があるかだけで終わらせず、その書類や仕組みが現場で使われているかまで確認しましょう。
| 観点 | 意味 | 確認例 | 見せてもらう記録 |
|---|---|---|---|
| 適合性 | 要求事項や自社ルールに合っているか | 廃棄物管理台帳が手順通り作成されているか | 廃棄物管理台帳、マニフェスト、契約書 |
| 有効性 | 仕組みが実際に役立っているか | 分別ミスや廃棄物量の削減につながっているか | 廃棄物集計表、分別巡回記録、改善記録 |
| 適合性 | 教育が計画通り行われているか | 環境教育の受講記録が残っているか | 教育計画、受講者名簿、理解度確認 |
| 有効性 | 教育内容が現場行動に反映されているか | 現場担当者が緊急時対応や分別ルールを説明できるか | ヒアリング記録、現場確認メモ |
外部審査と内部監査の違い
外部審査と内部監査は、どちらもISO14001の運用状況を確認する活動ですが、目的や実施者が異なります。
外部審査は、認証機関の審査員がISO14001の認証維持や更新のために行う審査です。
一方、内部監査は、自社が自社のEMSを改善するために行う確認活動です。
内部監査は、外部審査の予行演習として役立つ面もありますが、それだけではありません。
内部監査で早めに課題を見つけ、是正し、マネジメントレビューへつなげることで、EMSを実際に改善できます。
また、内部監査では自社の業務をよく知る人が確認できるため、外部審査では見えにくい運用上のムダや属人化、現場の困りごとを拾いやすいという特徴があります。
| 項目 | 内部監査 | 外部審査 |
|---|---|---|
| 実施者 | 自社の内部監査員または委託した支援者 | 認証機関の審査員 |
| 目的 | 自社のEMSの適合性・有効性を確認し改善する | ISO14001認証の維持・更新に必要な適合性を確認する |
| 実施時期 | 自社で決めた間隔で実施する | 認証機関との契約や審査周期に基づいて実施する |
| 結果の使い方 | 是正処置、改善、マネジメントレビューへつなげる | 認証の可否、維持、更新、指摘対応につながる |
| 確認の深さ | 自社の現場事情に合わせて重点確認できる | 規格要求事項と審査計画に沿って確認される |
内部監査を実施する前に準備するもの
内部監査をスムーズに進めるには、事前準備が重要です。
いきなり現場へ行って質問すると、確認漏れが出たり、必要な記録が見つからなかったりします。
監査前には、監査の目的、対象部署、確認範囲、監査基準、重点項目を決め、必要な資料を集めておきましょう。
準備する資料としては、内部監査計画書、前回の内部監査報告書、前回の是正処置記録、環境方針、環境側面一覧、著しい環境側面評価表、順守義務一覧、法令順守評価記録、環境目標管理表、教育記録、運用管理記録、緊急事態対応訓練記録、監視測定記録、マネジメントレビュー記録などがあります。
初心者の方は、まず前回監査の資料を見ると流れをつかみやすくなります。
ただし、前回と同じ内容をコピーするのではなく、今年の設備変更、法令改正、環境目標の未達、苦情や事故、外部審査の指摘を踏まえて、重点的に確認する項目を決めることが大切です。
| 準備資料 | 確認する内容 | 監査での使い方 |
|---|---|---|
| 内部監査計画書 | 目的、範囲、日時、監査員、対象部署 | 監査の進め方を共有する |
| 前回監査報告書 | 前回の不適合、観察事項、改善点 | フォローアップや再発確認に使う |
| 環境方針 | 会社の環境への方向性 | 目標や現場活動との整合を確認する |
| 環境側面一覧 | 部署ごとの環境側面 | 監査対象部署に関係する環境側面を確認する |
| 著しい環境側面評価表 | 重点管理すべき項目 | 監査の重点項目を決める |
| 順守義務一覧・順守評価記録 | 法令、条例、顧客要求の管理状況 | 守れている証拠を確認する |
| 環境目標管理表 | 目標、進捗、結果、未達時対応 | 目標の有効性を確認する |
| 教育記録 | 環境教育、力量、緊急時教育 | 担当者が必要な力量を持つか確認する |
| 運用・点検記録 | 廃棄物、排水、フロン、設備点検など | 現場運用の証拠として確認する |
| マネジメントレビュー記録 | 経営層への報告、指示、改善事項 | 監査結果が経営判断につながっているか確認する |
ISO14001内部監査のやり方・実施手順
ISO14001の内部監査は、計画、準備、実施、報告、是正、フォローアップの流れで進めます。
初心者の方は、監査当日の質問だけに意識が向きがちですが、実際には監査前の準備と監査後のフォローアップまで含めて内部監査です。
まず、内部監査計画を作成し、監査範囲、監査日時、監査員、対象部署、重点項目を決めます。
次に、前回監査結果や関連記録を確認し、チェックリストを作成します。
監査当日は、オープニングで目的や進め方を説明し、書類確認、ヒアリング、現場確認を行います。
監査後は、結果を整理し、クロージングで概要を伝え、内部監査報告書を作成します。
不適合や観察事項があれば、是正処置を依頼し、期限までに対応が完了したか確認します。
最後に、監査結果をマネジメントレビューへ報告し、次の改善につなげます。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 監査計画を作成する | 目的、範囲、日時、監査員、対象部署を決める |
| 2 | 監査員を決める | 力量があり、原則として自部署を監査しない人を選ぶ |
| 3 | 対象部署へ通知する | 監査日時、必要資料、重点確認項目を伝える |
| 4 | チェックリストを作る | 規格、自社ルール、現場業務、前回指摘を反映する |
| 5 | オープニングを行う | 監査目的、進め方、時間配分を説明する |
| 6 | 書類確認・ヒアリング・現場確認を行う | 客観的証拠を確認し、記録に残す |
| 7 | クロージングを行う | 確認結果、不適合候補、良い点を共有する |
| 8 | 報告書を作成する | 監査結果、指摘、改善点、証拠を整理する |
| 9 | 是正処置を行う | 原因分析、処置、再発防止、期限を決める |
| 10 | フォローアップする | 処置完了と効果を確認し、記録を残す |
内部監査計画書に入れる項目
内部監査計画書は、いつ、誰が、どの部署を、何を基準に監査するのかを明確にするための文書です。
計画書が曖昧だと、監査範囲が分からず、必要な資料も準備しにくくなります。
内部監査計画書には、監査目的、監査範囲、監査基準、対象部署、監査日時、監査員、被監査部門、重点監査項目、確認する資料、前回指摘の確認、報告書提出期限などを入れます。
監査基準には、ISO14001の要求事項だけでなく、自社の環境マニュアル、手順書、法令、顧客要求、社内ルールも含めます。
また、毎年同じ計画にするのではなく、今年の重点を入れると実効性が高まります。
たとえば、法令改正があった年は順守義務を重点確認する、環境目標が未達だった部署は目標管理を重点確認する、設備変更があった部署は環境側面や緊急事態対応を重点確認する、といった形です。
| 項目 | 記入内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 監査目的 | 何のために監査するか | EMSの適合性・有効性を確認し、改善点を抽出する |
| 監査範囲 | 対象部署、対象業務、対象期間 | 本社、製造部、物流部、2026年度上期の運用 |
| 監査基準 | 確認に使う基準 | ISO14001、自社マニュアル、手順書、順守義務 |
| 監査日時 | 実施日と時間 | 2026年10月15日 9:00から16:00 |
| 監査員 | 監査を行う人 | 主任監査員、監査員、補助監査員 |
| 被監査部門 | 監査を受ける部署 | 製造1課、設備保全部、総務部 |
| 重点監査項目 | 今年特に確認する項目 | 廃棄物管理、環境目標未達対応、フロン点検 |
| 必要資料 | 事前に準備してもらう記録 | 環境側面一覧、順守評価、教育記録、点検記録 |
| 報告期限 | 報告書提出や是正回答期限 | 監査後5営業日以内に報告書、30日以内に是正回答 |
内部監査チェックリストの作り方
内部監査チェックリストは、監査で確認する項目を整理し、抜け漏れを防ぐための道具です。
ただし、ISO14001の条文をそのまま並べただけでは、初心者には使いにくいチェックリストになります。
大切なのは、自社の業務や現場で確認できる質問に落とし込むことです。
たとえば、規格上の『順守義務を考慮しているか』という表現を、そのまま質問にしても現場担当者は答えにくいかもしれません。
これを『この部署に関係する環境法令や条例は何ですか』『守れていることを示す記録はどこにありますか』のようにすると、確認しやすくなります。
チェックリストを作るときは、ISO14001の要求事項、自社ルール、環境側面、著しい環境側面、順守義務、環境目標、前回指摘、現場の業務フローを組み合わせます。
部署ごとに役割が違うため、全社共通の質問と部署別の質問を分けると使いやすくなります。
| 手順 | やること | 具体例 |
|---|---|---|
| 1 | ISO14001の要求事項を確認する | 4章から10章の要求事項を監査対象に合わせて整理する |
| 2 | 自社ルールを確認する | 環境マニュアル、手順書、運用ルールを確認する |
| 3 | 環境側面を確認する | 対象部署の廃棄物、電力、排水、騒音、化学物質を確認する |
| 4 | 順守義務を確認する | 関係法令、条例、許認可、顧客要求を確認する |
| 5 | 前回指摘を反映する | 前回の不適合や観察事項の再発確認を入れる |
| 6 | 質問形式にする | 記録や現場を確認できる具体的な質問へ変える |
| 7 | 証拠欄を設ける | 確認した文書、記録、現場、ヒアリング内容を残す |
| 8 | 評価欄を設ける | 適合、不適合、観察事項、改善の機会を記録する |
チェックリストで確認する主な項目
ISO14001の内部監査では、環境マネジメントシステム全体を確認します。
ただし、すべての部署で同じ深さで確認する必要はありません。
対象部署の役割や環境側面に合わせて、確認項目を調整します。
基本的には、環境方針、組織の状況、環境側面、著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会、環境目標、力量・教育、コミュニケーション、文書管理、運用管理、緊急事態への準備及び対応、監視測定、順守評価、内部監査、マネジメントレビュー、改善を確認します。
初心者の方は、規格番号から考えるよりも、『この部署はどんな環境影響を持っているか』『何を守らなければならないか』『どんな記録があるべきか』『改善につながっているか』という視点で見ると、確認しやすくなります。
| 確認項目 | 質問例 | 確認する記録・現場 |
|---|---|---|
| 環境方針 | 環境方針は従業員に周知されていますか? | 掲示、教育記録、社内文書 |
| 環境側面 | この部署の主な環境側面は何ですか? | 環境側面一覧、現場確認 |
| 著しい環境側面 | 重点的に管理する環境側面は何ですか? | 評価表、管理策、点検記録 |
| 順守義務 | 関係する環境法令や顧客要求を把握していますか? | 順守義務一覧、法令評価記録 |
| 環境目標 | 環境目標の進捗はどのように確認していますか? | 目標管理表、月次データ、会議議事録 |
| 力量・教育 | 必要な教育や力量は定められていますか? | 教育計画、受講記録、資格一覧 |
| コミュニケーション | 外部からの苦情や問い合わせは記録されていますか? | 苦情記録、対応記録、メール |
| 文書管理 | 手順書や様式は最新版を使っていますか? | 文書一覧、改訂履歴、現場掲示 |
| 運用管理 | 廃棄物や薬品などの管理ルールは守られていますか? | 点検記録、保管場所、表示 |
| 緊急事態対応 | 想定した緊急事態への訓練を実施していますか? | 訓練記録、手順書、緊急連絡先 |
| 監視測定 | 環境パフォーマンスをどのデータで見ていますか? | 電力、燃料、廃棄物、排水測定記録 |
| 順守評価 | 順守義務を満たしているか評価していますか? | 順守評価表、許可証、点検記録 |
| マネジメントレビュー | 監査結果や環境目標は経営層へ報告されていますか? | レビュー議事録、報告資料、指示事項 |
| 改善 | 不適合や改善点に対して処置していますか? | 是正処置記録、フォローアップ記録 |
初心者でも使いやすい質問例
内部監査に慣れていない方は、いきなり難しい質問をしようとする必要はありません。
まずは、何をしているか、どこに記録があるか、誰が確認しているか、問題があったときにどうするかを聞くと、自然に監査が進みます。
質問は、相手を責める形ではなく、事実を確認する形にします。
『なぜできていないのですか』と聞くよりも、『この記録はどのタイミングで作成していますか』『直近で確認した記録を見せてもらえますか』と聞くほうが、相手も答えやすくなります。
また、ヒアリングだけで終わらせず、必ず記録や現場で確認しましょう。
内部監査では、聞いた内容を客観的な証拠で裏付けることが大切です。
| 確認したいこと | 質問例 | 確認する証拠 |
|---|---|---|
| 環境方針の周知 | 環境方針はどこで確認できますか? | 掲示、社内ポータル、教育記録 |
| 環境側面の理解 | この部署の主な環境側面は何ですか? | 環境側面一覧、現場の活動 |
| 環境目標の進捗 | 環境目標の進捗はどの記録で確認していますか? | 目標管理表、月次集計、会議議事録 |
| 廃棄物管理 | 廃棄物の分別ルールはどのように確認していますか? | 分別表示、保管場所、点検記録 |
| 法令順守 | この部署に関係する環境法令は何ですか? | 順守義務一覧、順守評価記録 |
| 教育 | 新入社員や担当者への環境教育は実施していますか? | 教育計画、受講者名簿、教育資料 |
| 緊急事態対応 | 漏えいや火災などの緊急時はどう対応しますか? | 手順書、訓練記録、緊急連絡先 |
| 不適合対応 | 問題が発生した場合、どのように記録し対応しますか? | 不適合記録、是正処置記録 |
良い質問と悪い質問の違い
内部監査では、質問の仕方によって確認できる内容が大きく変わります。
初心者がやりがちなのは、『ちゃんとやっていますか』『問題ありませんか』といった抽象的な質問です。
このような質問では、相手が『はい』と答えるだけで終わってしまい、証拠確認につながりません。
良い質問は、具体的な業務、記録、責任者、頻度、判断基準に結びついています。
たとえば『廃棄物は管理されていますか』ではなく、『廃棄物保管場所の点検は誰がどの頻度で行い、どの記録に残していますか』と聞くと、実際の運用を確認できます。
また、良い質問は改善点を見つけやすくします。
相手を追及するためではなく、現場で困っていることや運用しにくい点を拾う姿勢で聞くと、内部監査が改善活動につながりやすくなります。
| 悪い質問 | 問題点 | 良い質問 | 確認できること |
|---|---|---|---|
| ちゃんと管理していますか? | 何を確認するか曖昧 | 廃棄物保管場所の点検記録はどこで確認できますか? | 記録の有無、点検頻度、保管状況 |
| 環境目標は問題ありませんか? | 達成状況や根拠が分からない | 環境目標の進捗は何のデータで判断していますか? | 進捗管理、評価方法、証拠データ |
| 教育はしていますか? | 対象者や内容が分からない | 今年度の環境教育の対象者と受講記録を見せてもらえますか? | 教育計画、実施状況、未受講者 |
| 法令は守っていますか? | どの法令か不明 | この設備に関係する届出や点検記録はありますか? | 法令適用、許認可、点検記録 |
| 緊急時対応は大丈夫ですか? | 対応力を確認できない | 油漏れが起きた場合、誰に連絡し、何を使って処置しますか? | 手順理解、備品、連絡体制 |
企業別の内部監査チェックリスト具体例:製造業
製造業では、電力使用、廃棄物、排水、化学物質、有機溶剤、騒音、設備点検、緊急事態対応などが内部監査の重要な確認項目になります。
工場では現場に多くの環境側面があるため、書類だけでなく現場確認を組み合わせることが大切です。
たとえば、廃棄物については、分別表示、保管場所、委託契約書、マニフェスト、処理業者の許可証を確認します。
化学物質については、SDS、保管場所、漏えい対策、使用量記録、教育記録を確認します。
排水設備がある場合は、点検記録や測定結果も確認対象です。
製造業では、生産量の増減によって電力や廃棄物が変動するため、総量だけでなく原単位や工程ごとの改善状況も確認すると、より実務的な内部監査になります。
| 確認テーマ | 質問例 | 確認する記録・現場 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 廃棄物管理 | 廃棄物の分別と保管は手順通りですか? | 保管場所、分別表示、台帳、マニフェスト | 一時置場の表示切れ、混入 |
| 電力使用 | 環境目標の電力削減はどのデータで確認していますか? | 電力データ、生産量、原単位グラフ | 生産量増減の影響を見ていない |
| 化学物質 | SDSは最新版で、現場担当者が確認できますか? | SDS一覧、薬品リスト、保管場所 | 新規薬品が一覧に未反映 |
| 有機溶剤 | 使用量や保管状態を確認していますか? | 使用量記録、保管容器、換気設備 | ふたの開放、使用量未記録 |
| 排水管理 | 排水基準や点検項目を確認していますか? | 測定結果、点検記録、薬品補充記録 | 異常時対応が未訓練 |
| 緊急事態対応 | 漏えい時の対応手順を説明できますか? | 手順書、訓練記録、吸着材 | 備品の場所を知らない |
企業別の内部監査チェックリスト具体例:建設業
建設業では、現場ごとに環境側面が変わりやすく、協力会社も関わるため、現場単位での確認が重要です。
建設廃棄物、マニフェスト、騒音・振動、粉じん、濁水、重機燃料、近隣苦情、協力会社教育などを確認します。
建設現場では、書類上の手順だけでなく、実際の現場管理が大切です。
分別ヤードが設置されているか、廃棄物が混在していないか、散水や養生が実施されているか、近隣からの苦情に対応する記録があるかを現場で確認しましょう。
また、協力会社への周知も重要です。
自社の社員だけがルールを知っていても、現場で作業する協力会社に伝わっていなければ運用できません。
朝礼記録、教育記録、現場巡回記録を確認しましょう。
| 確認テーマ | 質問例 | 確認する記録・現場 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 建設廃棄物 | 廃棄物の分別と保管場所は決めていますか? | 分別ヤード、現場写真、マニフェスト | 混載、表示不足、保管場所の変更 |
| マニフェスト | マニフェストは期限内に確認・保管されていますか? | マニフェスト、委託契約書、許可証 | 返送確認漏れ、許可期限切れ |
| 騒音・振動 | 近隣への配慮や苦情対応の記録はありますか? | 苦情記録、作業時間、近隣説明資料 | 口頭対応だけで記録がない |
| 粉じん対策 | 散水や養生は計画通り実施していますか? | 散水記録、現場写真、巡回記録 | 天候変化時の対応漏れ |
| 濁水対策 | 雨天時の濁水流出防止を確認していますか? | 沈砂池点検、土のう、写真記録 | 雨天前点検がない |
| 協力会社教育 | 協力会社へ環境ルールを周知していますか? | 朝礼記録、教育資料、署名記録 | 協力会社の入替時に未教育 |
企業別の内部監査チェックリスト具体例:物流業・運送業
物流業や運送業では、燃料使用量、車両点検、エコドライブ、アイドリング、配送ルート、油漏れ、事故時対応などが内部監査の主な確認項目です。
車両ごとの管理が多いため、記録と現場確認を組み合わせる必要があります。
燃料使用量については、単純な総量だけでなく、走行距離や配送件数との関係を見ると実態を把握しやすくなります。
車両点検では、日常点検表が実際に記入されているか、異常時の修理記録が残っているかを確認します。
また、油漏れや事故時対応は環境汚染につながる可能性があります。
駐車場の状態、吸着材や緊急連絡先の準備、ドライバー教育の実施状況も確認しましょう。
| 確認テーマ | 質問例 | 確認する記録・現場 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 燃料使用量 | 燃料使用量や燃費をどのように確認していますか? | 給油記録、走行距離、燃費管理表 | 車両別のばらつきを見ていない |
| エコドライブ | エコドライブ教育は実施されていますか? | 教育記録、運転評価、掲示 | 受講漏れ、効果確認なし |
| 車両点検 | 日常点検と法定点検は記録されていますか? | 日常点検表、整備記録、車検記録 | 異常時の処置記録がない |
| アイドリング | アイドリングストップのルールは周知されていますか? | 掲示、教育記録、現場ヒアリング | 待機場所での実態未確認 |
| 油漏れ | 車両や駐車場の油漏れ確認をしていますか? | 駐車場確認、修理記録、事故記録 | 軽微な漏れを記録していない |
| 事故時対応 | 燃料漏えい時の対応手順を説明できますか? | 緊急手順、吸着材、連絡先、訓練記録 | 備品の場所を知らない |
企業別の内部監査チェックリスト具体例:食品業・小売業・オフィス
食品業、小売業、サービス業、オフィス業務では、食品ロス、冷蔵冷凍設備、フロン点検、廃棄物分別、紙使用量、空調、電力、備品購入、教育、文書管理などが内部監査の対象になります。
食品業では、食品廃棄物や廃油、排水、洗浄薬品、冷蔵冷凍設備の電力やフロン点検が重要です。
小売業では、店舗電力、廃棄物分別、食品ロス、冷ケースや空調の管理が確認対象になります。
オフィスでは、紙使用量や電力だけでなく、環境教育、文書管理、環境配慮品の購入なども確認できます。
オフィス系の内部監査では、環境側面が少ないように見えても、紙、電力、廃棄物、出張、購買、外部委託などを通じて確認できる項目があります。
現場に合った質問へ落とし込むことが大切です。
| 業種・部門 | 質問例 | 確認する記録・現場 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 食品工場 | 食品廃棄物の発生量や原因を確認していますか? | 廃棄記録、製造日報、不良記録 | 廃棄理由の記録不足 |
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| 小売店舗 | 店舗電力や空調の管理状況を確認していますか? | 電力データ、温度記録、点検記録 | 冷ケースの設定変更未記録 |
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| 総務・購買 | 環境配慮品の購入基準はありますか? | 購買基準、購入記録、対象品一覧 | 基準はあるが現場に未周知 |
| 全部門 | 環境教育の受講状況を確認していますか? | 教育計画、受講記録、未受講者リスト | 中途入社者への教育漏れ |
不適合・観察事項・改善の機会の違い
内部監査で初心者が迷いやすいのが、不適合、観察事項、改善の機会の違いです。
これらの言葉の使い方が曖昧だと、監査結果の重みが分からず、是正処置も進めにくくなります。
不適合は、ISO14001の要求事項、自社ルール、法令、手順などを満たしていない状態です。
たとえば、手順で月1回点検すると決めているのに点検記録がない、法令で必要な届出がされていない、教育対象者に教育が実施されていない場合などです。
観察事項は、現時点では明確な不適合ではないものの、放置すると問題になる可能性がある状態です。
改善の機会は、要求事項違反ではないものの、より良くできる点です。
会社によって名称や運用が異なるため、自社の判断基準を決めておくことが大切です。
| 分類 | 意味 | 具体例 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 不適合 | 要求事項や自社ルールを満たしていない状態 | 月次点検が未実施、教育記録がない、許可証期限切れ | 原因分析、是正処置、再発防止、効果確認を行う |
| 観察事項 | 将来不適合になる可能性がある状態 | 点検記録の記入漏れが増えている、担当者しか方法を知らない | 注意喚起、予防的な改善、次回監査で確認する |
| 改善の機会 | 要求事項違反ではないが、より良くできる点 | 記録様式が分かりにくい、保管場所が部署ごとに違う | 改善提案として検討し、必要に応じて実施する |
内部監査報告書の書き方と記録例
内部監査が終わったら、結果を内部監査報告書にまとめます。
報告書は、単なる実施記録ではなく、何を確認し、どの証拠を見て、どのような結果だったかを残すための重要な記録です。
報告書には、監査日、対象部署、監査員、監査範囲、監査基準、確認した資料、監査結果、不適合、観察事項、改善の機会、良い点、是正要求、対応期限、フォローアップ結果を入れます。
不適合を書くときは、感想ではなく事実に基づいて書きます。
たとえば『管理が悪い』ではなく、『廃棄物保管場所の月次点検について、2026年5月分の点検記録が確認できなかった。
手順書では毎月1回点検を実施し、記録することになっている』のように、要求事項、事実、証拠をセットで書くと分かりやすくなります。
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 監査日 | 2026年10月15日 |
| 対象部署 | 製造1課、設備保全部 |
| 監査員 | 主任監査員 佐藤、監査員 鈴木 |
| 監査基準 | ISO14001、自社環境マニュアル、廃棄物管理手順書 |
| 確認資料 | 環境側面一覧、環境目標管理表、廃棄物台帳、点検記録 |
| 監査結果 | 概ね適合。ただし廃棄物保管場所点検記録に一部未記入あり |
| 不適合 | 2026年5月分の廃棄物保管場所点検記録が確認できなかった |
| 観察事項 | 点検担当者が1名に限られており、休暇時の代替者が明確でない |
| 良い点 | 分別表示が写真付きで分かりやすく、現場担当者も説明できていた |
| 是正期限 | 2026年11月15日までに原因分析と再発防止策を提出 |
| フォローアップ | 2026年11月20日に是正完了と新様式運用を確認 |
是正処置とフォローアップの進め方
内部監査で不適合が見つかった場合は、是正処置を行います。
是正処置とは、見つかった不適合を直すだけでなく、原因を確認し、再発しないように対策することです。
記録が抜けていた場合に、抜けた記録を後から埋めるだけでは、十分な是正処置とは言えません。
まず、不適合の事実を明確にします。
次に、なぜ起きたのかを確認します。
担当者が忘れていたのか、記録様式が分かりにくかったのか、代替者が決まっていなかったのか、確認者がいなかったのかによって、対策は変わります。
対策を実施した後は、フォローアップで本当に再発防止につながっているかを確認します。
審査では、内部監査で出た不適合が放置されていないか、期限内に処置されているか、効果確認まで行われているかが見られます。
| 手順 | やること | 記録例 |
|---|---|---|
| 1 | 不適合の事実を明確にする | 5月分の点検記録が確認できなかった |
| 2 | 要求事項や自社ルールを確認する | 手順書では月1回点検し記録することになっている |
| 3 | 原因を分析する | 担当者不在時の代替者が決まっていなかった |
| 4 | 修正処置を行う | 未実施月の状況を確認し、現場異常がないことを確認する |
| 5 | 再発防止策を決める | 代替者を設定し、点検予定表に確認欄を追加する |
| 6 | 実施状況を確認する | 翌月以降の点検記録が期限内に作成されているか確認する |
| 7 | 効果確認を行う | 3か月連続で記録漏れがないことを確認する |
| 8 | 完了記録を残す | 是正処置完了日、確認者、確認資料を記録する |
内部監査でよくある失敗例
内部監査でよくある失敗は、チェックリストを読み上げるだけで終わってしまうことです。
質問に対して『はい』と答えてもらうだけでは、実際に運用されているか分かりません。
記録、現場、担当者の理解を確認する必要があります。
また、毎年同じチェックリストを使い回し、前回指摘や環境目標の未達、設備変更、法令改正を反映していないケースもあります。
内部監査は、今年のリスクや変化に合わせて重点項目を変えることが大切です。
監査員が自部署を監査してしまう、良い点を記録しない、不適合を書きにくくて曖昧な表現にする、是正処置をフォローしない、といった失敗もあります。
内部監査を改善につなげるためには、監査の目的と判断基準を社内でそろえておきましょう。
審査で内部監査について見られるポイント
ISO14001の外部審査では、内部監査を計画通り実施しているか、内部監査の範囲が妥当か、監査員に必要な力量があるか、監査結果に対して是正処置を行っているかが確認されます。
特に見られやすいのは、内部監査がEMS全体をカバーしているか、監査員の客観性が確保されているか、チェックリストが自社の業務に合っているか、不適合や観察事項が具体的に記録されているか、フォローアップが完了しているかです。
また、内部監査結果がマネジメントレビューへつながっているかも重要です。
内部監査で見つかった課題や改善点が経営層に報告され、必要な指示や資源配分につながっていれば、EMSが改善サイクルとして機能していることを説明しやすくなります。
| 見られるポイント | 審査での確認例 | 準備しておきたい資料 |
|---|---|---|
| 内部監査計画 | 内部監査は計画的に実施されていますか? | 年間監査計画、内部監査計画書 |
| 監査範囲 | EMSの対象範囲を適切にカバーしていますか? | 監査計画、対象部署一覧、監査記録 |
| 監査員の力量 | 監査員に必要な力量はどのように確認していますか? | 監査員リスト、教育記録、力量評価 |
| 客観性 | 自部署監査になっていませんか? | 監査員割当表、組織図 |
| チェックリスト | 自社の業務や環境側面に合った確認項目ですか? | チェックリスト、環境側面一覧、順守義務一覧 |
| 監査結果 | 不適合や観察事項は具体的に記録されていますか? | 内部監査報告書、確認記録 |
| 是正処置 | 不適合に対して原因分析と再発防止をしていますか? | 是正処置記録、フォローアップ記録 |
| マネジメントレビュー | 内部監査結果を経営層へ報告していますか? | マネジメントレビュー議事録、改善指示 |
前任者から内部監査資料を引き継いだときの見直しポイント
前任者からISO14001を引き継いだ場合、内部監査資料が残っていても、そのまま使えるとは限りません。
まずは、前回の内部監査計画書、チェックリスト、報告書、是正処置記録、フォローアップ記録を確認しましょう。
特に確認したいのは、前回の不適合や観察事項が完了しているか、今年の監査計画に反映されているかです。
前回指摘が未完了のまま外部審査を迎えると、審査で説明に困る可能性があります。
また、チェックリストが古く、法令改正や設備変更、環境目標の変更が反映されていないこともあります。
引き継ぎ直後は、内部監査の記録だけでなく、関連する環境側面、順守義務、環境目標、外部審査指摘、マネジメントレビューの指示事項も合わせて確認すると、今年の重点監査項目を決めやすくなります。
自社だけで内部監査を進めるのが難しい場合の対応
内部監査は自社で実施できますが、初めての担当者だけで進めると、チェックリストの作り方や不適合判断、是正処置の進め方で迷うことがあります。
特に、ISO14001の要求事項と自社の環境側面、法令、現場運用をつなげて確認するには、一定の知識と経験が必要です。
自社だけで難しい場合は、内部監査員教育を受ける、外部講習を活用する、ISO14001に強いコンサル会社へチェックリスト作成や内部監査支援を依頼する方法があります。
内部監査代行を依頼する場合でも、丸投げにするのではなく、自社の担当者が一緒に確認し、次回以降に自社で運用できるようにすることが大切です。
ISOトラストのように、月額3万円から相談しやすい低額のISOコンサル会社もあります。
低額だから支援が薄いということではなく、広告に大きく頼らない集客・運営の仕組みによって、現状調査、計画策定、書類作成、内部監査、マネジメントレビュー、審査機関紹介、審査対応、維持運用サポートまで含めて相談しやすい会社もあります。
内部監査員の教育、チェックリスト作成、報告書や是正処置の整備まで支援範囲に含まれるかを確認しましょう。
| 相談したい場面 | 支援内容の例 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 初めて内部監査を行う | 内部監査の流れ、質問方法、記録方法の説明 | 初心者向けに実務ベースで教えてもらえるか |
| チェックリストが作れない | 自社の環境側面や法令に合わせた質問作成 | 汎用テンプレートだけでなく自社用に調整してくれるか |
| 不適合判断が不安 | 不適合、観察事項、改善の機会の判断支援 | 判断理由と記録の書き方まで教えてもらえるか |
| 是正処置が進まない | 原因分析、再発防止、効果確認の支援 | 指摘後のフォローアップまで対応しているか |
| 審査前に不安がある | 内部監査記録、是正記録、審査質問への準備 | 外部審査で見られるポイントまで確認してくれるか |
まとめ:内部監査は、指摘探しではなく改善につなげるための確認活動
ISO14001の内部監査は、外部審査の前に書類を整えるだけの作業ではありません。
自社のEMSがISO14001や自社ルールに適合しているか、そして環境改善や法令順守に役立っているかを確認するための重要な活動です。
内部監査を実施するときは、監査計画を作り、必要資料を準備し、自社の業務に合ったチェックリストを作成します。
監査当日は、書類確認、ヒアリング、現場確認を組み合わせ、客観的な証拠に基づいて判断しましょう。
監査後は、報告書を作成し、不適合や観察事項に対して是正処置とフォローアップを行います。
初心者の内部監査では、何を聞けばよいか迷いやすいですが、環境側面、順守義務、環境目標、運用記録、現場の実態を順番に確認すれば、監査の流れはつかめます。
チェックリストを読み上げるだけで終わらせず、現場の改善につながる内部監査へ育てていきましょう。
ISOコンサル会社選びで迷ったら、まずは比較してみましょう。
目的や規格に合う会社を整理し、取得までの進め方を確認できます。
おすすめ会社を見るよくある質問
ISO14001の内部監査とは何ですか?
ISO14001の内部監査とは、自社の環境マネジメントシステムがISO14001の要求事項や自社ルールに適合しているか、そして有効に機能しているかを確認する活動です。
外部審査の前準備だけでなく、改善点を見つけるために行います。
ISO14001の内部監査はどのような手順で進めますか?
一般的には、監査計画の作成、監査員の決定、対象部署への通知、チェックリスト作成、オープニング、書類確認・ヒアリング・現場確認、クロージング、報告書作成、是正処置、フォローアップの流れで進めます。
内部監査チェックリストには何を入れればよいですか?
環境方針、環境側面、著しい環境側面、順守義務、環境目標、教育、コミュニケーション、文書管理、運用管理、緊急事態対応、監視測定、順守評価、マネジメントレビュー、改善などを入れます。
自社の業務や部署に合わせて具体的な質問にすることが大切です。
初心者の内部監査員は何を質問すればよいですか?
まずは、何をしているか、どの記録で確認しているか、誰が担当しているか、問題があった場合にどう対応するかを聞くと進めやすくなります。
たとえば『環境目標の進捗はどの記録で確認していますか』『廃棄物保管場所の点検記録はありますか』といった質問です。
内部監査では現場確認も必要ですか?
必要です。
書類だけでは、現場で本当に運用されているか分からないことがあります。
廃棄物保管場所、薬品保管場所、緊急時備品、設備点検状況、掲示物など、対象部署の環境側面に応じて現場確認を行いましょう。
不適合と観察事項の違いは何ですか?
不適合は、ISO14001の要求事項や自社ルールを満たしていない状態です。
観察事項は、現時点では明確な不適合ではないものの、放置すると問題につながる可能性がある状態です。
会社ごとに判断基準を決めておくと運用しやすくなります。
内部監査で不適合が出たらどうすればよいですか?
不適合の事実を明確にし、原因分析、修正処置、再発防止策、実施確認、効果確認を行い、記録として残します。
単に記録を埋めるだけでなく、なぜ起きたのかを確認し、再発しない仕組みにすることが大切です。
審査では内部監査について何を見られますか?
審査では、内部監査を計画通り実施しているか、EMSの範囲をカバーしているか、監査員の力量や客観性があるか、不適合に是正処置をしているか、内部監査結果をマネジメントレビューへつなげているかが見られます。
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