ISO14001のオフィス節電|初めての担当者向けに確認と進め方を紹介
会議室に誰もいないのに照明がついている。退勤時にどの機器を終了すればよいか分からない。オフィスの節電は、こうした場面を見直すところから始められます。 必要な明るさや室温を保ちながら、使っていない時間の無駄を減らすことが基本です。 この記事では、ISO14001の担当者向けに、電気の明細の見方、会議後や退勤時の行動、社員への案内、取組を振り返る記録例を紹介します。
この記事でわかること
- 社内ルールと電気の明細・相談先を確認する
- 照明や機器の使い終わりに行うことを決める
- 社員へ操作する場所と確認する場面を伝える
- 使用量と職場の状況を見て、次の対応を残す
オフィスでできる節電とは
オフィスの節電は、使っていない部屋の照明を消す、退勤時に不要な機器を決められた方法で終了するなど、日々の行動から取り組めます。「誰が、いつ、どこを確認するか」を決めると、呼びかけだけで終わりにくくなります。
照明や空調は、仕事に必要な明るさや室温、換気を保ちながら使います。設備を止めること自体を目標にせず、使っていない時間や場所の無駄を減らす考え方です。
ISO14001は、会社が環境への負担を減らす取組を進め、改善していくための国際規格です。節電を自社の活動に取り入れる場合も、今の使い方を調べ、行動を決め、実施した結果を振り返る流れで進めます。
イソログに寄せられたリアルな声
以下は編集部が作成した相談例です。
VOICES
イソログに寄せられたリアルな声
ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。
節電を任されたけれど、電気をどれだけ使っているか分からない
卸売業/24人
イソログ相談例
昨年の呼びかけは残っていますが、使用量を把握できていません。
総務や経理から電気の明細と今の案内を受け取り、使用量と取組を確かめます。会議室や退勤時の様子も見ると、消し忘れなど、すぐに直せる場面を探せます。
会議室の照明と空調は、誰が消す?
設計事務所/13人
イソログ相談例
次の利用者がいると思い、使い終わった後もつけたままにしています。
総務と会議室の利用ルールを確認し、最後に出る人が予約と残っている人を確認する流れを決めます。操作してよい照明と空調を示せば、担当する人が迷いにくくなります。
退勤時は、机の周りの電源を全部切っていい?
事務サービス業/18人
イソログ相談例
節電のため、パソコンなどの電源をまとめて切る案が出ています。
機器の担当者に、終了してよい機器と夜間も動かす機器を確認します。それぞれに合った終了操作を教わり、社員へ同じ手順を案内します。
メールで呼びかけても、同じ場所で消し忘れる
小売業の本部/32人
イソログ相談例
節電のお願いは送っていますが、誰がどのスイッチを見るかまでは伝えていません。
利用者とその場所へ行き、操作するスイッチと確認するタイミングを示します。勤務時間が違う人にも案内が届いているかを確かめ、見落としていた人へ説明します。
消灯を始めたのに、使用量が増えてしまった
人材サービス業/20人
イソログ相談例
会議室の消灯に取り組んでいますが、電気の明細は前月より増えています。
明細の期間、出勤日数、空調の使用時間などの変化を確認します。消灯が続いているかも聞き、使用量の増減と実際にできた行動をそれぞれ記録して、次の見直しに使います。
電気の明細と、今の節電ルールを見る
電気の使用量は、総務や経理が持っている明細で確認できます。「kWh」は使った電力量の単位です。料金と一緒に、どの事務所の、いつからいつまでの使用量かを見ておきます。
本社と倉庫が一つの明細にまとまっている場合、その数字だけでは本社の消灯の効果は分かりません。「本社と倉庫の合計」と対象を残し、自社で分かる範囲を総務と確認します。
環境活動の担当者には、現在の計画と社員向けの節電案内を見せてもらいます。会議室の利用案内や退勤時の確認表があれば、すでに決まっている担当者や操作も分かります。
建物側で管理する空調や照明は、社員が操作できる範囲を管理者に確認します。自席のパソコンや共用機器は社内の機器担当者へ、使用時間や部屋の使い方は職場の責任者へ相談します。
会議後・退勤時に確認すること
消し忘れを減らすには、「使い終わったとき」「最後に出るとき」など、仕事の区切りに確認を組み込む方法があります。総務や機器担当者と、操作してよい設備と終了方法をそろえます。
| 場所・機器 | 行動の例 | 事前に確認すること |
|---|---|---|
| 会議室の照明 | 最後に出る人が、残っている人がいないかを見て消灯する | 消してよい照明と、それに対応するスイッチ |
| 会議室の空調 | 利用後は、建物や会社の案内に沿って運転を終了する | 次の予約と、その設備の運転ルール |
| 自席のパソコン | 退勤前に、会社指定の操作で終了する | 夜間も動かす必要がある機器かどうか |
| 共用の複合機など | 使い終わりの状態を、担当者の案内に沿って確認する | 社員が操作してよい範囲と、手順の置き場所 |
会議室にスイッチが複数あるなら、どの照明に対応するかを総務と確かめ、利用案内に示します。初めて使う人も消す場所を見つけやすくなります。
空調が効きにくい、座席によって暑さや寒さが違う場合は、その状況を担当者へ伝えます。日差しに合わせたブラインドの使い方など、職場でできる工夫を相談し、必要な室温と換気を保ちます。
社員に伝わる節電の案内
「節電にご協力ください」だけでは、何をすればよいか伝わりません。「会議を終えて最後に出る人が、この照明を消します」と、実際のスイッチを示して説明すると行動につながります。
表示を付ける場合は、管理担当者に内容を確認してもらい、操作する場所で見られるようにします。説明後に利用者にも操作箇所を示してもらうと、伝わったかを確かめられます。
勤務時間が違う人、新入社員、別の部署から来た人にも案内が届くよう、職場の責任者と説明の機会を設けます。説明の準備や記録の残し方は、ISO14001の社員教育で紹介しています。
公表例として、電巧社の環境ISOの取組では、使っていない照明を消す活動や、方針を伝えるカード、目に入る場所への掲示が紹介されています。日々の仕事の中で思い出せるようにする工夫は、自社の案内を考える際にも参考になります。
使用量と取組の記録例
節電の振り返りでは、電気の使用量と、決めた行動が続いたかを両方見ます。明細の対象や期間をそろえ、出勤日数、人数、空調の使用時間などが変わった場合は、その事情も記録します。
次は、会議室の消灯を始めた事務所の架空例です。人名・日付・使用量・状況は説明用の仮設定で、実際の活動や削減実績ではありません。既存の活動記録や会議メモへ残すことを想定しています。
| 残すこと | 記入例 |
|---|---|
| 実施したこと | 6月3日から、会議を終えて最後に出る人が照明を確認する案内を開始 |
| 使用量と対象 | 本社事務所の電気使用量は5月1,200kWh、6月1,260kWh。明細の対象期間も確認 |
| 職場で分かったこと | 会議室の消灯は続いていた。6月は出勤日数と空調を使う時間が増えていた |
| 次の対応と結果 | 総務の佐藤が7月5日に機器担当者へ退勤時の案内を確認し、7月8日に社員へ説明 |
この例では、使用量は増えましたが、消灯の取組は続いていました。数字だけで「活動ができなかった」とせず、職場で何が変わったかを一緒に見ると、次に見直す内容を考えやすくなります。
まだ実施していない対応は予定として残し、行った後に結果を追記します。金額は料金単価などでも変わるため、使った電力量とは分けて記録します。
電気の明細をほかの環境活動の資料と一緒にまとめる方法は、環境活動の記録を月ごとにまとめる方法と記入例で紹介しています。請求月と使用期間を区別し、元資料の数字と照らして記録する流れが分かります。
消し忘れが続くときの見直し方
同じ場所で消し忘れが続く場合は、利用者に理由を聞くと改善点が見つかります。「スイッチが分からない」「次の人が使うと思った」「案内を見ていない」では、それぞれ直すところが違います。
スイッチが分からなければ表示を、利用後の判断に迷うなら会議室の案内を見直します。職場の人数や勤務時間、部屋の用途が変わったときも、以前のルールが今の仕事に合うかを確認します。
「もっと節電を」と繰り返すより、消し忘れが起きる場面を一つ見てみる方が、具体的な対応につながります。案内を直した後は、利用者が迷わず操作できるかを確かめます。
節電以外の活動も考える場合は、ISO14001の業種別の取組事例が参考になります。自社の環境活動の計画に沿って、今回の節電で分かったことを担当者へ共有します。
オフィス節電のよくある質問
ISO14001では、電気を何%減らすと決まっている?
すべての会社に共通する削減率は決まっていません。自社の使用量、設備、仕事の状況をもとに目標を決めます。前年の数字をそのまま引き継ぐ前に、人数や使用場所、すでに行っている取組の変化を確認します。
テナントで電気の使用量が分からないときは?
総務を通じて、管理会社へ自社分の使用量が分かる資料を問い合わせます。確認できない間も、消灯などの行動と実施結果は記録できます。分かる範囲を明記し、使用量を確認する方法も相談します。
パソコンや複合機は、毎日すべて電源を切る?
すべて一律に切るわけではありません。夜間も動かす必要がある機器や、決まった終了操作が必要な機器があります。社内の機器担当者が案内する方法に従い、退勤時に何をどう操作するかを確かめます。
電気代が下がれば、節電できたと言える?
料金が下がっただけでは判断できません。料金単価などでも金額は変わるため、明細の使用量を見ます。対象期間、出勤日数、空調の使用時間なども併せて確認すると、増減の理由を考えやすくなります。
まとめ:使い終わりの確認を習慣にする
オフィスの節電は、会議の終わりや退勤時に行うことを、場所と担当者を決めて伝えるところから進められます。必要な明るさや室温を保ち、使用量と職場の様子を見ながら続けやすい方法へ直していきます。
社員への説明や役割分担を担当者だけで抱えている、今の活動と記録をどう生かすか迷う場合は、ISOトラストのISO14001取得・運用支援に相談できます。現在の案内や活動メモをもとに、職場に合った進め方を考えられます。
ISOコンサル会社選びで迷ったら、まずは比較してみましょう。
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