ISMSのメール誤送信対策|初めての担当者向けに確認項目と進め方を紹介

ISMSのメール誤送信対策|初めての担当者向けに確認項目と進め方を紹介

メールを送った後に、宛先や添付資料の間違いに気づく。そんなミスを防ぐには、「よく確認する」だけでなく、何を見るのかを具体的に決めておくと役立ちます。 宛先はメールアドレスまで、添付資料は中身まで確認する。間違えたかもしれないときは、すぐに社内へ知らせる。この基本を社員に伝えることが、担当者の役割です。 この記事では、ISMSのメール誤送信対策を初めて担当する方向けに、送信前の確認箇所、ほかの人への確認の頼み方、誤送信に気づいた直後の対応と記録例を紹介します。

この記事でわかること

  • 今の送付ルールと、困ったときの連絡先を確かめる
  • 宛先・本文・添付資料を、送る相手と照らし合わせる
  • 確認を頼む人と、不在時の相談先を決める
  • 誤送信に気づいたら連絡し、対応と見直しを残す

メール誤送信で、どんな情報が漏れる?

メール誤送信は、宛先の選び間違いだけではありません。別のお客様の見積書を添付する、転送した文章に社内の話を残すといったミスでも、本来見せる予定のなかった情報が相手に届きます。

ISMSは、会社の情報を守るためのルールを決め、日々の仕事で実行し、見直していく仕組みです。その国際規格がISO27001です。メールでは「誰に、何を送るか」を確かめる習慣と、間違いに気づいたときにすぐ連絡できる体制が基本になります。

例えばA社への案内なら、宛先がA社の担当者で、本文と添付資料もA社向けになっているかを見ます。担当者は、普段メールを送る社員と画面を見ながら、今のルールで迷う箇所を探せます。社内への伝え方は、ISMSの社内ルールと周知の進め方でも紹介しています。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
確認する箇所

「よく確認して」と伝えても、見る箇所が人によって違う

卸売業/22人

イソログ相談例

状況

送信前の確認を呼びかけていますが、宛先だけを見る人もいれば、添付資料を開く人もいます。

進め方

宛先、本文、添付資料を、実際の画面で一緒に見ます。同じ名字でも会社やアドレスが違う例を示すと、名前だけでは判断できないことが伝わります。

添付の取り違え

似た名前の資料を、間違えて添付しそうになった

広告制作業/14人

イソログ相談例

状況

複数のお客様の資料を同じ場所に保存しており、送る直前に別の資料を選んでいたと気づきました。

進め方

添付した資料を開いて、会社名と内容を確かめます。作成担当者とファイル名や保存先を見直し、お客様ごとに区別しやすくすると、選ぶときの迷いも減らせます。

一斉送信

複数のお客様へ送ると、互いのアドレスが見えてしまう?

研修サービス業/18人

イソログ相談例

状況

同じ案内を一度に送りたいものの、ほかの送付先のメールアドレスを見せてよいか迷っています。

進め方

To・CC欄のアドレスは、ほかの受信者にも見えます。会社が指定する一斉送信の方法を使い、送る前に、入力した欄と受信者同士に見える情報を確かめます。

確認者が不在

急ぎの資料なのに、確認を頼む上司がいない

製造業/31人

イソログ相談例

状況

お客様から送付を急がれていますが、社内で決めた確認者に連絡がつきません。

進め方

代わりに確認する人や、急ぐ場合の連絡先を決めておくと対応できます。誰にも確認を頼めないときは、責任者と送れる時期を相談し、お客様への連絡も手配します。

報告のタイミング

違う資料を送ったかもしれない。調べてから報告する?

事務代行業/12人

イソログ相談例

状況

送信済みのメールを見て、資料が正しかったか不安になりました。どこまで調べるべきか迷っています。

進め方

分かっている時点で上司と社内の窓口へ連絡します。いつ、誰に、何を送ったかを伝え、未確認の点も知らせれば、担当者と一緒に調べられます。

送信前に見る4つの箇所

送る前に見るのは、宛先、宛先欄の使い方、件名・本文、添付資料です。「よく確認する」とだけ伝えるより、次のように間違えやすい例を添えると、社員も何を見るのか分かります。

メール送信前の確認例
見る箇所確認する内容間違いを見つける例
宛先会社・氏名・メールアドレスが、送る相手と合っているか同じ名字の別の人を選んでいないか、アドレスまで見る
宛先欄の使い方ほかの受信者にアドレスを見せてよいか一斉送信では、会社が指定した方法と入力欄を使っているかを見る
件名・本文今回の相手に伝える内容になっているか前の会社名や過去のやり取り、社内向けメモが残っていないかを読む
添付資料送る予定の資料か。相手に渡してよい内容か資料を開き、会社名と中身を見る

確認後に宛先や資料を変えた場合は、変更した内容も含めて見直します。電話などで作業が途切れたときも、戻ってすぐ送信せず、画面に表示されている宛先と内容を読み直すと、途中だった作業を見落としにくくなります。

宛先はアドレスまで、添付資料は中身まで見る

宛先に正しい名前が表示されていても、別の会社の同姓の人かもしれません。入力中に出る候補を選んだときも、メールアドレスまで見て判断します。初めて送る相手や連絡先が変わった相手は、取引の窓口などに正しいアドレスを確かめます。

ToとCCに入力したアドレスは、ほかの受信者にも表示されます。BCCに入力したアドレスは、ほかの受信者には表示されません。互いのアドレスを知らせる必要のないお客様へ一斉に送る場合は、会社が指定する方法を使い、入力した欄を送信前に見直します。

返信・転送では、宛先と一緒に、下に続く過去の文章も確認対象になります。以前のメールを使って新しい案内を作ると、別の会社名や打合せ内容が残ることがあるためです。

添付資料は、ファイル名だけでなく、添付したものを開いて中身を見ます。「見積書」という名前が合っていても、お客様や金額が違う場合があります。宛名と内容を読み、お客様の情報を含む資料などは、社内で認められた方法で送ります。

共有リンクで資料を案内する場合は、メールの宛先に加え、リンク先の資料や開ける人も確認します。ISMSの社外ファイル共有では、共有範囲と期限、終了時の確認まで紹介しています。

送信前の確認を、ほかの人に頼むとき

ほかの人に見てもらう場合は、送る相手と目的も伝えると、確認してほしい内容が伝わります。「A社の田中さんへ今回の案内を送ります。宛先と、添付がA社向けの資料かを見てください」といった頼み方です。

確認の対象は、会社のルールに合わせて決めます。例えば複数のお客様への案内や、お客様から預かった資料の送付など、普段の仕事を挙げれば、どのメールを誰が見るかを具体的に決められます。

確認者が不在の場合に代わる人と、急ぐときの連絡先も用意しておきます。確認待ちのメールは下書きに残し、送れる時期は責任者と相談します。送信前の確認画面を使っている会社では、表示される項目を読んでから送信する使い方も社員へ説明します。

誤送信に気づいた直後の対応と記録

誤送信に気づいたら、すぐに上司と会社の情報管理窓口へ連絡します。確実に間違えたと分かるまで待つ必要はありません。いつ・誰に・何を送ったかを伝え、まだ分からない点は「未確認」と知らせます。

送信済みのメールと添付資料は、担当者と確認できるように残します。自分の送信済みメールを削除しても、相手に届いたメールは消えません。相手への連絡や削除の依頼は、責任者と伝える内容・方法を決めて進めます。

次は、連絡とその後の対応を残す架空の記入例です。人名・日付・状況は説明用で、実際の事故や支援事例ではありません。会社に記録の様式があれば、その欄に分かった内容を記入します。

誤送信の連絡・対応の記入例
残すこと記入例
気づいたこと6月10日10時ごろ、営業の佐藤が、A社向けの案内をB社の田中へ送ったと気づいた
送った内容案内の本文とA社向けの説明資料。送信済みメールと添付資料を上司に示した
連絡した相手気づいた時点で、上司の鈴木と社内の情報管理窓口へ電話した
その後の対応責任者がB社へ連絡。佐藤は確認できた内容とB社からの返答を記録した
見直すことと予定佐藤と鈴木が、宛先を選んだ後に会社名とアドレスを見る手順を見直す。6月12日に営業部へ説明する

相手の返答を待っている場合は、次に誰がいつ連絡するかも残します。対応が終わったら結果を追記し、会社が指定する、担当者だけが扱える場所に保管します。

同じ間違いを繰り返さないための見直し

「次は気をつけよう」で終えると、同じ場面でまた迷うことがあります。似たファイル名が原因なら名前や保存先を変える、古いメールの宛先が残ったなら返信・転送時の見方を変えるなど、間違いが起きた箇所を直すと予防につながります。送信前に気づいて止められた例も、見直しの材料になります。

江戸川区のメール誤送信の公表事例では、一斉送信時にBCCではなく宛先欄へ入力したため、受信者同士にアドレスが見える状態になりました。区は、BCCの使用と送信前の複数人による確認を再発防止策に挙げています。自社の手順でも、どの欄を誰が見るかまで決める参考になります。

社員への説明では、本物のお客様の情報を使わずに見本を作ります。「このメールで間違えやすい箇所はどこですか」「違う資料を送ったかもしれないときは誰に連絡しますか」と聞くと、説明が伝わったか分かります。準備や記録の残し方は、ISMSの情報セキュリティ教育で紹介しています。

ポイント

手順を変えた後は、普段メールを送る人に使ってみた感想を聞きます。確認箇所が分かりにくい、確認者が不在だと止まってしまうなどの声があれば、説明や担当分担を直せます。

メール誤送信対策のよくある質問

社内宛てのメールも、送る前に確認する?

はい。社内でも、宛先・本文・添付資料を確認します。例えば社員の情報を関係のない部署へ送れば、必要のない人に見せてしまいます。その相手に渡してよい情報か、という点も判断に含めます。

複数のお客様へ同じ案内を送るときは、何を見る?

送付先に間違いがないか、互いのメールアドレスが見えてよいか、本文と資料を全員に送ってよいかを見ます。一斉送信には会社が指定する方法を使い、To・CC・BCCなど、入力した欄も送信前に確認します。

誤送信したか分からない場合も、報告する?

はい。間違えた可能性に気づいた時点で、上司と社内の情報管理窓口へ連絡します。いつ、誰に、何を送ったかを伝え、未確認の点も知らせます。全部調べ終えるのを待たず、担当者と一緒に確かめられます。

確認者が不在なら、急ぎのメールを自分だけで送ってよい?

社内で確認が必要と決まっているメールは、急ぎでも確認を省かず、代わりの担当者に頼みます。代わる人が決まっていなければ責任者へ連絡し、送付の予定とお客様への案内を相談します。

まとめ:送る前の確認と、気づいた後の連絡

メール誤送信対策の基本は、宛先・本文・添付資料を具体的に確認し、間違いに気づいたら早く知らせることです。社員が見る箇所と連絡先を分かるようにしておくと、普段の送信でも、困ったときにも判断しやすくなります。

メールの扱いを含めた社内ルールや教育、担当者の分担で迷う場合は、ISOトラストのISO27001(ISMS)取得・運用支援に相談できます。今使っているルールと困っている場面を伝え、日々の仕事で続けられる方法を考えられます。

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