ISMSの社外ファイル共有|送信前の確認と共有終了までの基本
取引先へ資料のリンクを送るとき、宛先だけを見て安心していませんか。共有先の設定によっては、予定していない人が開けたり、渡すつもりのない資料まで見えたりすることがあります。 ISMSでは、会社の情報をどう扱うかを決め、日々の仕事で守り、見直していきます。社外ファイル共有も、送る資料と相手、できる操作、共有する期間をそろえることが基本です。 この記事では、初めての担当者向けに、共有前の確認から終了後の扱いまでを、身近な場面と記入例で説明します。
この記事でわかること
- 会社が認めた方法で、社外へ渡してよい資料を用意する
- 共有する相手と、閲覧・編集できる範囲を確かめる
- 期限と案内文をそろえ、送信直前に見直す
- 共有を終えた結果や、困ったときの連絡を残す
社外ファイル共有は、資料を見せる範囲まで考える
社外ファイル共有は、取引先など社外の人が資料を見たり、受け取ったりできるようにすることです。会社が用意したファイル共有サービスで資料を保管し、その資料を開くリンクを相手へ知らせる方法などがあります。
リンクは資料の置き場所を案内するものです。誰が開けるか、見るだけか編集もできるかは、共有の設定で変わります。「一人にリンクを送った」ことと、「その一人だけが開ける」ことは同じとは限りません。
例えばA社の担当者に見積書を見てもらうなら、A社向けの資料を選び、相手と使い方に合う範囲で共有します。送信前の確認に加え、用事が終わった後に共有を終えるところまでを、一回の仕事として考えると管理しやすくなります。
ISMSは、会社の情報を守るための仕組みです。その国際規格がISO27001です。日常の共有では、使う方法と担当者が会社のルールに沿っていることが出発点になります。社内での伝え方は、ISMSの社内ルールと周知の進め方でも紹介しています。
イソログに寄せられたリアルな声
以下は編集部が作成した相談例です。
VOICES
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
ファイル名は合っていたが、別のお客様の情報が入っていた
広告制作業・従業員16名
イソログ相談例
提案資料を共有しようとしたところ、以前のお客様向けのページが残っていると同僚が気づきました。
共有するファイルを開き、宛名だけでなく全体の内容を見ます。社内向けのメモや別のお客様の情報が混ざっていれば、作成者と渡す部分をそろえてから共有用の資料を用意します。
一つの資料を見せるつもりが、フォルダごと共有していた
設備工事業・従業員27名
イソログ相談例
取引先へ図面を一枚見てもらうつもりで、ほかの案件の資料が入ったフォルダのリンクを用意していました。
リンクの対象が一つのファイルか、フォルダ全体かを画面で確かめます。必要な資料だけを会社が指定する場所に用意し、相手が開ける範囲にほかの案件が含まれないかを見ます。
相手から「同僚にも見せたい」と頼まれた
ソフトウェア開発業・従業員32名
イソログ相談例
指定した担当者へ資料を共有した後、別の担当者も参加したいという連絡が来ました。自分で追加してよいか迷っています。
追加する人の氏名と会社のアドレス、資料が必要な理由を聞き、社内で決めた確認を受けます。必要な相手を追加する方法で対応し、誰でも開ける設定へ広げて済ませないようにします。
打ち合わせが終わった後も、リンクが使えるままになっていた
卸売業・従業員23名
イソログ相談例
過去に送った見積資料を見直していて、案件が終わっても共有の終了を誰も確かめていないと分かりました。
終了日を確かめる担当者を決め、期限が来たらリンクと共有相手の設定を見ます。不要な共有を会社の手順で終了し、確認した日と結果を今の記録へ残します。
違うリンクを送ったかもしれない。先に調べるべき?
業務支援サービス業・従業員19名
イソログ相談例
送信済みの案内を見て、取引先へ別の案件のリンクを送った可能性に気づきました。相手が開いたかは分かりません。
分かっている時点で上司と社内の情報管理窓口へ連絡します。送った時刻、相手、リンク先を伝え、共有を止める対応は会社の手順に従います。閲覧されたか分からないことも、そのまま伝えます。
会社が認めた方法で、送ってよい資料を用意する
取引先から「このサービスへ置いてほしい」と頼まれた場合でも、会社の資料を預けてよい方法かを確かめてから使います。普段は会社指定の共有サービスと仕事用のアカウントを使い、いつもの方法で渡せないときは情報管理の担当者へ相談します。
準備する資料は、ファイル名だけで選ばず、中身を開いて見ます。宛名、日付、金額、図や別のシートなどに、違うお客様の情報や社内用のメモが残っていないかが確認する箇所です。最新版が複数あるときは、作成者と今回渡すものを決めます。
見積書だけを渡す予定なのに、社内の原価表を含むファイルを選んでいたら、作成者と共有用の資料を用意します。不要な箇所を見えなくしただけでは、相手が開く方法によって残った情報を見られる場合もあります。会社で決めた作り方に沿い、渡す状態の資料を開き直して確かめます。
USBメモリで渡すなど別の方法に変える際も、会社の扱いを確認します。媒体の準備・貸出し・返却については、ISMSのUSBメモリ管理が参考になります。
共有する相手と、閲覧・編集の範囲を決める
共有の設定には、資料を開ける人と、その人ができる操作があります。閲覧は資料を見ること、編集は内容を書き換えることです。保存できるか、ほかの人へ共有できるかなどの選択肢は、利用するサービスや会社の設定によって違います。
読むだけでよい資料なら、編集まで必要かを考えます。一緒に内容を直す仕事なら、誰が直し、いつまで作業するかをそろえます。相手の名前が同じでも別の人を選ぶことがあるため、会社名と仕事用のアドレスまで見て共有先を確かめます。
| 見るところ | 確かめること | 身近な確認例 |
|---|---|---|
| 共有先 | 今回の資料を使う人に限られているか | A社の担当者の名前とアドレスを照らし合わせる |
| 開ける資料 | ファイルだけか、フォルダ全体か | 見積書のほかに、別案件の資料まで入っていないかを見る |
| できる操作 | 見る・編集するなど、仕事に必要な範囲か | 確認用の資料に編集が必要か、作成者とそろえる |
| 追加・転送の扱い | 相手を増やすときに誰へ相談するか | 同僚の参加希望があれば、追加する人を確かめて社内へ相談する |
Google ドライブの公式ヘルプでも、フォルダを共有すると中のファイルや下位のフォルダに共有権限が引き継がれると説明されています。一つの資料を見せたい場面では、リンク先の名前だけでなく、共有する単位まで見る参考になります。
「リンクを知っている全員」といった設定は、案内を受け取った人だけに限定する設定とは異なります。相手が開けないときは、使っているアカウントや招待先の違いを担当者と調べ、必要な相手に届く方法で直します。共有範囲を広げる前に、原因を確かめると安全に進めやすくなります。
社内で使い続けるフォルダーも、用途や利用者が変われば見直しが必要になります。部署内の保存先と担当者を確かめる手順は、ISMSの共有フォルダー管理で説明しています。
期限と案内文をそろえ、送信直前に見直す
共有する期間は、その資料を何に使い、いつまで必要かを基に決めます。打ち合わせまでの確認用と、続けて更新する共同作業では、必要な期間が違います。会社のルールに沿って終了予定を決め、期限の設定が使える場合はその日付も合わせます。
すべての資料を同じ日数で終える必要はありません。延長する場合も、相手に必要な期間を聞き、確認する人と次の終了日をそろえます。自動の期限設定が使えないときは、終了を確かめる人と日を決めておくと、送りっぱなしを防げます。
相手への案内には、何の資料か、何をしてほしいか、いつまで使える予定かを簡潔に書きます。「A社向けの見積資料です。11月6日の打ち合わせ前に内容をご覧ください。共有は11月9日までの予定です」といった書き方です。この日付は説明用の例です。
送信直前には、案内に貼ったリンクが今回の資料を指しているか、宛先と共有先が合っているかを見直します。確認後に資料や相手を変えた場合は、変えた内容も含めて見直します。メールで案内するときの宛先・本文の確認は、ISMSのメール誤送信対策で説明しています。
共有を終えるときと、間違いに気づいたときの対応
用事が終わったら、終了予定に合わせて、リンクや招待した相手の共有設定を確認します。会社の手順に従って不要な共有を終了し、対象の資料と終了した日、担当者を今の記録へ残します。リンクに期限が付いていても、別の共有方法で同じ相手が利用できる場合があるため、設定を合わせて見ます。
共有の終了と、元の資料の削除は別の作業です。会社で保管する必要がある見積書や記録は、定めた場所に残します。また、相手が既に保存したファイルは、リンクを停止しても相手の手元からは消えません。保存後の扱いは、契約や会社間で決めたルールに沿って確認します。
違う資料やリンクを送ったかもしれないと気づいたときは、すぐに上司と社内の情報管理窓口へ知らせます。いつ、誰へ、何を共有したかを伝え、分からないことは未確認として知らせます。共有を止める対応は会社の手順に従い、自分で操作できない場合は管理者へ依頼します。
調べるための送信済みの案内や共有の記録は、担当者と確認できるように残します。相手への連絡、資料の削除依頼、その後の確認は、責任者と役割を決めて進めます。相手が開いたか分からない場合も、調べ終わるまで報告を待つ必要はありません。
記入例|見積資料を共有し、終了を確かめる
次は、卸売会社が取引先へ見積資料を共有する架空のメモです。会社名・人名・日付・内容は説明用の仮設定です。専用の台帳を増やすのではなく、今の申請や案件メモに、共有の目的と終わった結果が分かる内容を残す例です。
| 残すこと | 記入例 |
|---|---|
| 目的と資料 | A社との11月6日の打ち合わせに向け、A社向けの見積資料を共有する。作成者と資料の内容を確認済み |
| 方法と相手 | 会社指定の共有サービスを使用。A社の田中さんの仕事用アドレスを取引窓口と確認した |
| 使える範囲 | 今回は内容の確認を依頼するため閲覧用にする。ほかの案件の資料を含めない |
| 終了予定と担当 | 11月9日までの共有とし、営業の佐藤が期限と共有先を確認する |
| 送信前の確認 | 11月4日、佐藤と上司が宛先・共有先・資料・案内文の期限を見て、リンクを案内した |
| 終了した結果 | 11月9日、佐藤が共有を終了し、設定画面で終了を確認。元の見積資料は会社指定の場所で保管を続ける |
終了前に相手から延長の希望が来たら、必要な理由と期間を聞いて社内の確認を受け、予定を更新します。変更した内容を相手にも知らせると、古い期限の案内が残ったままになることを防げます。
担当を交代する際は、共有中の資料、相手、終了予定と、次に確認する人を一緒に引き継ぎます。「リンクを送付済み」だけでなく、何がまだ終わっていないかが分かると、次の人が迷わず続けられます。
社外ファイル共有でよくある質問
共有リンクなら、誰に送っても安全ですか?
いいえ。リンクでも、開ける人と資料の範囲を確認する必要があります。リンクを知る人なら誰でも開ける設定や、別案件の資料まで見える共有になっていないかを見ます。会社が認めた方法と設定で、必要な相手へ案内します。
相手から開けないと言われたら、共有範囲を広げてもよいですか?
先に、招待したアドレスと相手が使っているアカウント、資料の共有設定を確かめます。必要な人を指定して追加できる場合もあります。誰でも開ける設定へ変えて済ませず、会社の担当者と原因に合う方法で直します。
共有期限は何日に設定すればよいですか?
資料を使う目的と必要な期間を基に、会社のルールに沿って決めます。一律に何日という期限ではありません。打ち合わせや共同作業の終了予定に合わせ、終了を確認する担当者も決めます。
共有を止めると、相手が保存した資料も消えますか?
いいえ。相手が既に保存したファイルは、リンクを停止しても相手の手元から消えません。今後のアクセスを止める作業と、保存済みの資料の扱いを分け、会社間で決めたルールに沿って確認します。
共有メモは、専用の様式で作らなければいけませんか?
今の申請や案件メモで、相手・資料・共有範囲・終了予定と結果が分かれば、新しい様式を増やす必要はありません。担当者が変わっても共有中の内容をたどれるよう、会社が指定する場所に残します。
共有で迷う場面を、社内ルールの見直しにつなげる
相手が開けずに設定を広げそうになる、終了確認が一人に偏る。同じ場面で困ることが続くなら、実際の一件を基に、使う方法や確認する人を見直すと直す箇所が見えてきます。送る人が何を見ればよいか、不在時は誰へ相談するかまで説明できる形にすると、日々の仕事で使いやすくなります。
ISOトラストは、ISO27001(ISMS)の取得と取得後の維持・運用を支援しています。社外共有を含む社内ルールや担当者の分担、社員への説明で迷う場合は、今使っている方法と困っている場面を伝え、必要な支援の範囲を相談できます。
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