ISO14001:2026の規格改訂内容|主な変更点・2015年版との違い・移行期限を解説
ISO14001:2026は、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の2026年版です。 2015年版の基本を引き継ぎながら、環境の状況、変更の計画、外部から提供される製品・サービス、内部監査などの考え方が整理されています。 改訂対応で最初に知りたいのは、「どの項番が変わったのか」「今の運用のどこに関係するのか」「いつまでに準備すればよいのか」という点ではないでしょうか。 この記事では、主な変更点を14項目に整理し、項番と項目名を並べて紹介します。 2015年版からの移動・統合も分けて示すので、新しい要求が増えた部分と、今の取組を生かせる部分を見渡せます。 移行完了期限の2029年4月30日と、準備を進める順番も確認できます。 イソログ編集部では、変更項目を資料・部署・準備の順番に結び付けた表も用意しました。 まず全体像をつかみ、自社で詳しく確認する対象を整理するためにお使いください。 記事では変更点と準備の基本を扱います。 詳しく学びたい方に向けて、イソログ運営会社のISOトラストが提供する規格改訂講座も紹介します。
この記事でわかること
- ISO14001:2026の発行状況と、2015年版・気候変動追補との関係
- 主な変更点14項目の項番・項目名と、旧版からの移動・統合
- 移行期限と、現在の運用を確認して準備を進める順番
- マニュアル・内部監査・関係部署の教育で確認したい対象
- 詳しい解釈や対応方法を学べるISO14001規格改訂講座
ISO14001:2026の規格改訂とは?まず知っておきたい全体像
ISO14001:2026は、2015年版の基本を引き継ぎ、環境管理を分かりやすく進められるよう内容を整理した規格です。
環境への影響を把握し、必要な取組を計画・実施し、その結果から改善する流れは共通しています。
改訂対応では、会社を取り巻く環境、変更時の管理、購入品や委託サービスなどと、現在の運用を見比べます。まず正式版の発行状況と、変更の種類を確認しましょう。
正式版の発行と、今回の改訂の目的
ISO14001:2026は、2026年4月15日に国際規格として発行されました。
日本の対応規格であるJIS Q 14001:2026も、2026年8月20日に発行されています。
今回の改訂は、2015年版の要求の意図を分かりやすくすることが基本です。環境課題の変化も踏まえ、自社の活動が環境に与える影響と、環境の変化が業務に与える影響を確認します。
| 確認すること | 日付・内容 | 読み取るポイント |
|---|---|---|
| ISO国際規格の発行 | 2026年4月15日 | ISO14001:2026の正式版が発行済み。 |
| 対応するJISの発行 | 2026年8月20日 | JIS Q 14001:2026が発行済み。 |
| 2026年版への移行完了期限 | 2029年4月30日 | 審査を申し込む期限と混同せず、移行完了まで計画する。 |
発行日の出典:ISO公式のISO14001規格情報(https://www.iso.org/standard/14001)、日本規格協会のJIS Q 14001:2026書誌情報。
移行期限の出典:JARI-RB「JABから2026年版の移行要領が発行されました」(https://www.jari-rb.jp/information/20260929a/)。
2026年10月9日確認。
2015年版の基本を引き継ぐ点と、見直された点
変更点を読むときは、「項目の新設」「表現や考え方の明確化」「項番の移動・統合」を分けると理解しやすくなります。
新しい番号が付いた項目でも、以前から取り組んでいる内容が整理された場合があります。
例えば、6.3は「変更の計画策定」として独立した項目です。
一方、6.1.5の取組の計画策定は、2015年版の6.1.4から移動しています。
同じ6.1.4という番号でも、旧版と新版では項目名が異なります。
会社の資料に規格の番号を載せている場合は、内容と参照番号を合わせて確認しましょう。
現在の仕事に合う取組を残し、必要な部分を見直す進め方が基本です。
変更点を「新設」「明確化」「移動・統合」に分け、正式な規格と現在の運用を見比べると、必要な見直しを整理しやすくなります。
| 変更の種類 | 今回の主な例 | 確認の考え方 |
|---|---|---|
| 独立した項目の新設 | 6.3 変更の計画策定 | 変更を計画的に進める仕組みとの関係を確認する。 |
| 考え方や対象の明確化 | 4.1、4.3、8.1など | 今の確認範囲で、示された考え方を捉えられているか見る。 |
| 項番の移動 | 6.1.4、6.1.5 | 旧版と新版の対応を確認してから資料を直す。 |
| 構成の整理・統合 | 9.3、10.1 | 項目数の変化と、実際の運用を分けて考える。 |
ISOとJISの違い、気候変動追補との関係
ISOは国際規格、JISは日本産業規格です。JIS Q 14001:2026は、ISO14001:2026に一致する対応規格として発行されています。
気候変動に関する内容は、ISOの2015年版には2024年の追補で、国内のJISには2025年に反映されています。
追補への対応状況を先に確認しておくと、今回見直す部分を整理しやすくなります。
| 比較の前提 | 含まれる内容 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 2015年の当初の規格 | 2015年版の基本的な要求 | 後から反映された気候変動追補を分けて読む。 |
| 気候変動追補を反映した規格・運用 | ISOでは2024年、JISでは2025年に反映 | 自社ですでに確認した内容を把握する。 |
| 2026年版 | 追補の内容を取り込み、今回の改訂を反映 | 今回の変更点と、現在の運用との差を確認する。 |
出典:ISOのISO14001:2015気候変動追補情報、日本規格協会のJIS改正履歴、JARI-RBの気候変動追補案内(https://www.jari-rb.jp/WP/wp-content/uploads/2025/07/info20250714c.pdf)。
イソログに寄せられたリアルな声
改訂対応で考えたいことを、業種と会社の規模が異なる五つの場面に整理しました。
自社に近い場面から、確認したい章を見つけてください。
以下は編集部が作成した架空の相談例です。業種・人数・状況は仮設定で、実際に届いた発言や顧客の体験談を紹介するものではありません。
Voices
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
現場を見ながら、改訂の準備も担当することになりました
イソログ相談例
総務と環境管理を兼任しています。
工事現場の書類もあるため、改訂に合わせて全部の書類を直すとなると負担が大きいです。
まず、今ある資料のどこから確認すればよいか知りたいです。
第5章の資料別の表から、現在の運用と関係する資料を確認します。
最初に書類を増やすのではなく、変更項目との関係と、足りない情報を整理します。
新しい項番が増えていて、どれが本当に新しい内容か迷っています
イソログ相談例
環境側面とリスクの一覧は毎年見直しています。
6.1.4や6.1.5の番号が変わっていると聞き、一覧を作り直す必要があるのか、項番の整理だけなのかを先に知りたいです。
第3章の旧版・新版の対応表を確認します。
番号の移動と、内容の見直しを分けると、現在の取組を生かしながら確認対象を整理できます。
環境担当だけでなく、購買や設備の担当にも伝えたいです
イソログ相談例
水や廃棄物の管理は製造部、購入品や委託先の管理は購買部が担当しています。
今回の改訂がそれぞれの仕事にどう関わるか、社内で説明できるようにしておきたいです。
第5章の部署別の表で、関係する項番と仕事をつなげて見ます。
全員に同じ説明をする前に、役割に応じた共有内容を整理すると進めやすくなります。
更新審査の時期に合わせて、移行まで終わらせたいです
イソログ相談例
車両や拠点の運用を続けながら、移行準備を進める予定です。
更新審査に合わせられるのか、内部監査や経営者の見直しをいつ入れるのか、予定を先に組みたいと考えています。
第4章で準備の順番を把握し、契約している認証機関と日程を調整します。
移行期限までに審査を受けるだけでなく、移行完了まで含めて計画します。
変更点を読んだあと、自社での対応をもう少し詳しく学びたいです
イソログ相談例
項番別の変更点は理解できましたが、今の手順や記録をどこまで見直せばよいかで迷っています。
まとまった時間を確保しにくいため、仕事の予定に合わせて学べる方法を探しています。
まず社内で詳しく確認したい項目を整理します。
そのうえで、第7章の規格改訂講座について、学ぶ内容と受講方法が目的に合うか確認できます。
ISO14001:2026の主な変更点|項番別に2015年版との違いを確認
主な変更点を14項目に整理しました。項番と項目名を一覧で確認し、関係する項目の説明へ進めます。
現在の手順書や記録と見比べながら、詳しく確認したい部分を探してみてください。要求事項の詳細は正式な規格で確認します。
| 項番・項目名 | 変更の種類 | 変更の概要 | 関係する確認対象 |
|---|---|---|---|
| 4.1 組織及びその状況の理解 | 環境状態の例を具体化 | 気候変動や生物多様性など、自社に関係する環境の状況を捉える。 | 事業の課題・環境の状況 |
| 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | 要求の扱いを明確化 | 関係者の要望と、守る必要のある義務や約束との関係を整理する。 | 顧客・行政・地域との関係 |
| 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 | ライフサイクルの視点を明確化 | 調達から使用・廃棄までを見渡し、管理や働きかけができる範囲を考える。 | 対象拠点・活動・製品・サービス |
| 5.1 リーダーシップ及びコミットメント | 支援する対象を明確化 | 環境に関する役割を担う人を、経営者が支える考え方を確認する。 | 経営者・関係部署の役割 |
| 6.1.2 環境側面 | 変更・緊急事態の扱いを整理 | 通常の仕事に加え、変更時や起こり得る緊急事態の環境への影響を見る。 | 環境側面の洗い出し・評価 |
| 6.1.4 リスク及び機会 | 旧6.1.1から内容を整理 | 対応が必要なリスクと機会を独立した項目で扱う。 | リスク・機会の整理 |
| 6.1.5 取組の計画策定 | 旧6.1.4から移動 | 環境側面・順守義務・リスクと機会への取組を計画につなげる。 | 取組計画・効果の確認 |
| 6.3 変更の計画策定 | 独立した項目を新設 | 環境管理の仕組みを変更するときに、計画的に進める。 | 設備・材料・体制などの変更 |
| 7.4.1 コミュニケーション-一般 | 情報の扱いを整理 | 必要な情報を伝え、実施した内容を適切に確認できるようにする。 | 社内外への連絡・情報共有 |
| 8.1 運用の計画策定及び管理 | 外部から提供される対象を明確化 | 外部のプロセスだけでなく、製品やサービスも管理の対象として捉える。 | 購買・委託・日常の運用 |
| 9.1.1 監視,測定,分析及び評価-一般 | 分析と情報の扱いを明確化 | 測定した数値を、分析・評価と結果の確認につなげる。 | 環境データ・評価結果 |
| 9.2.2 内部監査プログラム | 各監査の目的などを明確化 | 監査の目的、監査プログラム、実施結果の扱いを確認する。 | 監査計画・監査記録 |
| 9.3 マネジメントレビュー | 構成を整理 | 実施の基本、検討する情報、判断・決定する結果を分けて捉える。 | 経営者による見直し |
| 10.1 継続的改善 | 旧10.1と10.3を統合 | 運用・監査・レビューで分かったことを、次の改善につなげる。 | 改善活動・効果の確認 |
項番と項目名の整理には、ISOトラストの規格改訂講座教材、ISO・JISの発行情報、認証機関の改訂概要を参照しています。
要求事項の詳細は、正式な規格と照らして確認します。
4.1 組織及びその状況の理解
4.1では、会社を取り巻く環境の状況が、より具体的に示されています。気候変動、汚染、天然資源の利用可能性、生物多様性や生態系などが例です。
自社の活動が環境に与える影響と、環境の変化が業務に与える影響の両方を考えます。たとえば水を多く使う工場なら、水資源の状況と操業への影響を整理すると、自社との関係が分かりやすくなります。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.2では、顧客、行政、近隣住民などの要求と、環境管理で対応する内容との関係が整理されています。こうした関係者を「利害関係者」と呼びます。
寄せられた要望から、法令や契約、自社が引き受けた約束など、守る必要がある条件を明確にします。現在の一覧と実際の契約・活動を見比べて確認しましょう。
4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定
4.3では、環境管理の適用範囲を決める際の「ライフサイクルの視点」が明確になっています。材料の調達、製造、輸送、使用、廃棄までの流れを考える視点です。
対象拠点の仕事とあわせて、自社が管理できること、取引先に働きかけられることを整理します。実際の事業の流れに沿って、現在の適用範囲を確認しましょう。
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1では、経営者が環境管理に関わる人の役割を支えることが、分かりやすく整理されています。
購買、製造、現場管理などの担当者が、必要な判断や作業を進められる体制を確認します。部署間の協力や、人員・設備などが必要な場面では、経営者が判断し、担当者を支えます。
6.1.2 環境側面
6.1.2では、環境側面を把握するときに扱う状況が整理されています。「環境側面」は、活動・製品・サービスのうち、環境に影響を与えたり関わったりする部分です。
現在の一覧を使い、通常の運転、通常とは異なる作業、設備や材料の変更、起こり得る緊急事態を確認します。新しい設備や作業が一覧に反映されているかも見てみましょう。
6.1.4 リスク及び機会
6.1.4「リスク及び機会」は、2015年版の6.1.1で扱っていた内容を整理した項目です。環境管理に支障を与える可能性と、よりよい結果につながる可能性を扱います。
まず現在のリスクと機会の一覧を確認します。環境側面、守るべき法令や約束、会社を取り巻く状況と結びつけると、見直す対象を考えやすくなります。
6.1.5 取組の計画策定
6.1.5「取組の計画策定」は、2015年版の6.1.4から移動した項目です。
環境側面、順守義務、リスクと機会について決めた取組を、実際の仕事に反映する考え方を扱います。
一覧表に課題を書くだけでなく、取組の計画と、実施後の確認へつなげる点が中心です。
項番の変更と、会社で見直すべき内容は分けて考えましょう。
旧版の番号を引用している資料は、参照先も確認します。
| 2015年版の項番・項目 | 2026年版の項番・項目 | 確認時のポイント |
|---|---|---|
| 6.1.1 一般のうちリスクと機会に関する内容 | 6.1.4 リスク及び機会 | 旧6.1.1のうち、リスクと機会に関する内容との対応を確認する。 |
| 6.1.4 取組の計画策定 | 6.1.5 取組の計画策定 | 同じ6.1.4という番号でも、新版では別の項目。 |
| 9.3 マネジメントレビュー | 9.3.1 一般/9.3.2 インプット/9.3.3 結果 | 確認する情報と判断・決定する結果を区別する。 |
| 10.1 一般、10.3 継続的改善 | 10.1 継続的改善 | 旧版の文書の参照番号と内容を合わせて確認する。 |
6.3 変更の計画策定
6.3「変更の計画策定」は、今回独立した項目として新設されました。環境管理の仕組みを変える際に、計画的に進めることを扱います。
設備、材料、業務の進め方、体制を変更する場面を取り上げ、環境への影響と必要な対応を確認します。現在の変更管理の手順に、環境管理の確認がどこで含まれているかを見てみましょう。
7.4.1 コミュニケーション-一般
7.4.1は、環境管理に関する情報を、誰に、何を、いつ、どのように伝えるかを扱います。2026年版では、こうした情報の扱いが整理されています。
現在のメールや会議記録を使い、連絡した内容と実施状況を必要なときに確認できるかを見直します。変更内容の連絡先と担当者を整理しておくと、現場への伝達も進めやすくなります。
8.1 運用の計画策定及び管理
8.1では、外部から提供されるプロセス、製品、サービスへの管理や働きかけが明確になっています。
購入する材料、設備関連のサービス、運搬や処理の委託などを整理します。それぞれが自社の環境管理に与える影響に合わせて、確認する条件や取引先への伝え方を決めます。
9.1.1 監視,測定,分析及び評価-一般
9.1.1では、監視・測定した情報を分析・評価することと、結果の情報の扱いが明確になっています。
電力、水、廃棄物などの数値について、何を確かめるために測定するのかを整理します。使用量が増えた理由や対策の効果まで確認すると、次の改善につながります。指標は自社の活動と目的に合わせて選びます。
9.2.2 内部監査プログラム
9.2.2では、各内部監査の目的と、監査プログラム・結果に関する情報の扱いが整理されています。監査プログラムには、頻度、方法、責任者、計画などを定めます。
一回ごとの監査で何を確かめるかを具体的にしましょう。たとえば設備変更を対象にするなら、変更後の手順と運転記録を確認する日程、監査員、担当部署を計画に記載します。
9.3 マネジメントレビュー
9.3は、9.3.1「一般」、9.3.2「インプット」、9.3.3「結果」に整理されています。マネジメントレビューは、経営者が環境管理の仕組みと成果を見直す機会です。
現在の会議資料と議事録を使い、判断のために集めた情報と、経営者が決めた内容を分けて確認します。決定した担当者や次の予定も追えるようにしておくと、見直しを業務に活かせます。
10.1 継続的改善
10.1「継続的改善」は、2015年版の10.1「一般」と10.3「継続的改善」を整理・統合した項目です。環境管理を続けながら、仕組みと成果をよりよくする考え方を引き継ぎます。
測定・評価、内部監査、マネジメントレビューで分かったことを、次の取組へつなげます。不適合の原因を取り除く是正処置とあわせて、環境管理全体を改善していきます。
ISO14001:2026への移行期限と、準備の進め方
移行準備は、締切だけを見るより、会社の審査予定から逆算すると進めやすくなります。
現在の運用を確認し、必要な見直しを行い、その仕組みを使って評価する時間まで含めて考えましょう。
ここでは準備の大きな順番を整理します。
会社ごとの具体的な対応や必要な運用期間は、変更の内容と認証機関の案内に合わせて決めます。
移行期限と、自社の審査予定を確認する
2026年版への移行完了期限は2029年4月30日です。JARI-RBが2026年9月29日に公表したJABの移行要領に関する案内でも、この期限が示されています。
審査、必要な是正、認証機関の手続きを含め、期限までに完了する予定を組みます。現在の登録証の有効期限、維持・更新審査との組み合わせ、申込時期を認証機関と確認しましょう。
| 日付の種類 | 意味 | 自社で確認すること |
|---|---|---|
| 移行完了期限 | 2029年4月30日 | 移行審査と必要な手続きを終えられる計画にする。 |
| 自社の更新・維持審査予定 | 現在の契約に基づく審査日 | 移行審査と合わせて実施できるか認証機関に確認する。 |
| 社内の準備完了予定 | 会社が決める準備の目標日 | 運用、内部監査、レビュー、必要な見直しの時間を含める。 |
移行期限と登録証の扱いの参照先:JARI-RB(https://www.jari-rb.jp/information/20260929a/、https://www.jari-rb.jp/information/20260707i/)。
具体的な審査日程・工数・提出資料は、自社の認証機関の最新案内を確認してください。
改訂内容を把握し、今の運用との差を確認する
変更項目と現在の仕事を並べ、対応できている点と足りない点を確認します。この作業は「ギャップ分析」とも呼ばれます。
購買や現場の担当者と、手順書や記録を見ながら確認すると、実際に見直す部分が分かります。
次の4区分は、社内で作業を整理するための例として使えます。
| 現在の状態 | 整理すること | 次に進める確認 |
|---|---|---|
| 今の運用で対応している | どの仕事や資料で対応しているか | 正式な規格との対応が説明できるか確認する。 |
| 実施しているが、資料との関係が分かりにくい | 実際の担当者・手順・記録の場所 | 必要な情報を確認できる状態に整える。 |
| 内容や対象を見直す必要がある | 現在の運用と変更項目の違い | 詳しい要求を確認して、見直しの範囲を決める。 |
| 自社への関係をまだ判断できない | 判断に必要な事業や取引の情報 | 規格・教材を確認し、必要に応じて専門家に相談する。 |
対応できている項目には、確認した仕事と資料名も記録しましょう。
次の教育や内部監査で、同じ資料をたどりやすくなります。
必要な見直し、教育、内部監査・マネジメントレビューを進める
不足している点が分かったら、ルールや資料を見直し、担当者へ内容を伝えます。新しい手順で仕事を進め、運用記録を残しましょう。
その後、内部監査とマネジメントレビューで運用を確認し、見つかった課題に対応します。
次の表は準備の流れを共有するための作例です。見直しと教育を並行するなど、自社の日程に合わせて調整できます。
| 段階 | 進めること | 次へ進む前に確認する状態 |
|---|---|---|
| 全体像の把握 | 変更項目と審査予定を確認する。 | 関係する項番と、社内の担当が分かる。 |
| 現在の運用との比較 | 仕事・資料・記録との関係を整理する。 | 対応済みの部分と、詳しく確認する部分が分かる。 |
| 必要な見直しと教育 | ルールや資料を直し、関係者へ伝える。 | 担当者が自分の仕事に関係する変更を理解している。 |
| 運用と社内での評価 | 見直した仕組みを使い、監査・レビューで確認する。 | 結果と、必要な改善への対応を確認できる。 |
| 移行審査と完了手続き | 審査を受け、必要な対応と手続きを進める。 | 期限内の移行完了を認証機関と確認する。 |
移行準備と運用期間の基本は、JQAの規格改定特設ページ(https://www.jqa.jp/service_list/management/14001_2026_special/)も参照しています。
必要な運用期間や受審条件は、自社の状況と認証機関の案内に合わせて確認します。
移行審査に向けて認証機関と日程を調整する
認証機関への相談は、準備の早い段階で始めると全体の日程を組みやすくなります。希望する審査時期と、受審までに必要な準備を確認しましょう。
追加の審査工数、提出資料、申込期限などを聞き、社内の見直し・教育・内部監査の予定へ反映します。
| 確認すること | 日程や準備に関わる理由 |
|---|---|
| 2026年版の移行審査を受けられる時期 | 認証機関側の移行対応状況を踏まえて予定を組むため。 |
| 更新・維持審査と合わせた実施の可否 | 通常の審査予定と社内の準備を合わせるため。 |
| 必要な運用、内部監査、レビューの条件 | 審査前に実施する内容と時間を見込むため。 |
| 追加工数・費用・提出資料 | 予算と準備担当を決めるため。 |
| 審査後の対応と移行完了までの手続き | 移行完了期限まで余裕を持った予定にするため。 |
マニュアル・内部監査・社内教育は、どこを確認すればよい?
変更点が分かったら、資料、内部監査、関係部署の3つから確認する仕事を整理しましょう。
以下の表は編集部がまとめた確認例です。資料名は、自社で使っている名称に置き換えられます。
マニュアルや記録を、最初から全部作り直す必要はある?
現在のマニュアルや記録を活用し、改訂後の内容に合わない部分や不足する情報を見直します。
環境側面、購買、変更管理などを、ほかの業務資料で管理している場合もあります。実際の保管先と担当者を確認し、必要な情報をたどれるようにしましょう。
規格が求める文書や記録も、この確認とあわせてそろえます。
規格の番号、社内のルール、実際の仕事の三つをそろえて確認すると、文書の修正だけに偏らずに見直しを進められます。
| 現在使っている資料の例 | 主に関係する項番 | 確認する対象 |
|---|---|---|
| 会社の課題・関係者の要求をまとめた資料 | 4.1、4.2 | 現在の事業や環境の状況との関係。 |
| 適用範囲、対象拠点・業務の資料 | 4.3 | 事業の流れと管理・働きかけの範囲。 |
| 環境側面、リスクと機会、取組計画 | 6.1.2、6.1.4、6.1.5 | 対象となる活動、整理の内容、旧新版の項番。 |
| 設備・材料・業務の変更を扱う資料 | 6.3 | 変更管理と環境管理とのつながり。 |
| 購買・委託・社内外の連絡の資料 | 7.4.1、8.1 | 外部からの提供内容と必要な情報共有。 |
| 測定・評価の結果、内部監査の資料 | 9.1.1、9.2.2 | 何を評価・確認するための情報か。 |
| レビュー・改善に関する資料 | 9.3、10.1 | 検討した情報、判断した内容、改善との関係。 |
内部監査の計画と、監査員の知識を確認する
内部監査では、改訂後の手順が実際の業務で使われているかを確認します。監査員と変更点を共有し、対象と目的を具体的に決めましょう。
2015年版のチェックリストを見直す際は、項番と質問内容の両方を確認します。たとえば設備変更なら、「環境への影響を誰が確認したか」「変更後の運転記録で結果を確認できるか」と質問と資料を組み合わせます。
| 対象 | 確認する方向 | 主に関係する項番 |
|---|---|---|
| 監査の計画 | 今回の監査の目的と、対象とする仕事が分かるか。 | 9.2.2 |
| 監査員の知識 | 改訂内容と自社の見直し内容を理解しているか。 | 改訂項目全体 |
| チェックリストなどの資料 | 旧版の番号と内容をそのまま残していないか。 | 6.1.4、6.1.5、9.3、10.1など |
| 監査後の確認 | 結果を、必要な対応や経営者の見直しへつなげられるか。 | 9.2.2、9.3、10.1 |
内部監査の基本を確認したい方は、関連記事「ISO14001の内部監査」もご覧ください。
本記事では、改訂対応で見直す対象に絞って説明しています。
環境担当者だけでなく、関係する部署にも変更点を伝える
環境管理の仕事は、購買、製造、現場管理、経営者の判断などに分かれています。
環境担当者が改訂内容を理解したあと、関係する部署へ仕事とのつながりを伝えることが必要です。
全員に条文全体を同じ深さで説明するより、その人が担当する判断や作業を整理して共有すると、日常の仕事へ結び付けやすくなります。
内部監査員には、担当する監査に必要な理解も求められます。
小規模の会社で一人が複数の役割を担当している場合も、仕事ごとに整理できます。
役割ごとに、担当者と共有する内容を書き出しておくと準備しやすくなります。
| 役割・部署の例 | 関係しやすい仕事 | 最初に確認する項番 |
|---|---|---|
| 経営者 | 役割を担う人への支援、レビュー、改善の判断 | 5.1、9.3、10.1 |
| 環境担当・事務局 | 会社の状況、適用範囲、全体の準備計画 | 4.1、4.2、4.3、6.1.4、6.1.5 |
| 製造・工事現場・設備担当 | 環境側面、変更時の管理、日常の運用 | 6.1.2、6.3、8.1 |
| 購買・委託先を管理する担当 | 購入品、サービス、外部との連絡 | 7.4.1、8.1 |
| 環境データを集める担当 | 監視・測定、分析、評価に使う情報 | 9.1.1 |
| 内部監査員 | 監査の目的、計画、改訂後の運用確認 | 9.2.2と担当する変更項目 |
この表は、編集部が一般的な役割をもとに整理した例です。
自社の部署名と責任分担に合わせて、共有する内容を調整できます。
最初の打ち合わせでは、「日程を決めること」「関係する仕事を調べること」「詳しく検討すること」に分けると、担当と次の行動を決めやすくなります。
次の表は、準備を始める際の優先順の例として使えます。
| 順番 | 決めること | 先に整理する理由 |
|---|---|---|
| 1 | 審査予定、移行完了の目標、全体の担当 | 準備に使える時間と、相談する相手が分かる。 |
| 2 | 変更項目に関係する仕事と部署 | 環境担当者だけでは分からない情報を集められる。 |
| 3 | 現在の資料と、詳しく確認する項目 | すでに使える資料と、見直しの判断が必要な部分を分けられる。 |
| 4 | 学習・社内共有・運用確認の予定 | 文書だけで終わらず、監査・レビューまで準備できる。 |
記事の主な参照資料:ISOトラスト作成「ISO14001:2026 規格改訂講座教材」、ISO公式規格情報、日本規格協会JIS書誌情報、JQA規格改定特設ページ、DNV改訂概要(https://www.dnv.jp/assurance/Management-Systems/new-iso/transition/iso-14001-revision/)、JARI-RB移行案内。
公開情報は2026年10月9日確認。
附属書Aは理解を助ける手引きとして、本文の要求事項と区別して確認します。
ISO14001:2026の規格改訂に関するよくある質問
2015年版の認証、気候変動追補、書類や教育の見直しなど、改訂対応で確認したい疑問をまとめました。
ISO14001:2015の認証は、2026年版が発行されるとすぐに使えなくなりますか?
既存認証の維持条件を満たしながら、2026年版への移行を進めます。移行完了期限は2029年4月30日です。
自社の登録証の有効期限と認証機関の手続きも確認し、完了までの日程を組みましょう。
ISO14001:2026とJIS Q 14001:2026は別の規格ですか?
ISOは国際規格、JISは日本産業規格です。JIS Q 14001:2026はISO14001:2026に一致する対応規格として発行されています。
自社の認証で使う表記と参照する版は、認証機関の案内に合わせて確認します。
気候変動への対応は、2026年版で初めて追加されたのですか?
気候変動に関する内容は、ISOの2015年版には2024年の追補で、国内のJISには2025年に加わっています。追補への対応状況を確認すると、今回見直す範囲を整理しやすくなります。
生物多様性や資源の問題には、どの会社も同じ対策が必要ですか?
自社の活動や立地と関係するテーマを確認します。たとえば水を多く使う工場は水資源、土地を改変する事業は生態系との関わりを考えられます。
正式な規格の例と自社の業務を見比べ、関連する状況を整理しましょう。
改訂対応のために、新しい書類を増やす必要がありますか?
必要な情報を管理できている資料は、そのまま活用できます。改訂された要求と見比べ、不足している説明や記録、実際の業務と合わない部分を見直しましょう。
内部監査員や一般社員は、全員同じ改訂講座を受ける必要がありますか?
役割に応じて、学ぶ内容と理解の確認方法を決めます。内部監査員は改訂後の運用を確かめる知識、現場の社員は自分の作業に関わる変更を中心に学ぶと、仕事に活かしやすくなります。
ISO14001:2026への移行準備は、何か月あれば終わりますか?
現在の運用、見直す量、審査予定によって変わります。手順の見直しと運用、内部監査、マネジメントレビュー、必要な是正、審査後の手続きを含め、認証機関と相談して日程を決めましょう。
ISO14001:2026の改訂対応を詳しく学びたい方へ
変更項目を把握したら、自社のどの仕事や資料を見直すかを考えます。環境担当者や内部監査員が要求の意味と対応方法を学ぶと、社内での確認も進めやすくなります。
学習の選択肢として、イソログ運営会社のISOトラストが提供する規格改訂講座をご紹介します。
記事で把握した変更点を、自社の対応につなげるために
講座で学ぶ前に、「資料をどこまで見直すか」「現場へどう伝えるか」など、詳しく知りたい点を書き出しておきましょう。
自社の課題を意識して学ぶと、講義の内容を仕事に結びつけやすくなります。
| 記事で整理した内容 | さらに確認したい内容 |
|---|---|
| 主な変更項目の番号と概要 | 要求事項の意味と、2015年版からの詳しい違い。 |
| 関係する仕事や資料の候補 | 自社で必要な対応と、文書の見直しポイント。 |
| 移行準備の大きな順番 | 学んだ内容を自社の運用と照らして進める方法。 |
ISOトラストのISO14001規格改訂講座で学ぶ内容
ISOトラストのISO14001規格改訂講座は、2026年版の主な変更点、2015年版との違い、対応方法、文書の見直しポイントを扱うオンライン動画講座です。
約60分で要点を学べるため、変更点をまとめて理解したい方や、文書を見直す前に準備を整理したい方に向いています。受講後は、自社の手順や記録を使って対応を進めましょう。
講座の内容・受講方法・料金を確認する
動画で学ぶ形式のため、仕事の予定に合わせて受講できます。
講座の内容と受講条件を確認し、自社で必要な学習に合うかを見てください。
現在のキャンペーン価格は税抜14,800円(税込16,280円)です。
通常価格は税抜30,000円(税込33,000円)。
公式ページでは、何名で受講しても同じ料金と案内されています。
| 確認項目 | 公式ページの案内 |
|---|---|
| 主な学習内容 | 2026年版の主な改訂内容、旧版との違い、対応方法、文書の見直しポイント。 |
| 受講形式・時間 | オンライン動画/約60分。 |
| 受講する時間 | 24時間、都合のよい時間に視聴できる。 |
| 視聴期間 | 期間無制限で繰り返し視聴できる。 |
| 人数と料金 | 何名で受講しても同じ料金。 |
| 支払いと動画の送付 | 銀行振込。入金確認後、約3営業日以内に動画を送付。 |
講座情報は2026年10月9日の公式ページで確認しています。
料金・キャンペーンの適用条件・受講方法は、申し込み前にリンク先で最新の案内をご確認ください。

会社として複数名の学習を検討する場合も、受講人数と料金の条件を合わせて確認できます。
環境担当者と内部監査員など、関係する役割の方が学ぶ予定も整理しておきましょう。
ISO14001:2026の変更点を、自社の対応へつなげたい方は、講座で扱う内容と受講条件をご確認ください。
| 料金区分 | 税抜 | 税込 | 適用条件 |
|---|---|---|---|
| 通常料金 | 30,000円 | 33,000円 | 公式ページの通常価格。 |
| キャンペーン料金 | 14,800円 | 16,280円 | 公式案内:10月31日まで・30社限定。何名で受講しても同じ料金。 |
広告:ISOトラストのサービス紹介です。
キャンペーンの残枠はこの記事では確認していません。
講座の詳細と最新の適用条件は、以下の公式ページをご覧ください。
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