ISMSのUSBメモリ管理|初めての担当者向けに確認と記録例を紹介

ISMSのUSBメモリ管理|初めての担当者向けに確認と記録例を紹介

共用のUSBメモリが棚にない。誰が借りているかも分からない。こうした状況を防ぐには、使う人と返却予定を記録し、実物が戻ったことまで確認する仕組みが必要です。 USBメモリには会社の情報が入るため、使える物や用途、保管場所も決めておきます。 この記事では、初めての担当者向けに、貸出・返却の流れと記録例、見当たらないときの対応を紹介します。

この記事でわかること

  • 会社の使用ルール、使う用途、相談する窓口を確かめる
  • 貸し出す物と利用者、返却予定を記録する
  • 保管先と返却手順を聞き、実物の受領まで確かめる
  • 返却の遅れや紛失は、分かった時点で窓口へ伝える

USBメモリの管理が必要な理由

USBメモリは資料を手軽に持ち運べる一方、小さくて置き忘れやすい物です。会社の資料を入れたまま紛失すると、関係のない人に情報を見られるおそれがあります。

そのため、会社で使えるUSBと用途を決め、誰が持ち、いつ返すかを分かるようにしておきます。保管場所と紛失時の連絡先まで決まっていれば、利用者も管理担当者も対応に迷いにくくなります。

ISMSは、会社の情報を守る取組を続けるための仕組みです。USBメモリの管理も、その身近な取組の一つです。この記事では、利用前の確認から貸出、保管、返却までを説明します。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
私物の利用

急ぎなら、自分のUSBメモリを使ってもいい?

卸売業/18人

イソログ相談例

状況

資料を急いで渡すため、家から持ってきたUSBメモリを仕事で使おうとしています。

進め方

私物の利用は会社のルールによるため、接続前に情報管理の担当者へ確認します。会社が認めた共有方法で渡せれば、USBは不要です。USBが必要な場合は、承認された物を決められた手続きで借ります。

取引先から

取引先から渡されたUSBを、そのまま接続していい?

広告制作業/14人

イソログ相談例

状況

取引先に資料が入っていると言われましたが、会社のパソコンへ接続してよいか分かりません。

進め方

取引先からの物でも、接続前に社内の窓口へ確認します。受け取った経緯と用途を伝え、会社の受取手順に沿って必要な確認をしてもらいます。

利用者不明

誰が借りているか、分からなくなった

部品製造業/27人

イソログ相談例

状況

共用USBメモリが保管場所にありません。貸出簿の利用者欄も空いています。

進め方

管理担当者へ所在不明だと伝え、最近使った部署にも状況を聞きます。分からないことは不明として共有します。次の貸出からは、渡すときに利用者と返却予定を一緒に記入する流れにします。

返却

返却箱に入れたのに、借りたままになっている

設計事務所/11人

イソログ相談例

状況

使い終わったUSBメモリを箱へ戻しましたが、貸出簿ではまだ貸出中です。

進め方

窓口担当者と実物を確認し、受領と返却の記録を済ませます。箱に戻しただけでは確認が終わらない運用もあるため、次からの返し方と、誰が受け取るかも確認しておきます。

紛失の疑い

なくしたか分からなくても、連絡していい?

研修サービス業/23人

イソログ相談例

状況

借りたUSBメモリがかばんにありません。紛失した確信がなく、一人で探し続けています。

進め方

見当たらないと気付いた時点で連絡して構いません。最後に見た場所と時刻、入れた資料、まだ分からないことを会社の窓口へ伝えます。その後の確認は担当者と相談して進めます。

使えるUSBと用途を確認する

会社によって、USBの使用を禁止している場合も、会社が用意した物に限って認めている場合もあります。利用前には、情報管理担当者や総務が案内する使用ルールを確認します。

申請では、何の仕事に使い、どの資料を入れ、いつまで必要かを伝えます。会社の共有フォルダーなどで受け渡せるなら、USBへコピーする必要がないこともあります。使用が必要な場合は、保存できる資料と接続できるパソコンを確かめ、必要な許可を受けます。

取引先から受け取った物や持ち主が分からない物は、そのままパソコンへ接続せず、社内の窓口へ渡します。USBを通じてウイルスが入り込む可能性があるためです。IPAの日常の情報セキュリティ対策でも、持ち主が分からないUSBなどを接続しないよう案内しています。

取引先に「このUSBで資料を見てほしい」と頼まれた場合は、その経緯と用途を社内担当者へ伝えます。会社が認めた別の方法で受け取れるかも含めて、受け渡し方法を決めます。

会社が認めた共有サービスを使う場合は、ISMSの社外ファイル共有で資料・相手・利用期間の確認を紹介しています。USBから別の方法へ変えるときも、送る資料と相手に合う方法を社内担当者と決めます。

貸出時に残す利用者と返却予定

貸し出すときは、USB本体の表示と貸出簿を照合し、どの物を誰に渡したかを記録します。利用者と一緒に返却先と返却予定を確認しておくと、借りたままになるのを防げます。

貸出時の確認項目
項目確認する内容確認する理由
貸し出すUSB本体の表示と貸出簿の呼び名貸出・返却時の取り違えを防ぐ
利用者と用途誰が、どの仕事で、どの資料を使うか許可された用途と実際の利用をそろえる
貸出日と返却予定いつ渡し、いつ、誰に返すか返却の時期と窓口を明確にする
困ったときの連絡先紛失、故障、返却が遅れる場合の窓口問題が起きたときにすぐ連絡できるようにする

申請を受け付けただけで、許可が済んだことにはなりません。承認と利用前の準備が終わったことを確認してから渡します。前回と用途が違う場合や、別の人へ引き継ぐ場合も、窓口に知らせて利用者と用途の記録を更新します。

利用中の保管と使い終わった後の返却

利用中は、許可された場所とパソコンで、認められた資料を扱います。自宅のパソコンなど別の機器へ接続したい場合や、別の用途に使いたい場合は、先に窓口へ確認します。

使わない間は、会社が指定した保管庫などへ戻し、必要な施錠を行います。机や会議室に置いたまま離れると、置き忘れや持ち去りに気付きにくくなります。書類も含めた保管の考え方は、ISMSのクリアデスク・クリアスクリーンで紹介しています。

返却時は、会社の手順に従って保存データの扱いを確認し、必要な処理を済ませます。そのうえで管理担当者へ本体を渡し、受け取った人と返却日を記録します。返却箱を使う場合も、担当者が実物を確認して記録するまでが返却の流れです。

壊れたUSBや不要になったUSBも、データが残っている可能性があるため、管理窓口へ渡します。データの処理が済んでいなければ、そのことも一緒に伝えます。

社内説明会で借りる場合の記録例

貸出簿では、返す予定の日と、実際に返った日を分けて残します。そうすると、返却待ちなのか、管理担当者が受け取ったのかを見分けられます。

次は、社内説明会のために会社のUSBメモリを借りる架空例です。人名・日付・呼び名・用途は説明用の仮設定で、実際の貸出記録ではありません。窓口が用途と必要な準備を確認してから貸し出す職場を想定しています。

貸出から返却までの記入例
残すこと記入例
USBと利用者貸出簿の「営業用USB」と本体表示を照合。利用者は営業部の田中
用途と事前確認会社指定の会議室のパソコンで社内説明用の資料を使用。窓口の佐藤が許可と必要な準備を確認
貸出日時・返却予定11月12日9時に貸出。同日16時までに佐藤へ返却予定
実際の返却11月12日15時40分、返却手順で必要な確認を終え、佐藤が本体を受領
保管場所佐藤が会社指定の保管庫へ戻し、施錠を確認

返却されていなければ、返却欄を済んだことにせず、利用者へ現在の場所と状況を聞きます。予定が変わった場合は、管理担当者が延長の可否を確認し、新しい予定と対応を記録します。

ポイント

「返却箱に戻しました」という連絡と、「本体を受け取りました」という確認は別です。返却を受ける担当者が実物と記録を照合すると、返した・返していないの行き違いを減らせます。

返却の遅れ・紛失が疑われるときの対応

返却予定を過ぎた場合は、利用者にUSBの場所と使用状況を確認します。延長が必要なら、理由と返せる日を窓口へ伝えてもらい、使い続けてよいかを判断します。誰かへ渡した、保管場所を変えたといった情報も記録します。

USBが見当たらないときは、紛失と確定する前でも、すぐに会社の連絡先へ知らせます。最後に確認した場所と時刻、保存した資料、気付いた経緯を伝えれば、担当者と状況を整理しながら探せます。分からない点は、不明と伝えて構いません。

たとえば、「会議後にかばんへ入れたかは確かではなく、今は見当たりません。最後に見たのは15時の会議室です」と伝える形です。これは説明用の例です。見つかった場合も、場所と時刻を同じ窓口へ報告し、その後の扱いを確認します。

利用者への案内には、借り方と返し方だけでなく、紛失時の連絡先も載せます。説明後に「見当たらないときは誰へ連絡するか」を聞くと、伝わったかを確かめられます。教え方の基本は、ISMSの情報セキュリティ教育でも紹介しています。

USBメモリ管理のよくある質問

会社でUSBの使用が禁止されていたら、どうする?

会社が認めた共有フォルダーやファイルの受渡し方法を使います。取引先からUSBを指定された場合は、社内の情報管理担当者へ事情を伝え、利用できる別の方法を決めます。急ぎでも、私物のUSBで代用する前に確認が必要です。

借りているUSBを、同僚へそのまま渡していい?

管理窓口に知らせず、そのまま渡すのは避けます。利用者と用途が変わることを伝え、会社の手順で受け渡しと記録の更新を行います。誰が持っているかを貸出簿で追えるようにしておきます。

返却時は、入っているファイルを全部消すの?

利用者がすべて消す運用とは限りません。管理担当者がデータを処理する会社もあります。必要な資料を会社指定の保存先に残したうえで、返却手順に沿って消去や確認を行います。処理が残っていれば、その状態を窓口へ伝えます。

なくしたか分からなくても、連絡していい?

はい。見当たらないと気付いた時点で連絡します。最後に見た場所と時刻、入れた資料、まだ分からないことを社内の窓口へ伝え、探すことと報告を並行して進めます。

まとめ:USBは返却まで記録を残す

USBメモリは、会社が認めた物を決められた用途で使い、利用者と返却までの状況を記録します。使わない間の保管場所と、見当たらないときの連絡先も利用者へ伝えておきます。

貸出のルールと実際の仕事が合わない、説明や記録を一人で抱えている場合は、ISOトラストのISMS取得・運用支援に相談できます。今の貸出簿や利用場面をもとに、続けられる管理方法を考えられます。

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