ISMSのクリアデスク・クリアスクリーン|初めての担当者向けに確認例を紹介

ISMSのクリアデスク・クリアスクリーン|初めての担当者向けに確認例を紹介

書類を机に置いたまま離席する。顧客情報を画面に開いたまま会議へ行く。そんな日常の場面で、情報を見られたり持ち去られたりするのを防ぐのが、クリアデスクとクリアスクリーンです。 難しい言葉に見えますが、基本は書類の保管と画面のロックです。戻す場所と操作が分かれば、社員も取り組みやすくなります。 この記事では、二つの意味の違いから、離席時・退勤時の行動、印刷物や会議室の確認、社員への伝え方まで、身近な例で説明します。

この記事でわかること

  • クリアデスクとクリアスクリーンの違いを知る
  • 今のルールと保管場所・相談先を確かめる
  • 離席・退勤時に机と画面、印刷物を確認する
  • 社員へ実際の場所と操作を見せ、困りごとを聞く

クリアデスクとクリアスクリーンの違い

クリアデスクは、書類やUSBメモリなどを机に放置せず、決められた場所で保管することです。顧客の注文書や社員の情報を、関係のない人に見られたり持ち去られたりするのを防ぎます。

クリアスクリーンは、パソコンの画面を他の人に見られたり操作されたりしないようにすることです。席を離れる前の画面ロックが、身近な対策の一つです。

どちらも、仕事で扱う情報を日常の行動で守るための取組です。ISMSは、会社全体で情報を守るための仕組みを指します。担当者は、社員が実際に使う机や保管庫、パソコンに合わせて、無理なく続けられるルールを整えます。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
保管先が不明

注文書をしまう場所が、人によって違う

卸売業/21人

イソログ相談例

状況

離席時の保管場所がそろっておらず、机に残したままの人もいます。

進め方

上司と書類の保管先を決め、実際の保管庫と鍵の使い方を社員に示します。「営業部の注文書はここへ」と書類と場所を結び付けると、戻す場所に迷いにくくなります。

短い離席

数分の打合せでも、画面をロックする?

広告制作業/14人

イソログ相談例

状況

すぐに戻るつもりで、資料を画面に開いたまま席を離れています。

進め方

短い離席でも、席を立つ前にロックすることを伝えます。機器担当者に教わった操作を実際のパソコンで見せ、本人にも試してもらいます。

印刷物の放置

印刷した顧客資料が、複合機に残っている

事務受託業/19人

イソログ相談例

状況

印刷後に別の仕事へ移り、紙を取りに行くのを忘れてしまいます。

進め方

印刷した人がすぐに取りに行き、必要な枚数がそろっているか確かめる流れにします。取り忘れた書類を見つけたときの連絡先も、社員へ案内します。

収納できない

大きな図面が保管庫に入らない

設計事務所/11人

イソログ相談例

状況

指定の保管庫に収まらず、翌朝まで机の上に置いています。

進め方

図面の大きさと保管庫の状態を上司や総務に見てもらいます。会社が認めた別の保管先や一時的な置き方を決め、同じ図面を扱う人にも伝えます。

会議後の片付け

呼びかけても、会議室に資料が残ってしまう

研修サービス業/28人

イソログ相談例

状況

「資料を放置しない」と案内していますが、会議後の確認が抜けています。

進め方

会議を終える人が、資料を各自で持ち帰るか回収するかを伝える流れにします。退室前に見る場所も示し、実際に片付けやすいかを参加者に聞いて見直します。

書類の保管先と、画面のロック方法

「書類をしまってください」と伝えても、戻す場所が分からなければ片付きません。例えば「この注文書は営業部の保管庫へ戻す」と、書類ごとの保管先を示すと分かりやすくなります。

社内のルールには、書類やUSBメモリの保管先、鍵を管理する人、離席時の扱いなどが書かれています。今の職場と合わない部分や、書かれていないことは、上司や担当部署と確認して社員へ案内します。

担当者が確認しておくこと
確認すること相談する相手の例具体的な確認例
書類・USBメモリの保管先上司、書類の管理担当者作業途中で席を離れるときは、どこにしまうか
保管庫と鍵の使い方総務、鍵の管理担当者どの保管庫を使い、鍵は誰から受け取るか
画面のロック方法社内の機器担当者このパソコンでは、どの操作でロックできるか
収納できない・物が見当たらない場合上司、情報セキュリティ担当者誰に、どの方法で連絡するか

画面のロック方法は、使っているパソコンで実際に試すと覚えやすくなります。社内ルール全体のまとめ方は、ISMSの社内ルールで紹介しています。

離席時と退勤時にすること

席を離れるときは、顧客情報などを含む書類やUSBメモリを決められた場所へしまい、パソコンをロックします。作業途中の資料も、社内で決めた一時保管の方法に沿って扱います。

画面が暗くなっただけでは、ロックされているとは限りません。マウスなどを動かすだけで作業画面に戻れる状態なら、他の人も操作できます。自分のパソコンで確実にロックする方法を、機器担当者に教わっておきます。

退勤前には、机の上だけでなく、脇の棚や足元に資料が残っていないかも見ます。翌日も使う書類は保管庫へ戻し、施錠が必要な場所は鍵をかけます。指定場所に入らない資料は、上司や総務が認めた保管先へ移します。

企業の公表例では、あなぶき興産のISMS基本方針にも、業務終了時の文書の保管、離席時の画面ロック、社員への周知が記載されています。自社で案内する際も、行動するタイミングを具体的に示すと伝わりやすくなります。

USBメモリの利用や保管については、ISMSのUSBメモリ管理も参考になります。

印刷物と会議室の資料を置き忘れない

複合機の上も、書類が残りやすい場所です。印刷した人がすぐに取りに行き、必要な紙がそろっているかを確認します。取りに行けないときは、回収できる時間になってから印刷する方が、置き忘れを防げます。

会議の終了時には、主催者が資料を各自で持ち帰るのか、まとめて回収するのかを伝えます。退室前に机の上の資料と画面の表示を確認し、ホワイトボードの内容は必要な記録を残してから消します。

誰のものか分からない資料を見つけたら、社内で決めた担当者へ連絡します。持ち主を探そうとして大勢に内容を見せたり、不要だと判断して捨てたりせず、担当者の案内に沿って扱います。自分の資料が見当たらないときも、何を、いつ、どこで使ったかを早めに伝えます。

使い終わった書類を処分する前の確認は、ISMSの書類廃棄で説明しています。

社員には、場所と操作を見せて伝える

新しいルールは、実際の机や保管庫を使って説明すると伝わりやすくなります。保管する書類を手に取り、戻す場所と鍵の使い方を見せれば、初めての人も同じように動けます。

パソコンのロックも、説明を聞くだけでなく本人に操作してもらいます。「会議へ行く前はどうするか」「書類が入らなかったら誰に連絡するか」を一緒に確かめると、分からない部分をその場で解消できます。

ポイント

「机を片付ける」という案内を、「注文書はこの保管庫へ」「席を立つ前に画面をロックする」と具体的にすると、社員が迷わず行動できます。

新入社員への説明に加え、保管場所や使うパソコンが変わったときも案内を更新します。教育の準備と記録の残し方は、ISMSの情報セキュリティ教育で紹介しています。

ルールを守りにくいときの見直し方

書類がいつも机に残る場合は、保管庫がいっぱいだったり、鍵を持つ人が先に帰っていたりすることがあります。利用者に片付けにくい理由を聞き、実際の場所を見ると、直すべきところが分かります。

保管庫の表示が古い、案内した場所に入らないといった問題は、総務や上司と相談して直します。対応した内容を短く残しておけば、ほかの担当者への引継ぎにも使えます。

次は、書類の保管場所を見直した架空の記入例です。人名・日付・状況は説明用の仮設定で、実際の相談や顧客実績ではありません。

保管場所を見直した記録例
残すこと記入例
困っていたこと6月10日、営業部の注文書が指定の保管庫に入りきらないことが分かった
相談して決めたこと総務の佐藤に相談し、別の保管庫を使う許可を得た。鍵の受け取り方も確認
社員へ伝えたこと6月11日朝、田中が営業部の社員に新しい保管先と鍵の使い方を説明
その後の確認6月12日、田中が利用者に確認。書類は収まり、鍵の使い方も伝わっていた

対応を決めただけの段階なら「実施予定」とし、案内後に結果を追記します。利用者が実際に保管できるようになったかまで確かめると、同じ困りごとの繰り返しを防げます。

クリアデスク・クリアスクリーンのよくある質問

クリアデスクとクリアスクリーンは、何が違う?

クリアデスクは書類やUSBメモリなどの保管、クリアスクリーンはパソコンの画面の保護です。例えば、注文書を保管庫へ戻すのがクリアデスク、席を離れる前に画面をロックするのがクリアスクリーンです。

すぐ戻る場合も、画面をロックする?

はい。短い離席でも、席を立つ前にロックするのが基本です。すぐに戻るつもりでも、話しかけられて席を外す時間が延びることがあります。自動ロックがかかるのを待たず、自分で操作する習慣を付けます。

クリアデスクのために、紙はすべて捨てる?

いいえ。必要な書類は、決められた場所で保管します。机を空にするために、保存が必要な書類まで捨てるものではありません。不要かどうかと処分方法を確認してから、社内ルールに沿って廃棄します。

毎日の確認表を新しく作る必要はある?

新しい表を増やすことから始める必要はありません。すでに退勤時の確認や記録の方法があれば、それを使えます。置き忘れなどが続く場合は、今の方法で何を見落としているかを調べ、必要な確認を加えます。

まとめ:書類と画面を、日々の行動で守る

クリアデスクとクリアスクリーンの基本は、書類などを決められた場所へ戻し、席を離れる前に画面をロックすることです。保管場所と操作を実際に見せると、初めての社員にも伝わります。片付けにくい事情があれば、その理由からルールを見直します。

社内ルールの説明や役割分担を一人で抱えている、今の運用をどう直せばよいか迷う場合は、ISOトラストのISMS取得・運用支援に相談できます。現在の案内や職場の困りごとをもとに、自社に合う進め方を考えられます。

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