建設業のISO9001内部監査|初めての担当者向けに本社・現場の確認例を紹介

建設業のISO9001内部監査|初めての担当者向けに本社・現場の確認例を紹介

本社では新しい図面を送ったつもりでも、現場では古い図面を使っているかもしれません。建設業のISO9001内部監査では、書類があるかだけでなく、連絡した内容が現場の仕事に反映されているかを確かめます。 同じ工事について、本社には「何を伝えたか」、現場には「何を受け取り、使ったか」を聞くと、確認する流れが分かりやすくなります。 この記事では、初めての担当者向けに、監査の準備、本社・現場への質問例、図面や検査記録の見方、報告後の確認を紹介します。

この記事でわかること

  • 監査計画と工事の予定を確認する
  • 本社と現場で、同じ工事の資料を見る
  • 図面・検査・引渡しについて具体的に聞く
  • 確認結果と、報告後の対応を残す

内部監査では、本社から現場への伝達も確かめる

建設業の内部監査では、本社で受けた依頼や変更が現場へ伝わり、作業や検査に反映されているかを確かめます。本社に連絡の記録があっても、現場で古い図面を使っていれば、伝達の途中に問題があると分かります。

ISO9001は、お客様との約束に沿った品質の仕事を安定して続けるための国際規格です。内部監査は、会社やISO9001で決めたことが実際に行われ、役立っているかを社内で確かめる活動です。

初めての担当者も、一つの工事について、連絡を出す側と受け取る側の話を聞くと、仕事の流れをつかめます。この記事では、そのための準備・質問・記録の例を紹介します。全体の手順は、ISO9001内部監査の基本の進め方でも説明しています。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
本社と現場の質問

本社と現場に、同じ質問をすればよい?

建築工事業/23人

イソログ相談例

状況

前年の質問表はありますが、事務所の担当者と現場責任者で、どう質問を変えるか迷っています。

進め方

同じ工事について、本社には「何をどう渡したか」、現場には「何を受け取り、使ったか」を聞きます。両方の資料を見比べると、伝達の行き違いを確かめられます。

監査の日程

現場が忙しく、監査する日を決められない

土木工事業/31人

イソログ相談例

状況

候補日は現場責任者が不在で、検査記録を見せてもらう時間も取れません。

進め方

工事の予定と応対できる人を先に確かめ、監査責任者と日程を調整します。見たい作業と資料を現場へ伝えれば、必要な時間も相談できます。

古い図面

古い図面があるだけで、問題と判断してよい?

内装工事業/16人

イソログ相談例

状況

現場事務所で以前の図面を見つけましたが、今の作業に使っているかは分かりません。

進め方

実際の作業用図面を見せてもらい、古い図面は何のために残しているかを聞きます。本社の変更連絡と照らし、用途と使っているものを確かめてから記録します。

検査記録の場所

検査済みと聞いたのに、記録が見つからない

設備工事業/19人

イソログ相談例

状況

現場は確認済みとの説明ですが、記録が本社と現場のどちらにあるか分かりません。

進め方

工事名と検査日を確かめ、記録を保管する担当者にも尋ねます。見つけた資料と、まだ確認できていない内容を分けて残すと、追加確認を引き継げます。

報告後の確認

図面の差替えを頼んだ後は、何を見ればよい?

改修工事業/12人

イソログ相談例

状況

前回の監査で差替えを頼みましたが、その後に現場で使っている図面は見ていませんでした。

進め方

対応する人と期限を決め、差替え後の作業用図面を見せてもらいます。次の変更でも新しい図面を使えているかを確認する予定まで決めると、同じ行き違いの防止につながります。

監査前に、工事の予定と前回の結果を読む

準備に使うのは、会社の監査計画、対象工事の予定、前回の監査結果です。対象の部署・現場・仕事と担当者を確かめ、最近の手直しやお客様からの連絡も読むと、今回聞きたいことを選べます。質問は、会社の手順や工事の約束に沿って作ります。

図面変更がうまく伝わらなかった工事なら、本社の変更連絡と現場の図面を見る予定を組みます。検査中の作業を見たい場合は、その作業が行われる日と、説明できる人の予定を合わせます。

現場には、見たい作業と資料、応対を頼む人、所要時間を先に伝えます。入り方と立入りできる場所も現場責任者に聞き、当日は案内に従います。日程が合わないときは、監査責任者と計画を調整します。

奥村組の公表情報では、本社関係部門や支社を対象とする監査と、工事所を対象とする監査を紹介しています。本社の仕事と現場の仕事の両方を見る例として参考になります。

本社で聞くこと:工事内容や変更をどう伝えたか

本社では、お客様と決めた内容と、現場へ渡した資料を見せてもらいます。「最近、内容が変わった工事を一つ教えてください」と聞くと、抽象的な説明ではなく、実際の連絡をたどれます。

本社での質問例
場面質問例見る資料の例
工事の依頼今回、お客様と決めた内容を現場へどう渡しましたか依頼内容の書類、現場への引継ぎメモ
図面や工事内容の変更変わった内容を、誰にいつ伝えましたか変更連絡、現場へ渡した図面
協力会社への依頼頼む作業と確認してほしいことを、どう伝えましたか依頼内容、打合せや連絡の記録

誰へ何を渡したかが分かったら、現場でも同じ工事について聞きます。資料名や連絡日をメモしておくと、受け取った資料と比べやすくなります。

現場で見るもの:作業用の図面、検査、引渡しの記録

現場では、実際に使う図面や指示を見せてもらい、本社の説明と照らし合わせます。図面が複数ある場合は、どれを作業に使うか、ほかは何のために置いているかを尋ねます。古い図面があるという見た目だけでは、作業への影響は判断できません。

現場での質問例
場面質問例見るものの例
作業前今日使う図面や指示はどれですか。変更点はどう知りましたか作業用の図面、受け取った変更連絡
施工中の検査最近終えた作業では、誰が何を確認しましたか会社で決めた確認方法、その工事の検査記録
引渡しの準備引渡し前に、確認や手直しが残っている箇所はありますか引渡し前の確認記録、残作業のメモ

「検査は済んでいます」と聞いたら、その工事の記録を一緒に開きます。どこまで確認したかが分かり、手直しが残る場合は、担当者と予定も聞けます。

監査メモには、見た事実と未確認の点を分けて書く

監査メモには、工事名、話を聞いた人、見た資料や現場、分かったことを残します。「問題なし」だけより、資料名や日付と結果を添えると、後から同じ内容を確かめられます。

次は、改修工事の図面変更を確認した架空の記入例です。工事名・人名・日付・社内の決まりは説明用で、実際の支援事例ではありません。

本社と現場を確認した監査メモの例
残すこと記入例
確認日と対象10月8日/A事務所の改修工事/図面変更の連絡と使い方
確認した決まり図面変更時は現場責任者へ連絡し、作業用を差し替える社内ルール
本社で見た内容田中へ質問。10月5日の変更連絡と、新しい図面を確認した
現場で見た内容佐藤へ質問。作業用は新しい図面だった。以前の図面は保管用として別に置かれていた
分かったこと今回見た工事では、本社の変更連絡と現場の作業用図面が一致していた
追加の確認協力会社へ変更を伝えた記録は未確認。佐藤が10月9日までに保管先を確かめ、監査担当へ知らせる

この例では、古い図面の用途を聞き、今の作業用は新しいものだと確かめています。一方、協力会社への伝達はまだ確認できていません。分かった部分と未確認の部分を分ければ、報告内容と追加作業が明確になります。後日確認できた結果も追記します。

報告後は、対応した仕事をもう一度見る

報告をまとめる前に、本社と現場の担当者へ事実関係を確かめます。守るべきルールと実際の仕事が違っていた場合は、その内容を会社の監査手順に沿って報告します。判断に必要な資料が足りなければ、監査責任者と追加確認を決めます。

問題が見つかった部署は、原因と必要な対応を検討します。監査担当者は、対応する人・期限・後日の確認予定を押さえます。図面の差替えなら、交換したことに加え、次の変更時にも新しい図面が現場へ届き、使われているかを見ると、改善が続いているか分かります。

まとめ方は、内部監査報告書の書き方と記入例も参考になります。未確認の内容は、次に誰がいつ確かめるかも残します。

ポイント

本社の「送りました」と、現場の「受け取り、使っています」を、同じ工事で照らし合わせると、伝達が機能しているか分かります。説明だけでなく、送った資料と実際の作業用を一緒に見ることが手掛かりになります。

建設業の内部監査のよくある質問

建設業の内部監査は、年に何回行う?

回数は、会社の監査計画と工事で必要な条件によって異なります。前回の問題や工事の進み具合を考えて予定を組みます。例えば、工事が終わると見られなくなる作業は、作業中に確認できる日を先に調整します。

毎回、すべての現場へ行く必要がある?

毎回すべての現場へ行くかは、会社の監査計画によります。今回見る仕事と現場を決める際は、進行中の工事、前回の問題、変更した作業を整理し、必要な確認ができる対象を監査責任者と選びます。

書類を送ってもらうだけで監査を終えられる?

書類だけでは分からない仕事もあるため、それだけで終えられるとは限りません。変更連絡が残っていても、作業者が使う図面は別に確かめる必要があります。質問や現場確認を組み合わせ、訪問できない場合の方法は監査責任者と決めます。

初めての担当者だけで進めてよい?

初回は、経験者と一緒に準備・実施する形が取り組みやすくなります。監査担当者は会社の基準に沿って選び、自分の仕事を自分だけで評価する組合せを避けます。任せる範囲と相談先を監査責任者と決めてから進めます。

まとめ:本社の連絡と、現場の仕事を照らし合わせる

建設業の内部監査では、同じ工事について本社と現場の話を聞き、図面や検査記録を見比べると、仕事の流れを確かめられます。見た事実と未確認の点を分けて残し、問題への対応後も実際の仕事を見直すと、報告を改善につなげられます。

準備する資料や確認方法、社内の分担で迷う場合は、ISOトラストの取得・運用支援に相談できます。工事の内容、担当できる人、現在の資料、困っている場面を伝え、本社と現場の仕事に合う進め方を考えられます。

ISOトラストの取得・運用支援の案内
ISOトラストの取得・運用支援を確認する

ISOコンサル会社選びで迷ったら、まずは比較してみましょう。

目的や規格に合う会社を整理し、取得までの進め方を確認できます。

おすすめ会社を見る