ISMSで生成AIを使うときの社内ルール|初めての担当者向けに確認例を紹介

ISMSで生成AIを使うときの社内ルール|初めての担当者向けに確認例を紹介

会議メモを要約したい。案内メールの下書きを作りたい。生成AIはこうした仕事を助けますが、社員が自己判断で社内資料を入力すると、会社が認めていない情報まで送ってしまうおそれがあります。 社内ルールでは、使えるサービスと入力できる情報を決め、できた文章をどう確認するかまで伝えます。「大切な情報を入れない」という一言に、具体例を添えると判断しやすくなります。 この記事では、初めてのISMS担当者向けに、利用前の確認、文章の読み直し、社員向けの案内例と伝え方を紹介します。

この記事でわかること

  • 利用できるサービスとアカウントを確認する
  • 入力する情報と相談先を確かめる
  • 作った文章を読み直してから使う
  • 利用方法を社員へ伝え、質問に合わせて見直す

生成AIの社内ルールで決めておくこと

生成AIを仕事で使うルールでは、使えるサービスとアカウント、入力できる情報、作った文章の確認方法、困ったときの連絡先を決めます。この4つが分かると、社員は「この資料を入れてよいか」「できた文章を誰に見てもらうか」を判断しやすくなります。

生成AIは、指示に応じて文章などを作るサービスです。下書きや要約に役立つ一方、入力する資料の扱いや、回答に含まれる誤りには注意が必要です。

ISMSは、会社の情報を守るためのルールを決め、仕事の中で続けて見直す仕組みです。生成AIの利用も、普段の情報管理につながります。社外へ渡す前に確認が必要な資料なら、AIに入力するときも、認められた範囲かを確かめます。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
使うサービス

社員から「仕事で生成AIを使いたい」と相談された

卸売業/21人

イソログ相談例

状況

文章の下書きに使いたいそうですが、会社が利用を認めているサービスが分かりません。

進め方

情報管理担当者に、仕事で使えるサービスとアカウントを確かめます。まだ決まっていなければ、作りたい文章と入力する情報を伝えると、利用条件を検討してもらえます。

会議メモの要約

お客様の話が入った会議メモを、要約してよい?

印刷業/18人

イソログ相談例

状況

メモには顧客名と、まだ公表していない仕事の予定が書かれています。

進め方

そのメモをAIへ送る前に、社内の情報管理担当者に利用の可否を聞きます。「顧客情報と未公開の予定が入ったメモを要約したい」と伝えると、必要な判断を頼めます。

名前を消した資料

会社名を消したら、入力できる?

広告制作業/12人

イソログ相談例

状況

名前は消しましたが、仕事内容や日付が残った資料を使ってよいか迷っています。

進め方

名前以外の情報から相手が分かる場合もあるため、残る内容を担当者と確かめます。練習なら、実際の案件を含まない架空の例を一から作る方法も使えます。

文章の事実確認

自然な文章でも、日時や会場は確認が必要?

研修サービス業/15人

イソログ相談例

状況

AIが作った案内メールは読みやすいものの、会場や開始時刻が正しいかは見ていません。

進め方

確定した開催案内と比べ、会場・日時・申込方法を確認します。社外に送る前の社内確認も、通常の案内メールと同じ手順で受けます。

曖昧なルール

「大切な情報を入れない」では、社員が判断できない

小売業/28人

イソログ相談例

状況

ルールを配った後も、「この資料は使ってよいか」という質問が続いています。

進め方

よく聞かれる資料を例に、入力前に見る箇所と相談先を案内へ加えます。説明後に一つの場面を出し、どう対応するか答えてもらうと、伝わりにくい部分を見つけられます。

仕事に使えるサービスとアカウントを選ぶ

仕事では、会社が認めたサービスとアカウントを使います。同じ名前のサービスでも、契約や利用方法によって条件が違うことがあるため、個人で使っているものをそのまま仕事用にする前に、社内の案内を読みます。

新たに使いたい場合は、作業を一つ具体的に挙げます。「公開済みの商品説明を短くしたい」「実際の案件を含まない案内文を作りたい」など、入力する情報と、完成した文章を誰に見せるかも添えると、担当者が利用条件を検討しやすくなります。

サービス提供元の説明や会社のルールを確認するのは、社内の情報管理担当者など、利用を判断する人です。ファイル添付や別サービスとの接続を使う予定があれば、それも検討してもらう範囲に含めます。

既存の情報管理と合わせて案内を作る際は、ISMSの社内ルールと周知の進め方も参考になります。

入力前に、顧客情報や未公開の内容がないかを見る

入力する文章やファイルには、顧客名、社員の連絡先、未公開の売上や提案、パスワードなどが入っている場合があります。送信前に中身を読み、その情報を利用してよいと会社が認めているかを確かめます。サービスの利用許可と、資料の入力許可は別に考えます。

入力前の確認例
使いたい情報入力前にすること迷う場合の対応
公開済みの自社の商品説明認められた用途か、入力する文章が公開済みかを見る未公開の価格などを追加する場合は、担当者へ確認
顧客の話を含む会議メモどのような顧客情報や未公開の内容が含まれるかを見るAIへ送る前に、社内の情報管理担当者へ可否を確認
社員の連絡先一覧個人の情報が入っていることを把握する利用目的を担当者へ伝え、別の方法も検討
パスワードやログイン用の番号入力文や添付ファイルへ含めない誤って送った可能性があれば、社内の窓口へすぐ連絡

会社名や人名を消しても、仕事内容や日付、金額から相手が分かることがあります。名前を消しただけで入力可能と決めず、残る情報も含めて判断を頼みます。説明や練習なら、実際の案件を使わず、一から作った架空の例を使えます。

ポイント

手で文章を貼り付ける場合も、ファイルを添付する場合も、送る情報は確認の対象です。「何を作りたいか」と「何を入力するか」をセットで決めておくと、利用範囲を説明しやすくなります。

AIが作った文章は、元の資料と比べてから使う

文章が自然でも、日時や金額、商品名、案内先が正しいとは限りません。生成AIの文章を使う前に、社内で確認済みの資料と照らし合わせます。根拠が分からない部分は、確認できた内容へ直してから使います。

例えば説明会の案内文なら、確定した開催案内を開き、会場・開始時刻・申込方法を見比べます。読みやすく言い換えられていても、予定が変わっていれば修正します。社外に送る前の確認は、普段の社内手順に沿って受けます。

IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」も、AIの回答に誤りがあり得ることや、入力情報の扱いを説明しています。社員への案内では、「確認する」だけでなく、比べる元の資料を具体的に示すと行動につながります。

社員向けの案内に書く内容と記入例

利用条件が決まったら、社員が普段見るIT利用の案内や社内ポータルへ載せます。使うサービスだけでなく、用途・入力情報・文章の確認方法・連絡先まで書くと、同じ場面で迷いにくくなります。

次は、公開済みの商品説明を短くする用途を認めた卸売会社の架空例です。会社・担当者・用途・保存場所は説明用で、実際の支援事例ではありません。

社員へ伝える利用案内の例
案内すること記入例
サービスとアカウント社内の「利用できるサービス一覧」にあるものを、会社指定のアカウントで使う
使ってよい仕事自社サイトで公開済みの商品説明を、短い紹介文にする
入力する情報公開済みの商品説明のみ。顧客・社員の情報や、未公開の取引内容を加えない
文章を使う前の確認利用者が元の商品説明と比べ、商品名や仕様を確認。掲載前に営業責任者が確認する
質問・問題の連絡先入力前の質問も、誤って送った可能性がある場合も、総務の佐藤へ会社指定の方法で連絡する
案内の場所と更新担当社内ポータルの「仕事で使うサービス」に掲載。総務の佐藤が変更点を反映する

誤って情報を送ったかもしれないと気づいたら、追加の入力を止め、社内の窓口へすぐに連絡します。使ったサービス、気づいた時刻、送った情報の種類を伝え、その後の対応を担当者と進めます。案内には、担当者名に加え、電話や社内チャットなどの連絡方法も載せます。

社員が迷った場面を、ルールへ書き足す

社員への説明では、仕事で起こりそうな場面を一つ出すと、判断の仕方を伝えられます。例えば「顧客名が入った会議メモを要約したい場合は?」と聞き、入力前に内容と利用条件を確認する流れを説明します。見本には架空の資料を使います。

説明後に社員自身で相談先の案内を開いてもらうと、必要なときに見つけられるか分かります。よく聞かれる資料や質問はメモし、案内に具体例として追加します。準備と記録は、ISMSの情報セキュリティ教育でも紹介しています。

新しいサービスや用途を加える場合は、入力できる情報と確認方法を担当者が見直します。利用範囲や相談先が変わったら、案内を更新し、変更点と使い始める日を関係する社員へ伝えます。

生成AIの社内ルールのよくある質問

ISMS認証があれば、どの生成AIでも使える?

いいえ。ISMS認証は、個々の生成AIの利用許可ではありません。会社が認めたサービス・アカウントを使い、用途と入力できる情報も確認します。案内にない利用方法は、社内の情報管理担当者へ相談します。

無料と有料、どちらを選べばよい?

仕事では、料金よりも会社の利用条件を満たすかで選びます。有料だからすべての社内情報を入力してよい、ということにはなりません。新たに使う場合は、用途を伝え、契約や情報の扱いを担当者に確認してもらいます。

顧客名を消せば、資料を入力してよい?

名前を消すだけでは、入力してよいとは判断できません。仕事内容や日付、金額から相手が分かる場合もあります。残る内容を含め、会社が認めた範囲かを確認します。練習には、実際の顧客情報を含まない架空例を使えます。

会社にまだ生成AIのルールがないときは?

使いたい仕事とサービス、入力する情報、作った文章の使い道をまとめ、上司や情報管理担当者に利用条件を決めてもらいます。例えば「公開済みの商品説明の要約」のように、用途を絞ると検討できます。決まった内容を社員へ案内してから利用を始めます。

まとめ:入力する情報と、文章の確認方法を決める

生成AIの社内ルールは、使えるサービス、入力できる情報、作った文章の確認方法、相談先を具体的にすると伝わります。仕事に近い例で説明し、社員が迷った箇所を案内へ追加すると、日々の利用に役立ちます。

ISMS全体の社内ルールや社員への説明を整えたい場合は、ISOトラストの取得・運用支援に相談できます。今の資料と社員が迷う場面を伝え、社内で続けられる方法を考えられます。

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