ISMSのパソコン持ち出し管理|初めての担当者向けに確認と記録例を紹介
在宅勤務や出張で会社のパソコンを持ち出すときは、申請、持ち運び、返却までをひと続きで考えると、確認することが分かりやすくなります。 誰がどの機器を使っているかを記録し、移動中の置き忘れを防ぐ。予定変更や紛失があれば、決められた相手へ連絡する。こうした基本を社員と共有するのが、持ち出し管理の出発点です。 この記事では、初めての担当者向けに、出発前の準備、外出先での扱い、返却の記録例、紛失時の連絡を具体的に説明します。
この記事でわかること
- 会社のパソコンを持ち出すときの基本
- イソログに寄せられたリアルな声
- 出発前に確認するものと連絡先
- 移動中・外出先・自宅での扱い
- 返却の確認と、貸出記録の例
会社のパソコンを持ち出すときの基本
会社のパソコンを社外で使うときは、持ち出してよい機器と、申請・承認の方法を確認します。在宅勤務や出張が決まっていても、どのパソコンでも自由に持っていけるとは限りません。
上司や貸出担当者には、「明日は自宅で見積書を作るので、このパソコンを持ち帰りたい」と、目的と使う場所を伝えると話が進みます。社内ルールと貸出記録を見せてもらえば、出発までに必要な手続きも分かります。
ISMSは、会社全体で情報を守るための仕組みです。パソコンの持ち出しでは、誰が、どの機器を、どこで、いつまで使うかを把握し、外出先でも紛失や情報の流出を防げるようにします。社内で決めることの全体像は、ISMSの社内ルールで説明しています。
イソログに寄せられたリアルな声
以下は編集部が作成した相談例です。
VOICES
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
明日は在宅勤務。そのままパソコンを持ち帰っていい?
卸売業/18人
イソログ相談例
いつも使う会社のパソコンを、自宅でも使ってよいか分かりません。
持ち帰ってよい機器かどうかを上司や貸出担当者に確認します。使う場所と返却予定を伝え、申請などの社内手続きを済ませてから持ち帰ります。
現場へ持っていくパソコンは、何を記録する?
設備点検業/22人
イソログ相談例
口頭で伝えるだけでよいのか、記入する場所があるのか分かりません。
貸出担当者に今の記録を見せてもらい、利用者、機器、使う場所、返却予定などを記入します。電源アダプターなど、一緒に借りたものも記録すると返却時に確認できます。
電車でパソコンを運ぶとき、何を社員に伝える?
事務受託業/12人
イソログ相談例
取引先へ行くために電車を使います。持ち運ぶときの注意点を具体的に伝えたいと考えています。
出発時、乗り換え時、外出先を離れるときに、パソコンを入れた荷物を確認する例を示します。荷物を置いたままその場を離れず、会社が認めた場所で使うことも説明します。
出張が延び、予定日に返せなくなった
広告制作業/15人
イソログ相談例
借りたパソコンの返却日を過ぎましたが、貸出担当者に連絡していません。
返せないと分かった時点で、貸出担当者へ連絡します。次の利用予定も確かめてもらい、新しい返却日が決まったら記録を更新します。
パソコンがない。もう少し探してから連絡してもいい?
サービス業/26人
イソログ相談例
外出先でかばんを開けると、パソコンが見当たりません。会社へ知らせるタイミングに迷っています。
見つかるまで待たず、会社の指定連絡先へ知らせます。最後に見た場所と時間、今いる場所など、分かっていることを伝えて指示を受けます。
出発前に確認するものと連絡先
持ち出す前には、パソコン本体と付属品、利用する場所と期間、緊急時の連絡先をそろえます。貸出担当者と実物を見ながら確認すると、記録と違う機器を借りたり、電源アダプターを忘れたりするのを防げます。
| 確認すること | 伝える・聞く内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 機器と付属品 | 持ち出せるパソコンと、一緒に借りるもの | 営業部の貸出用パソコンと電源アダプター |
| 目的と場所 | 何の仕事に、どこで使うか | 自宅で社内資料を作成する |
| 利用する期間 | 持ち出す日、返す日と相手 | 6月10日に持ち出し、翌朝に貸出担当者へ返す |
| 承認と連絡先 | 必要な手続きと、予定変更・紛失時の連絡先 | 上司の承認を受けて記録し、会社の連絡先を控える |
機器を管理するための記録については、ISMSの情報資産管理も参考になります。借りるパソコンと記録が一致しているか、その場で確かめます。
緊急時の連絡先は、会社が認めた方法で、パソコンがなくても見られるように控えておきます。連絡先をパソコンの中だけに保存すると、紛失したときに連絡できなくなります。最初の窓口につながらない場合の連絡先も必要です。
出発前に、ログイン用のパスワードや画面ロック、機器に保存した情報の暗号化、ウイルス対策ソフトなどが、会社の指定どおりに設定されているかを機器担当者と確かめます。暗号化は、保存した情報を第三者に読み取られにくくする対策です。設定の方法が分からない場合は、担当者に確認してから持ち出します。IPAの日常の情報セキュリティ対策でも、持ち出す機器の暗号化やウイルス対策を案内しています。
外出先で仕事を始めるときの操作は、出発前に機器担当者へ確認します。必要な資料が使えるかを確かめておくと、現地で困る場面を減らせます。
移動中・外出先・自宅での扱い
移動中は、パソコンを入れたかばんの口を閉じ、手元から離さないようにします。電車を降りるときや車から降りるときなど、場所が変わる前に荷物を確かめると、置き忘れに気づきやすくなります。
外出先で使うのは、会社が認めた場所です。周囲から画面を見られない位置を選び、席を離れるときは画面をロックします。ロックは画面を守る対策なので、パソコン本体も持って移動するか、会社が認めた場所で保管します。
自宅では、家族と共用せず、使い終わったら会社のルールに沿って保管します。必要な資料を開けない場合は機器担当者へ連絡し、会社で認められた方法を案内してもらいます。個人のメールなどへ送って持ち出すと、会社が管理できなくなります。
IPAの長期休暇における情報セキュリティ対策でも、持ち出しルールを事前に確かめ、機器やデータの紛失・盗難などを防ぐよう案内しています。社員へ説明する際は、出発時や移動の区切りなど、具体的な場面に沿って伝えると理解しやすくなります。
返却の確認と、貸出記録の例
返却は、貸出担当者がパソコンと付属品を受け取り、戻ったことを記録するところまでが一連の流れです。机に置くだけでは、返したことが伝わらない場合があります。担当者が不在なら、指定の保管場所と連絡方法に従います。
破損や不具合に気づいた場合は、いつ、どのような状況になったかも伝えます。返す日を変更したい場合は、返せないと分かった時点で連絡します。次に借りる人の予定もあるため、新しい返却日を担当者と決めて記録します。
次は、持ち出しの申請と貸出・返却の記録に残す内容の架空例です。日付・人名・機器名・利用場所は説明用の仮設定で、実際の社員や貸出実績ではありません。すでに使っている用紙や社内システムがあれば、その記録を利用できます。
| 残すこと | 記入例 |
|---|---|
| 利用者と機器 | 営業部の田中/営業部の貸出用パソコン |
| 目的と場所 | 社内資料の作成/自宅 |
| 持ち出す日と返却予定日 | 6月10日/6月11日の朝 |
| 事前の承認 | 持ち出す前に上司の佐藤が承認 |
| 一緒に借りたもの | 電源アダプター |
| 返却日と確認者 | 6月11日/貸出担当の鈴木が、本体と電源アダプターを確認 |
返却日は、実際に戻ったことを確認してから記入します。予定日と返却日を区別すれば、まだ貸し出し中なのか、次の人が使えるのかを記録から判断できます。
見当たらないときは、すぐ会社へ連絡
パソコンが手元にないと気づいたら、見つかるまで待たず、会社で決めた連絡先へ知らせます。会社側で必要な対応を始められるよう、原因がはっきりしない段階でも連絡することが大切です。
伝える内容は、自分の名前、持ち出しているパソコン、最後に見た場所と時間、現在地、気づいた時点の状況です。例えば「営業部の田中です。貸出用パソコンがありません。最後に見たのは取引先の会議室で、今は駅にいます」と伝えます。人名や状況は、連絡の仕方を示す仮例です。
分からないことは、分からないまま伝えて構いません。「電車に置いたかもしれない」といった推測は、実際に確認できたことと区別して話します。その後の探し方や対応は会社の指示を受け、見つかった場合も連絡します。
初めて持ち出す社員への説明
初めて出張する人には、申請から返却までを、実際の予定に沿って説明すると伝わりやすくなります。貸出記録を開き、借りる機器を見ながら、返す相手と緊急時の連絡先まで一緒に確かめます。
「予定日に返せなくなったら誰に連絡するか」を本人に説明してもらうと、案内が伝わったか分かります。電車を降りる前や取引先を出る前など、荷物を確認する場面も具体的に示します。
一度持ち出した人に、申請や返却で迷ったところを聞くと、案内の改善点が見つかります。「貸出場所が分かりにくかった」なら、場所の説明を直すというように、実際の困りごとから見直します。
貸出担当者にも、返却の連絡が届いているかを確認します。担当者や保管場所が変わったときは、ルールを管理する人と案内を更新し、古い連絡先が残らないようにします。
パソコン持ち出しのよくある質問
在宅勤務なら、会社のパソコンを自由に持ち帰れる?
在宅勤務が認められていても、自由に持ち帰ってよいとは限りません。持ち出せる機器と必要な承認を確認し、社内の手続きを済ませてから持ち帰ります。上司や貸出担当者に、使う場所と期間を伝えると確認しやすくなります。
持ち出すたびに、新しい用紙を作る必要はある?
会社の貸出記録や申請システムがあれば、それを使えます。別の用紙を新しく作ることよりも、誰が何を借り、いつ返すかが分かることが大切です。記入例を参考に、今の記録で必要な内容を残せるか確認します。
借りたパソコンは、机に戻すだけでよい?
机に戻すだけでは、返却したことが担当者に伝わらない場合があります。決められた相手へ返し、本体と付属品が戻ったことを記録します。相手が不在のときは、指定された保管場所と連絡方法を使います。
置き忘れかもしれない場合も、すぐ会社へ知らせる?
はい。手元にないと気づいた時点で、会社の指定連絡先へ知らせます。見つかるまで連絡を待つと、会社側の対応も遅れます。最後に見た場所と時間など、分かることから伝え、会社の指示を受けます。
まとめ:持ち出しから返却までを一つの流れに
パソコンを持ち出すときは、利用する人・機器・場所・期間を伝え、社内の手続きを済ませます。移動中は手元で管理し、返却後は本体と付属品が戻ったことを記録します。紛失時の連絡先は、パソコンがなくても分かるようにしておくと安心です。
社内ルールと普段の仕事が合っていない、社員への説明を担当者だけで抱えている場合は、ISOトラストのISMS取得・運用支援に相談できます。今の資料と困っている場面をもとに、仕事の中で続けられる方法を考えられます。
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