ISO22000の食品安全チームとは?役割と社内連絡の基本

ISO22000の食品安全チームとは?役割と社内連絡の基本

食品安全チームは、食品の安全を守る仕組みを、関係する部署で協力して動かすチームです。品質管理だけで抱えるのではなく、製造や購買などの知識を持ち寄り、現場の変化に合わせて仕事の進め方を見直します。この記事では、リーダーとメンバーの役割、社内で伝えたい情報、打ち合わせ後の引継ぎを、初めて担当する方向けに紹介します。

この記事でわかること

  • 食品安全チームとは?部署をつないで安全を守るチーム
  • イソログに寄せられたリアルな声
  • リーダーとメンバーの役割を知る
  • 変更予定や現場の気づきを、早めにチームへ伝える
  • 打ち合わせで決めたことを、現場の仕事につなげる

食品安全チームとは?部署をつないで安全を守るチーム

食品安全チームは、食品の安全に関わる知識と経験を持つ人が集まり、会社の食品安全の仕組みをつくり、運用・見直しを進めるチームです。製品や作業にどんな危険があるかを調べ、予防する方法を考え、その方法が実際に働いているかを確かめます。

製造現場のことは製造担当、原材料や仕入先のことは購買担当というように、部署ごとに詳しい情報は違います。関係する人が情報を持ち寄ることで、一つの部署では気づきにくい問題や変更の影響を捉えやすくなります。

ISO22000は、食品の安全を守る仕組みを整えるための国際規格です。食品安全チームは、その取組を中心となって進めます。現場から情報を集めるだけでなく、決めたことを作業する人へ伝え、続けられているかを見ることも仕事に含まれます。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
自分の役割

食品安全チームに入ったが、会議で何を話せばよいか分からない

惣菜製造業・従業員28名

イソログ相談例

状況

製造部門のメンバーに指名されました。資料は配られますが、自分が何を準備し、何を伝える役なのか分かっていません。

進め方

メンバー表や役割分担を見て、製造現場のどの情報を持ち寄るかを確かめます。例えば、今の手順で困っていることや、作業を変えたい予定を、実物や記録と一緒に伝えられます。決まった内容を自分の部署へ戻す役割も確認しておきます。

変更予定

仕入先からの変更連絡が、購買担当のメールで止まっていた

菓子製造業・従業員35名

イソログ相談例

状況

原材料の仕様が変わる案内を受け取りましたが、発注の担当者だけで保管していました。製造と品質管理は、届く直前まで変更を知りませんでした。

進め方

変更内容と開始予定、仕入先の資料を、会社が決めた窓口へ早めに渡します。食品安全への影響を検討する時間が取れるよう、使い始める前の段階で知らせることが大切です。何が変わるか分からない部分も、そのまま確認事項として伝えます。

連絡の受取り

チャットに投稿したものの、誰が確認するか決まっていなかった

食品包装業・従業員22名

イソログ相談例

状況

包装作業の場所を移す予定を共有チャットに投稿しました。予定日が近づいても返答がなく、チームで確認されているか不安になりました。

進め方

連絡を受ける担当者に、対象の予定と資料が届いているかを確かめます。影響を確認する人と返答する時期を決めてもらい、確認が終わるまでは社内の変更手順に従って進めます。共有先へ書くことと、次の担当者が引き受けることをつなぎます。

現場への共有

会議で決めたことが、夜勤の担当者に伝わっていなかった

冷凍食品製造業・従業員42名

イソログ相談例

状況

清掃道具の置き場所を変更しましたが、会議に出た人の口頭説明だけで終わっていました。夜勤の人は以前の場所を探していました。

進め方

変更する内容と開始日を、各勤務帯へ伝える人を決めます。置き場所の表示や手順も合わせて更新し、不在だった人にも引き継ぎます。説明した記録に加え、現場で新しい場所が分かるかを見ると、共有漏れに気づけます。

不在時の連絡

いつもの担当者が不在で、異常の連絡先に迷った

食品卸売業・従業員18名

イソログ相談例

状況

保管設備の不調に気づきましたが、食品安全チームのリーダーは外出中でした。戻るまで待ってよいか判断できませんでした。

進め方

会社の連絡網にある代わりの担当者や上司へ、気づいた時刻と設備の状態を伝えます。急ぎの異常は会議やリーダーの帰社を待たず、緊急時の手順へつなぎます。普段から不在時の窓口も確認しておくと、連絡が止まりにくくなります。

リーダーとメンバーの役割を知る

リーダーはチームの仕事を取りまとめ、メンバーは担当する仕事の知識や現場の情報を持ち寄ります。リーダーだけがすべての作業を行うのではなく、会社の体制に合わせて役割を分担します。経営者がチームとリーダーを定め、活動に必要な人や時間などを支えることも土台になります。

食品安全に関わる役割の例
立場主な役割日常の関わり方の例
経営者食品安全に取り組む方針を示し、役割と必要な支援を整えるチームの報告を受け、必要な人員や設備の対応を決める
チームリーダー食品安全の仕組みを運用・見直しできるよう、仕事とメンバーの学びを取りまとめる課題の確認先と担当を決め、活動の状況や結果を経営者へ報告する
チームメンバー自分の部署の知識や情報を持ち寄り、決まった対応を進める変更予定を伝え、決定事項を部署へ共有し、実施した結果を返す
現場の従業員自分の持ち場の手順を守り、気づいた問題や変更を伝える設備の不調や、手順どおりに作業しにくい場面を決められた窓口へ知らせる

メンバーの構成は会社によって異なります。品質管理や製造に加え、原材料を扱う購買、設備管理、保管・配送、営業など、食品安全に関係する仕事を分かっている人が関わります。大切なのは、部署名の一覧をそろえることより、必要な知識と経験を持ち寄って対応できることです。

新しく担当した人は、現在のメンバー表や役割分担を見て、自分が受け持つ範囲を確かめます。前回の打ち合わせメモを一件読むと、どんな情報を持ち寄り、その後は誰が動くのかが見えてきます。連絡先と、担当者が不在のときの窓口も、このときに確認しておきます。

変更予定や現場の気づきを、早めにチームへ伝える

チームが見直しを進めるには、原材料や作業の変化を、必要な確認に間に合うように知ることが大切です。新しい原材料を使う、設備や作業の場所を変える、包装や保管の方法を変えるといった予定は、実施前の段階で会社の窓口へ伝えます。

例えば、包装用の作業台を別の場所へ移す予定なら、今の場所と移したい場所、実施したい時期、理由を伝えます。チームは関係する担当者と、食品安全への影響や必要な手順の変更を検討します。確認して決める人と、実際に作業する人が別の場合は、その分担もそろえます。

連絡では、「今どうなっているか」と「これから変えたいこと」を分けると伝わりやすくなります。仕入先から届いた案内や今の作業手順など、元になる資料を添えると、相手も同じ内容を見て話せます。分からない部分が残っていれば、その点も確認事項として渡します。

連絡後は、誰が確認を引き受け、いつ返答する予定かを確かめます。共有チャットへ書いたまま返事がない場合は、決められた担当者へ届いているかを聞きます。計画の変更は社内の手順に沿い、必要な確認や承認を受けてから進めます。

設備の異常や食品についての苦情など、急ぎの対応が必要な情報は、定例会議を待たず速やかに知らせます。会社の手順に沿って責任者へつなぐ基本は、ISO22000の緊急時対応で紹介しています。

打ち合わせで決めたことを、現場の仕事につなげる

打ち合わせでは、困っていることや変更予定を共有した後に、「何をするか」「誰が担当するか」「いつまでに確認するか」を決めます。まだ判断できないことは、誰が何を調べるかを残しておくと、次の打ち合わせで続きを確認できます。

例えば、清掃道具の置き場所を変えることになったら、棚を移す人だけでなく、表示や手順を直す人、使う人へ説明する人も決めます。会議に出ていない人や別の勤務帯にも伝わるようにすると、変更後に以前のやり方へ戻ることを防げます。

公表事例では、JMAQAが紹介する魚津漁業協同組合の取組で、食品安全チームを中心に仕事を確認し、原料の受入れから出荷までの役割分担が明確になったことが紹介されています。手順をまとめる際のやりとりを通じ、情報共有も進んだという取材時点の事例です。

対応した後は、「説明した」「表示を直した」といった実施結果をチームへ戻します。現場で新しい方法が使えているか、分かりにくい点が残っていないかも確かめ、必要な見直しにつなげます。記録を置く場所や最新版の管理は、ISO22000で使う文書・記録の管理方法も参考になります。

現場への説明を教育計画や実施記録につなげる方法は、ISO22000の社員教育と記録の具体例で紹介しています。変更後の作業を教え、できたかを確かめるときに使えます。

記入例|作業台の移動予定を伝え、担当を決める

記録は会話をすべて書き写すより、確認したことと決定事項、次に担当する人が分かる形にすると使いやすくなります。今の議事メモや共有する表に、残っている対応を添える方法でも始められます。

以下は、食品製造会社が包装用の作業台の移動を検討する架空の記入例です。人名・日付・予定・状況は説明用の仮設定です。食品の安全性や配置の適否を判断する例ではなく、連絡と引継ぎの流れを示します。

変更予定を伝えた後の打ち合わせメモ
残すこと記入例
届いた情報11月6日、製造の田中から、包装用作業台を別の場所へ移したいと食品安全チームの佐藤へ連絡。希望時期は11月中旬。現在と移動先の場所が分かる資料を添付
確認すること製造・品質管理・清掃の担当者が、現在の作業と移動後に変わることを現場で確認する
打ち合わせで決めたこと移動前に、清掃の手順と日常点検の担当を見直す。必要な確認と承認が済むまでは、現在の配置を続ける
担当と次の予定田中が現場確認の日程を調整し、佐藤が必要な確認事項をまとめる。11月8日に進み具合をチームで確認
現場への説明と残る対応変更内容が決まった後、班長の鈴木が各勤務帯へ説明する予定。現在は確認中で、作業台の移動と説明はまだ実施していない

この段階では、予定を共有して確認の担当を決めたところまでです。その後、会社が必要とする確認と承認を終えたら、決まった内容、開始日、実施する人を追記して現場へ伝えます。実際に移動や説明を終えた日も残すと、予定と実施済みを取り違えずに済みます。

担当を交代する際は、確認待ちの資料と次の連絡先も一緒に渡します。「佐藤へ連絡済み」だけで終わらせず、佐藤が何を確認し、誰へ結果を戻す予定なのかまで分かると、仕事を引き継ぎやすくなります。

食品安全チームについてよくある質問

食品安全チームは、品質管理の担当者だけで構成しますか?

品質管理だけに限らず、食品安全に関係する仕事の知識や経験を持つ人が参加します。例えば製造、購買、設備管理などです。会社の製品と仕事に必要な知識を持ち寄れるよう、メンバーと役割を決めます。

食品安全チームは、何人必要ですか?

一律の人数に当てはめるのではなく、会社の製品や仕事を把握し、必要な知識と経験を持ち寄れる体制にします。小さな会社では一人が複数の役割を持つ場合もあります。人数だけでなく、日常の対応と不在時の連絡が回るかを確かめます。

メンバーでない従業員も、チームへ情報を伝えますか?

はい。現場の従業員も、食品安全に関わる問題や変更予定を、会社が決めた担当者へ伝えます。チーム会議への出席者だけで情報を集めると、実際の作業で起きていることを見落とすおそれがあります。

異常を見つけたら、次のチーム会議で報告すればよいですか?

急ぎの異常は次の会議を待たず、会社の手順に沿って責任者へ速やかに連絡します。すべての原因が分かっていなくても、今分かる事実と未確認のことを伝えられます。いつもの相手が不在なら、連絡網の代わりの窓口へつなぎます。

会議の記録は、専用の様式で作る必要がありますか?

今の議事メモや共有する表で必要な内容が分かれば、新しい様式を増やす必要はありません。話し合ったこと、決定事項、担当者、対応予定、実施結果を残します。使う人が記録を開ける場所に保存することも大切です。

活動が一人に偏るときは、分担と連絡を見直す

リーダーへ情報が集中して返答が止まる、会議で決めても現場へ伝わらない。そんなときは、実際に止まっている一件を取り上げ、情報を受ける人、確認する人、実施する人を見直すと、直す箇所が見えてきます。

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