ISO14001の社員教育|初めての担当者向けに準備と伝え方を紹介

ISO14001の社員教育|初めての担当者向けに準備と伝え方を紹介

「環境に配慮しましょう」と伝えても、社員には具体的に何をすればよいか分からないことがあります。ISO14001の社員教育では、ごみの分け方や紙の使い方など、日々の仕事と結び付けて説明すると伝わりやすくなります。 大切なのは、職場で使う案内を見せ、説明を受けた人が実際に使えるかを確かめることです。質問や残った対応も記録すれば、次の説明に生かせます。 この記事では、初めて社員教育を担当する方向けに、内容の選び方、資料の準備、伝え方、教育記録の例を紹介します。

この記事でわかること

  • 今の環境活動と、社員へ伝える行動を確かめる
  • 説明する相手と勤務時間に合わせて準備する
  • 本人が案内と相談先を示せるかを見る
  • 残った質問と次の対応を短く記録する

社員教育では、日々の仕事で行うことを伝える

ISO14001の社員教育では、会社の環境活動と、社員が自分の仕事で行うことを結び付けて説明します。方針を読んでもらうだけでは、ごみの分別や印刷の場面で、どうすればよいか分からないことがあるためです。

ISO14001は、仕事が環境に与える影響を考え、負担を減らす取組を続けて改善するための国際規格です。社員には、会社が何のために活動し、自分の行動がどう役立つのかを、身近な例で伝えます。

例えば、紙の使用を減らす活動なら、「印刷前に提出方法と必要な部数を確認する」と説明できます。必要な印刷まで一律にやめるのではなく、仕事で使う紙の無駄を減らすための、自社の方法を紹介します。担当者は、説明後に伝わったかを確かめ、質問や対応も記録に残します。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
教える内容

前任者の資料はあるけれど、今も同じ説明でよい?

卸売業/22人

イソログ相談例

状況

社員教育を引き継ぎました。過去の資料が、現在の職場に合っているか分かりません。

進め方

環境活動の担当者と、今取り組んでいることを照らし合わせます。社員が行う作業、掲示や資料の場所、連絡先が変わっていれば、説明に使う前に更新します。

案内の場所

配った資料がどこにあるか、忘れられている

事務サービス業/16人

イソログ相談例

状況

新しく入った人から、ごみの分け方の案内はどこかと聞かれました。

進め方

実際の掲示と資料の保存場所を一緒に見ます。その後で本人にも案内を開いてもらい、分からないときの質問先を伝えると、仕事中にも探しやすくなります。

勤務時間の違い

朝の説明が、午後から働く人には伝わっていなかった

小売業/35人

イソログ相談例

状況

朝の集まりで話しましたが、その時間にいなかった人への説明が抜けていました。

進め方

職場の責任者と、まだ説明を受けていない人を確かめます。勤務時間に合わせて別に説明し、質問への回答も同じ案内へ反映すると、伝える内容をそろえられます。

異動者への説明

異動してきた人にも、全部説明し直す?

倉庫業/28人

イソログ相談例

状況

別の拠点から来た人が、案内の置き場所は前の職場と同じだと思っていました。

進め方

すでに知っていることを聞き、新しい職場で異なる場所や質問先を中心に案内します。実際の置き場所を一緒に見ると、前の拠点との違いが伝わります。

説明後の質問

「資料と掲示の内容が違う」と質問された

製造業/19人

イソログ相談例

状況

説明が終わった後、配った資料と職場の掲示に食い違いがあると分かりました。

進め方

責任者に正しい内容を確かめ、案内をそろえます。質問と回答、知らせた人、まだ伝えていない人を記録すれば、次の説明にも反映でき、連絡漏れを防げます。

相手の仕事に合わせて、教える内容を選ぶ

新入社員には会社の活動と職場の基本を、異動者には前の職場との違いを伝えます。案内が変わった場合は、その案内を使う人へ変更点を説明します。誰にでも同じ資料を最初から読むより、必要な内容が伝わります。

説明に入れるのは、活動の目的、その人が行うこと、参照する案内、分からないときの質問先です。次は準備するときの例です。

仕事に合わせた説明の例
相手・場面伝える内容見せるもの・確かめること
新しく入る人会社の環境活動と職場の基本社内の案内や掲示を見せ、質問先を紹介する
印刷する人紙を使うときの決まり提出方法と必要な部数を、今の案内で確かめる
職場が変わる人新しい職場の表示や置き場所ごみ分別の案内がある場所を一緒に見る
案内を変更した職場の人変更した内容と、今使う資料新しい案内を示し、古いものとの違いを伝える

題材は、自社で実際に取り組んでいる活動から選びます。ISO14001の業種別の取組事例は、仕事に合う説明を考える参考になります。

印刷を題材にする場合は、ISO14001のコピー用紙削減で、ページや部数、配り方の具体例を紹介しています。社員が普段使う資料を例にすると、日々の作業を思い浮かべてもらえます。

過去の資料は、今の職場に合わせて更新する

以前の説明資料は、そのまま使える部分もあります。会社の方針や現在の活動、職場の掲示と見比べ、変わった箇所を更新すれば、最初からすべて作り直す必要はありません。案内の場所や連絡先も、今使えるものかを確かめます。

資料と掲示が食い違う場合は、活動の担当者や職場の責任者に正しい内容を確かめます。説明の順番は、取り組む理由、職場で行うこと、案内と質問先とすると、行動の意味も伝えられます。

レンゴーの環境教育の公表情報では、新入社員向けの教育や、役割に応じた教育を紹介しています。自社でも、初めて働く人と担当が変わる人に必要な内容を分けて考える参考になります。

準備した資料は、職場の責任者にも読んでもらいます。社員から出そうな質問と、回答を頼める人も分かっていると、当日の説明が進めやすくなります。

ごみ分別を教える場合は、ISO14001のごみ分別ルールと表示の工夫で、案内の内容を確かめる方法と、使う場所で見せる例を紹介しています。

実物を見せ、本人にも案内を探してもらう

説明は、朝の集まり、少人数での案内、オンラインなど、社員が参加できる方法で行います。最初に話す内容を伝え、実際の掲示や資料を見せると、仕事で使うものと結び付きます。参加できない人には、別の時間や動画などで伝える予定を用意します。

説明後は、「案内はどこで見られますか」「迷ったら誰に聞きますか」と尋ねます。「分かりました」という返事に加えて、本人が資料を開いたり、掲示を見つけたりできると、次に使えるかを確かめられます。場所が分かりにくければ、一緒に歩いて案内します。

会議室の使い終わりを教えるなら、部屋の案内を見せ、本人が操作する機器と、担当者へ聞く必要があるものを区別して伝えます。照明や機器の扱いは、ISO14001のオフィス節電で説明しています。

給湯室なら、水を使わない間は流水を止めることや、水漏れを見つけたときの連絡先が身近な題材です。具体例は、ISO14001のオフィス節水も参考になります。

その場で答えが分からない質問は、内容を控えて担当者に確かめます。質問した人へ「誰に確認し、いつ返事をするか」を伝えると、回答待ちのままになりにくくなります。

教育記録には、内容・確認結果・残った質問を書く

教育の記録には、実施日、説明した人と受けた人、使った資料、伝わったかを確かめた結果を残します。欠席者や未回答の質問があれば、次の担当者と予定も書きます。今ある教育記録の欄を使えば、後から探しやすくなります。

次は、新しく事務所へ入った人に説明した架空の記入例です。人名・日付・職場の決まりは説明用で、実際の支援事例ではありません。

社員教育の記録例
残すこと記入例
実施日と対象者6月10日、総務の佐藤が、新しく入った田中へ説明した
資料と説明内容現在の環境活動の案内を使用。紙の使用、職場の掲示、質問先を紹介
伝わったかの確認田中が社内の案内を開き、掲示の場所と質問先を示せた
残った質問別の階でも同じ案内を使うか、質問があった
次の対応と予定佐藤が別の階の責任者に確認し、6月11日までに田中へ返事をする
対応した結果6月11日、別の階の案内の場所を田中へ伝え、一緒に確認した

保存先も次の担当者へ伝えておくと、過去の説明や未対応の質問を引き継げます。資料の整理は、ISO14001の文書・記録と既存資料の整え方で紹介しています。

同じ質問が続いたら、資料や説明を見直す

同じ質問が何度も出る場合は、社員がどこで迷ったかを聞くと、直す箇所が見つかります。案内の場所が分からないなら、資料に場所や開き方を加える。表示と説明が違うなら、内容をそろえる。実際の困りごとに合わせて変えられます。

新しい人が入ったとき、異動や案内の変更があったときも、説明が必要になる機会です。欠席者への説明や質問への回答が済んだかを記録で確かめ、未対応のものは次の担当者へ引き継ぎます。

ポイント

資料を渡した後に、本人が案内を見つけられるか、質問先が分かるかを確かめると、説明を補う場所が分かります。その結果を次の資料や伝え方へ反映できます。

ISO14001の社員教育のよくある質問

社員教育は、毎年同じ日に行う?

同じ日だけに限らず、入社・異動・案内の変更に合わせた説明も予定します。毎年の教育日がある会社でも、新しく仕事を始める人には、その仕事で必要な内容を先に伝えます。

動画やオンラインでも教育できる?

はい。動画やオンラインも使えます。見た後に質問できる相手を伝え、本人が職場の案内を見つけられるかを確かめます。実際の場所が分かりにくい内容は、現地での説明を補います。

パートの人や当日の欠席者には、どう伝える?

勤務時間に合わせて別に説明するなど、その仕事で必要な内容を受けられる機会を用意します。誰がまだ説明を受けていないかを記録し、資料の場所や質問先まで伝わったかを確かめます。

説明担当者が、一人ですべての資料を作る必要はある?

いいえ。環境活動や職場の決まりを知る人と一緒に準備できます。今ある案内を使い、変更点や分かりにくい部分を直す方法でも進められます。質問の回答を頼める人も、準備の段階で決めておきます。

まとめ:職場で使える説明と記録にする

ISO14001の社員教育では、活動の目的と、その人が仕事で行うことを伝えます。今の職場に合う案内を見せ、本人にも探してもらうと、説明が伝わったかを確かめられます。質問や欠席者への対応まで記録すれば、次の教育にも生かせます。

教育の準備や社内の分担、既存資料の使い方で迷う場合は、ISOトラストのISO14001取得・運用支援に相談できます。現在の活動や勤務時間、説明で困っていることを伝え、職場で続けられる方法を考えられます。

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