ISMSの書類廃棄|初めての担当者向けに確認と進め方を紹介

ISMSの書類廃棄|初めての担当者向けに確認と進め方を紹介

書類を片付けるときは、「もう使わない」と「捨ててよい」を分けて考える必要があります。古い資料でも保存や返却が必要な場合があり、不要な紙にも顧客情報や社外秘が残っています。 廃棄できる書類を確認し、情報に合った方法で処理することが、ISMSの書類廃棄の基本です。 この記事では、廃棄前の確認、回収までの保管、引渡しと処理完了の記録、社員への伝え方を具体例で紹介します。

この記事でわかること

  • 廃棄してよい書類と、会社の処理方法を確かめる
  • 回収待ちの書類は、指定の場所で保管する
  • 引渡しと処理完了を分け、確認できたことを残す
  • 社員へ出す場所と迷ったときの相談先を伝える

書類廃棄で守りたい二つのこと

書類廃棄で大切なのは、必要な書類を誤って捨てないことと、不要になった書類から情報を漏らさないことです。使わなくなった紙でも、お客様の名前や見積金額、社内の企画などが残っています。

ISMSは、会社の情報を守る取組を続けるための仕組みです。書類を捨てる場面でも、廃棄できるかを確認し、載っている情報に合った方法で処理する流れを整えます。

たとえば棚に残った昔の会議資料でも、保存が必要な物やお客様へ返す物が混ざっているかもしれません。管理する人に対象を確かめてもらい、廃棄してよい書類から、会社指定の処理へ回します。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
捨ててよいか

前任者が残した古い書類は、まとめて捨てていい?

卸売業/23人

イソログ相談例

状況

棚の整理を頼まれましたが、どれを残すべきか分かりません。

進め方

古さだけでは判断できないため、書類を管理する人に保存の決まりと対象を見てもらいます。廃棄してよいと確認できた物を分け、判断が済んでいない物は指定の場所へ保管します。

印刷ミス

印刷に失敗した紙も、普通のごみ箱ではだめ?

広告制作業/12人

イソログ相談例

状況

書き損じの紙に、お客様の名前や未公開の企画が載っていることがあります。

進め方

顧客情報や社外秘が載っていれば、印刷ミスでも普通のごみ箱には入れません。会社で認めたシュレッダーや機密書類の回収など、決められた方法で処理します。処理場所が分からないときは総務へ確認します。

回収箱が満杯

回収箱に入らない書類を、横に置いてしまった

事務サービス業/18人

イソログ相談例

状況

次の回収まで日があり、書類を入れる場所がなくなりました。

進め方

箱の横に置いたままにせず、管理担当者へ連絡して指定の別の保管先へ移します。回収の予定も相談し、箱がいっぱいになったときの連絡先をほかの社員にも知らせます。

処理の完了

総務に渡したら「廃棄済み」と書いていい?

設計事務所/14人

イソログ相談例

状況

書類を回収へ出しましたが、その後の処理が終わったかは聞いていません。

進め方

この時点では「総務へ引渡し済み」と記録します。処理の完了とは別なので、誰が結果を確認するかを総務に聞き、確認できてから完了日や結果を追記します。

新入社員への説明

口頭で説明したのに、書類の出し先が伝わらない

研修サービス業/27人

イソログ相談例

状況

新しい社員が回収場所と、廃棄してよいかの確認先を見つけられずにいます。

進め方

社内の案内を見せながら、実際の置き場所へ一緒に行きます。判断に迷う書類や箱に入らない書類の相談先も伝え、本人に対応を説明してもらうと、伝わったか確認できます。

廃棄前に確認する書類・方法・担当者

廃棄できるかを判断するのは、その書類の保存ルールや用途が分かる管理担当者です。書類を見せて、保存を続ける物、返却する物、廃棄する物を分けます。管理する人が分からない場合は、上司へ引き継ぎます。

廃棄する物が決まったら、総務や情報管理の担当者に、処理方法と回収までの置き場所を確認します。次の四つが分かると、途中で迷わず進めやすくなります。

廃棄前の確認項目
確認すること聞く相手の例質問の例
廃棄してよい範囲書類の管理担当者・上司この資料は保存や返却が必要ですか?廃棄へ回せますか?
処理方法総務・情報管理担当者この書類はシュレッダーで処理しますか?回収に出しますか?
回収までの保管回収箱や保管庫の管理担当者回収まではどこに置きますか?箱がいっぱいなら誰へ連絡しますか?
完了の確認と記録処理を担当する人処理が終わったことは誰が確認し、どこへ記録しますか?

判断が済んでいない書類は、廃棄する物と分けて指定の保管場所へ戻します。「古い」「コピーだから」という理由だけでは、残す必要があるかを判断できません。

顧客情報や社外秘が載った紙の処理方法

顧客情報や社外秘が載った紙は、そのまま普通のごみ箱へ入れず、会社が指定した方法で処理します。社内のシュレッダーを使う方法や、機密書類として回収し、業者へ処理を頼む方法があります。

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の自社診断でも、重要な情報を含む書類をそのまま捨てることによる漏えいに注意を促しています。紙が不要になっても、中の情報を守る必要は残ります。

印刷ミスや書き損じも同じです。たとえば宛名一覧を印刷し直した場合、失敗した方にも名前や住所が残っています。裏が白くても裏紙用の箱へ回さず、顧客情報を含む書類として処理します。

シュレッダーを使う場合は、会社がその書類の処理に認めた機器と操作方法を確認します。回収に出す場合は、対象の書類と箱への入れ方を確かめ、指定の窓口へ渡します。

回収待ちの書類も安全に保管する

廃棄を決めた書類も、処理が終わるまでは情報を読める状態です。机の脇や廊下に置かず、会社指定の回収箱や保管庫で管理します。施錠する運用なら、入れた後に鍵をかけます。

回収箱がいっぱいになったときや、大きな書類が入らないときは、箱を管理する人へ連絡します。指定の別の保管場所へ移す、回収を早めてもらうなどの対応を相談します。箱の横や上に置くと、内容が見えたり持ち出されたりするおそれがあります。

保存を続ける書類と廃棄待ちの書類は、置き場所も分けて案内します。仕事中の書類の片付け方は、ISMSのクリアデスク・クリアスクリーンで紹介しています。

引渡しと処理完了の記録例

回収担当者へ渡した段階と、実際の処理が終わった段階は別です。引渡し時には書類と量を伝え、誰が受け取ったかを残します。その後、処理の担当者に結果を確認して、完了したことを記録します。

次は、廃棄できると確認した会議資料を総務へ渡す架空例です。人名・日付・量・場所・結果は説明用の仮設定で、実際の顧客実績ではありません。

書類廃棄の記入例
残すこと記入例
対象と事前確認11月5日、営業部の田中が会議配布用の紙資料1箱分を確認。管理する上司から廃棄してよいと回答を受けた
保管と引渡し会社指定の保管庫で回収を待ち、11月6日に総務の佐藤へ1箱を引き渡した
残っている確認処理完了は未確認。田中が11月9日に佐藤へ確認する予定
完了の確認11月9日、佐藤から、会社指定の処理が終わり、総務の所定記録へ記載したと回答を受けた

処理がまだ終わっていなければ、対応中と記し、次に誰がいつ確認するかを決めます。外部業者に処理を頼んでいる場合は、その窓口担当者に結果の確認方法と記録の保存先を聞きます。

記録は、会社ですでに使っている台帳や連絡方法にそろえます。確認できた事実と、まだ残っている対応が分かれば、次の担当者も続きを追いやすくなります。

社員への案内と、誤って捨てたときの対応

社員への説明では、廃棄してよいかを誰に聞くか、どこへ出すか、箱に入らないときにどうするかを伝えます。回収箱や保管庫を一緒に見に行くと、場所の取り違えを防げます。

説明後に「捨ててよいか迷う書類があったら、誰へ聞きますか」と尋ねると、相談先が伝わったか確かめられます。新しい社員にも同じ案内が届くよう、上司と説明の機会を決めます。教え方は、ISMSの情報セキュリティ教育も参考になります。

ポイント

迷った書類を保管する場所と、質問する相手まで案内しておくと、社員が自己判断で捨てずに相談できます。回収箱の場所だけでなく、困ったときの対応も伝えます。

必要な書類を出してしまった、顧客情報が載った紙を普通のごみ箱に入れたかもしれないと気付いたら、すぐに社内の窓口へ知らせます。書類の内容、気付いた時刻、最後に見た場所などを伝え、回収状況の確認を担当者と進めます。

書類廃棄のよくある質問

古い書類やコピーは、自分の判断で捨てていい?

古い、コピーであるという理由だけでは捨てられません。保存や返却が必要な場合もあるため、管理担当者に廃棄してよいかを確かめます。判断が済むまでは、廃棄する物と分けて指定の場所に保管します。

印刷ミスの紙も、機密書類として扱うの?

顧客情報や社外秘が載っていれば、印刷ミスでも同じように扱います。普通のごみ箱や裏紙用の箱へ入れず、会社指定のシュレッダーや機密書類の回収などで処理します。

回収箱へ入れたら、廃棄は完了?

いいえ。回収箱に入れた時点では、まだ処理待ちです。記録には投入日や引渡し日を残し、処理が終わったことは担当者が確認してから記載します。誰が結果を確かめるかも決めておきます。

廃棄のたびに、新しい台帳を作る必要がある?

毎回新しい台帳を作る必要はありません。会社で使っている記録に、対象の書類、引渡し日、処理結果など、決められた内容を追記する形で運用できます。記録がない場合は、総務などの担当者と残す内容と保存先を決めます。

まとめ:処理が終わるまで情報を守る

書類の廃棄は、捨ててよいかの確認から、回収までの保管、引渡し、処理結果の確認までが一つの流れです。社員が迷いやすい場面と相談先を案内しておくと、誤廃棄や情報の漏えいを防ぐ行動につながります。

社内ルールと実際の扱いが合わない、社員への説明や記録を一人で抱えている場合は、ISOトラストのISMS取得・運用支援に相談できます。今の書類の扱いと困っている場面をもとに、続けやすい運用を考えられます。

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