ISO9001の仕入先・外注先評価|評価基準と管理表の記入例

ISO9001の仕入先・外注先評価|評価基準と管理表の記入例

ISO9001の仕入先・外注先評価は、必要な品質や納期に応えてもらえる取引先を選び、取引後も実績を見直すために行います。 この記事では、評価項目の決め方、管理表の書き方、評価後の対応を、初めての担当者向けに紹介します。 まずは普段の取引記録を使って始めてみましょう。

この記事でわかること

  • 仕入先・外注先評価の基本的な進め方
  • 品質・納期・対応など、評価項目の選び方
  • 評価表・管理表の分かりやすい記入例
  • 評価後の発注と再評価の進め方

ISO9001の仕入先・外注先評価とは?まず押さえたい基本

仕入先・外注先の評価は、必要な品質や納期に応えてもらえる相手かを見て、安心して発注できるようにすることです。取引を始める前に相手の対応力を調べ、その後も納入品や仕事の結果を見ながら、取引を続けてよいか考えます。

初めて担当する方は、まず普段使っている取引先の一覧を見てみましょう。材料の仕入先や加工の外注先など、自社の製品・サービスの品質に関わる相手から始めると、取り組みやすくなります。

進め方は、①対象の取引先を選ぶ、②評価する項目を決める、③結果を表に残す、④取引後の実績を見直す、という流れです。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。業種・人数・状況は仮設定で、実際に寄せられた発言や顧客実績ではありません。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
機械組立業・24人/相談例

品質・価格・納期を、どう評価すればよいですか?

イソログ相談例

状況

毎年点数を付けていますが、前年と何が変わったのか説明しづらくなっています。

進め方

評価期間と、受入記録・納期実績などの根拠を表へ加えます。点数を付けた理由と、次の取引で変えることまで書くと、購買担当と現場で判断を共有できます。

金属加工業・32人/相談例

長年の取引先も、同じ調査票が必要ですか?

イソログ相談例

状況

実績のある会社へ、新規取引用の調査票を毎年送っています。

進め方

既存先は、最近の品質、納期、変更情報から供給能力を確かめられます。設備や担当工程が変わった部分は追加で聞き、日常の取引記録を評価に使いましょう。

ITサービス業・16人/相談例

委託サービスには、不良率が使えません

イソログ相談例

状況

保守の委託先を評価したいのですが、製造業向けの欄では実績を書きにくい状況です。

進め方

合意した対応時間、作業の完了条件、報告内容など、サービスの約束を基準にします。対応記録や完了報告を使うと、その仕事に合った評価になります。

商社・21人/相談例

顧客指定の仕入先に問題があったら?

イソログ相談例

状況

取引先を自由に変更できず、評価しても対応が決まらないと感じています。

進め方

不具合と納期の実績を残し、追加確認や連絡の方法を決めます。顧客の承認が関係する変更は、影響と選択肢を伝え、一緒に進め方を検討しましょう。

部品製造業・40人/相談例

取引量が少ない会社をどう再評価しますか?

イソログ相談例

状況

年に1回しか発注しない会社を、不良件数だけで比べてよいか迷っています。

進め方

評価対象の件数と確認した内容を併記します。実績が少ない場合は、前回の結果に加え、次の発注前に仕様や供給体制の変更を確かめる方法があります。

何を評価すればよい?品質・納期・対応力から考える

評価項目は、相手に頼む仕事で「守ってほしいこと」から決めます。加工を頼むなら図面どおりに作れるか、配送を頼むなら約束した日時や取扱方法に対応できるか、といった見方です。

仕入先・外注先の主な評価項目
項目見るポイント
品質・技術必要な仕様に対応できるか。不良や手直しが続いていないか
納期約束した日に届くか。遅れそうなときに連絡があるか
対応問い合わせや不具合に、適切に対応してもらえるか
価格求める品質を満たしたうえで、費用に納得できるか
必要な条件仕事に必要な許可や資格、顧客の指定条件を満たしているか

新しい会社は、見積もりの回答、設備や実績の説明、必要に応じた試作品などを見ます。長年の取引先なら、普段の受入記録や納期、不具合への対応が評価の材料になります。

すべての取引先へ同じ詳しい調査を行うより、品質への影響が大きい相手を丁寧に見るほうが、負担を抑えながら必要な管理を進められます。

ポイント

価格や総合点だけで決めず、必要な品質や資格など、外せない条件を先に確かめましょう。

仕入先評価表・管理表の記入例

評価表には、取引先名、頼む仕事、評価結果、その理由、今後の対応を残します。○や点数だけでなく、短い理由があると、担当者が替わっても状況が伝わります。

ここからは、24人の機械組立会社を想定した編集部の架空例です。材料を仕入れるA社、部品加工を頼むB社、配送を任せるC社を使って説明します。

新しい外注先B社を選ぶ例

B社へ金属部品の加工を依頼する前に、購買担当と品質担当が試作品、検査の方法、希望納期への回答を確かめました。加工はできそうですが、傷を防ぐ梱包方法はまだ決まっていません。そこで、その確認を終えてから初回発注へ進むことにしました。

新規の外注先評価表の記入例
項目記入例
取引先・依頼内容B社/図面に沿った金属部品の加工
確認したこと試作品の寸法と見た目、検査方法、希望する数量・納期への対応
残っている確認輸送中の傷を防ぐ梱包方法。B社から写真と説明を受けて確認する
評価結果梱包方法を確認できたら初回発注する。最初の納入品は寸法と傷を丁寧に確認する
担当・見直し購買担当が回答を受け、品質担当が確認。初回の納入結果を見て次の検査方法を決める

「何を確かめたか」と「発注までに何が残っているか」を分けると、次に行う仕事が分かります。確認できた条件は、発注書と受入担当への連絡にも反映しましょう。

材料・加工・配送を一つの管理表にまとめる例

仕入先・外注先管理表の記入例
取引先・仕事評価に使うもの日々の確認・見直し
A社/金属材料材料の仕様、必要な証明書、これまでの納入実績入荷時に品名や必要書類を確認。材料の変更や不具合があれば見直す
B社/部品加工試作品、検査方法、納期と梱包方法の回答初回は寸法と傷を丁寧に確認。納入実績がそろったら確認方法を見直す
C社/顧客への配送配送範囲、取扱条件、連絡方法配達完了、破損・遅延の有無を確認。問題が続いたら対策を相談する

すでにある購買先一覧へ、依頼内容、評価結果、次の対応を加える方法でも始められます。詳しい受入記録や相手の回答は、保管先が分かるようにしておきましょう。

他社の例では、カネソウ株式会社の公開品質マニュアルに、新規先の調査や既存先の取引実績を使った評価が示されています。自社でも、今ある取引記録を生かせるか考えてみましょう。

評価した後は、発注と日々の取引に生かす

取引先を決めたら、仕様、数量、納期、必要な書類を相手へ伝えます。届いた品物は、その条件に合っているかを見て受け入れます。評価表と別の仕事として考えるより、普段の購買業務の中で進めると続けやすくなります。

購買担当と品質担当が図面と受入記録を見ながら金属部品の確認内容を相談する場面
発注時の条件と、受入担当が確認する内容をそろえます。

不具合や納期の遅れがあったときは、内容を残して相手へ改善を依頼します。その後の納入品でよくなったかを見て、取引の続け方や受入検査の方法を考えましょう。問題が続く場合は、社内の責任者と、追加の検査や発注先の変更を相談します。

定期の再評価は、取引量や品質への影響を見て時期を決めます。年1回などの定期確認に加えて、大きな不具合、設備や製品の変更があったときにも見直すと、実態に合った管理になります。

ポイント

最初に、よく取引する会社を一社選び、最近の品質・納期・対応を書いてみましょう。「次の取引で何を変えるか」まで決めると、評価が日常業務に役立ちます。

B社の取引実績から、次の対応を決める例

先ほどの架空例で、取引開始後にB社の部品に傷が見つかり、納期の遅れもあったとします。品質担当は傷のある品物を分け、購買担当はB社へ梱包と連絡方法の改善を依頼します。評価表には「取引を継続し、次の納入品で傷と納期を確認する」と、担当者と確認時期を残します。

対策後の納入品で改善を確かめたら、結果を追記して検査方法を見直します。点数の更新だけで終わらず、困っていることと次の発注で変えることをつなげるのが、再評価の使い方です。

仕入先・外注先評価のよくある質問

すべての取引先を同じ方法で評価しますか?

購入・委託する内容と品質への影響に合わせて、対象や確認方法を決めます。重要な加工先と一般的な消耗品の購入先では、必要な確認の深さが変わります。

長年の取引先にも調査票が必要ですか?

普段の品質や納期など、これまでの取引実績を使って評価する方法があります。新しく頼む仕事や設備変更など、実績だけで分からない部分を追加で聞くとよいでしょう。

ISO認証を持つ会社なら、そのまま発注できますか?

認証は判断材料の一つです。自社が頼みたい仕様や数量、納期に対応できるかも確かめて選びます。

評価は毎年行うものですか?

再評価の時期は、取引の重要度や実績などから決めます。定期確認のほか、不具合が続くときや取引条件が大きく変わったときにも見直しましょう。

顧客指定の取引先に問題がある場合はどうしますか?

問題の内容と自社への影響をまとめ、取引先と顧客へ相談します。変更が難しい場合も、受入検査や連絡方法を見直すなど、できる対策を決めます。

ISO9001認証のない会社も選べますか?

顧客や契約で認証取得が条件かを先に確認します。その指定がなければ、試作品、設備や検査方法、納入実績などを使い、依頼する仕事に対応できるかを評価します。

仕入先評価を含めたISO9001の運用を相談する

仕入先評価は、書類を増やすための仕事ではありません。いつもの取引で困っていることを整理し、品質や納期を安定させるために使うものです。

ISOトラストでは、ISO9001の新規取得から取得後の運用まで支援しています。評価項目の選び方や、今ある記録を生かす方法に迷った方は、普段の購買業務と一緒に相談してみてください。

ISOトラストの公式サイトとISO取得・運用支援の案内
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