ISO9001の受入検査|初めての担当者向けに確認項目と進め方を紹介

ISO9001の受入検査|初めての担当者向けに確認項目と進め方を紹介

受入検査は、届いた材料や部品が注文どおりで、必要な品質を満たしているかを使う前に調べる仕事です。荷物を受け取るだけでなく、結果を記録し、問題があれば使用を待って担当者へ伝えます。 初めて担当するときは、注文書と検査手順書を用意し、何をどこまで確認するかを教わるところから始めると分かりやすくなります。 この記事では、基本の確認項目、数量不足や傷があったときの対応、記録例を紹介します。

この記事でわかること

  • 注文内容と今の手順、結果を残す用紙をそろえる
  • 品物ごとに決めた確認を、普段の担当者に教わる
  • 違いがあれば、使用前に責任者や購買担当へ相談する
  • 確認結果と対応を記録し、品物の状態を次の人へ伝える

受入検査は、届いた品物を使う前の確認

受入検査とは、仕入先から届いた品物が注文どおりか、必要な品質を満たしているかを、使う前に確認することです。違う部品や傷のある材料をそのまま使うと、後の作業でやり直しが発生したり、製品の不良につながったりします。

たとえば部品なら、注文した型番と合っているか、数は足りているか、傷はないかを調べます。寸法などの検査が必要な品物では、決められた手順に沿ってその確認も行います。

荷物を受け取って受領印を押すことと、検査を終えることは別の場合があります。ISO9001の運用では、必要な確認を済ませ、使ってよいと判断できた品物を次の工程へ渡す流れを整えます。

イソログに寄せられたリアルな声

以下は編集部が作成した相談例です。

イソログに寄せられたリアルな声

ISO取得を検討する担当者の悩みや気づきを、横にスライドして確認できます。

5件
比較する資料

届いた品物は、何と比べればいい?

機械組立業/23人

イソログ相談例

状況

受入検査を任されましたが、手元にあるのは納品書だけです。ほかに何を見ればよいか迷っています。

進め方

購買担当者から注文書を、検査の責任者から現在の手順書や見本を受け取ります。実物を見ながら確認箇所を教わり、結果の記録先と、違いがあったときの連絡先も確かめておくと安心です。

数量の数え方

注文は20個、納品書は2箱。数は合っている?

部品卸売業/17人

イソログ相談例

状況

注文書と納品書で単位が違い、数量が合っているか分かりません。

進め方

1箱に何個入っているかを確かめ、同じ単位にそろえて数を比べます。箱を開けて確認する必要がある場合は、開封してよい包装かどうかも担当者に聞いてから作業します。

傷の判断

小さな傷があるけれど、使ってもいい?

金属加工業/28人

イソログ相談例

状況

部品に傷を見つけました。いつも判断している担当者は不在で、使用できるか決められません。

進め方

品物を確認待ちとして分けて置き、代わりの相談先や上司へ連絡します。実物、注文内容、傷の場所を見てもらい、判断が出るまではほかの品物と混ざらないようにします。

受領印

受領印があるなら、もう使っていい?

包装資材卸売業/14人

イソログ相談例

状況

納品書には受領印がありますが、社内の検査が終わったかは分かりません。

進め方

受領印は荷物を受け取った記録で、検査の完了とは別の場合があります。検査記録を確かめ、まだ終わっていなければ確認待ちであることを次の担当者へ伝えます。必要な確認が済んでから使用へ回します。

急ぎの依頼

「すぐ使いたい」と言われても、検査が終わらない

樹脂製品製造業/32人

イソログ相談例

状況

受入検査の途中で、製造担当者から材料を急いで渡してほしいと頼まれました。

進め方

何が未確認で、あとどれくらいかかるかを責任者へ伝えます。担当者だけで使用可とせず、必要な判断を受け、その結果を製造担当者にも知らせます。

検査前に用意する注文書と手順書

検査で使うのは、注文内容が分かる書類と、確認方法を決めた手順書です。注文書では品名・型番・数量・納期などを、手順書では検査する箇所や合否の基準を確認できます。

注文内容が手元にないときは、購買担当者から受け取ります。発注までの流れは、ISO9001の購買・発注管理で紹介しています。納品書だけでなく注文書とも比べることで、届いた品物と依頼した内容の違いに気付けます。

初めて担当する場合は、責任者に実物や見本を見せてもらいながら、検査方法と結果の残し方を教わると分かりやすくなります。使ってよいと判断する人、確認待ちの品物を置く場所、担当者が不在のときの連絡先も、このときに確かめておきます。

J-Net21の食品づくりにおける購買管理の解説でも、納入品が注文内容と必要な品質を満たすかを、受入時に基準に沿って判断する流れを紹介しています。実際の検査項目は、自社で扱う品物に合わせて決めます。

品名・数量・外観などの基本チェック

基本の確認項目は、品名・型番、数量、外観、添付書類です。実物の表示と注文書を照らし合わせ、必要な項目を順に確認します。次の表は一例で、品物ごとに決められた検査があれば、そちらも実施します。

受入検査で確認する基本項目
項目確認する内容見落としやすいこと
品名・型番注文書と品物の表示が一致しているか見た目が似ていても、型番が違うことがある
数量・単位注文した数と届いた数が合っているか箱数と個数など、違う単位のまま比べてしまう
外観・包装指定された箇所に傷、汚れ、破れなどがないか気になる傷を、そのまま使用へ回してしまう
添付書類注文で求めた書類がそろい、品物と合っているか書類が付いていても、別の品物のものかもしれない

「20個注文して2箱届いた」という場合は、1箱の入り数を確かめてから数量を比べます。開封によって品質に影響する物もあるため、どこまで包装を開けるかは検査手順に従います。

傷があっても使えるか、数が少なくても受け入れてよいか迷うときは、決められた責任者へ確認します。検査担当者が判断できる範囲も、あらかじめ分かっていると作業を進めやすくなります。

不足や傷があったら、使用を待って相談する

注文との違いや気になる傷があった品物は、使用できる品物と分け、確認待ちだと分かる表示を付けます。そのうえで、購買担当者や検査の責任者へ、何が注文と違うのかを伝えます。

たとえば保護カバーを20個注文し、18個しか届かなかった場合なら、「品名は合っていますが、2個不足しています。品物は確認待ちの場所に置いています」と伝えられます。これは説明用の例です。品名・数量・置き場所が分かれば、担当者が仕入先への確認を進めやすくなります。

不足分の納入、交換、返品などの対応は、担当者が仕入先と調整します。届いた分を使えるかどうかも責任者の判断を受け、回答と品物の状態を記録します。

製造現場から急いで使いたいと頼まれたときは、未確認の項目と検査に必要な時間を責任者へ伝えます。判断が出るまでは、確認待ちの品物だと分かる状態を保ちます。

数量不足があったときの記録例

検査記録には、いつ、何を、誰が確認し、結果がどうだったかを残します。問題があった場合は、連絡した相手と対応の結果も書いておくと、次の担当者が状況を追いやすくなります。

次は、保護カバーの不足分を後日受け取る架空例です。人名・日付・数量は説明用の仮設定で、実際の検査記録ではありません。

数量不足の確認と対応の記入例
残すこと記入例
検査日・品物・担当者11月10日、保護カバーを田中が確認
確認結果注文20個に対して18個届いた。品名は注文と一致
連絡と保管購買担当の佐藤へ2個の不足を連絡。品物は確認待ちの場所で保管し、不足分の納入日を確認中
その後の対応11月11日に不足分の2個が届き、田中が合計20個になったことを確認。佐藤へ報告

この例は、数量不足への対応を示したものです。数量以外の必要な検査も終え、責任者が使用可と判断したことまで記録してから、次の工程へ渡します。未確認の項目がある場合は、その内容も残します。

ポイント

「確認中」だけでは、後から読む人が状況をつかめません。「何が違ったか」「誰に連絡したか」「今は何を待っているか」を短く書くと、引継ぎにも役立ちます。

検査後の引継ぎと、同じトラブルの防ぎ方

検査が終わった品物を渡すときは、結果と保管場所を次の担当者へ知らせます。確認待ちの物が残っていれば、どの品物が使えず、誰が対応しているかも伝えます。表示と記録の両方で分かるようにしておくと、取り違えを防げます。

検査後から次の工程へ渡すまでの置き場所や、確認待ちの表示を整える方法は、ISO9001の製品保管で紹介しています。移動した後も品物と状態が分かるようにし、残る対応を次の担当者へ伝えます。

同じ仕入先で不足や傷が続く場合は、発生した日と内容をまとめて購買担当者へ共有します。仕入先と改善を相談したり、取引を見直したりする際の材料になります。詳しくは、仕入先評価の進め方を参照してください。

担当者によって検査方法が違う場合は、責任者と現在の手順書を見直します。新しく担当する人には、書類だけを渡すより、実物を一緒に見ながら説明する方が伝わりやすくなります。説明のそろえ方は、ISO9001の作業手順書でも紹介しています。

お客様から預かる材料や部品では、受入時の確認に加え、所有者が分かる表示、保管、異常時の報告や返却も必要になります。この場合の基本は、ISO9001の顧客支給品管理にまとめています。

受入検査のよくある質問

納品書に受領印があれば、検査は終わっている?

受領印だけでは、検査完了とは限りません。荷物を受け取った記録と、検査結果を分けている会社もあります。使用前に検査記録を見て、必要な確認と使用の判断が済んでいるか確かめます。

どの品物も、同じ項目を検査すればいい?

同じではありません。品物の種類や注文条件によって、必要な検査は変わります。品名・数量・外観などの基本項目に加え、寸法や添付書類など、自社の手順書で指定された内容を確認します。

判断してくれる担当者が不在のときは、どうする?

代わりの相談先や上司へ連絡し、判断を受けるまで品物を確認待ちとして保管します。注文との違い、未確認の項目、急ぎで使いたい事情があれば一緒に伝えます。普段から不在時の連絡先を決めておくと安心です。

受入検査の記録は、Excelや紙でもいい?

はい。Excelや紙でも記録できます。検査日、品物、確認結果、担当者が分かり、必要なときに取り出せることが大切です。社内で使っている様式があればそれを使い、問題があった場合の対応も残します。

まとめ:確認を終えてから次の工程へ

受入検査は、届いた品物を注文書と検査手順に沿って確認し、使ってよいか判断するための仕事です。違いがあれば品物を分けて相談し、対応が終わるまで記録に残します。

検査方法が人によって違う、確認待ちの品物をうまく管理できないといった悩みがある場合は、ISOトラストのISO9001取得・運用支援に相談できます。今の手順書や記録をもとに、現場で続けやすい運用を考えられます。

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