ISO9001のリスク及び機会への取り組みとは?正しいやり方や考え方・分析方法・他社事例など具体例で徹底解説

ISO9001のリスク及び機会への取り組みとは?正しいやり方や考え方・分析方法・他社事例など具体例で徹底解説
金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING 代表取締役 / ISOトラスト 現役ISOコンサルタント

監修者情報 金光 壮太

株式会社GRAND PLANNING代表取締役。ISOコンサルティングサービス「ISOトラスト」を運営し、現役のISOコンサルタントとしてISO9001・ISO14001・ISO27001(ISMS)・ISO45001を中心に、ISO認証取得から運用支援、更新審査まで幅広いコンサルティングを実施。 これまで建設業、製造業、IT企業、サービス業、運送業など、多様な業種・企業規模のISO認証取得・運用支援に携わり、少人数企業から上場企業まで数多くの支援実績。また、認証取得だけでなく、取得後の運用改善や内部監査、更新審査・再認証審査まで継続的にサポート。 イソログでは、実際のISOコンサルティングや審査対応で培った経験をもとに、各社のサービス内容や料金、サポート体制、対応規格などを多角的に調査・比較し、公平で分かりやすい情報を提供。ISO取得を検討している企業担当者や経営者が、自社に最適なISOコンサル会社を選べるよう、実務経験に基づいた視点で記事の監修・情報発信を実施。

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これまで多数のISO認証取得・運用支援に携わっています。

主な専門分野
  • ISO9001(品質マネジメントシステム)
  • ISO14001(環境マネジメントシステム)
  • ISO27001(ISMS)
  • ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
主な対応内容
  • ISO認証取得支援
  • ISO運用支援
  • 更新審査・再認証審査支援
  • 内部監査支援
  • マネジメントレビュー支援
  • ISOコンサル会社の比較・調査・監修

ISO9001の「リスク及び機会への取り組み」は、審査でも確認されやすい重要な項目です。 しかし実務では、「何を書けばよいか分からない」「リスク一覧表が一般論だけになっている」「機会の書き方が分からない」「審査でどう説明すればよいか不安」といった悩みがよくあります。 リスク及び機会は、単に危ないことを一覧にするだけの活動ではありません。 自社の内部・外部の課題、利害関係者のニーズ、品質目標、内部監査、不適合、マネジメントレビューとつなげて、品質マネジメントシステムをより確実に運用するための考え方です。 リスクを防ぐだけでなく、改善や成長の機会として活用することも重要です。 本記事では、200社以上のISOコンサルティング支援を実施してきた企業の監修をもとに、ISO9001のリスク及び機会への取り組みの正しいやり方、考え方、分析方法、一覧表の作り方、審査で見られるポイントを具体例で解説します。 さらに、製造業、建設業、サービス業、IT・システム業、中小企業の匿名モデルケースを使い、他社がどのようにリスクを整理し、機会に変え、審査で説明できる状態にしたのかを実務目線で紹介します。

この記事でわかること

  • ISO9001のリスク及び機会への取り組みは、問題を未然に防ぎ、望ましい影響や改善を増やすための活動です。
  • リスク及び機会は、内部・外部の課題、利害関係者のニーズ、品質目標、内部監査、不適合、マネジメントレビューとつなげて考えることが重要です。
  • 一覧表には、課題、リスク、機会、影響、優先度、対応策、担当者、期限、有効性確認まで入れると審査で説明しやすくなります。
  • 悪い書き方は一般論だけで終わることです。良い書き方は、自社の業務、品質への影響、具体的な対応策まで落とし込まれています。
  • 他社事例を参考にしながら、自社固有のリスクを改善機会に変えることで、ISO9001を形だけでなく実務に活かせます。

ISO9001のリスク及び機会への取り組みとは?

ISO9001のリスク及び機会への取り組みとは、品質マネジメントシステムが意図した結果を達成できるように、起こり得る不確かさや変化を事前に考え、必要な対応を計画する活動です。
リスクというと「起きたら困ること」だけを想像しがちですが、ISO9001では望ましくない影響を防ぐだけでなく、望ましい影響を増やし、改善につなげることも重視します。

たとえば、設備の老朽化は生産停止や不良増加のリスクです。
しかし、設備更新や点検方法の見直しを行えば、生産性向上や不良低減の機会にもなります。
人手不足は品質低下や納期遅延のリスクですが、教育の標準化や多能工化を進める機会にもなります。
このように、リスクと機会は別々のものではなく、同じ事象の見方を変えることで両方の側面を持つことがあります。

ISO9001で大切なのは、リスク一覧表を作ること自体ではありません。
自社の状況を踏まえ、品質に影響するリスクや機会を見つけ、必要な対応策を決め、その対応が実際に業務の中で実行され、有効だったかを確認することです。

ポイント

リスク及び機会への取り組みは、問題を未然に防ぐだけでなく、改善や成長につなげるためのISO9001の重要な考え方です。

イソログに届いたリアルな声|リスク及び機会の作り方で迷う企業の相談例

イソログに届いたリアルな声でも、リスク及び機会については「何を書けばよいか分からない」「毎年同じ内容の一覧表になっている」「審査で一覧表の根拠を聞かれると説明に困る」といった相談があります。

特に多いのは、リスク一覧表が形式的になっているケースです。
たとえば、どの会社にも当てはまるような「人材不足」「クレーム発生」「設備故障」だけを書いており、自社のどの業務に、どのような品質影響があり、どの対応策を取るのかが分からない状態です。
この場合、一覧表はあっても、審査では「自社の状況を踏まえているか」「対応策が実行されているか」「有効性を確認しているか」を説明しにくくなります。

イソログに届いた相談内容をもとに、リスク及び機会の整理で担当者がつまずきやすい場面をまとめました。

失敗談・相談事例

取得前に確認しておきたい実務上のつまずきを、横にスライドして確認できます。

4事例
一般論

リスク一覧表がどの会社にも当てはまる内容になっていた

イソログ相談事例

状況

一覧表には人材不足、設備故障、クレーム発生と書いていましたが、自社のどの工程に関係するのか、どの記録で確認するのかが説明できませんでした。

確認したい教訓

リスクは一般論ではなく、自社の業務、品質への影響、具体的な対応策まで落とし込むことが重要です。

機会

リスクは書けるが、機会の書き方が分からなかった

イソログ相談事例

状況

悪いことは思いつくものの、機会には新規顧客獲得のような大きなテーマしか書けず、現場改善と結びつけられませんでした。

確認したい教訓

機会は売上拡大だけではありません。
標準化、教育、効率化、顧客満足向上なども品質改善の機会として整理できます。

審査対応

審査で一覧表の根拠を聞かれて説明に困った

イソログ相談事例

状況

なぜそのリスクを選んだのかを聞かれたとき、内部監査やクレーム、不適合などの実績とつなげて説明できませんでした。

確認したい教訓

リスク及び機会は、内部・外部の課題、利害関係者のニーズ、実績データを根拠にすると説明しやすくなります。

形骸化

毎年同じ一覧表を使い回していた

イソログ相談事例

状況

リスク一覧表は毎年更新日だけ変えていましたが、事業環境や不適合内容が変わっても見直しがされていませんでした。

確認したい教訓

リスク及び機会は、内部監査やマネジメントレビューで定期的に見直し、現状に合わせて更新することが大切です。

ISO9001で求められるリスク及び機会の考え方

ISO9001で求められるリスク及び機会は、単独で考えるものではありません。
箇条4.1の内部・外部の課題、箇条4.2の利害関係者のニーズ及び期待を踏まえ、品質マネジメントシステムの計画を立てるときに考慮するものです。

たとえば、内部の課題として熟練者の高齢化がある場合、リスクは技能伝承不足による品質ばらつきです。
一方で、機会は作業標準書の見直し、動画教育、若手育成、多能工化などです。
外部の課題として原材料価格の高騰がある場合、リスクはコスト増や代替材料による品質不安定です。
一方で、機会は購買先の見直し、設計変更、在庫管理の改善などになります。

また、リスク及び機会は品質目標、内部監査、マネジメントレビューとも連動させる必要があります。
品質目標が未達だった場合、その原因は次年度のリスクとして扱うべきかもしれません。
内部監査で同じ指摘が繰り返されている場合、そのプロセスにはリスクがあると考えられます。
マネジメントレビューでは、リスク及び機会への取り組みが有効だったか、次に何を見直すかを経営層が判断します。

ポイント

リスク及び機会は、ISO9001の他の活動と切り離さず、品質目標、内部監査、マネジメントレビューとつなげて運用しましょう。

リスク及び機会とISO9001の関連項目
関連項目リスク及び機会との関係実務で確認すること
内部・外部の課題リスク及び機会を洗い出す出発点人材、設備、法改正、顧客要求、競合、原材料などの変化を確認する
利害関係者のニーズ顧客、取引先、行政、従業員などの要求からリスクや機会を見つける顧客要求、納期、法令、協力会社、従業員の力量などを確認する
品質目標リスク対応や機会活用を目標に落とし込む不良率、クレーム、納期、教育、手直し件数などと連動しているか
内部監査リスク及び機会への取り組みが実行されているか確認する対応策の実施状況、記録、有効性を監査で確認しているか
マネジメントレビュー経営層が取り組みの妥当性と有効性を見直すリスクの変化、対応結果、次年度の資源配分を確認しているか

リスク及び機会への取り組みの正しいやり方

リスク及び機会への取り組みは、難しい分析手法を使うことよりも、自社の業務に合わせて継続的に運用できる手順にすることが大切です。
一般的には、内部・外部の課題を洗い出し、品質に影響するリスクと機会を整理し、優先順位を決め、対応策を計画し、実施状況と有効性を確認する流れで進めます。

注意したいのは、リスクをすべてゼロにしようとしないことです。
すべてのリスクに同じレベルで対応しようとすると、管理が重くなり、実際の運用が続かなくなります。
発生可能性、影響度、顧客への影響、法令や契約への影響、過去の不適合やクレームの有無などを見ながら、優先順位を決めることが重要です。

また、対応策は既存の業務に組み込むことが大切です。
別の管理表を作ってISO担当者だけが管理するのではなく、品質目標管理、教育計画、設備点検、購買先評価、内部監査、マネジメントレビューなど、すでにある仕組みに入れると運用しやすくなります。

ポイント

リスク及び機会への取り組みは、洗い出し、優先順位、対応策、有効性確認まで一連の流れで考えることが重要です。

リスク及び機会への取り組みの基本ステップ
ステップ実施内容ポイント
1. 課題を洗い出す内部・外部の課題、利害関係者のニーズを整理する人材、設備、顧客要求、法改正、競合、協力会社などを確認する
2. リスクと機会を整理する品質に影響するリスクと、改善につながる機会を考えるリスクだけでなく、標準化や教育などの機会も書く
3. 優先順位を決める発生可能性、影響度、過去実績などで優先度を判断するすべてに同じ対応をせず、重要度の高いものから取り組む
4. 対応策を計画する対応内容、担当者、期限、必要な記録を決める実行できる内容にし、既存のQMSプロセスへ組み込む
5. 有効性を確認する対応策が実施され、効果があったか確認する内部監査やマネジメントレビューで結果を確認する

リスク及び機会の分析方法

リスク及び機会の分析方法に、ISO9001で決められた唯一の正解があるわけではありません。
自社の規模や業務内容に合わせて、SWOT分析、プロセス分析、過去データの分析、発生可能性と影響度による評価などを使います。

SWOT分析は、内部環境の強み・弱み、外部環境の機会・脅威を整理する方法です。
リスク及び機会を経営や事業環境とつなげて考えやすくなります。
一方で、SWOT分析だけでは現場の具体的なリスクが漏れることもあります。
そのため、製造、購買、営業、設計、施工、サービス提供、クレーム対応など、プロセスごとに洗い出す方法も有効です。

また、クレーム、不適合、内部監査結果、品質目標の未達、顧客満足度調査、設備故障履歴など、実際の記録からリスクを見つける方法も実務的です。
審査で説明しやすいのは、思いつきで作った一覧表ではなく、こうした実績や課題に基づいて作られた一覧表です。

ポイント

分析方法は一つに絞る必要はありません。
SWOT、プロセス、過去データ、利害関係者の要求を組み合わせると、実務に合うリスク及び機会を洗い出しやすくなります。

リスク及び機会の主な分析方法
分析方法向いている場面注意点
SWOT分析経営環境や事業課題からリスクと機会を整理したい場合抽象的になりすぎないよう、品質への影響まで落とし込む
プロセスごとの洗い出し製造、購買、営業、施工、サービスなど業務ごとに整理したい場合各プロセスの責任者を巻き込み、現場の実態を反映する
過去データ分析クレーム、不適合、内部監査結果、品質目標未達から整理したい場合過去の問題だけでなく、今後起こり得る変化も見る
発生可能性×影響度優先順位を決めたい場合点数化が目的にならないよう、対応判断につなげる
利害関係者の要求分析顧客、取引先、行政、従業員の要求から整理したい場合要求事項が変わったときに一覧表も見直す

リスク及び機会一覧表の作り方

リスク及び機会一覧表は、審査で説明しやすくするためにも、課題、リスク、機会、品質への影響、優先度、対応策、担当者、期限、有効性確認を整理できる形にしておくと便利です。
ISO9001では特定の様式が必須というわけではありませんが、一覧表にしておくと内部監査やマネジメントレビューでも確認しやすくなります。

一覧表でよくある失敗は、リスク名だけを書いて終わることです。
たとえば「人手不足」とだけ書いても、どの工程で、どの品質影響があり、どの対応策を取るのかが分かりません。
審査で説明しやすい一覧表にするには、「人手不足により検査工程の確認遅れが発生し、出荷判定の遅延や検査漏れにつながる可能性がある」といったように、業務と品質への影響を具体化する必要があります。

また、対応策は「教育を行う」「確認を徹底する」だけでは弱くなります。
誰が、いつまでに、どの手順や記録を使って、どう確認するのかまで書くと、実行性のある計画になります。

ポイント

一覧表は、リスク名だけではなく、課題、品質への影響、機会、対応策、担当者、期限、有効性確認まで書くと実務で使いやすくなります。

リスク及び機会一覧表に入れたい項目
項目書く内容記入例
課題内部・外部の課題や利害関係者の要求熟練検査員の退職が予定されている
リスク品質に悪影響を与える可能性検査基準の判断がばらつき、不良流出につながる可能性がある
機会改善や望ましい影響につながる可能性検査基準を標準化し、若手検査員の育成を進める機会になる
優先度影響度や発生可能性から判断した重要度
対応策実施する具体的な取り組み検査基準書を写真付きで改訂し、若手向け教育と判定一致確認を行う
担当者・期限誰がいつまでに実施するか品質保証部長、2026年9月末

悪い書き方・良い書き方の具体例

リスク及び機会の一覧表で差が出るのは、書き方の具体性です。
悪い書き方は、一般的な言葉だけで終わっており、自社の業務や品質への影響が見えません。
良い書き方は、課題、リスク、機会、対応策、有効性確認がつながっており、審査で質問されても説明しやすい状態です。

たとえば「人手不足」とだけ書くと、何が問題なのか分かりません。
しかし、「検査工程で新任者比率が高まり、判定基準の理解不足によって検査漏れが発生する可能性がある」と書けば、品質への影響が分かります。
さらに、「写真付き検査基準書を整備し、教育後に判定一致率を確認する」と書けば、対応策と有効性確認までつながります。

機会も同じです。
「売上拡大」とだけ書くより、「クレーム原因を分類し、問い合わせ対応手順を見直すことで、顧客満足度向上につなげる」と書いた方がISO9001の実務に近くなります。

ポイント

良い書き方は、自社の業務、品質への影響、対応策、有効性確認がつながっています。
一般論だけで終わらせないことが大切です。

リスク及び機会の悪い書き方・良い書き方
テーマ悪い書き方良い書き方
人手不足人手不足のリスクがある。検査工程で新任者比率が高まり、判定基準の理解不足によって検査漏れが発生する可能性がある。写真付き検査基準書を整備し、教育後に判定一致率を確認する。
設備老朽化設備故障に注意する。主要設備の故障履歴が増加しており、生産停止や納期遅延につながる可能性がある。予防保全計画を見直し、故障停止時間を月次で確認する。
クレーム増加クレームを減らす。梱包不備による顧客クレームが増えているため、出荷前チェック項目を追加し、同一原因クレームの再発件数を確認する。
協力会社品質協力会社の品質に注意する。協力会社ごとの施工品質にばらつきがあり、手直し増加につながる可能性がある。施工前確認会議と品質パトロール結果を協力会社評価に反映する。
機会の書き方新規顧客を増やす。顧客要求の変化を踏まえ、問い合わせ回答時間を短縮することで顧客満足度を高め、継続受注の機会につなげる。

他社事例1|製造業でのリスク及び機会の具体例

ここでは、実際の支援現場で見られた傾向を、特定企業が分からないように配慮した匿名モデルケースとして紹介します。

ある製造業の会社では、主要設備の老朽化と熟練検査員の退職が大きな課題になっていました。
以前のリスク一覧表には「設備故障」「人材不足」とだけ書かれており、具体的な品質影響や対応策は整理されていませんでした。
審査でも、なぜそのリスクを選んだのか、どのように管理しているのかを説明しにくい状態でした。

見直し後は、設備老朽化による生産停止、不良率上昇、納期遅延をリスクとして整理しました。
一方で、設備更新や予防保全の見直し、検査基準の標準化、若手検査員の教育を機会として整理しました。
さらに、故障履歴、不良率、検査員の判定一致率を月次で確認するようにしました。

このケースでは、単に設備を更新することが目的ではありませんでした。
老朽化というリスクを、予防保全の見直し、検査標準化、技能伝承の機会に変えたことがポイントです。

ポイント

製造業では、設備、人材、材料の変化を、品質リスクと改善機会の両面から整理すると実務に落とし込みやすくなります。

製造業のリスク及び機会一覧表の記入例
課題リスク機会対応策有効性確認
主要設備の老朽化突発故障により生産停止や納期遅延が発生する可能性がある予防保全計画を見直し、設備稼働率を改善する機会になる故障履歴を月次で確認し、重点設備の点検周期を見直す故障停止時間、納期遅延件数、点検実施率を四半期で確認する
熟練検査員の退職判定基準が属人化し、検査ばらつきや不良流出につながる可能性がある検査基準の標準化と若手育成を進める機会になる写真付き検査基準書を作成し、判定一致確認を実施する教育後3か月間の判定一致率と内部監査結果を確認する
原材料価格の高騰代替材料を使うことで品質が不安定になる可能性がある購買先評価と受入検査基準を見直す機会になる代替材料採用時の評価手順と初回検査基準を明確にする代替材料使用後の不適合件数と顧客クレームを確認する

他社事例2|建設業でのリスク及び機会の具体例

建設業では、協力会社ごとの施工品質のばらつき、現場ごとの記録管理、施工前確認の不足、手直し件数の増加などがリスクになりやすいです。
匿名モデルケースとして、ある建設会社では、協力会社の品質ばらつきにより、引き渡し前の手直し件数が増えていました。

以前の一覧表には「協力会社の品質低下」と書かれていましたが、どの工種で、どのような品質問題が起きているのかまでは整理されていませんでした。
そのため、対応策も「協力会社へ注意する」にとどまり、再発防止にはつながっていませんでした。

見直し後は、工種別の手直し件数、品質パトロール指摘、施工前確認会議の実施状況を確認し、協力会社ごとのばらつきを可視化しました。
さらに、施工前確認会議、品質パトロール、是正期限管理、協力会社評価を連動させることで、リスク対応を日常業務に組み込みました。

ポイント

建設業では、協力会社、施工記録、現場ごとの要求事項をリスク及び機会として整理し、品質パトロールや協力会社評価と連動させると効果的です。

建設業のリスク及び機会一覧表の記入例
課題リスク機会対応策有効性確認
協力会社ごとの施工品質ばらつき手直し件数が増加し、工期遅延や顧客満足低下につながる可能性がある施工前確認と協力会社評価を強化し、施工品質を安定させる機会になる工種別の施工前確認会議を実施し、品質パトロール結果を協力会社評価に反映する手直し件数、品質パトロール指摘件数、是正期限内完了率を確認する
施工記録の提出遅れ必要な記録が揃わず、発注者への説明や審査対応に支障が出る可能性がある記録提出ルールを標準化し、現場管理を効率化する機会になる提出予定日、担当者、承認者を施工記録一覧で管理する月次で提出遅れ件数と未承認記録を確認する
法令・顧客要求の変更新しい要求を現場に反映できず、施工不備や是正対応につながる可能性がある要求事項の確認体制を強化し、提案品質を高める機会になる着工前レビューで顧客要求と法令要求を確認し、施工計画に反映する着工前レビュー実施率と顧客指摘件数を確認する

他社事例3|サービス業でのリスク及び機会の具体例

サービス業では、製品不良のような分かりやすい品質リスクが見えにくいため、リスク及び機会の書き方に迷いやすくなります。
しかし、問い合わせ対応の遅れ、担当者ごとの対応ばらつき、クレーム対応の遅れ、教育不足、システム停止などは、サービス品質に大きく影響します。

匿名モデルケースとして、あるサービス業の会社では、人手不足により問い合わせへの初回回答が遅れ、顧客満足度が低下していました。
以前の一覧表には「人手不足」「クレーム増加」とだけ書かれており、対応策は「教育を強化する」とされていました。
しかし、教育内容や確認方法が決まっていなかったため、運用が定着していませんでした。

見直し後は、問い合わせ対応フロー、FAQ、一次回答ルール、担当者不在時の代理対応、教育記録を整備しました。
これにより、人手不足というリスクを、対応標準化と顧客満足度向上の機会として整理できるようになりました。

ポイント

サービス業では、対応時間、対応ばらつき、引き継ぎ、顧客満足度をリスク及び機会として整理すると、品質管理に落とし込みやすくなります。

サービス業のリスク及び機会一覧表の記入例
課題リスク機会対応策有効性確認
問い合わせ対応の遅れ初回回答が遅れ、顧客満足度低下や契約継続率低下につながる可能性があるFAQ整備と一次回答ルールにより対応品質を標準化する機会になる問い合わせ種別ごとのFAQを整備し、24時間以内の一次回答ルールを設定する一次回答率、顧客満足度、再問い合わせ件数を月次で確認する
担当者ごとの対応ばらつき説明内容が統一されず、顧客の誤解やクレームにつながる可能性がある対応マニュアルと教育を整備し、サービス品質を安定させる機会になるよくある問い合わせの回答例を作成し、新任者教育に組み込む応対品質チェック結果とクレーム分類を確認する
担当者不在時の引き継ぎ不足対応漏れや回答遅延が発生する可能性がある代理対応ルールを整備し、業務継続性を高める機会になる案件管理表にステータス、次回対応日、代理担当者欄を追加する未対応案件数と期限超過件数を週次で確認する

他社事例4|IT・システム業でのリスク及び機会の具体例

IT・システム業では、担当者依存、障害対応の遅れ、仕様変更の管理不足、セキュリティ対応、ナレッジ共有不足などが品質リスクになりやすいです。
ISO9001の品質という視点では、顧客要求を満たすシステムやサービスを安定して提供できるかが重要になります。

匿名モデルケースとして、あるシステム会社では、特定の担当者しか障害対応手順を把握しておらず、休日や夜間の障害時に初動が遅れるリスクがありました。
以前の一覧表には「属人化」とだけ書かれており、具体的な対応策はありませんでした。

見直し後は、障害一次対応手順、顧客別の連絡先、過去障害のナレッジ、担当者不在時のエスカレーションルールを整備しました。
さらに、障害対応訓練を行い、初動対応時間や再発防止策の完了状況を確認するようにしました。
これにより、担当者依存というリスクを、ナレッジ共有と顧客信頼向上の機会に変えることができました。

ポイント

IT・システム業では、属人化や変更管理不足をリスクとして捉え、ナレッジ共有や変更管理の標準化を機会として整理すると実務に活かしやすくなります。

IT・システム業のリスク及び機会一覧表の記入例
課題リスク機会対応策有効性確認
障害対応の担当者依存担当者不在時に初動対応が遅れ、顧客影響が拡大する可能性がある一次対応手順とナレッジ共有により、対応品質を安定させる機会になる障害一次対応手順、顧客別連絡先、エスカレーションルールを整備する障害対応訓練の結果、初動対応時間、顧客報告遅延件数を確認する
仕様変更の管理不足変更内容の伝達漏れにより、納品物が顧客要求とずれる可能性がある変更管理ルールを整備し、顧客との認識合わせを強化する機会になる変更要求受付、影響確認、承認、反映確認を変更管理表で管理する変更起因の手戻り件数と顧客指摘件数を確認する
新技術への対応遅れ顧客要求に対応できず、提案品質や競争力が低下する可能性がある技術教育と標準部品化により、提案力を高める機会になる重点技術テーマを設定し、教育計画と技術ナレッジ登録を行う教育完了率、提案件数、技術起因の不具合件数を確認する

他社事例5|中小企業でリスク一覧表が形だけだった会社の改善例

中小企業では、ISO担当者が兼務であることが多く、リスク及び機会一覧表が審査前だけ更新される資料になりがちです。
匿名モデルケースとして、ある中小企業では、一覧表に「人材不足」「設備故障」「クレーム」「納期遅延」といった一般的な項目が並んでいましたが、品質目標や内部監査、マネジメントレビューとはつながっていませんでした。

審査では、リスクとして人材不足を挙げているにもかかわらず、教育計画や力量管理で何をしているのか説明できませんでした。
また、クレームをリスクとして挙げているのに、クレーム原因の分析結果や再発防止策が一覧表に反映されていませんでした。

見直しでは、過去1年のクレーム、不適合、内部監査指摘、品質目標未達、設備故障履歴を確認し、実績に基づいてリスク及び機会を整理しました。
さらに、リスク一覧表の対応策を品質目標、教育計画、内部監査計画、マネジメントレビューの議題に反映しました。

その結果、一覧表は審査用の資料ではなく、実際の改善活動を管理する資料になりました。
審査でも、なぜそのリスクを選んだのか、どの対応策を取ったのか、どの記録で有効性を確認しているのかを説明できるようになりました。

ポイント

中小企業では、既存の記録や会議を活用し、リスク一覧表を品質目標、内部監査、マネジメントレビューとつなげることが重要です。

形だけの一覧表から改善した例
見直し前問題点見直し後
人材不足とだけ記載どの業務にどのような品質影響があるか分からない検査工程の新任者増加により判定ばらつきが発生するリスクとして整理し、教育計画と判定一致確認につなげた
クレーム発生とだけ記載クレーム原因や再発防止とつながっていない梱包不備によるクレーム増加をリスクとして整理し、出荷前チェックリスト改訂と同一原因クレーム確認につなげた
設備故障とだけ記載設備点検や品質目標と連動していない重点設備の故障停止時間を品質目標に反映し、予防保全計画の見直しにつなげた
毎年同じ一覧表を使用実績や環境変化が反映されていない内部監査とマネジメントレビューで年1回以上見直し、必要に応じて更新する運用にした

審査で見られるポイント

ISO9001の審査では、リスク及び機会の一覧表があるかだけではなく、なぜそのリスクや機会を特定したのか、どのような対応策を計画したのか、実際に実施されているのか、有効性を確認しているのかが見られます。

よく確認されるのは、内部・外部の課題や利害関係者のニーズとのつながりです。
たとえば、外部の課題として原材料高騰を挙げているのに、購買や設計変更、代替材料評価に関するリスク対応がない場合、課題と計画がつながっていないように見えます。
また、品質目標が未達だったのに、次年度のリスク及び機会に反映されていない場合も、見直しが弱いと見られることがあります。

さらに、対応策の実行状況も重要です。
一覧表に「教育を実施する」と書いてあっても、教育記録や力量評価がなければ、実施状況を説明できません。
「設備点検を強化する」と書いてある場合は、点検計画、点検記録、故障停止時間などで確認できる状態にしておく必要があります。

ポイント

審査では、一覧表の有無よりも、根拠、具体性、実行状況、有効性確認、見直しが説明できるかが重要です。

審査で見られるリスク及び機会のポイント
確認されるポイント見られる内容準備しておきたい記録
特定の根拠なぜそのリスクや機会を選んだのか内部・外部の課題一覧、利害関係者一覧、クレーム、不適合、内部監査結果
自社固有性一般論ではなく自社の業務や品質に合っているかプロセス図、品質目標、現場記録、顧客要求事項
対応策の具体性誰がいつまでに何をするかが決まっているかリスク及び機会一覧表、実施計画、教育計画、設備点検計画
QMSへの統合既存の業務やISO活動に組み込まれているか品質目標管理表、内部監査計画、マネジメントレビュー議事録
有効性確認対応策の効果を確認しているか実績表、内部監査記録、マネジメントレビュー、是正処置記録
見直し環境変化や実績を踏まえて更新しているか年次見直し記録、会議議事録、改訂履歴

リスク及び機会でよくある不適合・指摘事項

リスク及び機会でよくある指摘は、一覧表があるにもかかわらず実態とつながっていないことです。
たとえば、内部・外部の課題と関係ないリスクが並んでいる、対応策に担当者や期限がない、品質目標や内部監査と連動していない、有効性確認の記録がない、毎年同じ内容で見直しされていないといった状態です。

また、リスクと機会を形式的に分けすぎて、機会が空欄になっているケースもあります。
機会は必ず大きな事業チャンスである必要はありません。
品質の安定、作業の標準化、教育の強化、顧客満足度向上、クレーム削減、納期遵守率の改善など、品質マネジメントシステムの改善につながるものも機会として扱えます。

指摘を防ぐには、一覧表を審査直前だけ見直すのではなく、内部監査やマネジメントレビューで定期的に確認し、実績や環境変化を反映することが重要です。

ポイント

リスク及び機会の指摘は、一覧表がないことよりも、一覧表が実態や改善活動とつながっていないことで起きやすいです。

リスク及び機会でよくある指摘事項
よくある指摘問題点見直し方
一般論だけで自社の状況と合っていない審査でなぜそのリスクを選んだのか説明できないクレーム、不適合、内部監査、品質目標未達など自社の実績とつなげる
対応策に担当者・期限がない実施責任が曖昧で、計画倒れになりやすい担当者、期限、確認方法を一覧表に入れる
有効性確認がない対応策が効果を出したか説明できない実績値、内部監査結果、マネジメントレビューで確認する
品質目標や内部監査とつながっていないISO活動がバラバラに見える重点リスクを品質目標や内部監査テーマに反映する
毎年同じ内容で見直しされていない環境変化や実績が反映されていない年次見直しだけでなく、大きな変更や不適合発生時にも更新する
機会が空欄または売上拡大だけになっている改善につながる視点が弱い標準化、教育、効率化、顧客満足向上も機会として整理する

リスクを機会に変える考え方

ISO9001のリスク及び機会で独自性を出すには、リスクを単なる悪いこととして扱わず、改善につなげる視点を持つことが大切です。
クレームは顧客満足度向上のきっかけになります。
人手不足は教育標準化や多能工化のきっかけになります。
設備老朽化は予防保全や生産性改善のきっかけになります。

この考え方ができると、リスク一覧表が単なる不安リストではなく、改善計画の入口になります。
審査でも、リスクをどのように捉え、どのような対応策を取り、どの結果を確認しているかを説明できるため、ISO9001が実務に活かされている印象になります。

ただし、すべてのリスクを無理に機会に変える必要はありません。
重要なのは、自社にとって品質や顧客満足に影響する事象を見つけ、必要な対策を取り、その中で改善につながる可能性を見逃さないことです。

ポイント

リスクは避けるだけでなく、改善や成長の機会に変えられる場合があります。
品質への影響と改善策をセットで考えましょう。

リスクを機会に変える考え方の例
リスク機会としての捉え方具体的な取り組み
クレーム増加顧客の不満を把握し、サービスや製品を改善する機会クレーム原因を分類し、再発防止策と顧客満足度確認につなげる
人手不足教育標準化、多能工化、業務効率化を進める機会作業手順書、教育計画、力量評価、引き継ぎルールを見直す
設備老朽化予防保全、生産性改善、省人化を進める機会重点設備の点検周期を見直し、設備更新や自動化を検討する
法改正や顧客要求の変化新しい要求に対応し、提案力や信頼性を高める機会要求事項レビューを強化し、新サービスや新仕様への対応を検討する
協力会社の品質ばらつき協力会社評価や施工前確認を強化する機会品質パトロール結果を協力会社評価と教育に反映する

自社だけで対応するべきか、ISOコンサルタントに相談するべきか

リスク及び機会への取り組みは、自社だけで整えることも可能です。
すでに内部・外部の課題、品質目標、クレーム、不適合、内部監査結果などの情報が整理されており、各部門責任者がリスクと対応策を説明できる場合は、自社で一覧表を作成し、内部監査やマネジメントレビューで見直すことができます。

一方で、リスク一覧表が毎年同じ内容になっている、機会の書き方が分からない、審査で根拠を説明できない、品質目標や内部監査と連動していない、審査でリスク及び機会を指摘された、といった場合は、外部のISOコンサルタントに相談した方が進めやすい場合があります。

外部支援を使う目的は、きれいな一覧表を作ることではありません。
自社の実態を踏まえ、どのリスクを優先すべきか、どの機会を活かせるか、どの記録で有効性を確認するかを整理し、ISO9001の運用に組み込むことが重要です。

ポイント

外部支援は一覧表を代わりに作るためではなく、自社で運用し続けられるリスク及び機会の仕組みを整えるために活用すると効果的です。

自社対応と外部支援の判断基準
状況自社対応で進めやすいケース外部支援を検討したいケース
一覧表の作成自社の課題や品質影響を具体的に書ける一般論だけになり、何を書けばよいか分からない
分析方法SWOTやプロセスごとの洗い出しを自社で実施できる分析方法が分からず、審査前に急いで作っている
機会の整理改善や標準化を機会として整理できる機会が空欄、または売上拡大だけになっている
QMSとの連動品質目標、内部監査、マネジメントレビューとつながっている一覧表だけ独立し、実際の運用と連動していない
審査対応根拠、対応策、有効性確認を説明できる審査でリスク及び機会の根拠や見直し不足を指摘された

まとめ|リスク及び機会は一覧表を作るだけでなく、業務改善につなげることが重要

ISO9001のリスク及び機会への取り組みは、一覧表を作って終わりではありません。
自社の内部・外部の課題、利害関係者のニーズ、品質目標、内部監査、不適合、マネジメントレビューとつなげ、品質マネジメントシステムをより確実に運用するための活動です。

リスクは、起きたら困ることだけではありません。
設備老朽化、人手不足、クレーム増加、協力会社品質のばらつき、担当者依存などは、品質への悪影響を生むリスクである一方で、標準化、教育、予防保全、顧客満足度向上、ナレッジ共有などの機会にもなります。
重要なのは、自社の状況に合わせてリスクと機会を具体的に整理し、対応策を実際の業務へ組み込むことです。

一覧表には、課題、リスク、機会、品質への影響、優先度、対応策、担当者、期限、有効性確認を整理しましょう。
悪い書き方は「人手不足」「設備故障」「クレーム増加」といった一般論だけで終わることです。
良い書き方は、どの業務に、どのような品質影響があり、どの対応策を取り、何を見て効果を確認するかまで具体化されています。

自社だけでリスク及び機会を整理するのが難しい場合は、ISO9001の運用支援に強いコンサル会社を比較しておくと安心です。
審査用の一覧表を作るだけでなく、品質目標、内部監査、マネジメントレビューと連動した実務で使える仕組みを整えましょう。

ポイント

リスク及び機会は、審査用の資料ではなく、品質リスクを減らし、改善機会を活かすための実務ツールとして使うことが重要です。

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よくある質問

ISO9001のリスク及び機会一覧表は必ず必要ですか?

ISO9001では、特定の様式の一覧表を必ず作ることまでは求められていません。
ただし、リスク及び機会をどのように特定し、どの対応策を計画し、有効性をどう確認しているかを説明できる必要があります。
実務では、一覧表にしておくと内部監査やマネジメントレビューで確認しやすく、審査でも説明しやすくなります。

SWOT分析は必ず行う必要がありますか?

SWOT分析は必須ではありません。
ISO9001では特定の分析手法は指定されていないため、自社に合う方法でリスク及び機会を整理できます。
SWOT分析は内部・外部の課題を整理しやすい方法ですが、プロセスごとの洗い出し、クレームや不適合の分析、内部監査結果の確認などを組み合わせると、より実務に合う内容になります。

機会はどのように書けばよいですか?

機会は、新規顧客獲得や売上拡大だけではありません。
品質改善、作業標準化、教育強化、業務効率化、顧客満足度向上、クレーム削減、納期遵守率向上なども機会として整理できます。
リスクの裏側にある改善の可能性を考えると書きやすくなります。

リスクの評価点数は必要ですか?

発生可能性と影響度を点数化する方法は便利ですが、必須ではありません。
重要なのは、どのリスクを優先して対応するかを合理的に判断できることです。
点数化する場合も、点数を付けること自体が目的にならないよう、対応策や有効性確認につなげましょう。

リスク及び機会は毎年見直す必要がありますか?

少なくとも定期的に見直すことが望ましいです。
事業環境、顧客要求、法令、設備、人員、不適合、クレーム、品質目標の達成状況などは変化します。
年1回のマネジメントレビューや内部監査に合わせて見直すほか、大きな変更や重大な不適合があった場合にも更新するとよいでしょう。

審査ではリスク及び機会についてどのような質問をされますか?

審査では、なぜそのリスクや機会を特定したのか、どの課題や利害関係者の要求と関係しているのか、どのような対応策を計画したのか、実際に実施されているのか、有効性をどの記録で確認しているのかを聞かれることがあります。
品質目標、内部監査、マネジメントレビューとのつながりも確認されやすいポイントです。

他社事例をそのまま自社の一覧表に使ってもよいですか?

他社事例は参考になりますが、そのまま使うのはおすすめできません。
審査では、自社の状況に合っているか、根拠があるか、実際に対応しているかが見られます。
他社事例を参考にしながら、自社の業務、品質への影響、対応策、有効性確認に置き換えて整理しましょう。

監修者コメント

200社以上のISOコンサルティング支援を実施してきた企業の監修を前提に、リスク及び機会が形骸化しやすいパターンを実務的に整理しました。
他社事例は特定企業が分からない匿名モデルケースとして扱い、リスクを機会に変える考え方、一覧表の記入例、審査で説明しやすい対応策と有効性確認を重視しています。