ISO14001のオフィス節水|初めての担当者向けに確認と進め方を紹介
オフィスの節水は、給湯室の流しっぱなしを減らす、水漏れを早めに直すといった身近な取組から始められます。手洗いや清掃に必要な水は確保し、使っていない水の無駄を減らすことが基本です。 ISO14001の活動として進める場合は、社員に何をしてほしいかを具体的に伝え、実施したことと結果を残していきます。 この記事では、水の使い方の確認、社員への案内、水漏れへの対応、記録の書き方を紹介します。
この記事でわかること
- 水を使う場所と管理する人、確認できる明細を調べる
- 必要な水を確保し、不要な流しっぱなしを見直す
- 水漏れの場所と状態を伝え、対応後も確かめる
- 社員への説明と実施の様子を記録し、困った点を直す
オフィスでできる節水とは
オフィスの節水は、使っていない水を流し続けないことと、水漏れを放置しないことが基本です。給湯室の食器洗いや洗面所など、普段の使い方を少し見直すところから取り組めます。
手洗いやすすぎ、清掃に必要な水は、これまでどおり使います。衛生を保ちながら、使っていない間の流水や設備の不具合による無駄を減らす考え方です。
ISO14001は、会社が環境への負担を減らす取組を進め、改善していくための国際規格です。節水を自社の活動に取り入れるなら、社員が行うことを決め、実施した様子や困り事を振り返る流れを作ると続けやすくなります。
イソログに寄せられたリアルな声
以下は編集部が作成した相談例です。
VOICES
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
オフィスのどこを見れば、節水できる?
卸売業/18人
イソログ相談例
節水の案内を任されましたが、水を使う場所も、自社で管理している範囲もまだ分かりません。
給湯室や洗面所を総務担当者と見て回り、誰が使い、誰が管理しているかを確かめます。共用部分は建物の管理者へ相談します。自社で変えられる使い方を一つ選ぶと、取りかかりやすくなります。
家賃に水道代が含まれ、使用量が分からない
ITサービス業/24人
イソログ相談例
自社だけの水の使用量を調べたいのですが、該当する明細が見つかりません。
総務へ請求方法を聞き、管理会社から使用量の資料をもらえるか確認します。自社分が分からなくても節水は始められます。給湯室で伝えた行動や、水漏れの修理など、実際に行ったことを記録します。
蛇口を閉めたのに、水滴が落ち続けている
設計事務所/12人
イソログ相談例
給湯室で水漏れに気付きましたが、連絡先が決まっていません。
総務へ場所と気付いた日時、水滴が落ち続けていることを伝えます。総務から管理会社などへ対応を依頼してもらい、修理後は同じ蛇口で水が止まるようになったか確認します。
「節水しましょう」と掲示しても、何も変わらない
事務受託業/16人
イソログ相談例
社員から「具体的に何をすればいいの?」と聞かれました。
給湯室での食器洗いなど、実際の使い方を見て案内を考えます。「洗剤で洗っている間は使わない水を止める」のように、場面と行動を示すと伝わりやすくなります。すすぎには必要な水を使うことも添えます。
使用量が減ったのは、節水のおかげ?
商社/31人
イソログ相談例
節水を呼びかけた後に水の使用量が減りました。ただ、同じ時期に在宅勤務も増えています。
明細の対象期間と場所に加え、出勤した人数や日数も見ます。在宅勤務が増えれば水を使う人も減るため、減少分をすべて節水の効果とは言い切れません。使用量の変化と、職場で続いていた取組をそれぞれ記録します。
水を使う場所と使用量を調べる
水を使う場所は、給湯室、洗面所、トイレ、清掃用の水栓などです。総務担当者と見て回ると、自社で管理する設備と、ビルの管理会社が管理する設備を整理できます。すでに節水の案内がある場合は、その内容も確認します。
利用者には、普段どのように水を使っているか、閉めにくい蛇口はないかを聞きます。使い方の案内で変えられることもあれば、修理を頼んだ方がよいこともあります。
水の使用量は、経理や総務が持っている水道の明細で確認できます。「m³」は使った水の量を表す単位です。料金と一緒に、いつからいつまでの、どの場所の使用量なのかを見ておきます。
家賃に水道代が含まれていたり、ビル全体の合計しか分からなかったりする職場もあります。その場合は、管理会社に自社分を確認できるか問い合わせます。分からなければ「自社分の使用量は不明」と記録し、社員への案内や水漏れへの対応など、実際に確認できる活動から始められます。
給湯室・洗面所でできること
給湯室では、食器を洗剤で洗っている間など、水を使っていない時間に蛇口を閉める方法があります。すすぐときには必要な水を使うため、洗い方を大きく変えずに取り組めます。
次の表は、職場で見直せる行動の例です。利用者や清掃担当者と普段の作業を見ながら、取り入れられる方法を選びます。
| 場所・場面 | できること | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 給湯室の食器洗い | 洗剤で洗う間など、使わない水を止める | 職場の洗浄・すすぎの手順を守れるか |
| 洗面所の使用後 | 蛇口の水が止まったかを見る | 自動水栓など、その設備の普段の動き |
| 清掃 | 不要な流しっぱなしがあれば見直す | 必要な洗浄やすすぎを省かずにできるか |
| トイレや蛇口の水漏れ | 止まらない場所と状態を担当者へ知らせる | 管理窓口と、急ぐ場合の連絡方法 |
東京都水道局の家庭向け節水案内でも、台所で水を流しっぱなしにしない方法を紹介しています。職場で取り入れる際は、その設備の使い方と衛生上の決まりに合わせます。
蛇口への節水部品の取付けや、トイレの水量設定の変更は、設備の管理者へ相談する内容です。社員への案内では、日常の使い方でできることを伝えます。
水漏れを見つけたときの連絡と確認
蛇口を閉めても水滴が落ちる、使っていないトイレで水が流れ続けるといった場合は、総務などの管理窓口へ連絡します。場所、気付いた日時、水の出方が分かれば、担当者が状況を確認しやすくなります。
たとえば「11月6日9時、3階給湯室の右側の蛇口で、閉めた後も水滴が落ち続けています。総務の佐藤さんに連絡済みです」と残せます。日付・場所・人名は説明用の架空例です。
修理は設備を管理する担当者や管理会社へ任せ、連絡後は対応の予定を聞いておきます。強く締め続けたり分解したりする前に、設備に合った対応を頼む方が確実です。
修理が終わったら、同じ場所で水が止まるようになったかを確かめます。連絡した日だけでなく、対応後の結果まで残すと、直ったのか、まだ対応中なのかが分かります。
社員に伝わる節水の案内
「節水しましょう」だけでは、何を変えればよいか分かりません。「給湯室で洗剤を付けて洗っている間は、使わない水を止める。すすぎには必要な水を使う」と、場面と行動を短く書くと伝わりやすくなります。
掲示する場所は、使う人の目に入りやすい所を選びます。その場で説明する機会も設け、蛇口が閉めにくい、掲示に気付かなかったなどの声を聞けば、案内や設備の改善につながります。水漏れを見つけたときの連絡先も一緒に載せておきます。
新しく入った人や勤務時間が違う人にも伝わるよう、職場の責任者と説明の機会を決めます。教え方や記録の残し方は、ISO14001の社員教育でも紹介しています。
共用部分への掲示は、総務を通じて建物の管理者へ相談します。清掃を別の会社に委託している場合も、社内の窓口から今の作業方法を確認し、変更できることを話し合います。
活動と使用量の記録例
活動の記録には、いつ、何を行い、その後どうなったかを短く残します。既存の環境活動の記録や会議メモを使えば、節水のためだけに新しい書類を増やさずに済みます。
水道の明細があれば、同じ場所で同じ長さの期間を比べて、使用量の変化も見ます。人数や出勤日数が変わった場合は、その事情も添えます。社員が減ったことで使用量が下がる場合もあるため、数字と実際の行動を併せて振り返ります。
次は、給湯室での案内と水漏れへの対応を残した架空の記録例です。日付・人名・使用量・状況は仮設定で、実際の活動や削減実績ではありません。
| 残すこと | 記入例 |
|---|---|
| 行ったこと | 11月1日、給湯室で使わない水を止める方法と、水漏れの連絡先を社員へ説明 |
| 水漏れへの対応 | 11月6日、蛇口の水滴を総務の佐藤へ連絡。11月9日、対応後に水滴が止まったことを確認 |
| 使用量と職場の変化 | 本社事務所の明細は前の2か月が28m³、今回の2か月が25m³。対象期間を確認。今回は在宅勤務が増えていた |
| 次に行うこと | 案内を見ていない人へ、佐藤が11月12日に説明する予定。13日に実施状況を確認し、説明した日と結果を追記する |
この例で確認できたのは、水漏れが直ったことと、使用量が減ったことです。在宅勤務の増加もあるため、3m³の減少をすべて節水の効果とは扱いません。まだ実施していない予定は予定として残し、終わったら結果を追記します。
行動が続かないときは、利用者に困っていることを聞いてみると理由が見えてきます。案内が見えないのか、蛇口が使いにくいのかによって、必要な対応が変わります。
使う場所が変わったときや、活動で困り事が出たときは、環境活動の担当者へ共有します。節水以外の活動も見直したい場合は、ISO14001の業種別の取組例も参考になります。
水道の明細を電気や紙の資料と一緒にまとめる場合は、環境活動の記録を月ごとにまとめる方法と記入例も参考になります。2か月分の資料の期間を残す方法や、未確認の数字をゼロと区別して共有する書き方を紹介しています。
オフィス節水のよくある質問
水の使用量が分からなくても、節水は始められる?
はい。給湯室の不要な流水を減らす、水漏れに対応するといった取組は始められます。使用量の資料は総務や管理会社に確認し、自社分が分からない場合はそのまま記録します。社員に伝えた内容や修理の結果など、確かめられた活動を残します。
手洗いや清掃に必要な水も減らすの?
いいえ。衛生を保つために必要な水は使います。見直すのは、使っていない間の流しっぱなしなどです。職場の手洗い・洗浄・清掃の手順を守りながら、不要な流水を減らします。
節水用の部品を、自分で取り付けてもいい?
取り付ける前に、設備の管理者の了承を得ます。蛇口に合うか、正常に使えるかの確認が必要なためです。トイレの水量設定も同様に、総務や管理会社へ相談してから変更します。
水道料金が下がれば、節水できたと言える?
料金が下がっただけでは判断できません。明細にある水の使用量を、同じ場所・同じ長さの期間で比べます。使用量が減っていても、在宅勤務や人数の変化が影響する場合があるため、職場の状況と併せて見ます。
まとめ:身近な水の無駄を減らす
オフィスの節水は、給湯室などの使い方と水漏れを見直すところから取り組めます。社員には具体的な行動と連絡先を伝え、実施したことや対応の結果を記録します。使用量が分かる場合は、人数や出勤日数の変化も含めて振り返ります。
環境活動を日々の仕事にどう取り入れるか迷う、案内や記録を担当者だけで抱えている場合は、ISOトラストのISO14001取得・運用支援に相談できます。今の活動や職場の困り事をもとに、続けやすい方法を考えられます。
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